2019 年度修士論文
X-Rs 管理図を用いたブルウィップ効果の 検出方法に関する研究
指導教員 開沼 泰隆
首都大学東京大学院 システムデザイン研究科
電子情報システム工学域
18861671 張 栄慧
目 次
第 1 章 序 論 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1
1 . 1 は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1
1 . 2 研 究 背 景 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1
1 . 3 研 究 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2
1 . 4 本 論 文 の 構 成 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2
第 2 章 サ プ ラ イ ・ チ ェ ー ン ・ マ ネ ジ メ ン ト ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4
2 . 1 は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4
2 . 2 サ プ ラ イ ・ チ ェ ー ン ・ マ ネ ジ メ ン ト ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4
2 . 3 サ プ ラ イ ・ チ ェ ー ン ・ マ ネ ジ メ ン ト の 事 例 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 5
2 . 4 ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 7
第 3 章 ブ ル ウ ィ ッ プ 効 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 18
3 . 1 は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 8
3 . 2 ブ ル ウ ィ ッ プ 効 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 8
3 . 3 ブ ル ウ ィ ッ プ 効 果 に つ い て の 関 連 研 究 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 6
3 . 4 ブ ル ウ ィ ッ プ 効 果 の 抑 制 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 9
3 . 5 ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 2
第 4章 方 法 論 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 33
4 . 1 は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 3
4 . 2 管 理 図 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 3
4 . 3 定 式 化 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 9
4 . 4 ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 0
第 5 章 数 値 実 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 41
5 . 1 は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 1
5 . 2 シ ナ リ オ の 設 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 1
5 . 3 情 報 共 有 す る 場 合 で の ブ ル ウ ィ ッ プ 効 果 の 検 出 ・ ・ ・ ・ ・ 4 3
5 . 4 情 報 共 有 し な い 場 合 で の ブ ル ウ ィ ッ プ 効 果 の 検 出 ・ ・ ・ ・ 4 9
5 . 5 ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 7
第 6 章 結 論 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 58
謝 辞 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 59
参 考 文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 60
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第 1 章 序論
1.1 はじめに
1990 年代に入ってから,サプライ・チェーン・マネジメントは学術研究の人気分野 として注目されていた.これは,生産性の向上と科学技術の進歩,特に情報技術の飛躍 的な進歩により,市場は売り手の市場から買い手の市場に変わり,顧客満足はすでに企 業の生き残りの源になっていた.競争力を高めるために,企業は多くの先進的な製造技 術と管理方法を採用し,生産性はすでにかなり高い水準に達した.例えば,製造資源計 画(MRPⅡ)/企業資源計画(ERP),ジャスト・イン・タイム(JIT),精密生産などは すでに行われている.これらの高度な生産方法と管理方法は,会社の内部リソースを最 大限に活用したが,買い手の市場では,顧客需要の不確実性とパーソナライズが大幅に 増加するとともに,市場競争も激化し,経済はますますグローバルになっていた.この すべての変化により,企業の競争力に対する要求が高まり,企業の内部リソースを最適 化するだけでは不十分であり,企業の外部リソースが,つまり,サプライ・チェーン全 体に注目し始めていた.サプライ・チェーン・マネジメントはサプライ・チェーン全体 に対し,サプライヤー,製造業者,流通業者などのステージを含め,各段階の間のロジ スティクス,情報フロー,資金フローを計画,調整,制御することにより,人々に最新 のアイデアを提供する.リスクを共有し,利益を共有するための企業間が競争関係から コラボレーションとなっていく.
サプライ・チェーン管理モデルを採用することにより,企業は最短時間で最適なパー トナーを見つけ,最低コスト,最速,最高の品質で市場に勝つことができ,競争上の優 位性を獲得できる.特に国際的に有名な企業,例えばHP社,IBM社,デルコンピュー タ会社などがサプライ・チェーンの実践の中で得た業績は,サプライ・チェーン・マネ ジメントが21世紀に入って企業の国際競争力を高める有効な道だと信じられている.
したがって,サプライ・チェーン・マネジメントは多くの学者や企業の注目を集めてい る.
しかし,サプライ・チェーンにも様々な障害があり,これらを理解し,その影響を抑 えていかなければならない.
1.2 研究背景
サプライ・チェーンにおける代表的な障害の1つとしてブルウィップ効果が挙げられ る.これは,川下から川上へと向かうほど発注量の分散が大きくなる現象のことである.
この現象は米国西部のカウボーイが鞭を振っていた時の形と似ているため,ブルウィッ プだと呼んでいる.ブルウィップ効果はサプライ・チェーンの中で一番問題とみなれ,
企業にとっては,ブルウィップ効果による影響は大きい.例えば,需要値と実測値の差 を大きくさせて,在庫コストを増加させるなどの害を加える.Hau Lee[15]によると,
2
実際の需要に対して発注を多くしてしまうことにより,製品の在庫および納期の変動が 大きくなったり,過剰な在庫を抱えてしまうなどが述べられている.そのため,すべて の企業がブルウィップ効果による影響をできる限り抑えたいと考えている.
1.3 研究目的
企業では,在庫を削減ために工夫し,研究者も様々な手段を使ってブルウィップ効果 を調査し,その影響を減らす努力をしてきた.ブルウィップ効果を定量化することがで きているが,サプライ・チェーン内では,発生の有無をすぐに確認することはできない.
本研究では,管理図の管理限界線を利用し毎期得られる発注量の情報からブルウィップ 効果を検出する方法を提案する.
1.4 本論文の構成
本論文の構成として,第2章では,サプライ・チェーン・マネジメントとサプライ・
チェーン・マネジメントについて述べ,その上でサプライ・チェーン・マネジメントの 事例を述べる.第3章では,サプライ・チェーン・マネジメントにおける代表的な障害 の一つであるブルウィップ効果について,概要を述べる.第4章では,第3章で紹介し た関連研究を参考にし,管理図を用いたモデルの提案を行い,モデルの定式化を行う.
第5章では第4章で提案したモデルの数値実験を行う.シミュレーションを行い,得ら れた結果について考察を行い,第6章では,本研究をまとめた結論を述べる.
ここで,図1.1に本論文の構成及び対応関係を示す.
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図 1.1 本論文の構成 第3章 ブルウィップ効果
第2章 サプライ・チェーン・マネジメント サプライ・チェーン・
マネジメントの概要
第1章 序論
第5章 数値実験
第6章 結論 数値実験
第4章 方法論 管理図
結果と考察 定式化 サプライ・チェーン・
マネジメントの事例
サプライ・チェーン・
マネジメントの課題
ブルウィップ効果の概要 ブルウィップ効果の原因 関連研究
ブルウィップ効果の抑制方法
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第 2 章 サプライ・チェーン・マネジメント
2.1 はじめに
サプライ・チェーン・マネジメントは新しいタイプの管理方法として,サプライ・チ ェーン全体における各組織,部門間の物流,情報の流れと資金フローを計画,コントロ ールなどを行っている.その目的はすべての関連プロセスの速度と確実性を最適化およ び向上させることにより,すべての関連プロセスの付加価値を最大化し,組織および運 用の効率と有効性を改善することである.本章では,サプライ・チェーン・マネジメン トの概要,サプライ・チェーン・マネジメントにおける課題,およびサプライ・チェー ン・マネジメントを実際に取り入れている企業の事例について述べる.
2.2 サプライ・チェーン・マネジメント
2.2.1 サプライ・チェーン・マネジメントとはサプライ・チェーン・マネジメントはまだ統一された定義を形成しておらず,多くの 学者は異なる観点から異なる定義を与えていた. サプライ・チェーン・マネジメント,
およびネットワークリソース,サプライ・チェーン・チャネルマネジメント,バリュー・
チェーン・マネジメントなどの概念と同様に,学術およびビジネスコミュニティからま すます注目されている.Macbeth ら[1]は,サプライ・チェーンが企業間競争の鍵と みなされるべきであると指摘していた. つまり,企業はもはや,サプライ・チェーンパ ートナーの利益を犠牲にして自身の利益を増やし,コストを削減しようとはせず,サプ ライ・チェーン全体をより競争力のあるものにするために努力するべきである.要する に,サプライ・チェーン・マネジメントのコアー原則は,競争は各企業間の競争ではな く,サプライ・チェーン間の競争である[2].
1980 年代から,サプライ・チェーン・マネジメントの理論が注目を集め始めた.当 時では,サプライ・チェーン・マネジメントの概念は明確に説明されていなかったが,
サプライ・チェーン・マネジメントの構造と概念的枠組みの定義をより明確にするため に,多くの学者が意見を述べた.Saudersら[3]は,サプライ・チェーン・マネジメン トの共通の概念を見つけようとすると,不必要な障害や紛争につながる可能性が高いこ とを示し,サプライ・チェーン・マネジメント分野で研究されている特徴のいくつかも 指摘していた.産業経済,システムダイナミクス,マーケティングと調達などは,従来 のさまざまな管理分野から継承されていた.たとえば,Forrester[4]で提案されていた サプライ・チェーンに適用されるモデル(Forrester効果),その意味は,人々がサプラ イ・チェーンの物流活動を理解させ,将来のサプライ・チェーンの動的なパフォーマン スに関する研究を提案した.Cooperら[5]は,サプライ・チェーン・マネジメントが コンセプトとして提案されたとき,ほとんどの文献は既存の理論的コンセプトの応用と 拡張にすぎないことを指摘した.
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サプライ・チェーン・マネジメント理論のフレームワークを分析する時,サプライ・
チェーンとサプライ・チェーン・マネジメントを表す多くの言葉が文献に記載されてい る.例えば,調達戦略,サプライヤー統合,バイヤーとサプライヤーの協力,サプライ・
チェーン・ベースマネジメント,サプライ・チェーン戦略的提携,サプライ・チェーン・
ネットワーク,付加価値チェーン,サプライ・チェーン・チャネルマネジメントおよび バリューフローなどである.表2.1に,この一連のサプライ・チェーン・マネジメント の概念が異なっていることを示す.
表2.1にリストされているサプライ・チェーン・マネジメントの概念から見ると,そ れらには共通の特徴がある.それらはすべて,組織の外部環境に焦点を当てている.た だし,一部の領域では,サプライ・チェーンに関する研究は,特に企業のプロセスリエ ンジニアリングと運営管理などの内部にあるサプライ・チェーンにも焦点を当てている.
サプライ・チェーン・マネジメントの定義が統一されていない理由は,サプライ・チェ ーンの概念の生まれ方と発展方式より決められた.実際,サプライ・チェーンの概念は,
多くの異なるタイプの文献で異なる視点から検討されていたため,その特徴により,サ プライ・チェーン・マネジメント理論のフレームワークが統一されていない.したがっ て,サプライ・チェーン・マネジメントの定義はほとんど一方的であり,サプライ・チ ェーン・マネジメントの範囲と構成,およびそのコストと利益は,いくつかの経験的モ デルによって説明されていた.
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表2.1 サプライ・チェーンの定義
著者 定義 Tan ら
[6]
サプライ・チェーン・マネジメントは,基本的な原材料の供給から完成品 までの材料/供給の管理である(リサイクル材料の場合もある).サプライ・
チェーン・マネジメントは,サプライヤーのアドバンテージを利用して企 業は競争上での優位性を高める方法である.これは,最適化と有効性とい う共通の目標を通してトレーディングパートナをつなげることにより,従 来の社内の企業行動から拡張する経営理念である.
Berry Dら [7]
サプライ・チェーン・マネジメントの目的は,誠実なパートナーシップを 構築して市場の需要情報を交換し,新製品を開発し,サプライヤベースを とある特別なOEM(Original Equipment Manufacturer)に削減し,リソースを 解禁して永続的な関係を構築することである.
Sauders[3] サプライ・チェーンは,最初の材料源から始まり,エンドユーザーまでの
原材料の選択,加工,生産,組立,流通,小売など,多くの企業で構成さ れる外部チェーンである.
Ellram L M[8]
製品またはサービスをエンドユーザーまでに配信するインタラクティブな 企業ネットワークである.原材料の供給から最終製品の配達まですべてを リンクする.
Cooper ら [5]
上流と下流の企業を接続し,異なるプロセスと行動を採用することにより,
エンドユーザーが使用する製品とサービスに価値を生み出す組織ネットワ ークである.
Hau Leeら [9]
多くの製造業者および販売業者が,原材料の入手から半製品および完成品 までに変換し,完成品を顧客に配布するまでのネットワーク構造を指して いる.
Kopczak L R[10]
ロジスティクス,製品フロー,情報フローを備えた多くのエンティティの コレクションである.エンティティには,サプライヤー,ロジスティクス サービスのプロバイダ,製造業者,代理店,小売業者が含まれている.
Hau Leeら [11]
サプライヤーのサプライヤーから顧客の顧客まで,製品とサービスの生産 と配信を完了する多数のエンティティのネットワークである.
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2.2.2 サプライ・チェーンのオーガニゼーション
上記のサプライ・チェーンの定義によると,そのオーガニゼーションは図2.1に示す モデルとして示している.
図2.1からわかるように,サプライ・チェーンはすべてのメンバー企業で構成されて おり,通常は,コア企業(製品製造会社または米国のウォルマートなどの大規模な小売 企業)が存在する. 需要情報に基づき,ノード企業は,資金,物流,または/およびサー ビスの流れを活用してサプライ・チェーンの分業と協力(生産,流通,小売など)を通 じてサプライ・チェーン全体の継続的な付加価値を実現する.
図 2.1 サプライ・チェーンのフロー
サ プ ラ イ ヤ
デ マ ン ド
モノの流れ
資金フロー
サプライヤーのサプライヤー
サプライヤー コア企業
顧客
顧客の顧客
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2.2.3 サプライ・チェーンの特徴サプライ・チェーンの構造モデルからみると,サプライ・チェーンは,コアー企業を 中心にコア企業のサプライヤー,サプライヤーのサプライヤーとユーザーのサプライヤ ー,ユーザーのユーザーで構成されるネットワークチェーンであることがわかる.各企 業はノードであり,ノードとノードの間には需要と供給の関係がある.サプライ・チェ ーンには次の特徴がある.
(1) 複雑であること.サプライ・チェーンノード企業のスパン(レベル)が異なる とともに多くの場合は,複数,複数タイプ,さらには多国籍企業で構成されて いるため,サプライ・チェーン構造モデルは一般的な単一企業構造モデルより も複雑である.
(2) ダイナミックであること.サプライ・チェーン・マネジメントは,変化する市 場需要のニーズに適応する必要があり,ノード企業は動的に更新される必要が あり,これによりサプライ・チェーンが動的になる.
(3) ユーザー向けのニーズであること. サプライ・チェーンの形成,存在,再構築 はすべて,特定の市場需要に基づいて行われますため,サプライ・チェーンの 運用の中では,ユーザーの需要が,サプライ・チェーンにおける情報フロー,
製品サービスフロー,資本フロー運用などの原動力となっている.
(4) クロスネスであること.ノード企業はこのサプライ・チェーンのメンバーにな ることができるが,別のサプライ・チェーンのメンバーになることもできる.
多くのサプライ・チェーンはクロス構造を形成しているため,管理の難しさが 増している.
2.2.4 サプライ・チェーン・マネジメントの原則と目的
サプライ・チェーン・マネジメントの原則は次のとおりである.
(1) サプライ・チェーン・マネジメントは,サプライ・チェーンのコアー機能とリ ソースを統合するために戦略的なレベルに立つ必要があり.
(2) サプライ・チェーン・マネジメントは顧客を中心にしなければならず,サプラ イ・チェーン全体が消費者に最大の価値を提供できる非常に競争力のあるソー スである.
(3) サプライ・チェーンにおける取引パートナー間の緊密な協力を強調し,利益と リスクを共有している.
(4) バーコード技術,POS システム,電子データ交換などの最新の情報技術と通信技 術を応用している.
(5) 共通の標準と仕様を識別し,そして,守り,それらを原材料,製品,サービス,
輸送ユニット,および場所の識別に適用することが重要である.
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サプライ・チェーン・マネジメントの原則は次のとおりである.
(1) 市場における会社的優先地位を継続的にもとめる.
(2) サプライ・チェーンのリソースと活動を継続的に統合する.
(3) 市場需要の拡大に基づいて顧客の要件を継続的に満たす.
(4) 変化する市場に合わせて製品が消費者に届くまでの時間を短縮する.
(5) 市場の不確実性に基づいて需要と供給の間の距離を縮める
(6) サプライ・チェーン全体における物流の重要性に応じ,企業はさまざまな損失 を排除する必要があり,それによって全体的な物流コストと物流コストを削減 し,在庫を削減する.
(7) サプライ・チェーン全体の活動の運営効率を改善し,総コストを削減し,オペ レーターが市場の変化に適応してタイムリーに対応できるようにすることで,
スムーズに流れるようにする.
サプライ・チェーン・マネジメントでは,最新の情報技術を使用してビジネスプロセ スを変換および統合し,サプライヤーおよび顧客との共同ビジネスパートナーアライア ンスを確立し,電子商取引を実装することにより,企業の競争力を大幅にあげた.1997 年の PRTM 企業がサプライ・チェーン・マネジメントに関する調査によると,サプライ・
チェーン・マネジメントを通じ,企業が複数のメリットを達成できることを示した.例 えば,サプライ・チェーン全体の管理コストを 10%以上削減することであり,中型企 業のオンタイム納品率は 15%増加し,注文生産のサイクルタイムは 25%から 35%減少 した.または,サプライ・チェーンのノード企業の生産性の伸びは 10%以上増加し,
中型企業の在庫は 3%減少し,高性能企業の在庫は 15%減少して一般企業よりも 40〜
65 日少ないという利点がある.
これらのデータにより,サプライ・チェーン・マネジメントを通じ,企業がさまざま な程度で利益を得たことを示している.
2.2.4 サプライ・チェーンにおける問題点および問題点の分類
Forrester J [4]によると,サプライ・チェーン・マネジメントの概念の起源はあまり 明確ではないが,その発展は元々,流通と輸送ラインの問題を解決するためである.サ プライ・チェーン・マネジメントの概念の開発のもう 1 つのブランチは,参考文献 8,53 です.流通とロジスティクスのトータルコスト手法が研究されている.どちらのタイプ の手法も,サプライ・チェーンの 1 つの要素のみを研究し,サプライ・チェーンシステ ム全体には対応していない.
サプライ・チェーン・マネジメントは,物流活動だけでなく,複数の企業間の情報フ ローにも関係がある.一部の学者はそれを使用して企業間の戦略的問題を説明し,もう 一部の学者は垂直統合の組織構造について議論し,ほかの学者は企業とそのサプライヤ ーとの関係を研究している.
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サプライ・チェーン研究の多くの側面に重複がある.実際,同じトピックでも,異な る側面からの異なる研究分野の問題とみなすべきである.表 2.2 に,サプライ・チェー ン・マネジメントに関連する 6 つの研究分野の問題を示している.これらの問題には,
企業間の提携,JIT,e コマースなど,複数の研究側面があることがわかる.
サプライ・チェーン・マネジメントの定義に関するいくつかの重要な文献について議 論した.多数のサプライ・チェーン・マネジメントの文献に明確な分類分析を行うため に,サプライ・チェーン・マネジメントに関する文献は,表 2.3 の 2 次元マトリックス に従って分類できる.この方法では,サプライ・チェーン・マネジメントへの分析能力 とサプライ・チェーン・マネジメントのプロセスの両方を考慮することができる.
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表 2.2 サプライ・チェーン・マネジメントに関連する研究分野 Strategic management issues
(what we want)
Relationship / collaboration issues
(what I want)
Strategic network structure Relationship development
Supply chain control Development of supplier
Time-based strategy Supplier strategic choice
Get strategic resources Collaborative access to resources Vertical decomposition Supplier relationship
Decision of buying Supply / distribution based integration Supplier's strategic division and selection ISO
Supply Network Product and design
Strategic Alliance Merger of interests, joint risk Worldwide production Contract, trust, commission
Global strategy Collaborative execution
Capacity development Joint marketing
Strategic procurement Best practical experience
Modern logistics JIT,MRP,MRPⅡ
Combination of logistics and information flow Sustainable development
JIT,MRP,VMI Supplier cooperation at different levels
Physical distribution Supplier Alliance
Lagging of logistics Learning Network Tuning
Capacity planning Quick response
Predictive Information Management Clear invalid links
Distribution Channel Management Comparison of production-oriented and market-oriented supply chains
Planning and control of logistics Organizational behavior
Marketing Inter-organizational communication
Collaborative marketing Human resource Management Internet-based supply chain Company culture
Customer service management Efficient customer response Efficient supply
After sales service
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表 2.3
サプライ・チェーン・マネジメントの分類(その 1)Participant Factors to consider
Cost Information Way of
participation
Relationship
Both parties involved
Supply- Manufacturer
Transaction cost Information Technology Support
Collaborative Design
Outsource
Rationalization of transport routes
Instant Information Stream Processing
Rationalize staffing
Trust
Technology Exchange
EDI Supplier
Discovery Manufacturing
--Distribution
Redesign of distribution channels
Information Technology Support
Product Team With after sales provider
Equipment (warehouse) site selection
EDI Trust
Rationalization of transport routes
Communic-a tion
processing
Outsource
Chain Supply—
Manufacturer-- Sale
Quick Response Enterprise Dynamic Approach
Alliance Trust
Reverse supply chain
management
Information flow modeling
Positioning in the supply chain Total Supply
Chain Cost
Communicat ion
processing
Impact of product technology on supply chain relationships Added value
analysis
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表 2.3
サプライ・チェーン・マネジメントの分類(その2)Participant Factors to consider
Cost Information Way of
participation
Relationship
Network Upstream Supply Network Resources
Information Technology Support
Meeting Collaborative Resources
Rationalization of transport routes
Communic-atio n processing in the supply network
Uneven supply
Structure of the supply network
EDI Internet
resources Downstream Rationalization
of distribution channels
Communication processing in the supply network
Outsource
Equipment (warehouse) site selection
Trust
Supply chain management design
Overall Bullwhip
Effect
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2.2.5 サプライ・チェーン・マネジメントを困難にする四つの要因[12]
前節で述べたようにサプライ・チェーンを定義することは困難である.その際に困難 となるサプライ・チェーン・マネジメントの課題は大きく以下の四つと考えられる.
(1)需要の不確実性
少品種大量生産から多品種少量生産へと移したことで消費が多様化・高度化し,製品 のライフサイクルが短縮化してきているため市場動向の予測は非常に困難となってき ている.とくに消費財の場合には,製品属性が多岐に渡るため,それぞれについて売れ 行きを分析しなければならない.
需要の不確実性はサプライ・チェーン・マネジメントを困難にしている最も根本的な 問題であり,精度の高い需要予測の必要性が挙げられる.
(2)顧客許容リードタイムと比較したスループットタイムの長さ
材料を調達してから生産し,消費者へ届けるまでの時間(スループットタイム)が顧 客許容リードタイム(購入の意思決定を行い,発注してから納品までのリードタイムと して許容できる時間)よりも短ければ,サプライ・チェーン・マネジメントは比較的容 易となる.しかし実際はこのようなケースは少ない.アパレル業界のような,生地を発 注し,納品を待って縫製を行い,店頭に届けるまでのスループットタイムに比べ,商品 の売れるシーズンは極めて短いと,受注生産が困難のため,需要予測に基づく見込み生 産を行わなければならない.その結果,在庫切れ,不良在庫を抱える原因となりサプラ イ・チェーン・マネジメントを行うことが難しくなる.
(3)ブルウィップ効果
需要情報はサプライ・チェーンの川下から川上に向かうまでの間に,多段階の意思決 定方法,リードタイムの存在,需要予測の方法など様々な要因の影響を受けて徐々に歪 められ,需要の不確実性が大きくなってしまう.この効果のことをブルウィップ効果と いう.
ブルウィップ効果の抑制には情報の共有や価格の安定化,そして企業間の在庫政策,
価格政策,輸配送政策のコーディネーションなどが挙げられる.
(4)デカップリングポイントにおける商品の多様性
スループットタイムが長く,需要予測が難しいとしても,単一の商品だけを取り扱っ ている場合では,サプライ・チェーン・マネジメントは比較的容易である.
一方,商品が多様化してくると,通常サプライ・チェーン・マネジメントは難しくな る.特に,見込み生産と受注生産の境界となるのをデカップリングポイントと呼び,デ カップリングポイントにおける商品数の多様化が抑制することが,サプライ・チェー
15
ン・マネジメントを容易にすると考えられている.つまり,受注してから比較的少数の 部材を組み立てて,多様な商品を供給できることが求められている.しかし,デカップ リングポイントの商品数が絞り切れない場合,受注引取ポイントの在庫を大量に抱える 必要が生じ,サプライ・チェーン全体が市場の影響を受けやすい不安定な構造になって しまう危険性がある.
デカップリングポイントの商品の多様化の解決策として,商品の多仕様化のポイント をできるだけ先送りにする戦略があり,これをポストポーメント戦略と呼ばれ,ヒュー レット・パッカード社やベネトン社の例が有名である.顧客の要求に応じた製品の分化 を出来る限りサプライ・チェーンの下流で行うことで,市場の不確実性の影響の極力排 除し,市場動向に即応したサプライ・チェーンの構築が可能になり,その結果として安 全在庫や売れ残り在庫の低減や顧客のサービスレベルの改善に繋がる.この戦略を行う 方法としては,部品共通化,コンポーネントの標準化,モジュール化,作業工程の標準 化,作業工程を後ろにずらすこと,作業工程の入れ替えなどがある.デカップリングポ イントを考えることは製品が多様化し,需要変動が大きい現代の市場において非常に重 要であるといえる.
2.3 サプライ・チェーン・マネジメントの事例
サプライ・チェーン・マネジメントの実装事例として,以下に事例を挙げ,そのビジ ネスについて紹介をする.
(1)デル株式会社[13]
デル・ダイレクト・モデルはデル社が顧客デマンドを最優先の企業理念に基づいて開 発した独自のビジネス・モデルである.メーカーのデルが顧客とのダイレクトな関係を 築くことにより,製品の品質・性能・価格・納期・サービスなどあらゆる面において常 に最高の価値を顧客にご提供することがデル・ダイレクト・モデルの基本思想であり,
1984 年の創業時からデルのすべての事業活動の根幹となっている.このモデルによる 重要な成果の一つは,VMI(Vendor Managed inventory)と IT を用いて見込み生産を受 注生産に変えたことである.
また,デル・ダイレクト・モデルは次の二つの戦略を持ち込んだ.一つ目は,マス・
カスタマイゼーションである.これは大量生産(マス・プロダクション)のメリットを 生かしながら顧客のニーズに合わせた(カスタマイズされた)製品を提供することであ る.そのために,企業にプロセスをモジュール化して,個々の顧客の要求に合わせてモ ジュールを組み合わせるように製品を形成する体制が必要であり,それを支援する IT システムも必要になる.二つ目はポストポーメントである.これは顧客のニーズが確定 する前は見込みでベースとなる共通かつ標準的なキットを作っておき,ニーズが確定し た時点で,そのキットに指定のモジュールを組み付けていく注文方式である.そのため には,完成在庫を持つ必要はないが顧客の要求する納期に間に合わせて生産する能力を
16
持たなければならない.図 2.2 にデル・ダイレクト・モデルを示す.
図2.2 デル・ダイレクト・モデル
消費者
(ユーザー)
部 製 品
品
運送業者(FeDEX)
部品製造業者
工場 注文
輸送ステータス
需要予測
製品情報
生産状態
生産指示
製品物流
配送状況
生産状況・出荷依頼 デルコンピュータ
17
(2)トヨタ自動車株式会社[14]
自動車のような数多くの部品から作られる製品は,部品の調達やリードタイムなど,
緻密な生産計画を立てる必要がある.そこで,トヨタ自動車では,ジャスト・イン・タ イム(JIT: Just In Time)という生産方式を行うことで,リードタイムを徹底的に管理し て,在庫,リードタイム,補充,品質などのムダを排除している.JITとは,必要なも のを,必要なときに,必要なだけ供給することで,ムダ,ムラ,ムリをなくし,生産効 率を向上させる戦略である.
JITの推進手段であるマネジメント活動には,短納期生産,段取り時間の最小化,ロ ットサイズの縮小化,待ち時間の最小化,リードタイムの短縮化,品質改善やサプライ ヤーとのパートナーシップ化などがあり,これらの活動を通して,トヨタ自動車は,現 在世界トップの自動車メーカーになった
.
(3)ZARA
ZARAは年間30万SKU(1万アイテム×5~6色×5~7サイズ)の商品について全く 新しいデザインなら4~5週間以内,既存商品の修正なら2週間以内に店舗に納入でき る.従来の業界モデルでは,デザインに6カ月,製造に3カ月かかるといわれており,
ZARAの圧倒的な速さがわかる.一般的に1万アイテム,30万SKUという数になると 販売量を予測するのが相当難しく,過剰在庫を抱えたり,欠品が発生したりする可能性 が高くなる.しかし ZARA の場合,店頭在庫はあまり持たず,顧客が自分と同じ服を 着ている人と出くわさないようにという配慮と,今が買うチャンスだという雰囲気を作 り出すという在庫が少ないために特定商品が品切れする可能性が高くなることを逆に 積極的に活用している.このように需要をうまく喚起しつつ,店頭在庫を低い水準で維 持するために,ZARAは本社集中型で在庫コントロールを行っている.新商品の初回投 入量を決めるのは本社のマーケターで,店舗は追加発注できるが本社から届いたリスト に掲載された商品分だけ,しかも本社が決めた数量以上は発注できないようになってい る.日頃の情報交換を通じて要望を出す機会はあるが,どの商品をどの店舗でどれぐら い売るかについての意思決定は本社側で一括管理することでコントロールすることが できている.
2.4 まとめ
本章では,サプライ・チェーン・マネジメントの概要,実際にサプライ・チェーン・
マネジメント取り入れている企業の事例,さらにはサプライ・チェーン・マネジメント の課題について述べてきた.次章では, サプライ・チェーン・マネジメントの課題と して挙げられたブルウィップ効果について詳細を述べる.
18
第 3 章 ブルウィップ効果
3.1 はじめに
第2章ではサプライ・チェーン・マネジメントの概要や事例,その課題について述べ た.本章ではそのサプライ・チェーン・マネジメントにおける代表的な障害の一つであ るブルウィップ効果について,概要を述べる.または,本研究で用いたブルウィップ効 果を評価する管理図の概要も述べる.その後,ブルウィップ効果と管理図についての事 例研究を紹介する.
3.2 ブルウィップ効果
3.2.1 ブルウィップ効果とは
図3.1 ように川下から川上へ向かうほど発注量が増幅される現象をブルウィップ効 果(Bullwhip Effect)と呼ぶ.[15]
図3.1 小売りでの売り上げ実績
1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920 小売りの売り上げ実
績 4142464354485347515246485151494147504049 0
10 20 30 40 50 60
販 売 数
19
図3.2 小売りの売り上げ実績
図3.3 卸売りから完成品業者への発注量
1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920 小売りから卸売りへ
の発注量 5560494755666068556258595758636125532855 小売りの売り上げ実
績 4142464354485347515246485151494147504049 0
10 20 30 40 50 60 70 80
販 売 数
1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920 小売りから卸売りへ
の発注量 5560494755666068556258595758636125532855 小売りの売り上げ実
績 4142464354485347515246485151494147504049 卸売りから完成品業
者への発注量 5956766456577779836487617364683674195024 100
2030 4050 6070 8090 100
販 売数
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ブルウィップ効果は,サプライ・チェーンの需要変動の増幅現象であり,サプライ・
チェーンにおける最も重要なパフォーマンスインジケータである.
ブルウィップ効果は,1997年にLeeら[15]によって最初に提案された.それは,サプ ライ・チェーンで注文の形で流される需要情報が歪められ,この歪みが拡大されてサプ ライ・チェーンの上流に広がることを説明した.川上のメンバーを間違った生産および 在庫決定をさせた.Forrester [4]は,エンタープライズデータ分析を通じてこのような分 散増幅現象を初めて明確に説明し,システムダイナミクス法を使用してシステムをシミ ュレートした.Burbidge は,需要拡大の現象とその解決策について詳細に議論し,「破 産を回避する5つの黄金律」を提案した.Lee ら(1997年)[15]およびChen ら[17]は,
統計的な手法を使用してブルウィップ効果を実証した. Towill [18]らは,制御理論の観 点から,ブルウィップ効果の包括的な説明を提案した.Dejonckheereら [19]は,フィル ター理論を使用してブルウィップ効果を定量化および分析した.2004 年,国際経営科 学誌「経営科学」は,経営科学における50 年間の科学的進歩を広範囲にレビューし,
ブルウィップ効果の研究と制御は,50年間で経営科学の最も重要な10つの貢献の1つ と考えられていると報告している.
今まで,ブルウィップ効果の研究は,主に,ブルウィップ効果の存在,ブルウィップ 効果の定量化,およびブルウィップ効果の低減と制御などの側面に焦点を合わせてきた.
ブルウィップ効果の研究の初期段階は,主に,サプライ・チェーンにおける市場,顧客,
販売,生産,在庫などで実際の調整を行い,経験的方法でブルウィップ効果の存在を研 究および確認することであった.ブルウィップ効果の問題に関するさらなる研究は,主 にブルウィップ効果の定量化に焦点を当て,ブルウィップ効果を定量化するための統計 的分析法と制御工学的な方法を考慮している. ブルウィップ効果に関する最近の研究 は,サプライ・チェーンにおけるこの効果をどのように緩和して制御するかを検討する ことである.
21
表 3.1 ブルウィップ効果の研究分類
著者 原因 影響要因 アドバイス
Forrester:需要拡大 需要非透明化
情報の歪み
再注文ポイント
長いリードタイ ム
時間を短縮
不必要な段階を 排除
Burbidge:多段階 多段階注文 注文期間のずれ
情報の欠如
注文戦略を変え
Sterman:ビールゲー ム
錯覚
意思決定の間違 い
エンドユーザー のニーズが見え ない
サプライ・チェ ーン間のコミュ ニケーションを 改善
Lee:ブルウィップ効 果
需要情報に関す る情報劣化
バッチ発注
価格変動
制限と欠品
エンドユーザー のニーズが見え ない
多重予測
長いリードタイ ム
高い注文コスト
価格政策
制限なしの注文
情報共有
リードタイムを 短縮
価格を統一
売上による配分
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ブルウィップ効果を最初に認識したのはForresterである.一連のケーススタディを通 じ,季節商品については,メーカーの需要の変化が顧客の需要の変化をはるかに上回り,
この効果が供給にもあることを発見した.また,この効果はサプライ・チェーンのあら ゆる面で増幅されることを気づいた.
Forresterと同様に,多くの学者は,実際のデータの数値解析を通じ,経済学の観点か
ら多くの産業におけるブルウィップ効果を指摘した.たとえば,工場の生産量の変動は,
売上の変動よりも大きくなったり,注文は,サプライ・チェーンを上るにつれて増加す る傾向がある.
1990年代初頭,P&Gが「オムツ」という商品の市場需要と注文戦略を調査したとき,
製品の小売量は非常に安定しており,ただし,販売代理店から工場への注文数は小売数 量の変動よりもはるかに多いことを発見した.また,サプライヤーへの注文はさらに変 動した.HP社,IBM,および他の企業が同じ問題を発見した[15][21].
3.2.2 ブルウィップ効果の実験[22]
Sterman はビールゲームと呼ばれるゲームを設計した.4 人の参加者はサプライ・チ
ェーンを形成し,ビールの小売業者,卸売業者,distributor,製造業者として独立して 在庫を決定する.唯一の情報リソースは川下の参加者からの注文である.この実験は,
サプライ・チェーンの川上に移動するにつれて注文数量が増加することを示していた.
このゲームは何度も繰り返され,そのメンバーには学生だけでなく会社の管理者もいる が,結果は同じである.需要の変化の大きさは,通過するたびに倍増する.製造業者が 川下から注文を取得した後,図のように市場需要の変化の何倍も多くなった.
図3.4 ビールゲームを示す需要の変化
0 50 100 150 200 250
1 18 35 52 69 86 103 120 137 154 171 188 205 222 239 256 273 290 307 324 341 358 375 392 409 426 443 460 477 494
量
期
サプライヤー 小売り 需要量
23 3.2.3 ブルウィップ効果の原因[15]
ブルウィップ効果の原因は,サプライ・チェーンの川上ノードと川下ノードの間のコ ミュニケーションに障害があることである.長いリードタイム,多くの流通リンク,高 い注文コストなど,サプライ・チェーンシステムの固有の属性によって引き起こされて いる.具体的には,ブルウィップ効果の主な原因は,需要予測,リードタイム,バッチ 発注,制限と欠品,価格変動などである.
(1) 需要情報に関する情報劣化
サプライ・チェーン内の各企業はそれぞれに生産スケジュール,在庫管理などの ために需要予測を行う.需要予測は1段階下流の消費者の発注履歴を基に行われる.
ビールゲームの結果は,プレイヤーの認識や不信などの多くの行動的要因の結果で あり,重要な要素は観察した内容に基づいて需要パターンを予測する際の各プレイ ヤーの思考プロセスである.川下から発注が行われると,川上ではその需要情報を 将来のその製品の需要傾向としてとらえ,これに基づいて自社の需要予測を調整し たうえで,さらに上流へと発注を行う.図3.5ように予測して発注する.
図3.5 サプライ・チェーンの発注ポリシー
(2) バッチ発注
サプライ・チェーンでは,各企業が在庫レベルを監視して上流企業に注文すると いう政策がある.安全在庫があるため,市場の需要が増加した場合,川上へすぐに 注文しない.需要がある程度まで累積すると,注文はバッチで行われている.定期 的な注文とは,会社が川上へ注文する場合,需要に応じて注文するのではなく,在
顧客
需要 発注
情報共有
発注ポリシー
予測
予測ポリシー 遅れ
サプライヤー 需 要
物 流
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庫などの状況を考慮し,定期的なバッチ注文を使用することである.注文の頻度を 見ると,理論的には,頻度は月,週,日,さらには時間を単位としたことができる が,需要と供給は距離が長いと時間をかかるがあるため,連続的な注文はほとんど 不可能である.さらに,単一の注文を処理するための時間とコストが相当なので,
川上が即時注文を処理することは不可能である.
バッチ発注は,川上を気まぐれな注文状況にさらされている.小売業者がバッチ 発注を使用した場合,サプライヤーは数量の多い注文を獲得し,その次は注文なし となるかもしれない.その後にまたは数量の多い注文がくる.したがって,サプラ イヤーは,歪んだ非常に可変的な注文モデルを目にした.もちろん,バッチ発注の 実行により,需要の変化の範囲が拡大し,ブルウィップ効果が生まれた.
サプライ・チェーンでは,バッチ発注を使用するもう1つの主な理由は,頻繁な 注文による輸送コストがかなり大きい.全負荷輸送と最小能力以下の輸送との間の 経済的ギャップは非常に大きい.サプライヤーが大量注文に対して最適な価格設定 を提供するため,小売業者がサプライヤーに材料を注文する場合,全力で出荷する ことが強く望まれている.だから,ほとんどの企業にとって,バッチ発注は通常1 か月以上の売上である.
(3) 欠品と制限
生産能力の制限により,需要が供給よりも大きい場合,製造業者はしばしば量的 に製品を消費者に提供している.つまり,製造業者は注文に従って製品を配送する.
製品の供給が不足する時に,注文量による製品を配送することが現実である.その ため,多くの場合,川下は注文の際に実際の需要を誇張する.そのせいで,需要が 減少すると,注文が突然消えたり,注文がキャンセルされたりすることがよくある.
現時点では,消費者はサプライヤーに正確で実際の需要情報を提供できず,製造業 者に対する製品の市場需要に誤った印象を与えた.この注文の急増は,実際の消費 の伸びの結果ではなく,予測の結果である.消費者は,さまざまなサプライヤーへ リピート注文を行い,最初のサプライヤーから購入し,他のすべてのリピート注文 をキャンセルする.この現象が社会的行動になると,発注モードと消費モードのギ ャップが大きくなり,ブルウィップ効果の影響が大きくなると考えられている.変 動する注文の場合,多くのメーカーまたはサプライヤーがその需要が本当なのか,
抽象的な需要なのかを区別できない.多くの場合は,在庫のコストがどんどん増え ていた.
(4) 価格変動
データによると,小売業界では,メーカーと代理店間の取引の 80%が需要予測 を前提として事前に完了している.なぜなら,メーカーが非常に魅力的な価格を提
25
供する.そして,その事前購入が在庫量を増やせる.
事前購入は価格の変動によって引き起こされることである.メーカーと代理店は 定期的に価格の割引,数量の割引,特別サービスなどのプロモーションを使用して いる.さらに,メーカーは,特別割引,低価格,分割払いなど,すべて間接的な価 格割引の形で,販売業者や卸売業者に取引特権も提供する. サプライ・チェーン では,これらの特別なプロモーションの使用により,消費者の大量購入を促進しな がら,大量の在庫をもたらしている.事前購入が慣例になった場合,製品の価格が 低い場合,消費者は実際に必要なものよりも多く購入することになる.価格が中立 または高い場合,消費者は在庫がなくなるまで購入を停止する.その結果,消費者 の購入パターンは実際の消費パターンを反映できず,購入数の変化は消費数の変化 よりも大きく,その結果,ブルウィップ効果が生じる.
多くの企業は,クロスの値段戦略が購入の促進と売上の増加に適していると考え ているが,マイナスの影響も明らかである.実際,サプライ・チェーンでは,鞭効 果の存在により,消費者の需要からメーカーへの注文は膨大である.この劇的な変 化に直面した場合,メーカーはとある時間帯に過負荷の生産と輸送を行い,それ以 外の時間は何もしないままにしなければならない.
メーカーに加え,このプロモーションは,サプライ・チェーン内の他のノードの在 庫も増加させた.
(5) そのほか[23]
ブルウィップ効果の上記の5つの主な理由に加え,一部の学者は,サプライ・チ ェーン構造にもブルウィップ効果になる重要な理由であると考えている.彼らは,
サプライ・チェーンシステムが相互作用し,互いに依存するいくつかのコンポーネ ント(要素)と組み合わされた特定の機能を持つ有機的な全体であると信じている.
システムの構造がシステムの機能を決定すると同時に,システムの機能もシステム の構造に悪影響を及ぼす.ブルウィップ効果の現象は,情報の完全性と効果的なメ カニズムの観点から完全に排除することはできず,サプライ・チェーンの構造から 始まり,ブルウィップ効果の起源を分析する必要がある.
① メンバーの理性的な行動
サプライ・チェーンのすべてのメンバーは理性を持つ人物であり,自分の利 益を最大化するために,企業秘密に関連する情報など,非常に重要な情報を隠 している.または,十分な供給を確保して顧客のニーズを満たすために,顧客 の注文数量などの公開情報を誇張し,情報を歪曲させる.小売業者のこの行動 は,サプライヤーが市場需要の真の情報を取得することを防ぎ,サプライヤー も理性を持つ人物であるため,小売業者によって提供される情報に懐疑的な態 度を取り,利益を保護するための特定の措置を講じる.例えば,自社の安全在
26
庫を増やし,サプライヤーに誇張した情報を提供するなど.この「内部消費」
は,サプライ・チェーンの全体の競争力に大きく影響する.
② 企業の制度
一部の企業は,不十分な制度による情報が歪まっていた.たとえば,Atlantic
Bell Corporationの業務内容は,ユーザー機器の消耗品の交換と修理を担当する.
部品倉庫の評価基準は部品の在庫レベルであるため,在庫が少ないほど,マネ ージャーのパフォーマンスは高くなる.メンテナンスエンジニアへの評価基準 は,修復を完了する時間である.この評価基準により,メンテナンスエンジニ アが部品自体を保管し始めるため在庫の管理が不十分になり,企業の高レベル の分散在庫と実際の需要情報が歪められた.
③ サプライ・チェーンのマルチ構造
サプライ・チェーンは,製造業者,卸売業者,小売業者,ユーザーで構成さ れるマルチレベルのロジスティクスと情報フローである. サプライ・チェー ンの参加者は,欠品を回避するために安全在庫を設定する.これらの安全在庫 は,サプライ・チェーンで段階的に拡大および蓄積されている. サプライ・
チェーンが長くなるほど段階が増え,川上企業は市場の変動への反応がうすく なり,ブルウィップ効果が大きくなる.
④ 情報共有しない
3.2.2で述べたビールゲームはこれを示している.企業間にはスムーズな情報
チェーンがないため,すべての企業は,自社の過去の需要変化と最近の需要変 化に基づいて合理的な市場予測を行う傾向がある. また,これらの予測は,
情報の歪みを引き起こした非共有情報のために信頼性が低くなる. さらに,
サプライ・チェーンのメンバー企業間の良好な調整の欠如により,顧客のニー ズに関するリアルタイムの情報がタイムリーにサプライ・チェーンにフィード バックされず,顧客ニーズへの対応などに遅れが生じている.
3.3 ブルウィップ効果についての関連研究
ここではサプライ・チェーンにおけるブルウィップ効果についての関連研究について 述べる.
Chenら[17]はそれまでの先行研究とは異なり,サプライ・チェーンにおけるブルウィ ップ効果に対する需要予測の影響に着目したモデルを提案した.
従来のモデルは,需要情報の詳細についてRetailerが把握している前提で成立してい たが,Chen らのモデルでは,需要情報の詳細までは把握しておらず,移動平均法によ ってそれらを予測する.Chenらのモデルを次の図3.6に表す.
27
図3.6 Chenらのサプライ・チェーン・モデル
このモデルで用いられるパラメータや変数を以下に表す.
𝒕 期間
𝒑 移動平均法を用いる区間幅 𝝁 平均を表わすパラメータ(𝜇 ≥ 0) 𝝆 自己相関係数(|𝜌| ≤ 1)
𝝐𝒕 𝑡 期における残差を表すパラメータ
(期ごとに平均0,標準偏差𝜎の独立な分布) 𝑳 マニュファクチャラーの納入リードタイム 𝒛 安全係数
𝑫𝒕 𝑡 期のリテイラーへの需要量
𝑫̂𝒕𝑳 リードタイム中のリテイラーへの需要量の予測値 𝝈
̂𝒆𝒕𝑳 リードタイム中の予測誤差を表す予測値の標準偏差 𝒆𝒕 1期間における予測誤差
𝒚𝒕 発注点
𝒒𝒕 発注量
このモデルでは,リテイラーは各期間𝑡において在庫レベルを確認し,マニュファク チャラーに対して発注量𝑞𝑡を発注する.𝑡期末に発注されたオーダーはリードタイム𝐿後
の(𝑡 + 𝐿)期の初めに到着する.実際に納品できる量が需要量に満たなかった場合,その
需要は次の期に持ち越される.
リテイラーへの需要量𝐷𝑡は次のような式に従う.
𝑫𝒕= 𝝁 + 𝝆𝑫𝒕−𝟏+ 𝝐𝒕 (3.1)
このとき,自己相関係数𝜌 > 0の場合は前期の需要と正の相関があり,𝜌 < 0である場 合は負の相関を持つことを表す.また予測誤差𝜖𝑡は平均𝜇と比較して十分に小さいもの とする.これより次のことが言える.
Retailer Manufacture
r
𝐷𝑡 𝑞𝑡
𝐿
28
𝑬(𝑫𝒕) = 𝝁/(𝟏 − 𝝆) (3.2)
𝑉𝑎𝑟(𝐷𝑡) = 𝜎2/(1 − 𝜌)2 (3.3) リテイラーは発注点方式に従い毎期発注を行うと考える.このとき発注点𝑦𝑡は次のよ うに表される.
𝒚𝒕= 𝑫̂𝒕𝑳+ 𝒛𝝈̂𝒆𝒕𝑳 (3.4)
式(3.4)はリードタイム𝐿中の予測誤差𝜎𝑡𝐿の推定値𝜎̂𝑒𝑡𝐿に基づいており,リードタイム 中の需要の標準偏差𝜎𝐿の推定値𝜎̂𝑡𝐿に基づいているのではない.
𝐷̂𝑡𝐿, 𝜎̂𝑒𝑡𝐿は移動平均法を用いると,それぞれ次のように表される.
𝑫̂𝒕𝑳= 𝑳(∑𝒑𝒊=𝟏𝑫𝒕−𝒊
𝒑 ) (3.5)
𝜎̂𝑒𝑡𝐿 = 𝐶𝐿,𝑝√∑𝑝𝑖=1(𝑒𝑡−𝑖)2
𝑝 − 1 (3.6)
𝐶𝐿,𝑝は𝐿と𝜌,𝑝の定数関数である.ここで𝑒𝑡は次のように表す.
𝒆𝒕= 𝑫𝒕− 𝑫̂𝒕𝟏 (3.7)
これらを基に発注量は次のように表す.
𝒒𝒕= 𝒚𝒕− 𝒚𝒕−𝟏+ 𝑫𝒕−𝟏 (3.8)
𝑞𝑡の値が負となる場合,過剰在庫はコスト0で返却されるものとする.これらより𝑞𝑡は 次のように表すことができる.
𝒒𝒕= 𝑫̂𝒕𝑳− 𝑫̂𝒕−𝟏𝑳 + 𝒛(𝝈̂𝒆𝒕𝑳 − 𝝈̂𝒆,𝒕−𝟏𝑳 ) + 𝑫𝒕−𝟏
= 𝑳 (𝑫𝒕−𝟏− 𝑫𝒕−𝒑−𝟏
𝒑 ) + 𝑫𝒕−𝟏+ 𝒛(𝝈̂𝒆𝒕𝑳 − 𝝈̂𝒆,𝒕−𝟏𝑳 )
= (𝟏 − 𝑳 𝒑⁄ )𝑫𝒕−𝟏− (𝑳 𝒑⁄ )𝑫𝒕−𝒑−𝟏+ 𝒛(𝝈̂𝒆𝒕𝑳 − 𝝈̂𝒆,𝒕−𝟏𝑳 )
(3.9)
ここで次のような2つの式が成り立つ.
𝒄𝒐𝒗(𝑫𝒕−𝟏, 𝑫𝒕−𝒑−𝟏) = [𝝆𝒑
(𝟏 − 𝝆𝒑)
⁄ ] (3.10)
𝑐𝑜𝑣(𝐷𝑡−1, 𝜎̂𝑒𝑡𝐿) = 0 (3.11) これによって,発注量の分散𝑉𝑎𝑟(𝑞𝑡)は式(3.10)のように求められる.
𝑽𝒂𝒓(𝒒𝒕) = [𝟏 + (𝟐𝑳 𝒑 +𝟐𝑳𝟐
𝒑𝟐 ) (𝟏 − 𝝆𝒑)] 𝑽𝒂𝒓(𝑫) + 𝒛𝟐𝑽𝒂𝒓(𝝈̂𝒆𝒕𝑳 − 𝝈̂𝒆,𝒕−𝟏𝑳 )
(3.12)
よって移動平均法を用いた2段階のサプライ・チェーン・モデルにおけるブルウィッ プ効果の評価式𝑉𝑎𝑟(𝑞𝑡)
𝑉𝑎𝑟(𝐷)は次式のように表すことができる.