別記様式 3 悴位記番号(担当者記入欄)ェ喝 乙 塘 船 号
論文内容要約
平 成 年 度 入 学 博 士 後 期 課 程
専攻 分 野
氏 名 工 藤 智 子 印
菫 文 題 目 利用帯域幅割り当てを行うクロスレイヤフロー制御に関する研究
第1章 序論
第1章では,本論文の研究背景,目的,論文の構成について述べている.
ICTの進展に伴って,今後もトラフィックの増加がさらに進むことが予想され,さらなるバックボ ーンネットワークの広帯域化を進めていく必要があるとともに,帯域の利用効率も同時に高めていく 必要がある.現状,ブロードバンド利用者の使用品はTCP(Transmission Control Protocol)が全体 の約80%を占めている状況にあり,帯域の利用効率を高めるためには,TCP利用時における帯域利用 効率向上が必要不可欠である.そこで,本論文では, TCPの帯域利用効率の改善方法について考察し た.
第2章 TCPによるフロー制御
第2章では,従来利用されてきたTCPの概要,輻較制御とフロー制御について述べているまた,輻 較検知の手法として用いられるロスベース,遅延ベース,両方式を組み合わせたハイブリット方式に
よる輻較検知を利用したTCPやその問題点について述べている. 第3章クロスレイヤ手法によるフロー制御
第2章において述べた各種TCPに対し,下位層の情報を直接的にトランスポート層に利用するクロ スレイヤ手法が提案されている第3章では,クロスレイヤ手法を用いたECN(Explicit Congestion Notification)やXCP(eXplicit Control Protocol)の原理について述べている.
ECNはRFCに定義され実装自体は進んでいるが,帯域利用率はECNより XCPが良いということ が示されている.その一方, XCPはトランスポート層の入れ替えと XCPルータの設置が必要である ため,研究段階にとどまっており,普及が進んでいないという問題がある.
第4章 提 案 方 式
第3章で述べた問題点を解決するため,実現性を考慮しつつ, XCPよりも帯域利用率と公平性の性能 を改善することを目的と した,XLBA(Cross‑Layer Bandwidth Assignment)の提案と前評価を行 っ た こ の 方 式 は,中継機器のキューサイズが閾値を超えた場合に, リンク帯域幅やフロー数を送信 元に通知し,従来のTCPRenoのウィンドウ制御に利用することで帯域の利用率とフロー間の公平性 改善を目標としたものである.トランスポート層そのものの置き換えを行わず, TCPRenoの輻睦ウ ィンドウ制御に下位レイヤの情報を利用する形態とした. しかしXLBAは,往復遅延時間が小さい場 合は帯域利用率が向上するものの,全体的な性能向上は見られなかったため,通知タイミングを改善 し,ウィンドウサイズの拡大を高速化したXLBABSI(Cross‑Layer Bandwidth Assignment with Buffer Size Indication)を提案した
第5章 性 能 評 価
輻較ウィンドウの拡大や通知タイミングを改善したXLBABSIについて,帯域利用率や公平性の定量 的評価を行ったところ, XCPよりも帯域利用率,公平性ともに性能が向上し, 目標とするXCP以上の 性能が得られた.特に,これによりリンクの遅延が大きい場合やフローが短時間で複数生起する場合 において帯域利用率と公平性の性能を改善している.
第6章 総 括
第6章では,本研究の結論と今後の展開について述べた.XLBABSIの制御方法は,ボトルネックリン クとなる中継ノードからの通知を利用してトラフィックの制御ができ, トラフィック送信元は通信の 最適値を最短経路で取得できる.そのため,フィードバックが短時間になり,収束も早い.そして, R TTを利用して間接的に輻較を推測するFASTTCPやフィードバック制御を用いるXCPよりも,安定し たトラフィックを得ることが可能である.