を抑制すること、2) 酸化ストレスはマクロファージの Maf 発現を減弱させ、Nrf2 優位の組織 保護的形質に転換させること、を証明した。次に我々は、DSS 誘導大腸炎モデルを利用して、 炎症の急性期と回復期でのCD169+マクロファージにおけるMaf の発現量の変化を調べた。そ の結果、腸炎の急性期にはMaf の発現量は変化せず、急性炎症応答遺伝子発現が亢進してい たが、回復期には、Maf の発現量が減少し、それに伴って急性炎症応答遺伝子の発現が低下 する一方で、Nrf2 制御下にある組織保護因子の発現が亢進することを証明した。 【まとめ・考察】 本研究では、Maf が、マクロファージを炎症促進的形質から組織保護的形質へ転換する分 子スイッチとして働くことを意味する。この研究により我々は、これまで実態が明らかにな っていなかった、炎症経過に伴うマクロファージの形質転換機構の一端を世界で初めて明ら かにした(図2)。 腸炎において、Maf を治療標的とすることで、マクロファージの形質を人為的に切り替え ることが可能だと考えられる。Maf を抑制することは、マクロファージの炎症促進機能を抑 制するだけでなく、組織保護的機能を促進することも可能なため、極めて有効な治療標的に なり得る。 【研究結果の掲載誌】
Kenta Kikuchi, Mayumi Iida, Naoki Ikeda, Shigetaka Moriyama, Michito Hamada, Satoru Takahashi,
Hiroshi Kitamura, Takashi Watanabe, Yoshinori Hasegawa, Koji Hase, Takeshi Fukuhara, Hideyo Sato, Eri H. Kobayashi, Takafumi Suzuki, Masayuki Yamamoto, Masato Tanaka and Kenichi Asano*. Macrophages switch their phenotype by regulating Maf expression during different phases of inflammation.
Journal of Immunology, 201(2): 635-651, 2018.