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Sodium Cholate水溶液の電気伝導 現象に.関する研究

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(1)

Sodium Cholate水溶液の電気伝導 現象に.関する研究 (第1報)

一電気伝導度の濃度並びに温度への依存性について一

谷岡 岡本

守子

.Studies on the Phenomena of Electric Conductance in the Aqueous Solution of Sodium Cholate (1)

一 Dependency of electric conductivity in the solution on concentration of sodium cholate and on temperature 一

Mamoru Tanioka Fumiko Okamoto

Abstract

 As many studies in the field of surface chernistry on the emulsifying agents have done usually at room temperature, the thermal change of structure o£ micelle has not been almost studied.

 In this investigation, electric conductivty is measured in the very dilute and aqueBus solution of sodium cholate below 5×10−3 (mole/kg) at 30.000C and 40.000C, and it is found from the above experimental results and 1)ebye s theory that CMC is 5×10−5 (rnole!kg) and the stable micelles exist in the concen. traticn between i8×10−4 (mole/kg] and 5×10−3 (mole/k,g).

1. 緒

 天然物の界面活性剤の内,Sterol類の化合物は,生体の 細胞組織内で油脂交換の役割を演ずる生化学上重要な化合 物であり,この種の化合物の一種であるSodium Cholate

(胆汁酸ナトリウムの一一Pt)は,動物特に人間や牛の胆汁中 に見いだされるもので,下記の化学式で表わされ,生理学 的な意味での油脂乳化作用を持つものである。

       (}Hs

       oH. . CH・cH2・cH2・cooNa       CH

HO CHs

OH

 一般に,1界面活性剤の油脂乳化作用あるいはその乳化機 構は,Micelle形成説によって定性的に説明されている が,さらに詳細には,個々の界面活性剤の水溶液について 測定を行なった当量伝導度,表面張力,滲透圧,X線回折 像などの諸物性の,界面活性剤濃度への依存性を,それら 諸量それぞれの理論に基づいて検討することにより,個々 のMicelle構造についての知見を得た上で,その油脂乳化 作用を吟味すると云う手続がなされている1)。 ところで Sodium Cholate水溶液中におけるMicelle形成に関して は,すでに数多くの研究が行なわれているが2)〜5),10−3

〔mole/1〕以下の低濃度域での物性研究並びに物性の温度 変化に関する研究はほとんど行なわれていない。そこで,

著者らは,この種の研究をさらに一歩進める目的で,まず

(2)

津山高専紀要(第2巻 第2号)

基礎的資料収集の第一段階として,Sodium Cholate水溶 液における電気伝導度の濃度並びに温度への依存性を検討

した。たs し,本研究においては,5×10−3〔mole/kg〕以 下の低濃度域に重点が置かれている。また,界面活性剤の 物理化学的研究は,ほとんど25。Cにおいて行なわれ,溶 液の濃度を表わす単位として〔mole/1〕を使用するのが普 通であるが,本報においては,物性の温度変化をも問題に するため,濃度の単位として,温度変化によっても数値が 変化せず,一方温度変化が小さい場合に〔mole/1〕で近似 出来る重量モル濃度単位〔mole/kg〕を使用する。

2..試料の調製

 本実験において使用した試薬は,Sigma Chemical Company(U.S.A)製G.R.級(分析結果は98.0%)の Sodium Cholateであり,不純物として2,3の他種の胆 汁酸ナトリウムを含んでいる。

 この薬品については,これがかなり大きな吸湿性を持つ ため,その質量の測定には特に注意を要した。

 質量の測定 まず,質量を測定してある25(XX秤量瓶に,

0.59〜1.59のSodium Cholateを取り, Sartorius社 製2400型直示天秤で秤量し,これを空気乾燥器中で120。C で6時間乾燥させた後,吸湿力最大のP205を乾燥剤とし て用いてあるデシケーター中に入れ,デシケーターを水で 急冷し,約5分間で常温付近まで冷却し,秤量瓶をデシケ ーター中より取り出し,たゴちに秤量し,求めた値をSod

−ium Cholateの質量とした。この操作については,充分 予備実験を行ない,Sodium Cholateの質量の測定誤差が 0.1%以下であることを確認してある。

 また,溶媒としては,水道水をオルガノ株式会社製モノ ベッド型純水製造装置に通して得た水一比伝導度O.2 μmho/cm程度一を使用している。

 規準溶液の調製一ビュレットに入れる溶液,測定操作 の項を参照一,容積既知の250mlメスフラスコを準備し,

その質量を測定した上で,質量測定済みのSodium Cho−

1ateをこのメスフラスコ中に溶媒で流し入れ,標線まで 溶媒を加えた後,溶液の質量を測定する。この測定には,

秤量5009,感量:5mgの物理天秤を使用しているため,そ の測定誤差は0.01%以下であり,その結果,溶液の密度も 上記の精度で決定が出来る。

 規準溶液の調製で注意したこととしては,後で述べる ように,各地定点の濃度の決定に,電気伝導度測定時の室 温付近での規準溶液の密度値を必要とするため,規準溶液 の調製を,電気伝導度の測定を行なう室温の平均値付近の 温度で行なったことなどが上げられる。こSで問題になる 規準溶液の密度変化は,5 deg程度の温度変化に対して密 度値の0.1%程度の変化であった。

3.測定装置並びにその精度

 図一1に電気伝導度測定装置,並びに関連諸装置の概略 を示す。以下に装置各部の説明を行なうがaによって図一

1,aに示したものを表わす。

e

   1    ]    一ii j

5b L一

k

fXti・一

ti

c

。魅 h

g

f a

Fig g. Schematic representation of the     apparatus for皿easuring of specific     conductivity.

    a; Tall beaker, b; Cork stopper,

    c; Burette, d; Conductivity cell.

    e: Conductometer. f: Water tank

    t T 一 finvT r一 一 TT 一 一

      1 tt 一ttT 7 .T. .一一}

    g; Thermoregulator, h; Thermometer,

    i; Chromel−alumel therrnocouple     j; Cold junction, k; Microvolt meter,

    1; Recoder,

 三一1に示した諸装置は,電気伝導度測定装置(a,b,

c,d, e)と,温度の調節並びに測定諸装置(f,9, h, i,

j,k,1)とに大別される。 また電気伝導度測定装置は,

試料容器(a)としての硬質ガラス製200㏄トールビーカー 溶液を外気と遮断するためのゴム栓(b),規準溶液を試料 容器中に滴下するための硬質ガラス製50QCビュレット(c)

東亜電波工業株式会社製CG−201PL型電導度Cell(d),

東亜電波製CM−1DB型数字式電導度計(e)とからなり,

eの検流計目盛の読み取りまで行なえば,1〜106μmho/cm の領域で有効数字4桁の比伝導度測定値を得ることが出来

る。

 後で詳しく述べるが,測定を始める前に,精密に秤量さ れた609〜10egの溶媒を試料容器(a)に入れ,規準溶液 一2項参照一を検定済のビュレット(c)で試料容器内に 滴下し,はじめ試料容器に入れた溶媒量と規準溶液の滴下 量とから,電気伝導測定の外点の溶質濃度を決定してお

り,滴下量が1CC以上であれば,3〜4桁のその読み取り 値が得られるので,濃度値の有効数字は3桁以上である。

とは云え,低濃度一規準溶液の滴下量が1CC以下一となる と,当然誤差が大きくなるため,この場合には低濃度の規 準溶液を使用する必要がある。

(3)

谷岡守・岡本史子 Sodiur「i Cholate水溶液の電気伝導現象に関する研究(第1報)

 次は,、温度調節並びに温度の測定と関連した部分である が,この部分は,塩化ビニール水槽(f),設定温度±0.05 degの温度制御が可能な大洋科学工業株式会社製C−550型 小型万能恒温装置(g), 設定温度を決めるのに使用され る検定表付標率温度計一〇.1deg目盛一(h),アルメルー クロメル熱電対(i),冷接点(j),東亜電波製PM−16A型 高感度直流電圧計依),並びに東亜電波製EPR−2TC型 高感度記録計(1)などからなっている。

 恒温水槽(f,9)中の水温は,標準温度計(h)を用い て設定した温度を中心にして,±0.05degの変化をする が,この変化を測定するのに,まず,水温を,.アルメルー クロメル熱電対(i)と冷接点(j)とを用いて熱起電力 に変換し,この熱起電力を直流電圧計(k)の入力端子に 加え,同装置に内蔵されている打ち消し電圧発生装置によ

って打ち消し,熱起電力の変動のみを同装置(k)の出力 端子より取り出し,この電圧変化,すなわち温度変化を記 録計(1)に記録している。

 この温度測定法の利点は,記録計によって描かれた時闇 一温度関係のグラフを見ながら,設定温度付近で電気伝導 度の測定が出来,測定点での温度測定精度を±0.0}deg程 度まで上げることが出来ると云う点である。

4. 測 定 操 作

 準備段階 まず温度調節操作の準備として行なう操作を 述べておく。3項で述べた一連の諸装置(i,」,k,1)を 作動させておき一電子管計器を含むので,装置の安定化の ために,各装置のSwitchをonにして約30分間放置する 必要がある一,記録計に描かれるグラフと標準温度計目盛

とを見ながら,恒温水槽(f,g)の温度一±0.05deg程度 の変動をしている一の変動の中心値が設定温度tとなるよ うに恒温装置(g)を調節する。この操作を行なえば,t

±0.05degの水温が得られる。たs しtは設定温度である  次は電気伝導度測定関係の準備であるが,これは測定値 の精度と密接に関連するので,出来るだけ詳しく述べるこ とにする。まず,電導度Cell(d)と一緒にゴム栓(b)

に固定されているビュレット(c)に,規準溶液一2項参 照一を入れ,ビュレットの活栓を数秒開いてビュレットの 流出口まで規準溶液を導き,流出口の先の液滴をろ紙など で除いておく。また,ビュレットの上端にはコルク栓をし て,規準溶液の濃度変化を防ぐ,たゴし,こSで述べてい る規準溶液の濃度C〔mole/kg〕,並びにその密度d〔kg/cc〕

は,2項で述べた方法によって決定されたものである。

 ビュレットに規準溶液を入れた後,電導度Cellを,純 水製造装置一2項参照一より得られたばかりの溶媒一比伝 導度0.2μmho/cm程度一で充分洗浄し,ろ紙などで電導 度Cell,電極などに付着している溶媒を取り除いてお

き,質量測定済みの溶媒を入れた試料容器(a)に一はじ め試料容器に入れた溶媒の質量をM〔kg〕で表わす一ビ ユレッ5と電導度Cellを固定してあるゴム栓をして,溶 媒を外気から遮断する。このとき,電導度Cellの電極部 分は溶媒の液面より5mm〜10mm下に離しておく必要が

ある。さて,この試料容器を図一1に示したように恒温水 槽の水中に漬け,試料容器内の温度一これはゴム栓(b)

に固定してある一端封じの硬質ガラス管に熱電対の先を入 れて測定する一が設定温度値に達するのを待って,電気伝 導度の測定を始める。

 電気伝導度の測定操作 試料容器内の温度が設定温度t となった後に,溶媒の比伝導度k・。を電導度計(e)で 測定する。この値は空気中の炭酸ガスなどの影響を受けて 0.5〜0.6μmho/c皿程度まで上がっている。この後の操作 は,同じ操作を繰り返すことになるが,これを簡単に述べ ることにする。まず,ビュレットよりV1〔cc〕の規準溶 液を試料容器内に滴下し,充分撹拝した後,記録計によっ て描かれたグラフを見ながら,設定温度t付近で,比伝導 度kt1〔mho/cm〕を電導度計によって測定する。以後は同

じ操作を繰り返すだけであるが,たゴ,注意すべきことは 男瓦定点でのビュレットよりの規準溶液滴下量Viで,こ れには,それまでに滴下した規準溶液の総量を用いる必要 がある。

 本項の最後に各測定点での測定に要する時聞の問題に触 れておく。これは各別定点での試料溶液の構造の安定化時 間と関連しているので,各測定点での測定に要する時間と して,規準溶液を試料容器内に滴下してから試料溶液が安 定化するまでの時間より若干長い時闇をとる必要がある。

 この試料溶液が安定化に要する時間一比伝導度が一定 値に達するまでの時間一は,低濃度域では10〜20分,高 濃度域では数分であった。

5.諸量の算出手続

      M (kg) 十 Vi (cc) d (kg/cc)

 たx し,d, Cは規準溶液の密度並びに濃度, Viは測定 点iでの規準溶液の滴下量,Mは試料容器に最初に入れた 溶媒の質量である。

 この外,考察の項で重要な役割を演ずる量として,濃度 Ciの平方根,並びに次式で定義される量を算出した。

x ti(mho kg/(cm mole))=一:il,EIEI:lflSilt (mMohlOe//CkMg))一,{2)

 まず,各測定点での濃度Ci〔血ole/kg〕の算出方法であ るが,それは,そのときの溶質のmole数Vi〔cc〕・d〔kg

/cc〕・C〔mole/kg〕を溶液の質量M〔kg〕十Vi〔cc〕・d

〔kg/cc〕で除して求められる。その算出式を(1)式に示し

た。

         Vi (cc) ・dCkg/cc)一C(mole/kg)

  Ci (mole/kg)

      (1)

(4)

津山高専紀要.(第2巻 第2号)

6. 測 定 結 果 Table.2. Experimental result at(40.00士0.05)。C.

 表一1に30.00土0.05。Cでの,また表一2に40. 00±O. 05。C での測定結果を示し,図一2並びに図一3に,c一 le ca係,

i/E一λ!関係を図示した。

   Table.1. Experimental restilt at(30.00士0.05)。C.

 C.104

(mole/kg)

         

V・・…1・・…

〔m・1・/kg〕1/『〔mh・/・m〕

  ゾE・102 i〔皿・1・/kg〕1/2

 C.104

(mole/kg)

O. 2504 0. 32!9

0.3753 e. 4110 0.4465 0. 4999 e. 5354 0.5709・

O.6064 e. 6595 0. 7481

1,0127 1,4335 1.9204

3. 0169 4.2568 6.1755 7.9328 10.4151 15.7894 21.0370 25.5191 38.6408

44612076719.33803042597/0721871582467573567361606146035706G98367126851556667777880137048295G20000000000011.1122233456

L

 O. 0293  0. e347  0. e384

・ O. 0409

 0. 0444 0. ose4  0. 0534  0.o,r)6s

 O. 0595  0. e626  0. 0699

 D.0883  0.1197  0.1570  0. 2373  0.3256  8.4660  e・.5930  0.7690  1./54  1.525  1.83R,

 2.739

   λノ

(mhoekg/

(cmemole) ) 116.79 167.81 1e2.ユ8 99.492 99.327 ユ00、72

99.800 98.884 98.e45 94.84e 93.443 87.14ユ 83.500 81.752 78.658 76.489 75,460 74.753 73.835 73. 087 rt 2.492

72. 026 70. 884

O.2905 0.3629 0.4351 0.4893 0.5254

0. 5974 0. 6874 0.7592 0.8489 1.1171

1. 3840

2.2994

・3.1650 4.87.26 6. 6395 8.8282 11.0451 13.337e 17.4771 20.9336 23.7848 29.6273 38.7elO

03658914494205624069539

929942911666976!320463G30592726157ユ70772587742

56667788901572593615842

000000000﹈ーユユ2223344456

  k.104

(mho/cm)

591607058000550012460653150213155758240567899G1247538433399441

00000⑪ーユー11234680258164

0000000000000.GOO1111223

   )Lr

(mho.kg/

(cm.mole))

177.13 ユ73.21 17e.29

/76.99 171.22 161.78 152.75 149.49 143.47 129.80 122. 83

/09.59 1e4.74 99.229 96.544 94.583 93.707 92.749 91.264 90.668 90.058 89.242 88.111

190

3.0

§\︒奮Jo;   @20

O

  ノボ.

   e/

  / ℃︒C

40 R0

卜臣一 一

//

    炉

 0         10 20 30

       C・104 {molefEkg } Fig.2.・ Relation between C and k.

      C; Concentration,

      k: Specific condu6tivity,

40

O   O   O . 07   $   3   一

  ︹①﹁O鉦・感O\σ羊O環罎︶

0

k 9

70

  

@ 

@ 

論︒一㊥ーマ曳 @ 浴̲

一一?鼈黶@400c n一 30 c

   ex

\一界㍉、・適r・・一・一一・一

:k

    ro=一一一〇一一一〇一〇一一〇一一一一一一一〇一

        1,0 3D 5,0

       ,ITc 102 c mo:eAkg)ii2

Fig.3. Relation betweenγ〆i.andλノ..

      1/U;  Root of concent.ration.

      N ; The quantity defined by the equation       〈2),

       7. 考     察

 緒言の項に.おいて若干触れたように,SodiUm cholate.

は生体中で油脂乳化作用を行なう物質であり,.生体の体温.

(5)

谷岡守・岡本史子Sodium Cholate水溶液の電気伝導現象に関する研究(第1報〉

付近で,何らかの溶液構造の変化があるのではないかと思 われるので,電気伝導度測定時の設定温度として,生体の 体温をはさんだ2つの温度値30.00。C,40.00。Cを選んだ。

 さて,電気伝導度測定並びに関連諸測定における測定結 果より溶液構造についての知見を得るためには,電気伝導 度測定と関連した諸量と,溶液構造の特性を表わす諸量と を結び付ける何らかの関係が必要である。ところで,界面 活性剤の研究分野においては,通常,25。Cでの電気伝導 度測定値について,Debyeの理論を適用し,定性的な検討 を行なうのが普通である6)・7)。

 Debyeの理論によれば,低濃度の強電解質溶液におい て,構造論的に見てその電気伝導機構に変化がない場合,

すなわち,電荷を運ぶ伝導単位の構造が安定なものである 場合にはs濃度Cノ〔mole/1〕と当量伝導度N〔mho cm2/

皿01e〕との閤に,

  (X−N.) (mho cmL?/mole} =一K (mho cm21i/2/

       moi.t.3!2) i./Lh  (molei,i2/1, i・/2), (3)

が成立する。ただし,λ。〔mho cm2/mole〕は無限に希薄 な極限における当量伝導度,Kはイオン雰囲気の半径,イ オンの電荷と摩擦係数,透電恒数,温度などで決まる定数 であり,その単位は〔mho cm2 1 i/2/mole3/2〕である8)。

 このDebyeの式は,濃度の単位として,〔皿ole/1〕を用 いているため,温度に対する溶液構造の依存性を検討する 場合には,(3)式をそのまMで使用すると理論的な取り扱い が曖昧になる。このため,

}..(・mho c.?/mole),,,.一1・z99gggg}一〇〇〇(cm〟D14!i」f.;:tXlgel.i一.sme1/h.?, fg!g,t/cm],(4}

で定義される当量伝導度λを,②式で定義される量λL 5項参照一で置き換え,一方,容量モル濃度C を重量モ ル濃度Cで置き換えれば,(3>式は

  (X 一X o−aS一 o ) (mho kg/(cm mole))

   = 一K  (mho 13・/2/cm mole3/2) VO (molei/2/kgi/ 2)

       xd,3/ 2 (kg3f2/13/2), 〈5)

となる。ただし

Cノ〔mole/エ〕=c〔mole/kg〕dノ〔kg/1〕

d  (kg/ 1) =d(kg/cc)

K=i: 1000Kt

X(mho cm2/mole) =

  1000 (cm3/1) N (mho kg/ (cg.}一m一.le) )

      d  (kg/1)

, (6)

である。こtSで, d, dノは,単位として〔kg/cc〕並びに

(kg/1〕を使用した場合の溶液の密度,また, d/o〔kg/1〕,

λノ。〔mho・kg/(cm・mole)〕は無限に希薄な極限における 溶液の密度並びに(2)式で定義される量である。

 以上で,図一3に図示した実験結果を検討する準備がほ とんど出来た訳であるが,考察に使用する(5)式中に,温度

と濃度とに依存して変化する密度d 〔kg/1〕が変数として 含まれているため,電気伝導度測定時の密度変化を吟味し ておく必要がある。この点について予備的実験を行なった 結果,著者らの行なった測定条件,すなわち10−5〔mole/

kg〕〜5×10−3〔mole/kg〕の濃度変化に対して0.1%程度の 密度変化が,一方,10〔deg〕程度の温度上昇に対して0.3

%程度の密度の減少が見られた。この程度の密度変化であ れば,図一3に示したような数%から数十%に及ぶ変化の ある場合には,〈5)式中のdノ値を定数として取り扱っても 差し支えない。すなわち,{5)式は,

  (N 一N .) (mho・kg/ (cm・mole))

  =一K (mho・kg3/2/(cmimole3/2))1/e(mo1ei/2/kgi/2)

      , (7)

で近似出来る,さて,この(7)式を用いて,考察を行なうの であるが,ゾδ一Xノグラフ中に,かなり長い直線部分が あれば,この領域には(7拭が適用出来ることになり,この 濃度域には安定な構造を持った伝導単位一イオンの場合 も,Micelleの場合もある一が存在し,一方,ゾご一Vグ ラフが一次的ではない領域には不安定な伝導単位が存在す ると考える。また,伝導単位の変化が大きい場合には,

1/b一λ「グラフだけではなくC−kグラフ上にもその影響 が現れる。本実験においては,比較的その変化が小さく,

図一2に示したようにC−kグラフ上には変化が現れなか

った。

 以上に述べたような立場で,十一3を検討する。まず,

極低濃度域について考察を行なうが,これは,下記の2っ の理由によって,若干厳密なものではなくなっている。

 (1)極低濃度域の測定点では,溶媒の比伝導度0.5〔μ  mho/cm〕〜0.6〔μmho/cm〕がλ!の値に影響し,

 ゾ否一λノグラフ上での極低濃度域λ1減少の原因となつ  ている。

 ② 極低濃度域では,標準溶液の滴下量が少なく,その  誤差が比較的大きくなり,測定値のばらつきの原因とな  っている。

 とは云え,図一3に示した極低濃度域での曲線には(7)式 を適用することは出来ないが,その理由が(1)に示したよう に明確であることと,30.00。C並びに40.00。Cのどちらの グラフにおいても,ゾ万=7×10−3〔mole1/2/kg1/2〕,す なわちC=5×10−s〔mole/kg〕付近を境にして新たで急 激なλt減少が始まることから,その境になる濃度がCMC

(C「itical micelle concent「ation),すなわちMicelleが 形成され始めると考えられる。

 CMC以上でV■一λノグラフでの直線領域に達するまで の濃度域は,イオンとMicelleとの割合が溶質の濃度に依 存して変化する領域で,その上端は,30.000C並びに 40.00。Cのどちらのグラフにおいても,ゾ万=2.8×10一2

(6)

津山高専紀要(eg 2巻 第2号)

〔mole1/2/kg1/2〕,すなわちC=8×10−4〔m61e/kg〕付近で ある。この領域一以後不安定領域と呼ぶ一の濃度幅は M三celle形成の容易さと関連するように思われる。

 この項の最後に,i/U一λ!グラフ上の直線領域の考察 を行なう。この領域はDebyeの理論によれば,安定な伝 導単位が存在する濃度域であり,この考え方に従うと,形 成されたMicelleが安定なものであると推論出来る。たゴ,

図一3を見れば判るように,この領域に関しては,30.00

。Cと40.000Cとでは若干異なり,30.00。Cでは.プ万=

2.8×ユ0−2〔mole1/2/kg1/2〕(C=8x10−4〔皿ole/kg〕)から ゾで=6×10−2〔mole1/2/kg1/2〕(C=4×10 3〔mole/kg〕)の 全域に渡って,ゾじ一x グラフは一つの直線であり,一つ の安定な伝導機構のあることを示しているが,40.00。Cで はγ!a・=4.5×10−2〔mole1/2/kg1/2〕(C=2×10−3〔mole/kg〕

付近を境にして2本の直線になっており,これは,この濃 度付近で別の伝導機構に急激に変り,別種のMicelleが形 成されることを示すものである。

8.結

 これまで述べて来たように,溶液構造に関する知見を得 る目的で,Sodium Cholate水溶液について,30.00。C並 びに40.00。Cにおける電気伝導度の濃度変化を測定し,

これらの測定結果にDebye理論を適用した訳であるが,

得られた考察の結果を以下に総括しておく。

 に)極低濃度域にあるため今まで決定され得なかった  Sodium ChQlate水溶液のCMC一文献によってはMic  −elle構造が急激に変化した点をこのように呼んでいる  場合もあるが,ここではイオンの集団よりMicelleが形  成され始めた濃度を意味している一が5x10−5〔mole/kg〕

 付近であること。

 (2>上記のCMC値並びに不安定領域の幅は10〔deg〕の  温度差があっても,ほとんど変化しないこと。

 (3)8×10−4〔mole/kg〕〜4×10−3〔mole/kg〕の濃度1域  では安定なMicelleが存在すること。また,30.00。Cで  は上記濃度域全域に渡って,一種のMicelleが存在する  が,40.00。Cでは2x10−3〔皿ole/kg〕を境にして別種  のMicelleが形成されること。

 得られた結果は以上であるが,最後に,本研究において 用いられた手法の特徴を述べておく。特に強調したい点 は,従来ほとんど不可能とされていた極低濃度域での電気 伝導度測定が,2〜4項で述べた測定装置,測定操作によ

って可能となったこと,並びに水溶液:における電気伝導度 の温度変化を問題にする場合に適用出来る㈲式を導いたこ となどである。終わりに,本研究と関連して,多くのご助 言を賜わった東京理科大学理学部,梅田魁教授,岡山大学 理学部,森本哲雄教授並びに本校校長,坂手邦夫博士に厚

く御礼申し上げる。

1)金丸  競;界面活性剤,槙書店(1953)

2)古沢 悌二;福岡医学雑誌,53,124(1962)

3) S.A.Johnston, J.W.McBain; Proc. Roy. Soc.

   (London), A181,119 (1942)

4)K.J皿a,」.Iwata, Y.Inoue;Mem. Konan Univ.,

  Science Series, No.3,47 (1960)

5)空名潔,菅野竹雄;日本化学雑誌,90,〔5〕463(1969)

6) E.C.Evers, C・A・Kraus; J・ Am.Chem.Soc.,

  70,3049 (1948)

7) A.W. Ralston, D. N.Eggenberger; J. Am.

  Chem. Soc., 70 983 (1948)

8)押田勇雄編;液体の電気物性,槙書店(1964)

(昭和44年9月30日受理)

参照

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