『 ダーウィンの遺産』
渡辺 政隆
科学史家、サイエンスライター
進化学 の祖 と呼ばれ るチ ャールズ ・ダー ウィンは、
1809
年2
月12
日、イ ングラン ド北西部、 ウェールズ との国境 に近 い小 さな商業都市 シュルーズベ リで生 を受けた。そ ういうわけで今 年はダーウィン生誕200
年 にあたる。また、その進化理論 を初めて世 に問 うた 『種の起源』が出版 されたのは
1859
年11
月24
日で あ り、今年はその出版150
年 冒 にもあたる。 まさに2009
年はダー ウィンのビッグイヤーなの である。 したが って、 これ まで名のみ知 られ、その生涯 と思想 については意外 と知 られて こなかったダーウィンに親 しむ絶好 のタイ ミングなのだ。本講演では、 ダーウィンの どこが偉大だったのかに焦点 を当 て、 当時 における偉大 さのみな らず、現代進化学 に対す る影響 の大 きさについて も論 じることで、現代進化学 を僻轍す る予定 である。
また、歴史 を変 えた科学書 『種 の起源』 はいかにして生 まれ たのか について も論 じる。一般 には、青年ダーウィンが ビー グ ル号での世界周航の途上で立ち寄 ったガ ラパ ゴス諸島で着想 し た と言われて いる。 しか し、ダー ウィンが 『種の起源』 を出版
したのはそれか ら
20
数年後 の50
歳 の とき.その間彼は、 いっ た い何 を して いたのだ ろ うか。 そ の答 は、 ダーウィンの人間 性 とも関係す る大いなる謎でもある。‑8‑