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教授蒔田鐵夫    東京理科大学教授  小 越 澄 雄

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:矢 澤 翔 大

博士の専攻分野の名称:博士(工学)

論文題名:水素マイクロ波プラズマにより酸素欠損処理された酸化チタン光触媒に関する研究 審査委員:(主査)  教授  中 西 哲 也

     (副査) 教授小井戸純司   教授蒔田鐵夫

    東京理科大学教授  小 越 澄 雄

 本研究は、実生活に使用することができる可視光にも反応する光触媒の研究開発に関するもので、酸化 チタンを水素マイクロ波プラズマで酸素欠損処理して可視光にも反応するようにしたものである。

 第1章では,本研究の背景ならびに,光触媒の仕組み,光触媒の種類,酸化チタンの課題,光触媒の 可視光応答化技術の方法や種類,酸素欠損型光触媒について概説し,本研究の目的および本論文の構成を

述べている。

 第2章では,水素マイクロ波プラズマを用いた酸素欠損型酸化チタンの作製について述べている。プラ ズマ処理時間,プラズマ入力電九アルゴンと水素の混合比を変化させて酸素欠損型光触媒を作製し,可 視光を吸収するようになったことを実験で確認している。また、XRDによる結晶解析により,酸化チタン の結晶は完全に壊れることなく分解性能の高いアナターゼ型結晶であることを確認している。さらに,XPS による解析により,酸化チタン光触媒に水素マイクロ波プラズマ処理を施すことにより,酸素欠損が起き ていることを確認している。

 第3章では,作製した酸素欠損型酸化チタンの性能評価を行う方法として,JIS R 1701−4で規定された 方法に基づいたホルムアルデヒド分解実験方法について詳述している。光源としては蛍光灯を用いている。

次に,この方法を用いて作製した酸素欠損型酸化チタンの性能評価を行っている。水素マイクロ波プラズ マ処理時間やプラズマ入力電力,ならびにプラズマを安定に発生させるために使用するアルゴンガスと水 素ガスの混合比を変えて作製した酸素欠損型酸化チタンについて性能評価を行っている。さらに,これま で研究されている可視光応答型光触媒の中で最も代表的な窒素ドープ型光触媒を作製し,今回作製した酸 素欠損型光触媒と比較検討を行っている。実験の結果,酸素欠損型酸化チタン光触媒は良好なホルムアル デヒドの分解性能を発揮することを示した。本実験により,プラズマの処理時間を短くし,入力電力を低 くするほど,また,プラズマ雰囲気である血と且2ガスの混合比はH2の割合が少ないほど分解性能が高 いことがわかった。さらに,酸素欠損型酸化チタン光触媒と窒素ドープ型光触媒を比較した結果,前者は 後者に対して5倍以上の分解性能を発揮することがわかった。

 第4章では,実生活で室内の光源として利用が拡大している,かつ紫外線を含まないLEDを用いたホル ムアルデヒド分解実験について述べている。光触媒性能を向上させるための作製条件である水素マイクロ 波プラズマ処理は,入力電力および,プラズマ処理中のアルゴンガスと水素ガスの比率を変更して検討し ている。JISで規定された方法によりホルムアルデヒド分解特性評価を行った結果、未処理の酸化チタンは ホルムアルデヒドを分解できないのに対して,水素マイクロ波プラズマ処理を行った酸素欠損型光触媒は,

ホルムアルデヒドを分解することを確認した。これにより,作製した酸素欠損型光触媒は可視光応答型光 触媒に変化していることがわかった。このときの最も分解性能が高かった作製条件は,プラズマの入力電 力は200W,血とH2の混合比は3:1であった。また、酸素欠損型酸化チタン光触媒と窒素ドープ型光触 媒の性能比較をした結果,前者は後者に対して最大6.25倍の分解性能を発揮することがわかった。

 第5章では,酸素欠損型光触媒の2つ目の懸念項目である処理後からの経時性能特性について述べてい る。ホルムアルデヒド分解性能を長期間測定した結果、最初の4週間は性能が低下するものの,その後6 ヶ月間以上分解性能は安定することがわかった。最後の第6章では、本研究の総括を述べている。

 この成果は,生産工学,特に電気電子工学に寄与するものと評価できる。

 よって本論文は,博士(工学)の学位を授与されるに値するものと認められる。

以  上

平成

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