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開発土木教室出光 隆 On the methods of the test for measuring Bond and

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Academic year: 2021

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(1)

鉄筋のひびわれ,付着特性試験について

開発土木教室出光 隆

On the methods of the test for measuring Bond and Cracking charactaristics of Bars

by Takashi IDEMITSU

  Recently, various kinds of deformed Bars are manufactured in Japan. But, the methods of the the tests for measuring their charactaristics of Bond and Cracking have not been established.

  So, in this paper, the author proposes the methods of a Bond test and a Cracking test, and, describes the results of these tests which have done about a few kinds of Bars.

       付着特性およびひびわれ特性が優れていること,

 1・緒  言       すなわち,コンクリートとの付着強度が大きく,

 1964年,異形鉄筋に関する規定JIS G3112 鉄  かつ,伝達される力のコンクリートへの分散が良 筋コンクリート用棒鋼 が制定され,鉄筋の種類  好でコンクリートに小さなひびわれを分布して生 製造法,形状,寸法および重量などが詳細に規定  ぜしめることなどである。これらの特性は主とし された。      て鉄筋の表面形状に関係するものである。この他  さらに,1967年,鉄筋コソクリート標準示方書   に,表面形状に関係するものとして鉄筋の疲労も が改正され,その21条,鉄筋の項には 鉄筋は  考えられる。すなわち,鉄筋表面に凹凸をつけれ JIS G3112に適合したものを用いなければならな  ば,そこに応力集中がおこり・繰返荷重に対する

い。もし,これに示されていない鉄筋を用いる場  鉄筋の強度は著しく減退する。

合は,試験を行ない171条に準じて適当な許容応    今日,我国では,多種多様な表面形状を有する 力度を定めなければならない と規定されてい  異形鉄筋が市販されている。その中にはJIS G る。ここに171条はひびわれ,疲労などを考慮し  3112の表面形状に関する規定に適合しないもの た鉄筋の許容応力度に関する規定である。      も相当数含まれていると考えられる。しかるに,

 示方書の21条に,鉄筋がJIS G3112に適合す  それら鉄筋の表面形状の優劣を比較する試験法に べく厳格に規定されていないのは,技術の進歩に  ついては,現在,各所で研究されており,いまだ 伴い,将来,さらに新形式の異形鉄筋で,JISの  定まったものはない。筆者は・この現状にかんが 規定に適合するものより以上の性能を有する鉄筋  み,以下にのべる付着特性,ひびわれ特性試験を の出現も期待されるからである。         行ない・2・3の鉄筋の特徴を比較してみた。も  周知のごとく,鉄筋コンクリートは合成材であ  ちうん・両試験結果からただちに優劣の判断を下 り,鉄筋とコンクリートが協力して外力に耐える  すことはできず,総合的判断は疲労特性をも考え わけである。したがって,鉄筋にとってはそれ自  合せて行なわなければならないが,これらの試験 身の諸強度,諸性質のいかんとともに,コンクリ  は両特性に関する鉄筋表面形状の特徴をかなり明 一トにいかなる影響をおよぼすかが重要な問題と  確に表わしうるものと考える。以下,それらの試 なってくる。この点から鉄筋に望まれることは,  験法および試験結果についてのべる。

(2)

 2.両引抜き付着強度試験について        ここに・両引抜き試験の方法および2・3の鉄       筋を用いて行なった試験結果についてのべる。

 従来・付着強度はASTMの引抜き試験標準    試験は①,②2つの段階に分けて行なった。試 方法(C234−49T)に準じて行なわれてきた。そ  験①では埋込長を変えて供試体を作成し引抜き量 の概i略は図一1(a)に示すごとく・コンクリート中   と平均付着応力の関係を求め,各鉄筋の比較を行 にうめ込んだ鉄筋を片側から引抜く方法である。  なうとともに,埋込長がそれらの値におよぼす影 供試体の作成が容易であり・また・試験法も簡単   響を調べた。

であるから手軽に試験を行ないうる長所を有する   試験②では図_2に示す特殊な方法で,鉄筋中 が・試験中・コンクリートおよび鉄筋に生ずる応   に溝を切り,ワイヤーストレインゲージを貼付し 力状態は同図に示すごとくコンクリートが圧縮・   て鉄筋の応力分布を測定し,その結果から付着応 鉄筋が引張となり・実際に・はり・板など曲げを  力分布を求め鉄筋の付着特性を調べた。

うけるRC部材の引張部分に生ずる応力状態,す

なわち,コンクリート,鉄筋ともに引張の状態と       ワイヤ_

た2つの鉄筋を同時に両側から引抜く方法であ     聾璽

る。       図_2

lIl

1 1 1 1

σ c 1

Il

       

ω  (b)1  1)試験に用いる材料

       本実験に用いるコンクリートの配合,強度を表       一1に,また,鉄筋の諸性質を表一2に示す。

1

1 1 1 1 1 1

σ

表一1

 骨材臼大寸法

imm)

水セメ 塔g比

i%)

単位セメ 刀@ト量

@(kg)

単位水量

@(kg)

絶対細 恪゙率

i%)

28日強度 ikg/

@cm2)

20 53 300 玉59 38 280

表一2

l   l

T      T

図一1

鉄筋 の

增@類

公称直径 imm)

降伏点 ikg/

@mm2)

抗張力

ikg/ mm2)

のび率

i%)

弾性係数 ikg/

@cm2)

19 31.7  52.0 32 2.1×106 異形丸鋼 19 35.1 59.4 26 2.1×106

パイコン   1 19  1 47.0 61.0 23 2.1×106

 この方法では鉄筋もコソクリートも引張応力を

うけており,実際にRC部材に生ずる応力状態と   パイコンの断面はほぼ矩形に近く,図一3にそ 類似している点,前述した引抜き試験より優れて  の断面図を示す。フシの間隔はほとんど異形丸鋼 いるといえよう。       に等しい。

(3)

←;→     一試験②では埋脹を28・mに定めて・図一5に

       不す間隔でワイヤーストレインゲージを貼布し

「r

       た。

今  約・.・9d

⊥ 噸径 口=====:==二======

30      5

    50 50

図一3       560

二二=国 25ワイヤー  ストレイン   ゲージ

2)供試体作成,および試験法      図一5

 図一4は両引抜き試験用供試体の形状・寸法を   試験は①,②ともに供試体作成後28日目に行な 示したものである。       った。写真_2は供試体をオルゼン型万能試験機

…リング‥繁鉄筋ス 寞リにセツトしたところである゜

T〆  s .∫、

至∪ 1、 1  1

60

引抜き方向一

図一4

L−一十一250ヨ

 2つの主鉄筋を中央で突合し,鉄筋軸が一直線 になるよう,ガイドリングでそれらを接続した。

コンクリート打設中その状態が保たれるべく細心 の注意を払った。直径13mmの異形丸鋼は引張補 強鉄筋であり,また直径5mmの丸鋼はフープテ ンションに多少は抵抗できるよう,スパイラル状 に組立鉄筋として用いた。試験①では埋込長(L)

を10cm,15cm,20cmと変えて,各鉄筋につい て3種類の供試体を作成した。 (写真一1)

写真一2

 試験法は①では引抜き荷重500kgごとにダイ ヤルゲージで鉄筋の引抜き量を測定して荷重〜引 抜き量曲線を描き,引抜き量0.1mm,0.2mmに 対する平均付着応力(τ0)を求めた。試験②では 各荷重段階ごとに引抜き量とともに鉄筋のひずみ をも測定した。この結果から各荷重段階ごとの鉄 筋の引張応力(σ、)分布曲線を描き,さらにそれ 写真一1      に対応する付着応力(τ。)分布曲線を描いた。

(4)

 3)試験結果      鉄3200        堕2  i)試験①の結果:表一3に試験結果をまとめ     芳;

て示した゜

@       顧

 表一3平均橋応力(τ・k・/cm2)    1

鉄筋 の

增@類

引抜き量 imm)

1埋込み・・㏄m)1・5@m

丸  鋼

0.2 36.0 39.8

0.1 33.5 33.5

パイコン

0.2 62.0 70.4

0.1 52.0 52.5

異形丸鋼

0.2 74.5 75.4

26.8 30.1 58.0 40.0 58.0

図一6

1

㌦8。

の値は表一3に示した平均付着応力の値にくらべ るといく分小さいように考えられるが,この原因  パイコン,異形丸鋼は丸鋼にくらべて,表面形   は・埋込長が相違していること・鉄筋断面の減少

状からして当然ではあるが,著るしく付着特性が  によって鉄筋が変形しやすく・したがって・多少 良い。パィコンと異形丸鋼をくらべてみると,引  は引抜きやすくなっていることなどに起因するも 抜き量0.2mmに対しては平均付着応力の差は大  のと考えられる。なおτ・分布曲線の山は加力端 きくないが,0.1mmの場合はかなり大きい。こ  からほぼ15cmの所で終っており・この結果から れは鉄筋の引張応力(σ、)の小さいうちはパィコ   も前記したごとく両引抜き試験用供試体の適当な

ンの付着特性が異形丸鋼にくらべていく分劣るこ  埋込長は10cm〜15cmであることがわかる。

とを示すものと考えられる。

 次に,埋込長について考える。埋込長10cm〜     誓100 (・)

15cmの間では平均付着応力はほぼ一定値を示す     男80

㌧慧:篇蒜㌶塩蕊㍊  ゑ:

間に集中していることを意味する.したヵミって, 121

両引抜き試験用供試体には10cm〜15cmの埋込        一加力端からの距離(㎝)

長が適当であると考えられる。      図一7

 ii)試験②の結果;図一6は引抜き量0.2mm      誓 (b)

に対する鉄筋応力(σ、)分布曲線,付着応力(,。)      芳        ビリ

分布曲線を各鉄筋について示したものである。       悟、

 丸鋼のτ。分布曲線はほぼ矩形をしているが,       Y

パイコン,異形丸鋼のそれは加力端から急上昇し         3  g  15  21 てほぼ三角形をなす。したがって,丸鋼の場合は        一加力端からの距離(㎝)

最大付着応力と平均付着応力との間の差は小さい

が,パィコンと異形丸鋼の場合にはかなりの差が   図一7 (a),㊨は異形丸鋼の両引抜き試験 あることになる。      (ASTMに準ずる方法)によるτ。分布曲線を  パィコンの最大付着応力44kg/cm2は異形丸  比較したものである。荷重の小さいうちは両者の 鋼の70kg/cm2の約60%となっている。これら  最大付着応力の間に差は認められないようである

両引抜き試験

ぜi批り

Q

1.3  6.3   1L3   15.3  20.  23.8

鋤㌔ 片引抜き試験

4000 2000 500

3   9   15   21 27 30

(5)

が・荷重が大きくなるにつれて引抜き試験の方が    1) 試験に用いる材料 大きくなってくる。この原因は引抜き試験では引

抜き荷重の増大とともにコンクリートの圧縮応力   本試験に用いる材料は付着特性試験の場合と同 が増し,加力端付近のコンクリートの変形が拘束   じ材料である。したがって・コンクリートの配合

される結果,引抜き抵抗力が増すためと考えられ   強度は表一1に・鉄筋の諸性質は表一2に示され る。また,引抜き試験では山の高さだけまし,位   ている。

置はほとんど移動しないようであるが,両引抜き   2)供試体作成および試験法

試験では山のピjク縞くなるにつれ襖の方へ 図_9は供試体の形状,寸法を示したものであ

進行する傾向玩す・     る.供試体(顎_3)が細長いため作成中醐

鉄      がたわみ湾曲しないよう,2,3箇所で鉄筋を固

…      数,巾および間隔を測定した。ひびわれ測定には 1α1

   0     2.0    4.0    6.0    8.0    10.0

     _引抜き力T(ton)

図一8

 図一8は鉄筋引抜き量と引抜き荷重の関係を示 したものである。この結果からもパイコンの付着 特性は丸鋼より優れているが,異形丸鋼より劣る

ことがわかる。       写真一3

3.両引張びびわれ特性試験について

 鉄筋コンクリート示方書では,RC部材の引張 側コンクリートのひびわれ発生を許容している が,その巾が大きくなり鉄筋が露出してさび,腐 蝕してしまわないように注意を払わなければなら ない。普通一般に,0.21nm程度の巾のひびわれ は許容されているが,それ以下のものでも湿気の 多い所,海水をかぶる場所などのRC構造物では ひびわれ部分から鉄筋のさびが進行し,腐蝕して しまう危険性が大きい。したがってとにかく,数 は多くともできるだけ巾の小さなひびわれが発生 するような鉄筋,すなわち,ひびわれ特性の優れ た鉄筋が望まれるわけである。

 本章ではひびわれ特性試験法として両引張試験 をあげ,その方法,および試験結果についてのべ

る。

写真一4

(6)

鉄筋φ19      10       「一

      ⊥      8

ト250一トー1300−一一→ 卜100→

===・=・====−8

      図一9       ひ 6       9

顕微鏡式クラ。ク・一タ(最小醜0.025mm) 染4

を用いた。なお,ひびわれ発見はワイヤーストレ   数

ほ三蕊㌫㍍ζ㌶1㍊▲よ元 12

量の急変したゲージ付近をさがしてひびわれを発      _日脹力P(t。n)

見する方法である。

      図一11  3)試験結果

 図一10,図一11,図一12はそれぞれ荷重増によ  平

㌶㌶=謙蕊㌘‡:冒1§

る・      麓4・

       贋

       一一一引張力P(ton) わ0・15

   1 5=弓穰力㍊。)354°455ρ われ巾の小さいものほどひびわれ本数1ま多く・よ        ってひびわれ間隔も小さくなっている。すなわち

図一10

ここに,ひびわれ巾,ひびわれ間隔に平均値を

o丸 鋼

怦ル形丸鋼 ウパイコン

1.0     2.0      3.0      4.0      5.

コンクリート断面,鉄筋比等を適当に定めれぽ,

ひびわれ特性は荷重によるひびわれ巾の増加によ っても,また荷重によるひびわれ数,間隔の変化 用いたのは・実験誤差の影響を少くし・より全体  にょっても表わしうると考えられる。 したがっ 的な鉄筋の特徴を表わすためである。

図一10によれば,ひびわれ発生は異形丸鋼が最       . も早く,次に丸鋼,パイコンの順となっている。

この原因は前章でものべたごとく,初期において

て,試験のさい面倒なひびわれ巾測定をさけてひ びわれ数,間隔の測定を行なえば,それらの値が 充分ひびわれ特性を表わしうるものと思われる。

パイコンの付着特性が劣るためと考えられる。鉄   4・結果考察

筋応力が増加して約1800kg/cm2(P÷5トン)   以上の実験結果を総合して考察を行なってみ になれば平均ひびわれ巾は丸鋼,パイコン,異形  る。まず,本試験に用いた鉄筋の比較を行なう。

丸鋼の順となり異形丸鋼が最も良好なひびわれ特  付着特性,ひびわれ特性ともに異形丸鋼が最も優

(7)

れており,パィコンはこれに劣り異形丸鋼と丸鋼   試験の結果から判断すれば,単に鉄筋の特徴を の中間的性状を示した。前述したように表面形状   比較する場合は両引張ひびわれ特性試験のさいひ が鉄筋の疲労におよぼす影響については疲労試験  びわれ数,間隔のみならずコンクリート端からの の結果をまたねばならず,単にこの結果のみから  鉄筋引抜き量を測定すれば,ひびわれ,付着両特 鉄筋の優劣は比較できないが,鉄筋がコンクリー  性を同時に測定でき充分目的を達しうるものと考 トにおよぼす影響に関しては,異形丸鋼が最も優  えられる。しかしながら,付着強度の絶対値を求 れた特性を示し,パイコンはこれにいく分劣り,  める場合は上記の方法では測定不能であり,付着 丸鋼は当然最も劣っている。       強度試験によらなければならない。これには両引  次に,試験法についてのべる。本試験では付   抜き試験の応力状態が実際のはり,板の状態に類 着,ひびわれ両特性試験を別々に行なったが,こ  似していること,また付着応力分布が両引抜きと れは付着強度の大きい鉄筋は必ずしもひびわれ特  片引抜きとでは異なることなどを考え合せれば 性も優れているとは考えられないからである。何  ASTMに準じた試験法よりここにのべた両引抜 故なら,付着特性では鉄筋に加えられる引張力を  き試験の方が妥当であるといえよう。

どれだけコンクリートに伝達しうるかが問題とな   以上,鉄筋の付着,ひびわれ特性試験について り,ひびわれ特性では伝達される力がコンクリー  のべたが,まだ供試体の寸法,鉄筋比の影響など トにどのように分散されるかが問題となるから,  研究不足な点があり,これらについて実験を続行 これら2つの特性は異なったものを表わすと考え   している。

られるからである。

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