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有芽胞嫌氣性菌の腐敗菌に対すろ 抗菌性に就て(第2報)

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(1)

有芽胞嫌氣性菌の腐敗菌に対すろ 抗菌性に就て(第2報)

金沢医科大学細菌学教室(主径 谷教授)

塩  見  釜  朗

  Afas iro Sliivfjfi   (昭和24年4月18日受附)

第1章緒

 夏期高温多野な氣候を有する本邦に干ては食 品特に動物性蛋白の腐敗防止は重要な問題であ るが,大量処理部門に於てすら食品防腐設備は 不充分であり,一般家庭に於ける冷藏装置も同 様で之が急速な補充も不可能な現況である.近 年「ペニシリン」,「ストレプトマイシン」等を 先駆とする抗菌性物質の主要研究は病原菌を目 標として研究されてるるが,若しこの理論を腐 敗菌の発育阻止に学術することが出門るならば 食晶貯藏にも新方面を開拓することになる訳で

ある。

 著者1}は比較的実験例の少なV・有芽胞肝管性 菌の拮抗性に就て実験中,腐敗菌に対し拮抗性

を有する15株の嫌氣性菌を分離しその形態学的 生物学的性状から之等の菌株を佐々木菌2)及そ の類似菌に属する菌株であると決定した。この

菌株は相磯3)及その共同研究者4)5)fi) 7)が食品

防腐に憲暫した菌株と類似すると想豫されるの で,著者もとの菌株を用ひて抗菌作用を明かに するために本菌株の高度の抗菌価を示す謄写を 探求し更にその有効物質の抽出に成功した.こ の抽出物質は特に腐敗菌発育阻止に有効で,人 間に対しても無毒であるため食品腐敗防止に利 用され得る可能性があb,著者の之に関する基 礎実験に於ても有望な結論に到達した.舷に報 告して諸賢の御批判を講ふ次第である.

第2章高度の抗菌債を得る培養條件の探求     第1節種々の培地に於ける

       抗菌価の状況  1.実験方法

 JarrOzi肝臓ブイaン」8)2%葡萄糖肝織ブイヨン」,

相磯攣法培地1),2%葡萄糖ブイヨン」の4種培地を

作り,No.35株の肝魔ブイヨン」24時間培養液ユ滴

宛を接種し37。C 24時間培養した.この際葡萄糖ブイ

ヨン」のみは飯森式嫌氣性培養10>(内山5mmHg)を

行った,この培養液の遠心上溝を探り別に用意した

pH 5・0の普通ブイヨン」で3cc系統の倍々稀羅列を 作り,之に緑膿菌及び普通大腸菌の「ブイヨン培養疲

1白金耳宛を加え24時間培養後更にその1白金耳を寒

天廠に塗抹接mi,37・C48時間好氣的培養により

護生した集落激から培養液の腐敗菌に封ずる拮抗力の

強さを判定した.

 2.実験成績

線膿菌に対する培養液の殺菌はJaroizi肝臓 ブイヨン」培養液では16倍稀釈まで,相磯変法 培地,葡萄糖ブイヨン」,2%葡萄糖肝臓ブイヨ ン」では32倍稀釈まで.叉大腸菌に対する殺菌 は肝臓ブイヨン」では8倍稀釈まで,他の3培 地では6倍稀釈までfあった。(第1表参照)

[ 9 ]

(2)

10

第1表:4種類培地に於ける抗菌甲

乙    菌 緑 膿 菌 i 曹 通大 腸 菌

  r 一

H   羅 …}一一 

P

2   4   8  16  32  64  128 2  4  8  16  32  64 128

培  地  \

肝ブイヨン 一 一 一 一 i斗 畳什 ・冊

一 一 一 十 辮 柵 柵 2%葡萄糖肝ブイヨン」

一 一 一 一 一 十十 柵

一 一 占 一 十 柵 冊

2%葡萄糖「ブイヨン」 一 一 一 一 一 十十 冊 一 一 ・一 一 {斗 柵 柵

相 磯憂 法 一 一 一 一 一 十十 柵

一 一 一 一 十 柵 冊

註 帯 集落面積が魚倉の施以上     集落面磧が塞天の%〜殆

  十 集落面積が寒天の1/3以下

    集落叢生なし

  第2節 肝臓ブイヨン」に於ける葡萄      糖:量の抗菌価に及ぼす影響  1.実験方法

 含有葡萄糖量が0,⑪・5,1・⑪,2・0,5・0%なる5種 のpH 7・2肝臓ブイヨン」を作りNo・35株の培養

液1滴宛を加へ,その37。C 24時聞培養液に就て前述 の方法を用ひて抗菌贋を測定した.

 2.実験成績

 緑膿菌に対しても大腸菌に対しても葡萄糖を カ1へざるものが最も抗菌価低く,α5%葡萄糖加 ブイヨン」が之に次ぎ,1.0%〜5.⑪%葡萄糖ブ イヨン」までは最良でその間に差はなかった.

(第2表参照)

第2表:肝ブイヨン」に於ける葡萄糖:量の影響

;・i・:lri

  5.Oe/e

2 4 8 16 32

一 一 一 一 H 一 一 一 一一 十

菌   1     …

64 128 [

柵柵1

珊 冊

粁 ・冊

暑 柵

十十 柵

大   腸   菌

2  4  8  16  32  64 128

一 一 一 十 柵 柑 柵

?一 一一 十 十十 十甘 柑

?一 一 一 十 柵 ・二

?一 一一 一 十 紐 搬

?一 一 一 十 柵 ・}什

    第3節相磯変法培地に於ける      糖類の抗菌価に及ぼす影響  1.実験方法

 糖類としては Glucocep Saccharose e Malt⑪se,

Lactose一及びAmylumの5種類を用ひ,この際併用

の「ペプトン」は照内ペプトン」を使用した。此等を 用ひて書方の如くpH:7・2相磯鍵法培地を作り,之に

No.35の肝臓ブイヨン」24時間培養液1滴を加へ,

その37。C 24時聞培養液に就て緑膿菌及難菌に封ずる

抗菌便を測定した.

 2.実験成績

 G】ucose, Maltose, Lactose, Saccharoseを用

ひた培地では抗菌価に差を認めす,Amylumの 場合のみ僅かに低かった.(第3表参照)

  第4節相磯変法培地に於ける「ペプ    トン」種類の抗菌価に及ぼす影響  1.実験方法

 「カルノ」,「ポリ」,照内,極東,大島の5種類の「ペ プトン」を用ひ下方の如く相磯麺法培地を作りNo・ 3,5

株を接奪して37ごC24時間培養した・この培養液の遠

心上清に就て緑膿菌及難菌に射する抗菌債を測定する

と第3表の成績となった。部ち「カルノペプトソ」は

最も優秀で他の4種は同様な威績であったが著明な差

は認めなかった.(第3表参照)

(3)

第3表:糖及「ペプトン」の種類の抗菌価に及ぼす影響

   敗  菌

∵諮]・

4 8 16 32 64 128

Glucose Maltose

Zactose

Saccharose

Amglum  b

i 一  一    一 一一.

一 一 一 一一一 一 一

一 一 一 一 一 ff

 一 一 一 一 什    一 一 一 軒

帯 柵 柑

2 4 8 16 32 64 128

一 一     十 柵 四 一   一 一 十 柵 柵   一   一 十 柵 冊   一 一 一 十 柵 柵

一   一 一 十÷ 惜 柵 圏内ペプトン」

「ポリペプトン1

「カルノペプトソi一 一 一 一 一

極東ペプトン     一  一  一一  一一  一

大島ペプトン i一 一 一 一 一

一一一一一 Y柵1一一一一+三日

一一一一一 刑一一一一+柵一

十 柑 柵 柵 冊 構

一 一 一 一 一 回覧一 一 一 一 一 十 柵 一 一 一 一 一 十 柵 柵

   第5節 相磯変法培地に於ける     起始:PH:及培養時聞の抗菌        価に及ぼす影響

 1.実験:方法

 起始PHが6・0,7.0,7.5,8.0,8.5の5種類相

磯攣i法培地(100cc宛分注)を作り之にNo・35株の 肝臓ブイヨン」培養液1cc宛を加へ37。Cで培養し

た.之を培養9,ユ2,15,18,21,24,36,40,60ジ 72時間及5,7,10日に就て「ブイヨン」(ph 5・O)で 稀羅し前述方法で抗菌便を測定した,

 2,実験成績

 線膿菌に対してpH 6.0の場合を除き・9時聞 培養で4倍稀釈,12〜15時聞では5種類共8倍 稀釈まで殺菌作用を認めた.18時間培養では pH 7・0のみが16倍となり,21時間培養で5種 類共16倍,24時聞培養で全部32倍,48時間培養 で全部64倍,60時間乃至5日培養で全部32倍と なった。i衆で7日加養ではpH 7.0のみ32倍で 他は16倍となり次第に低下した.即ちpH 7・0 培地が比較的早期から逞くまで高V・抗菌価を示 したが,起始pHにより特に高い抗菌価は得ら れなかった.(第4表参照)

  第6節 葡萄糖ブイヨン」に於ける増     養内圧の抗菌価に及ぼす影響  1,実験方法

 pHア・2葡萄糖ブイヨンllにNo・35株を援種し飯

第4表:起始PH.及培養時聞   の抗菌価に及ぼす影響

幽㌻・レ・

9  時 12 t1 15  e 18 ti

2工  〃

24  

36 t1 40 x1 48 t/

6e ls 72 it

5  日 7  日

1⑪  日

  1 7・司8・⑪   1

8, 5

o倍 8 8

8

16

32 32

32

64 32 32 32

ユ6

8

14倍海倍

 8188i8

16!8

    lll麗  32132  32i32 64i64

32 32 32

, 32

16

32 32 32

ユ6

8

4倍恒倍

sls

8

8 16

32

32

8 8 16 32

32 1 32

32

64

32

32

32 16 8

64 32 32 32 16 8

(註 表申激字は縁膿菌に封ずる抗菌債)

森式嫌氣性培養法に依む培養内塵を2,30,ユ00,300

mmH9として24,48,72時間培養した,この培養液

に就て二二二二大腸菌に封ずる抗菌債を測定した.

 2.実験成績

 2mm及30mm内圧培i養では24時間培養が最 高で32倍稀釈まで殺菌し,48時間培養以後は16 倍と低下した.叉1⑪Omm内圧では24時間培養 で32倍,以後は8倍と低下した.300mm内圧

[ 11 ]

(4)

12

培養は明かに不良で24時闇培養で16倍までS あ った.(第5表:i蓼照)

第5表1内圧の抗菌価に及ぼす影響

巨眼培酬終末pH隣菌「大腸菌1

2mmHg

30皿m

24 i 4.6 48 1 4.5

7.F. 1 4.5

24 48 72

32倍[

4.6 4.5

 4.5

1eomm

24 1 4.7

鋤1:1

3eomm 劉1:1

72

「・6

16 16

32倍

16

16 32

16 16

32 8 8

32 16

ユ6

32

8 8

a

16 8 2

16 4 2

  第7節 燐酸塩の抗菌価に及ぼす影響  1.実験方法

 起姶pH 7.2相磯攣法培地及之より燐酸盤を除いた pll 7・2馬鈴薯糖ブイヨン」を摩り之にNo・35株を

接種し37。Cで1,2,3,5日後に就て緑膿菌に劉す る抗菌債を測定した.

 2.実験成績

 燐酸塩加の場合は48時間培養で64倍(最高)と なった,燐酸塩を加へざる培地では24時間培養 で32倍(最高)となり,48時間培養では16倍と低、

下した。各菌液の二二pHは4・5〜4・6で差は 認めなかった.叉NaOH:を以て両者の48時聞 培養液のpHを7.2と再修正し更に24時聞培養 したものはpH 4.6となのeこの線膿菌に対す る抗菌価は8倍と低下した.即ち燐酸塩の抗菌 価に及ぼす影響は軍に燐酸塩の培地pHに対す る綾衝作用の外に何等か別の関係が存在すると 考へられる.(第6表参照)

第6表  燐酸塩の抗菌価に及ぼす影響

藩竺融(+)

24 49

72 5

剛32倍(・・6)

64 (4.5)

32 (4.5)

32 (4.5)

燐酸(一)

32{音 (4・6)

16 (4.5)

16 (4.5)

8 (4.5)

第5章 有効成分抽出法  L培養液の製法 培地はpH 7.2相磯変法

培地を用ひる.分注液:量は50cc宛が良い.

200cc以上の大:量培養では抗菌価が低い.培養 菌株はNo.35としその肝臓ブイヨン」24時聞 培養液1ccを50cc培地に接種する.之を37。C 48時間培養して絡末pH:45〜4.7となりたるも        コ

のを用びその緑膿菌に対する抗菌価を測定す る.この2日欄培養液は氷室に保存すれば抗菌 価は低下しない.線膿菌に対する抗菌価は64倍 以上のものを用ひるべきである.

 2.濃縮 培養液を20⑪0回,30分聞遠心して 沈澱を除き之を60〜70。C,20mmHgで原量の

1/loとなるまで減圧濃縮する.

 3.吸着 3%割に活性炭を加へ2時間振盈 した後,遠心して沈澱を集める.

 4.抽出 沈澱に約5倍量のHCI酸性pH

20の「アルコール」を加へ良く振盤後濾紙を以 て濾過し,更に50。C,2emmHgで↓i o量にな るまで濃縮する.この濃縮液に5倍量り「アセ

トン」を加へると沈澱を生する.之を氷室に1 夜保存して沈澱させ上暦の「アセトン」を除き

「アルコール」に再溶輻して乾燥すれば次白色粉

末を得る.

第4章 抽出物質の性欺  1.形態 友白色無晶形粉末.無臭で吸滋性

が彊い.

 2.耐熱性 100倍稀釈の水溶液(pH 5.0)と して之を10⑪。C3時間水浴中に加熱したもの,

(5)

及120。C 1時間Aut⑪klav中で加熱したものを pH 5.0普通ブイヨン」を以て倍々稀釈し,之 に線膿菌の「ブイヨン」培養1白金耳宛接種し て線膿菌に対する抗菌価の変動を槍査した.そ の成績によれば100。C 3時聞加熱12⑪。C 1時 間加熱共に対照たる非加熱材料に比し抗菌価の 低下を認めなかった.(第Z表参照)

 3.溶解性 水,酒精には容易に溶解するが rエーテル」,「アセトン」には難溶性である.

 4.化学的性質 分解点243。C,:N, S, Cl の反慮陽性なる有機化合物である。

 5.毒性 抽出物質の0・05grを05ccの水 に溶解し「マウス」2匹に飲ませたが4H闘観 察申変化を認めなかった.ヌ.1000倍稀釈道中に 2日浸した魚肉約30grを入間に食せしめたが 障害を認めなかった.

 6.稀釈液:pHと抗菌価の関係pH 5・0,6・⑪,

7.0,8.0,9.0の5種「ブ イヨン」を作砂,之に

抽出物質を溶解稀釈しτ線膿菌に対する発育阻 止能力を測定した.37。C 24時間培養後「ブイ

ヨン」潤濁より発育を判定するに,pH 5・0の 場合は320⑪倍まで完全阻止,pH 6.0は32⑪0倍 が多少1函濁,pH 7.⑪以上では800倍で癸育阻止 を示した.即ちpH 5.0の場合が最高価を示し た.(第7表参照)

 プ.保存日数による影響 抽出物質を粉末の まs 37。C 7日保存したもの,及抽出物質をpH 5.0蒸溜水を以て10⑪倍に稀釈したものを37。C 及氷室(4。C)に7日,14日保存したものに就 て,pH 5.0「ブイヨン」稀釈によ夢線膿菌に対 する抗菌価を測定した.その成績によれば粉末 のまs保存したもの及氷室内に水溶液:として7

第7表:抽出物質の性状 (緑膿菌に封ずる抗菌憤)

wa理方法1抗菌便

射農 無  虞  理 6・400倍

西

PH

イ オ ン

100。C 3時間

1200C 1時闇

pH. s.e

1! 6.O

tl 7.0,

11 8.0

.N 9.e

6.400 6.400 6.40e 6.400 3.200

.900

.900

粉末 37。C.7日

溶液 370C. 7日

溶液  370C・ 14日

溶液氷室 7日 溶液氷室 14目

24

7

pll・ 2.O

fl 4.O tt 6.O ff 8.0

pH. 2.O

tf 4.O rg 6.g  8.0

6.400 3.2QO 3.20e 6.40e 3.200 6.400 6.400 6.4eo

.geo

3.200 3.200 3.2ee

.400>

Pt理方法i抗菌償

のL

粉末太陽1時間 粉末紫外線1時間 溶液太陽1時闘 溶液紫外線1時唖

聾 末 溶 液 溶 液

14

7 14

引 目 日

Fe Cn Pp Zn

Hg

:N量

Al

イオソ イオソ イオン イオン イオン イオン イオン

6.40e 6.400 6.400 6.400 6.400 6.400 6.400

6.4eo 1.6eo 1.600 1.600 1.600 6.400 6.400

7

Fe Cu

PI)

Zn Ilg Ni

Al

イオソ イオソ イオン イオソ イオン イオン イオン

6:器1」

.400>

6.400 6.400

[ 13 ]i

(6)

14

日保存したものは抗菌価の低下を示さなかった が,水溶液として39。C 7日以上保存したもの 及氷室14日保存しだものでは抗菌価の低下を認 めた。(第7表参照>

 8.水素イオン」濃度の影響 抽出物質を蒸 溜水を以て400倍に稀釈し之を塩酸及苛性曹達

を以てpH 2.⑪,4.⑪,6.0,8.Oの4種類に修正

し之を室溜.(10。C)に24時間及7日間放置後pH 5.0「ブイ日ン」を以て稀釈しその線膿菌に対す る抗菌価を測定 した.その成績によれば24時間 放置ではpH 2.0〜6.0の酸性側では抗菌価の低 下は認めなかったが,pH 8.0の場合は著しVb 低下を示した.又7日室温放置の場合はpH

2.O〜6、⑪の酸性側では3200倍となIP l pH8.0で

は400倍以下に低下した.〈第7表参照)

 9.光線による影響 抽出物質の粉末及10⑪ 倍水溶液(pH 5.0)を太陽直射及紫外線により  々1時間照射したものをpH 5.0「ブイヨン」

で稀釈し線膿菌に対する抗菌性を測定した.両 材料に就て太陽,紫外線照射共に対照に比し抗 菌価の低下は認めなかった.(第7表参照)

 10.眞室中に保存の影響 抽出物質の粉末及 10⑪倍水溶液(pH 5.⑪)を飯森式嫌氣性藍内で 殆んど四聖(内圧4〜6mmHg)とし,之を室温

(1⑪。C)に14日間放置した後, pH 5.0ブイヨン」

を以て稀釈して線膿菌に対する抗菌価を測定し た.その成績では粉末に於ても:水溶液中に於て も抗菌価の低下は認めなかつだ。又対照として 室盗(10。C)で室氣中に保存(14日間)した水 溶液では抗菌価は3200倍に低下した.(第7表

参照)

 11.金属イオン」の影響抽出物質の400倍 水溶(pH 5.⑪)液を作b,之を7本の中試験管 va 2cc時分注し夫々に鉄,銅,亜鉛,鉛,水銀,

「=ッケル」,「アルミ=ウム」を約O.5gr加へ 室温(IO。C)に1夜及7日闇放置したこの水 溶液に就て緑膿菌に対する抗菌価を洲下すると 女の成績を得允.即ち:Fe,:Ni, A1イオン」で は7日間放置後も抗菌価は低下しなかったが,

Cu, Pb, Zu, Hgイオン」では1夜放置により 著しい抗菌価の低下を示し,7日放置後では殆 んど溝失した.(第7表参照)

第5章 抽出物質の各種細菌に封ずる畿育阻止能力に就て  1.実験方法

 抽出物質を蒸溜水で稀糧して10倍液を作り,之を

pH 5・O「ブイヨン」1cc入れ試凹凹列で100倍より倍 々稀晒する,之に大腸菌,葡萄賦球菌,販菌,枯草菌,

馬鈴薯菌,緑膿菌,螢光菌,「チブス菌,「パラチブZ A菌,「パラチブス:B菌,「コレラ菌,酵母の「ブイヨ ン」培養,一筆朕徽の葡萄糖ブイヨン」10日培養1白 金耳を夫々に接種し37。Cで24時間培養した,但し筆

第8表1抽出物質の抗菌価

細  菌  名

抗菌便 大腸菌(衛生)

萄   菌 (寺島)

無   菌 (東大)

枯 草 菌 (青木)

馬丁薯菌 (青木)

魚形 菌 (敢室)

緑 膿 菌 (教室)

螢 光 菌 (鞭見)

「チブス菌 (相川)

「パラA菌 (ユ015)

「パラ]B菌 (80⑪6)

1.200倍 51.200

6.400 3.200 6.4CO 3.200 6.40D 6.400  .200  .200  .Ieo

細   菌

抗菌贋

「コレラ菌 (原型)

肺炎双球菌 (1型)

溶連菌(豫研S−8)

酵   母 (酒)

酵    f摯 (イースト)

筆 賦 徹

We】c髄 (三保)

Novyi (ZeisslR)

Put・Verrucos (傳研:)

1{}Fst〔〉ユ}7t呈cus   (北研)

乳酸桿・菌

3.2CO 3.2eo 1.600

.800

.800

.10e>

. 100>

.100>

6.400

.Ieo>

.Ioe>

(7)

状徽は25。Cで7日間培養した.肺炎双球菌,溶血性

蓮鐙朕球菌は血清ブイヨン」を,:又乳酸菌,「ウエル

シー菌,「ノ ピ菌,Bacillus putrificus Verrucosusは

肝臓ブイヨン」を使用して糠増した.この培養による 潤濁,瓦斯護生により抽出物質の細菌一洗阻止能力を

判定した,

 2,実験成績

 腸闇系病原菌に対する抗菌価は低かったが,

葡萄1伏球菌,霊菌,馬鈴薯菌,Bacillus putrificu$

Verrucosusに対しては6400倍迄,枯草菌,変 形菌,螢光菌に対しては3200倍迄発育を阻止し た.(第8表参照)

第6章実際的防腐試験     第1節 加熱魚肉の防腐試験

 1.実験方法

 鯖肉を栂指頭大に切り1⑪0。C 10分間「コッホ釜中で 加熱後,抽出物質の1000倍水溶液(盤酸を以てpH 5.0

とす.無色無臭である)中に2時間浸し滅菌シャーレ」

内に移す.之に大腸菌,漁協,枯草菌,馬鈴薯菌,攣 形菌,緑膿菌,螢光菌の「ブイヨン」培養1白金耳を 魚肉表面に接種し「シャーy」内の乾燥を防ぐため底

部に水を入れた硝子壼内に入れて密閉し25。Cで2週

聞放置した.之を逐日的に取出して一方に魚肉上の憂 化を肉眼的に観察し,:又1,3,5,7,10日放置後に 魚肉の表面から1白金耳宛を寒天李板に塗抹培養し腐

敗菌の消長を槍点した.

 2.実験域績

 鯖肉の腐敗臭及肉眼的変化は2週聞観察中全 く認めなかった.接種菌の浩長に関する培養実 験では放置1日目は全株を良く検出したが3日 放置から次第に減少し,7日放置以後は全株が 殆んど消失した.(第9表参照)

第9表:接種した腐敗菌の消長

菌  種

大腸菌

憲  菌

枯草菌

馬鈴薯菌

攣形菌 緑膿菌 螢光菌

放 置 日 激

1131517ile114

里 宮1 柵 柵

十 十

十F

11 0 11

十 十

4

14

6 0 6 3 0 0 0

o o o o o o

o

o

o

o

o

e

OIO

(註 記號は第1表と同じ)

     第2節、鮮魚の防腐試験  1.実験方法

 新鮮なる三二を頭,鯉,内臓,尾を除いて約100gr 宛に切り,之を抽出物質の1000倍稀繹液に10分,30

分,1時,3時,5時間浸した後滅菌「シヤ・・一レ」に 入れ底部に水を入れた州内に置き25。Cに保存,他方

稀澤液中に投入したままのもの3本と25。9に保存し

て逐日約に臭,肉眼的墜化,寒天培養試瞼より防腐効

果を梅査した.

 2.実験成績

 10分及30分間浸したものは48時間放置で槌了 し悪臭を生じrグラム陰性桿菌を槍出した.1

〜5時間液申に浸したものは4日放置で腐敗臭 を生じ「グラム陰性桿菌を分離した.稀釈液申 に保存したものは2週間に亘り悪臭を生ぜす.

5Fl放置頃から配色し始めたが腐敗現象は認め なかった.叉1例よりは「グラム陽性にして芽 胞,蓮動を認めぎる桿菌を5日放置以後で槍出

した.

     第5節 生肉の防腐試験  1.実験:方法

 市販の牛肉を100gr約の大きさのまま抽出物質の

IOOO倍稀胆液(pH 5・0)中に投じ25。Cで14日闇放 置した.その闇逐目的にその色,臭,形態に就て観察

し牛肉の腐敗朕況を梅査した.

 2.実験成績

 3日放置により肉表面の膨化,5日放置より 肉表面の遜色を認めたが14日間悪臭発生はなか った.rk 7日及14日放置後この肉塊を申黒して 肉の細心部の磯況を検査した所7日放置のもの では購入時と殆んど同様であったが14日放置の ものでは偲色,膨化拉に軽度腐敗臭を認めた.

[ 15 )

(8)

16

     第4節 果物の防腐作用  1.実験方法

 林檎を生のまま,及牛割したものを抽出物質の1⑪0⑪ 倍稀羅液(pH 5・0)中に投じて之を25。Cに放置し逐

日的に林檎の肉眼的攣化を観察した。叉射照として

pH 5・0水道水中に牛割した林檎を入れ同襟に観察し

た.

 2.実験成績

 水道水中に放置した牛割の林檎は24時間:放置 後で水道水澗濁,瓦斯発生を著明に認めたが,

抽出物質の溶液申にて放置したものは5日聞著 変を認めなかった.但し林檎の切断面は焼色に 変じ,叉6日放置後は林檎組織が著しく直れ易

くなった.そのま山容液中に放置した林檎では

9日聞放置後も全く変化を認めなかった.叉実 験前から腐敗し始めてみた林檎は溶液申に入れ 25。Cに放置しても腐敗を阻止しなかった.

     第5節・野茱の防腐作用  1.実験方法

 抽出液の1000倍稀羅液(pH 5・O)及水道水(pH 5.O)

中に白磁を入れ25。Cに放置して逐日的にその肉眼的

攣化を観察した.

 2.実験成績

 水中:放置のものでは24時国後に液の潤濁白茱.

の変化を認めたが抽出物質溶液中放置のもので は3日聞変化を認めす,4日放置以後次第に白 血の変色,変形を示した.

第7章総括鮫に老按

 以上の実験成績を総括拉に考按すれば次の如

くである.

 L抗菌物質産生に適する培養法の探求 先 づ肝臓ブイヨン」,2%葡萄糖加肝臓ブイヨン」,

葡萄糖ブイヨン」及相磯変法培地を用ひたNo.

35株の抗菌価を測定すると,相磯変法培地は比 較的抗菌価高く且材料入手が容易で叉培養方法

も簡箪であった.次で「ペプトン」の種類,糖 の種類1燐酸塩の有無,培養内圧の抗菌物質産 生に及ぼす影響を比較実験すると,糖は1%

の割に加へたものが比較的良好で Glucose,

Maltose,:Lactose, Sttccharoseが優れ,:叉「ペ

プトン」の種類では「カルノペプトン」が多少 優れてみた。又燐酸塩加培地では高い抗菌価を 持続する時闘が長くなり,葡萄糖ブイヨン」培 養では:内圧30mmH:9以下が適当であった.即 ち以上を総合すると相磯変法培地は抗菌調質産 生に比較的適当した培地である.

 2.抽出物質に就て 培養液を濃縮し活性炭 に吸着させ,酒精に溶聞して「アセ1・ン」を加 へると沈澱を生する.之を集めて乾燥すると荻

白色無晶形粉末を得る.この粉末は酸性溶液と して特に腐敗菌に対して強v・抗菌性を示し耐熱

性が彊v・.忍辱性菌の抗菌性に就て佐々木11)は 産生される酸によるとした.相磯12)は酪酸菌の 抗菌性に就てその産生する種々の有機酸の割合

を考慮:し後13)には「アルコール」,「=一テル」,

「アセトン」に溶解し水に難溶性の液体を分離

した.叉Neuberg u Ari賦eill 14)は:Bacillus

butyv丘us:Fitzから抗菌性脂酸を得てCaproic,

Caprylic, Capric酸を証明した.著者の今回抽 出した物質が之等の物質と異なる事は明かであ

り,叉種々の有機酸の特殊な混合と恩考えられ ないが,この本態に就ては不明である.

 3.実際的防腐試験 抽出物質のpH 5.0,

1000倍水溶液に加熱した魚肉を浸し,次で之に 各種の腐敗菌を接種したが,その発育は極めて 不良で次第に浩滅した,叉鮮魚肉を1時間以上 浸し夏期室温に近い25。Cに放置した場合は4

日目に腐敗現象を示した.更に鮮魚肉,牛肉,

果物,野菜を生のまS液中に入れて25。Cで放 置すると鮮魚肉は2週闇に亘り腐敗を認めす/

牛肉は7日放置まで腐敗せす,叉果物,野茱で は3日〜5日間腐敗現象を認めなかった.

 この液は無色無臭で浸した食品の風味を害せ す,叉食用として人休に無害である.即ちこの

(9)

抗菌液を用ひる防腐作用は夏期に於ける生鮮食 晶の簡軍な防腐法として充分慮用する価値のあ

るもの左思はれる

第8章結

 1.佐々木菌及その類似菌株はpH 7.2相磯 変法培地に於ける37。C48時闇培養で高価な抗

菌物質を作る.

 2酒精,「アセトン」を以て培養液から抽出 した友白色粉末はpH 5.0水溶液として腐敗菌 に対する発育阻止能力が彊い.生鮮食品をこの

水溶液中に入れる事によりそれ等の防腐に利用

する:事が出來・る,

 擢筆するに當り御懇篤なる御指導蚊に御校閲を賜は つた恩師谷叡授に裏心より感謝の意を表する,尚本論 文の要旨は十全轡學曾第2回集回に於て醗表した.

1)塵見=十全會雑誌,護表豫定.   2)佐々 木:近世嫌氣性細菌學,71,南山堂嚢行(1934)・

3)相磯:公i衆衛生誌,3,190(昭23).   4)

畠中:千葉醤大腐研報告,1,41(昭23).

5)相磯,柳中,國井:千葉醤大腐研報告,1,54・

6)相磯:千葉醤大腐研:報告,1,27・ 7)楯磯,

柳澤書千葉醤大腐研報告,1,60・ 8)谷友次:

醤學微生物學,南山堂(昭23).

十全會雑誌,34,111(1920 十全會雑誌38,1(昭8).

衛生誌, 3, 190 (昭23).

大腐研報告,1,79(昭23).

  10)飯森:

   邑『々木:

12) 相磯= 公衆

       13)相磯:千葉醤

       14) Neuberg

u Ariustein: Biochern. Z, 117, 261 (1921).

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