2 2012．11 月刊「武道」 天皇盃第 63回全日本男子弓道選手 権大会・皇后盃第 45回全日本女子弓 道 選 手 権 大 会 は ９ 月 19〜 23日、 東 京・代々木の全日本弓道連盟中央道 場で行われた。 大会には全国の各都道府県から選 出された男子 110名、女子 104名が出場 して鎬を削った。 男子は才川義昭錬士六段（大分） が 10射皆中で初優勝を決めた。女子 は齋藤往子教士七段（東京）が ５ 年 ぶり ４ 度目の優勝を果たした。 今大会より、地区予選から本大会 に出場する選手の枠が変更された。 従来は前年度優勝者、前年度最高得 点賞受賞者、都道府県連盟から選出 された選手（各 １ 名、北海道 ６ 名、 東京 ３ 名）の他に、ブロック（地方 単位）選出もあったが、今回から都 道府県連盟選出の選手を各２名（北 海道 と 東京は ６ 名） と し、ブロック 選出を廃止した。よって、 80名前後 だった出場者数も 20名ほど増え、 100 名を超えた。 期間中、生憎の空模様が続き、時 折、降雨にも見舞われたが、多くの 弓道ファンが詰めかけ、連日観客席 は満席だった。
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優勝＝才川義昭錬士六段3 月刊「武道」 2012．11 ■男子（ 19〜 21日） 19日に参拝と開会式、矢渡が行 わ れ、翌 20日に予選が行 わ れた。 最高得点賞を ２ 年連続受賞中の鈴 木康弘（群馬）は １ 回目に 760点を獲 得し、トップで折り返す。 ２ 回目、 鈴木は乙矢を外して 753点。計 １ ５ １ ３ 点としたが、同立で前年度優勝の 細川孝夫（福井）が １ 回目 756点、 ２ 回目 763点の計 １ ５ １ ９ 点を記録し、 初の最高得点賞を獲得した。 21日に行 わ れた決勝では ４ 回目を 終えて、皆中が細川、才川義昭（大 分） の ２ 名。 ７ 中で高橋文彦 （福島） 、 ６ 中で安倍智（大分） 、山﨑正臣（高 知） 、川名修德（宮崎） 、小原裕幸（島 根 ）、 土 佐 正 明（ 千 葉 ） が 追 う 展 開 となった。 最終回、細川が ２ 本詰めて 10射皆 中を決めると大きな拍手が わ いた。 細川は準優勝以上が確定し、後の立 の結果を待った。残る皆中者の才川 は、びくを抑えながらの行射でな ん とか一手を的に入れ、こちらも 10射 皆中とした。 ３ 〜 ５ 位は ８ 中の高橋、山﨑、小 原、土佐の ４ 名による遠近競射の結 果、 ３ 位土佐、 ４ 位山﨑、 ５ 位小原 に決まった。 優勝決定は射詰競射に持ち越され た。 １ 本目、先に引いた細川は わ ず かに的の後ろに外す。中 あた れば優勝の 一本が回ってきた才川は、馬 め 手 て を震 わ せながらも一の黒三時に命中。才 川は ３ 回目の出場で、弓道日本一の 称号を手にした。 ▽入賞者コメント ◉優勝＝才川義昭錬士六段（大分） 出場 ３ 回目で栄冠を勝ち取った。 初出場は ３ 年前。決勝進出を果たし たが、決勝で振る わ なかった。それ が今回は 10射皆中。前年度優勝の細 川と競った射詰を制した。 「信 じ られないです。とても緊張し ました」 本人の言う通り、皆中がかかった ５ 回目の立や優勝をかけた射詰競射 では馬手が震え、緊張していること ※試合形式 男女とも予選は一手（ ２ 射） ２ 回 を採点制で行い、 ２ 中以上の得点上 位 20名が決勝進出。決勝は一手 ５ 回 の 的 中 制 で 行 わ れ た。 同 中 の 場 合 は、優勝決定は射詰競射で、それ以 外は遠近競射で順位を決定する。 立順 氏名 所属 予選 予選合計 決勝 順位 １回目 ２回目 ① ② 得点 ① ② 得点 的中 得点 順位 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ 的中 射詰 遠近競射 1 鈴木 康弘 群馬 ○ ○ 760 ○ × 753 3 1513 4 × ○ ○ × ○ × ○ × × ○ 5 17 2 細川 孝夫 福井 ○ ○ 756 ○ ○ 763 4 1519 1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 10 × 2 3 高橋 文彦 福島 ○ × 744 ○ ○ 769 3 1513 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ 8 × 6 4 野中 秀治 大阪 ○ ○ 737 ○ × 746 3 1483 11 × × ○ ○ ○ × ○ ○ × ○ 6 12 5 田中 成和 千葉 ○ ○ 736 ○ ○ 738 4 1474 16 ○ ○ ○ × ○ × × ○ × × 5 17 6 安倍 智 大分 ○ ○ 752 ○ ○ 762 4 1514 2 ○ × ○ ○ × ○ ○ ○ × ○ 7 7 7 黒住 一道 佐賀 ○ ○ 738 ○ ○ 751 4 1489 9 × ○ ○ ○ × ○ ○ × × ○ 6 12 8 山﨑 正臣 高知 ○ ○ 733 ○ ○ 745 4 1478 13 ○ × ○ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ 8 ○ 4 9 川名 修德 宮崎 ○ × 742 ○ ○ 761 3 1503 6 ○ ○ × ○ × ○ ○ ○ ○ × 7 7 10 増渕 敦人 栃木 ○ ○ 741 ○ ○ 752 4 1493 8 × × ○ × ○ ○ ○ × × ○ 5 17 11 長須賀正身 神奈川 ○ ○ 747 ○ × 735 3 1482 12 × × ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ 7 7 12 松岡 誠二 長崎 ○ × 733 ○ × 742 2 1475 15 ○ × ○ × ○ × × ○ ○ ○ 6 12 13 小原 裕幸 島根 ○ ○ 731 ○ × 741 3 1472 19 ○ ○ ○ ○ ○ × ○ × ○ ○ 8 × 5 14 土佐 正明 千葉 × ○ 731 × ○ 754 2 1485 10 × ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ 8 ○ 3 15 佐藤 俊彦 長崎 × ○ 727 ○ × 744 2 1471 20 × × × ○ × ○ × × × × 2 20 16 佐藤 史成 青森 ○ × 741 ○ ○ 764 3 1505 5 ○ ○ × ○ × ○ ○ × ○ ○ 7 7 17 田中 正晃 熊本 × ○ 725 ○ ○ 749 3 1474 17 × ○ ○ × ○ ○ × ○ ○ × 6 12 18 才川 義昭 大分 ○ ○ 729 ○ ○ 748 4 1477 14 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 10 ○ 1 19 多湖 賢治 三重 × ○ 739 ○ ○ 761 3 1500 7 × ○ ○ × ○ × ○ × ○ ○ 6 12 20 吉澤 喜芳 埼玉 ○ × 720 ○ ○ 752 3 1472 18 × ○ × ○ ○ × ○ ○ ○ ○ 7 7
4 2012．11 月刊「武道」 が容易に窺い知れた。 「引分もいつもと違う感覚でした。 しかし、私は入賞歴もないですし、 失 う も の は な い の で、 『 な る よ う に なれ』と気持ちが吹っ切れました」 現在 37歳。地元・鹿児島の中学校 で弓道を始め、第 ２ 回全日本少年武 道（弓道）錬成大会に出場。高校 １ 年のときにインターハイで団体優勝 を果たした。しかし、個人でのタイ トルは今回が初めてとなった。 高校卒業後に就職。勤務地は大分 市だった。 「まったく知らない土地で、会社の 人以外知りませ ん でした。交流を求 めて弓道場に通い始めました」 テレビ局勤めのため、勤務時間が 不安定だが、週に ２ 、 ３ 回は道場に 通っている。 「通い始めた頃は、やはり中りを意 識した稽古をしていましたが、今は だいぶ変 わ ってきました。というの は、体配は奥が深いと感 じ るように なってきたからです。先生方の境地 に少しでも近づけるように精進した いと思っています」 選手権者となって来年の出場権を 確保。意気込みを聞いた。 「錬士六段が守りに入る わ けにはい きませ ん 。頑張ります」 ◉準優勝・最高得点賞＝ 細川孝夫教士七段（福井） 前年度優勝者として大会に臨み、 予選では最高得点を獲得。勢いその ままに決勝も 10射皆中したが、射詰 の １ 本目で失中して、連覇の夢が断 たれた。 「決勝では思う通り引くことができ ました。連覇のことは意識せずにや りました。というのは、過去を振り 返ってみますと、まずあり得ないこ と で す か ら。 射 詰 は 力 が 尽 き ま し た。ああいう一本を失くすように稽 古していきたいと思います。ちょっ とた ん た ん と引きすぎましたね。離 す ま で 伸 び 切 ら な く て は い け ま せ ん 。あれが実力です。来年は今年以 上の得点をいただけるような射を目 指します」 優勝＝才川義昭錬士六段 （写真右上） ３ 位＝土佐正明教士七段 （写真上） ４ 位＝山﨑正臣錬士六段 （写真右） ５ 位＝小原裕幸錬士五段 準優勝・最高得点賞＝細川孝夫教士七段
5 月刊「武道」 2012．11 ◉ ３ 位＝土佐正 明 教士七段（千葉） 今回 20回目の出場で最高位となる ３ 位となった。 「最後と思って出場しました。予選 は思いどおりにいきませ ん でした。 決勝も少し力 ん でしまいましたが、 運良く ３ 位という成績で有終の美を 飾れました。自分にとって最高の結 果になったと思います」 ◉ ４ 位＝山﨑正臣錬士六段（高知） 今回、初めて決勝に進出して入賞 を果たした。 「朝は調子良く感 じ ましたが、緊張 のせいか、段々と硬くなって離れな くなってきたのを感 じ ていました。 最後の遠近は入って良かったです。 初めてこういう場でチャレンジでき て入賞できてとても嬉しいです」 ◉ ５ 位＝小原裕幸錬士五段（島根） 28歳の若手ながら、決勝進出を果 たした。 「決勝は今まで味 わ ったことのない 独特の雰囲気でした。射の内容はま だまだですが、しっかり楽しみまし た。 ５ 位入賞は充分過ぎる結果だと 思います。内容をもっと高め、予選 でもう少し上位を狙いたいです」 ■女子（ 21〜 23日） 21日に開会式、 22日に予選が行 わ れた。 昨年最高得点賞の藤野小百合（福 岡）が齋藤往子（東京）を ３ 点差で 振り切って、 ２ 年連続の受賞となっ た。昨年優勝の月輪由紀子（福井） は ０ 中で予選敗退となった。 23日は時折小雨の落ちる中での決 勝となった。 ４ 回目を終えて皆中者 はなし。 ７ 中が山本あけみ （福井） 、 髙井幸子 （福島） 、齋藤、 山田直美 （大 阪）の ４ 名。それを ６ 中の中崎千恵 子 （広島） 、久保川富美子 （北海道） 、 星登喜枝 （宮城） 、古屋順子 （福岡） 、 伊藤紀美子 （三重） の ５ 名が追った。 最終回で髙井と齋藤が皆中し、 ９ 中の ２ 名による射詰による優勝者が 決められることとなった。また、 ７ 中の中崎、久保川、古屋、伊藤、小 澤幸子（新潟）により ５ 位決定の遠 近競射が行 わ れ、最初に引いた中崎 が 早 々 に 中 白 に 詰 め て 勝 負 を 決 め た。 ８ 中の山本、山田による ３ 、 ４ 位決定の遠近競射は山田に軍配が上 がった。 決 勝 射 詰、 立 順 は 髙 井、 齋 藤 の 順。 １ 、 ２ 本目は両者とも的に快音 雨の中行われた決勝射詰（左＝髙井幸子教士七段、右＝齋藤往子教士七段） を響かせ、勝敗の行方は ３ 本目に。 先に引いた髙井の矢は惜しくも的を 捉えられず。決めれば優勝の齋藤の 矢は、三の黒一時にな ん とか入り、 ５ 年ぶり ４ 度目の優勝を決めた。 ▽入賞者コメント ◉優勝＝齋藤往子教士七段（東京） 出場 21回。平成 19年以来 ５ 年ぶり ４ 度目の優勝を果たす。 「手先に力が入ってしまって体で引 き抜けなかったなど、いろいろとで きないところがありました。まだま だ勉強が足りませ ん 。右膝を痛めて いて、体配もできませ ん でした。そ れでも一生懸命やれることはやろう と思って集中しました。 最後の競射では、勝負が決まると
6 2012．11 月刊「武道」 十分承知していましたが、とにかく 自分のやれることをやろうと思い、 勝ち負けにこだ わ らない方向に心を 切り替えました。弓道で一番大切な のは、心の持ち様だと思います。い かに自分のやるべきことに集中でき るかが大切です。 今回はちょっと怪我をしていて、 心技体の体が揃 わ なかったので、そ こを整えて、来年また頑張りたいと 思います」 ◉ 準 優 勝 ＝ 髙 井 幸 子 教 士 七 段（ 福 島 ） 「手の内のことだけを考えて引きま したが、予選は今一つで、な ん とか 通していただいたというのが実感で す。ただ、一射一射確かめながら、 日々研究してきたことは間違い じゃ なかったのかなと思います。ただ、 射詰の最後は馬手に力が入ってしま いました。それでも全体を振り返る と楽しく引けました。選手権で優勝 することが目標ですので、優勝目指 して頑張ります」 ◉ ３ 位＝山田直美教士六段（大阪） 一昨年の優勝者だが、昨年は予選 落ちを味 わ った。 「気持ちをち ゃん と作れなかったと ころがまだまだだと思いました。調 立順 氏名 所属 予選 予選合計 決勝 順位 １回目 ２回目 ① ② 得点 ① ② 得点 的中 得点 順位 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ 的中 射詰 遠近競射 1 黒田 和子 愛知 ○ × 724 ○ ○ 729 3 1453 16 × × ○ ○ × ○ ○ × × ○ 5 13 2 中崎千恵子 広島 ○ ○ 734 ○ ○ 720 4 1454 13 × ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ○ × 7 ○ 5 3 田中恵美子 福岡 ○ ○ 746 ○ × 728 3 1474 4 ○ × × × × ○ × × × ○ 3 16 4 久保川富美子 北海道 ○ × 727 × ○ 720 2 1447 20 ○ ○ ○ ○ × ○ ○ × × ○ 7 × 6 5 星 登喜枝 宮城 ○ ○ 736 ○ × 720 3 1456 11 ○ × ○ ○ ○ × ○ ○ × × 6 10 6 山本あけみ 福井 × ○ 720 ○ ○ 739 3 1459 8 ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × 8 × 4 7 藤野小百合 福岡 ○ ○ 746 ○ ○ 747 4 1493 1 × × × × × ○ ○ ○ × × 3 16 8 髙井 幸子 福島 × ○ 731 ○ × 723 2 1454 14 ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 9 ○ ○ × 2 9 佐野 弥生 山梨 ○ × 726 ○ ○ 736 3 1462 7 × × ○ ○ ○ × ○ × × ○ 5 13 10 佐竹 明美 北海道 ○ ○ 741 ○ ○ 729 4 1470 5 × ○ × × × ○ ○ ○ × ○ 5 13 11 高井 明美 三重 ○ ○ 736 × ○ 721 3 1457 9 × × × ○ × × ○ × ○ × 3 16 12 有澤 千秋 鳥取 × ○ 727 ○ ○ 730 3 1457 10 ○ ○ ○ × ○ ○ × × ○ × 6 10 13 齋藤 往子 東京 ○ ○ 746 ○ ○ 744 4 1490 2 ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 9 ○ ○ ○ 1 14 亀山 節子 大分 ○ ○ 731 ○ × 720 3 1451 18 × × × ○ × × × × × ○ 2 19 15 大木 緑 神奈川 × ○ 726 ○ ○ 722 3 1448 19 ○ × × × × ○ × × × × 2 19 16 渡邉 百世 愛知 ○ × 723 ○ ○ 733 3 1456 12 × ○ × ○ × ○ × ○ ○ ○ 6 10 17 古屋 順子 福岡 ○ × 721 × ○ 714 2 1454 15 × × ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ○ 7 ○ 6 18 伊藤紀美子 三重 ○ ○ 741 ○ ○ 736 4 1477 3 ○ ○ ○ ○ ○ × ○ × × ○ 7 ○ 6 19 山田 直美 大阪 ○ ○ 744 ○ × 724 3 1468 6 ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ × 8 ○ 3 20 小澤 幸子 新潟 ○ ○ 730 ○ ○ 722 4 1452 17 ○ ○ ○ × ○ × × ○ ○ ○ 7 × 6 雨天の中、多くの観客がつめかけた 神宮参拝
7 月刊「武道」 2012．11 子がよくない中、調整できなかった のもまだまだです。雨も気にしてし まいました。決勝でも波が出ないよ うな弓が引けるように頑張ります」 ◉ ４ 位 ＝ 山 本 あ け み 錬 士 六 段（ 福 井 ） ３ 年ぶりの入賞を果たした。 「皆様のお蔭でいい風にやらせてい ただき、調子良く臨めました。成績 も前回入賞したときの ５ 位から一つ 上がりました。次に繋がる結果で、 有り難く受け止めています。次も是 非出場したいと思います」 優勝＝齋藤往子教士七段 ３位＝山田直美教士六段 ４位＝山本あけみ錬士六段 ５位＝中崎千恵子教士六段 最高得点賞＝藤野小百合教士六段 ◉ ５ 位 ＝ 中 崎 千 恵 子 教 士 六 段（ 広 島 ） 今回が初入賞となった。 「決勝の初回は緊張して足が震えま した。しかしそれ以降は練習と同 じ ようにという気持ちで引いたので、 落ち着いて引けたと思いました。今 回は錚々たるメンバーの中で引けた のでそれだけで幸せでした」 ◉最高得点賞＝ 藤野小百合教士六段（福岡） 最高得点賞は ２ 年連続となった。 「未熟者ですので身が引き締まりま す。昨年この賞をいただいて、弓道 ができる環境や周りの方々への感謝 をあらためて実感しました。予選で は一本一本集中して引けました。決 勝は昨年が ４ 中だったので、それを 越えたいと思ったのですが…。来年 も頑張ります」
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著 漫画家・別府大学教授 （ B５判・並製・236 頁 ）日本の元徳
菅野 覚明
著 東京大学大学院教授 （ 四六判・上製・334 頁 ）霊箭
阿波研造物語
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武道の礼法
小笠原清忠
著 弓馬術礼法小笠原教場三十一世宗家 （ 四六判・上製・278 頁 ）武道伝書を読む
湯浅 晃
著 天理大学教授 （ 四六判・上製・348 頁 ）大先輩に聞く
田谷 将俊
著 月刊「武道」記者 （ 四六判・上製・376 頁 ）子どもを育む武道の教育力を詳説
武道界の先達の熱きメッセージ
武道
子どもの心をはぐくむ
菅野 純
著 早稲田大学教授・教育カウンセラー （ 四六判・上製・410 頁 ）10 2012．11 月刊「武道」 第 ３ 回鹿島神宮奉納日本古武道交 流演武大会︵主催＝日本武道館、日 本 古 武 道 協 会 ︶ は、 10月 ７ 日 に、 全 国 から古武道 33流派 138名が集まり、茨 城県鹿嶋市の鹿島神宮で開かれた。 当日は、 ９ 時 30分に各流派の代表 者が昇殿参拝を行った。記念撮影の 後、 10時に開会式が始まった。 三藤芳生日本武道館理事・事務局 長 の 開 会 宣 言、 国 歌 斉 唱 が 行 わ れ、 松永光日本武道館会長︵日本古武道 協会会長︶が挨拶に立った。 「武の神様を祀 まつ る鹿島神宮で、日本 の武道の源流である古武道の演武大 会を開くことは大変意義のあること です。演武者の方々には、日頃の稽 古で身につけた技を、余す所なく披 露し、大きな感激を与えていただき たいと思います」 次に、内田俊郎鹿嶋市長が祝辞を 述べた。 「昨年の大震災以来、鹿嶋市も被災 地として、 復興に当たっております。 そのような中、昨年、皆様の演武に よって、我々市民は大いに力づけて いただきました。 本年も、この舞台の上で、我々市
鹿島神宮で
古武道 33 流派が奉納演武
鹿島神宮奉納日本古武道交流演武大会
鹿島新當流剣術の演武11 月刊「武道」 2012．11 民に古武道の真髄をお伝えいただけ れば、大変ありがたく思います」 その後、鹿島則良鹿島神宮宮司が 「昨年、この鹿島神宮において、 126 年ぶりに﹃常 ひ た ち 陸帯 おび ﹄という能をいた しました。その中で、鹿島の神様が ﹃ 私 は こ の 国 が 始 ま っ て 以 来、 こ の 地に鎮まって、今でも皆のことを守 っている ん だよ﹄ と述べられました。 本 日 は、 日 頃 鍛 え た 技 を ご 披 露 し、鹿島の神様の力をいただき、こ の国を皆で守っていこうと思ってい ます。おいでいただき、誠にありが とうございました」と、歓迎の言葉 を述べた。そして祝電披露の後、奉 納演武へと移った。 各流派の演武は社殿前の特設演武 場で行 わ れた。観客席は、カメラを 手にした古武道愛好者や観光客で埋 まり、全 33流派が代々伝 わ る伝統の 技と心を披露した。途中小雨が降る 場面もあったが、傘を差しながら熱 心に演武を見る観客も多くいた。 午後 ２ 時過ぎ、全ての演武が終 わ り、 山 田 重 夫 日 本 古 武 道 協 会 理 事・ 事務局長が閉会宣言を行った。観客 の拍手の中、演武会は盛会裡に幕を 閉 じ た。 鹿島則良鹿島神宮宮司 内田俊郎鹿嶋市長 松永光日本武道館会長 昇殿参拝の様子
12 2012．11 月刊「武道」 無雙直傳英信流居合術 鞍馬流剣術 心形刀流剣術 伯耆流居合術 円心流居合据物斬剣法 関口流抜刀術
総勢 138 名が
奉納演武
天真正伝香取神道流剣術 北辰一刀流剣術13 月刊「武道」 2012．11 大東流合気柔術 琢磨会 気樂流柔術 心月無想柳流柔術 天神真楊流柔術 大東流合気柔術 長谷川流和術 柳生心眼流甲冑兵法 荒木流軍用小具足 尾張貫流槍術
14 2012．11 月刊「武道」 金硬流唐手沖縄古武術 田宮流居合術 天道流薙刀術 神道夢想流杖術 立身流兵法 神道無念流剣術 示現流兵法剣術
古武道の技と心を武神に奉ず
15 月刊「武道」 2012．11 宝蔵院流高田派槍術 鐘捲流抜刀術 直心影流薙刀術 佐分利流槍術 沖縄剛柔流武術 荒木流拳法 琉球古武術 琉球王家秘伝本部御殿手
16 2012．11 月刊「武道」 演武大会前日には、鹿島神宮武徳 殿で、午後 ３ 時 30分より、術技交流 研修会が催された。その後、鹿島神 宮参道脇の宴会場「新 しん 仲 なか 家 や 」で、午 後 ６ 時 30分より懇親会が開かれた。 進行は鏡開きへと移り、臼井理事 長、内田市長、東権宮司、吉川常隆 鹿島新當流宗家、三藤芳生日本武道 館理事・事務局長の ５ 名が掛 かけ 矢 や を持 って、鹿島神宮提供の鏡樽を打ち開 いた。そして、三藤理事・事務局長 の発声で乾杯が行 わ れた。 歓談の中、演武者・関係者が壇に 上がり、一人ずつ抱負を述べた。最 後 は 山 田 重 夫 日 本 古 武 道 協 会 理 事・ 事務局長が中締めの挨拶を行い、万 歳三唱で、お開きとなった。 ■術技交流研修会 始 め に 三 藤 芳 生 日 本 武 道 館 理 事・ 事務局長が主催者挨拶を行った。次 に 東 とう 俊 しゅん 二 じ 郎 ろう 鹿 島 神 宮 権 宮 司 が 祝 辞 を述べた。その後、吉川英夫日本武 道館振興部長が全体説明を行った。 道場は ２ つに区切られ、各流派が 翌日の演武内容を確認した。それぞ れの演武者は、順番を待つ間、他流 派の技術や演武の進め方を参考にし ようと、熱心に見入った。 午後 ５ 時 30分、山田重夫日本古武 道協会理事 ・ 事務局長の閉会宣言で、 術技交流研修会は終了となった。 ■懇親会 会場には 18の丸テーブルが設けら れ、各演武者、大会事務局、地元協 力団体等が、それぞれ決められた席 に着いた。 始めに臼井日出男日本武道館理事 長 が 主 催 者 を 代 表 し て 挨 拶 を 行 っ た。次に内田俊郎鹿嶋市長の祝辞が あり、続いて、東俊二郎鹿島神宮権 宮司が歓迎の言葉を述べた。 その後、鹿島神宮敬神婦人ともえ 会による清興舞踊「日本の祈り」が 披露された。 山田重夫日本古武道協会理事・事務局長の発声で、万歳三唱 術技交流研修会の様子 山田重夫日本古武道 協会理事・事務局長 三藤芳生日本武道館 理事・事務局長 東俊二郎 鹿島神宮権宮司 臼井日出男日本武道館理事長
術
技
交
流
研
修
会
懇
親
会
17 月刊「武道」 2012．11
塚原卜伝ツアー
演 武 大 会 前 日 に は、 地 元 縁 ゆかり の 剣 豪、 塚 原 卜 伝 の 墓 を 見 学 す る＂ 塚 原 卜 伝 ツ ア ー＂ が 行 わ れ た。 鹿 嶋 市 の 観 光 協 会 と 商 工 会 の 協 力 に よ り、 第 １ 回 大 会 か ら 組 ま れ て い る ツ ア ー で、 卜 伝 の 墓 の ほ か、 地 元 の 観 光 ス ポ ッ ト を紹介している。 参 加 費 は 無 料 で、 今 年 は 鹿 島 神 宮 駅 か ら ワ ゴ ン 車 ３ 台 を 使 い、 希 望 者 12名を案内した。 宝 蔵 院 流 高 田 派 槍 術 の 一 箭 順 三 宗 家 と そ の 門 弟 の 西 本 昌 永 さ ん は、 午後 １ 時からのツアーに参加。 卜 伝 の 墓 を 前 に し た 一 箭 宗 家 は、 「 せ っ か く 鹿 島 の 地 に 来 た の で、 卜 伝 の 墓 参 り を し た い と 思 い ま し た。 卜 伝 の 修 行 の 苦 労 を 聞 い て 自 分 の 修 行 と 照 ら し 合 わ せ、 励 み に したいです」と語った。 卜伝の墓の前で記念撮影。左・一箭宗家、右・ 門弟の西本さん。 真ん中はボランティアでガイドを行っている 五喜田敏子さん。卜伝の修業のエピソードに加 え、近くにある古墳や寺院、霞ヶ浦の鯉養殖業 についてなど、地元のことを親切に紹介してく れた。 佐 藤 孝 子 ⑮ 心 形 刀 流 剣 術 ︵ 三 重 ︶ ＝ 代 表 ・ 小 林 強 、 佐 脇 慎 也 ⑯ 荒 木 流 拳 法 ︵ 群 馬 ︶ ＝ 宗 家 ・ 菊 池 邦 光 、 菊 池 京 一 、 小 暮 文 明 、 西 川 二 郎 、 鈴 木 荒 一 ⑰ 伯 耆 流 居 合 術 ︵ 兵 庫 ︶ ＝ 代 表 ・ 大 窪 敏 明 、 吉 岡 勝 子 、 川 上 作 男 、 藤 田 春 行 ⑱ 天 神 真 楊 流 柔 術 ︵ 埼 玉 ︶ ＝ 宗 家 ・ 柴 田 孝 一 、 板 津 和 彦 、 柴 田 俊 充 、 松 浦 富 士 雄 、 水 野 真 、 栗 原 正 幸 ⑲ 荒 木 流 軍 用 小 具 足 ︵ 埼 玉 ︶ ＝ 豊 田 良 樹 、 山 内 秀 記 、 千 葉 明 、 坂 本 浩 一 、 片 桐 克 彦 ⑳ 円 心 流 居 合 据 物 斬 剣 法 ︵ 大 阪 ︶ ＝ 宗 家 代 行 ・ 山 田 恭 史 、 濱 先 康 彰 、 高 槻 幸 雄 、 北 山 吉 昭 澡 神 道 無 念 流 剣 術 ︵ 東 京 ︶ ＝ 小 川 武 、 萩 崎 昭 、 土 屋 正 則 澤 金 硬 流 唐 手 沖 縄 古 武 術 ︵ 沖 縄 ︶ ＝ 範 士 ・ 早 坂 義 文 、 早 坂 ゆ か り 、 江 幡 妙 子 澹 大 東 流 合 気 柔 術 ︵ 東 京 ︶ ＝ 近 藤 昌 之 、 天 野 鎮 夫 、 佐 藤 嵩 司 、 石 井 勇 一 、 ト ル ー デ ル ・ マ ー ク 、 池 嶋 勝 則 濆 尾 張 貫 流 槍 術 ︵ 愛 知 ︶ ＝ 横 地 浩 紀 、 森 治 紀 、 神 原 会 弥 澪 鞍 馬 流 剣 術 ︵ 東 京 ︶ ＝ 宗 家 ・ 柴 田 章 雄 、 東 山 誠 、 松 尾 和 夫 、 吉 田 穣 覚 、 松 井 康 一 、 水 野 正 太 郎 濟 琉 球 古 武 術 ︵ 東 京 ︶ ＝ 遠 山 衛 、 誉 田 潔 、 佐 藤 雅 一 、 高 橋 淳 也 、 梅 田 寛 濕 直 心 影 流 薙 刀 術︵ 奈 良 ︶＝ 関 根 恵 児 、 藤 井 靖 子 、 伊 原 啓 子 、 今 田 た 祢 子 濬 立 身 流 兵 法 ︵ 千 葉 ︶ ＝ 宗 家 ・ 加 藤 紘 、 吉 田 龍 三 郎 、 加 藤 敦 、 林 一 夫 、 鈴 木 美 智 子 、 梅 谷 咲 太 郎 濔 無 雙 直 傳 英 信 流 居 合 術 ︵ 東 京 ︶ ＝ 師 範 ・ 藤 井 勝 子 、 小 島 恵 子 、 尾 形 明 夫 、 中 田 博 久 濘 長 谷 川 流 和 術 ︵ 埼 玉 ︶ ＝ 宗 家 ・ 桑 原 巡 、 倉 田 勝 己 、 中 前 裕 治 、 逸 見 彰 一 濱 北 辰 一 刀 流 剣 術 ︵ 茨 城 ︶ ＝ 代 表 ・ 小 澤 智 、 上 田 忠 夫 濮 田 宮 流 居 合 術 ︵ 神 奈 川 ︶ ＝ 代 表 ・ 妻 木 達 夫 、 清 水 新 也 、 水 野 好 秀 、 田 中 正 彦 、 若 命 龍 美 、 山 口 隆 一 濛 天 真 正 伝 香 取 神 道 流 剣 術 ︵ 千 葉 ︶ ＝ 京 増 重 利 、 成 毛 弘 、 土 井 研 二 、 吉 岡 政 彦 ① 鹿 島 新 當 流 剣 術 ︵ 茨 城 ︶ ＝ 畳 屋 敏 治 、 岡 見 安 宏 、 横 尾 廣 美 、 原 正 俊 、 今 井 淳 也 ② 心 月 無 想 柳 流 柔 術 ︵ 兵 庫 ︶ ＝ 桑 波 田 秀 祐 、 堤 毅 、 奥 村 宗 一 郎 ③ 関 口 流 抜 刀 術 ︵ 熊 本 ︶ ＝ 宗 家 ・ 米 原 亀 生 、 本 庄 弘 幸 、 中 山 洋 一 、 林 憲 一 、 上 原 征 二 ④ 沖 縄 剛 柔 流 武 術 ︵ 沖 縄 ︶ ＝ 寺 内 一 男 、 戸 田 雄 紀 、 若 林 義 昌 、 村 上 実 、 手 塚 泰 史 ⑤ 示 現 流 兵 法 剣 術 ︵ 鹿 児 島 ︶ ＝ 藤 村 亨 、 東 郷 重 賢 、 東 郷 重 徳 、 下 津 浩 一 、 末 吉 雄 三 朗 、 ブ ラ ッ ド シ ョ ー ・ ア レ キ サ ン ダ ー ⑥ 大 東 流 合 気 柔 術 琢 磨 会 ︵ 大 阪 ︶ ＝ 師 範 ・ 川 辺 武 史 、 西 谷 修 、 阪 谷 一 広 、 芝 田 彰 祐 、 山 本 敦 史 ⑦ 宝 蔵 院 流 高 田 派 槍 術 ︵ 奈 良 ︶ ＝ 宗 家 ・ 一 箭 順 三 、 西 本 昌 永 、 松 井 典 夫 ⑧ 琉 球 王 家 秘 伝 本 部 御 殿 手 ︵ 大 阪 ︶ ＝ 池 田 光 生 、 池 田 哲 生 、 市 川 英 美 、 増 田 千 尋 、 原 祥 、 ア ー ロ ン ・ メ ル ダ ー ル ⑨ 柳 生 心 眼 流 甲 冑 兵 法 ︵ 岩 手 ︶ ＝ 星 憲 明 、 二 階 堂 敏 朗 、 古 澤 伸 一 ⑩ 神 道 夢 想 流 杖 術 ︵ 福 岡 ︶ ＝ 古 川 瞬 也 、 藤 崎 興 朗 ⑪ 気 樂 流 柔 術 ︵ 群 馬 ︶ ＝ 宗 家 ・ 飯 嶌 文 夫 、 川 島 輝 之 、 船 田 清 ⑫ 鐘 捲 流 抜 刀 術 ︵ 岡 山 ︶ ＝ 宗 家 ・ 楢 原 正 士 、 楢 原 弘 之 、 俣 野 勝 美 、 河 野 広 司 、 島 田 和 行 ⑬ 佐 分 利 流 槍 術 ︵ 広 島 ︶ ＝ 宗 家 ・ 川 瀬 一 道 、 前 原 一 教 、 北 村 賢 一 ⑭ 天 道 流 薙 刀 術 ︵ 京 都 ︶ ＝ 木 村 恭 子 、 出場流派・演武者 ︵数字は演武順︶18 2012．11 月刊「武道」
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編 翻訳・編集：アレキサンダー・ベネット （ B５判・上製・DVD 付・336 頁 ）日本武道館
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日本の武道
（ B５判・上製・箱入・526 頁 ）今、なぜ武道か
―文化と伝統を問うー中村 民雄
著 福島大学教授 （ 四六判・上製・370 頁 ）武道における
身体と心
前林 清和
著 神戸学院大学教授 （ 四六判・上製・370 頁 ）直接取材による
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横瀬
知行
古 流 武 術 研 究 家著
日本の古武道には長い歴史と伝統があり、流祖に始ま
る一子相伝の脈々たる生命の大河を貫く知恵と経験が
一つの見事な体系となって現代に伝えられている。
（ Ｂ５判・上製・箱入・462 頁 ）20 2012．11 月刊「武道」 ◉国際合気道連盟（ ＩＡＦ ） 昭和 51年、 28カ国が集まって結成。 現在は 47カ国が加盟。大会は第 ３ 回 （ パ リ ） 以 降、 ４ 年 ご と に 開 催 し て いる。 会長＝植芝守央道主、理事長＝ピ ー タ ー・ ゴ ー ル ズ ベ リ 氏（ 英 国 ）、 副理事長＝ショーン・イアマン・マ ク ル ア イ リ 氏（ ア イ ル ラ ン ド ）、 事 務 総 長＝井沢敬氏。 第 11回国際合気道大会（主催＝国 際合気道連盟 〔 ＩＡＦ 〕、 合気会） は、 ９ 月 17日から 24日の間、東京・代々 木の国立オリンピック記念青少年総 合センターにて開催された。 大 会 で は、 Ｉ Ａ Ｆ の 総 会・ 会 議、 講 習 会（ 日 程 別 掲 ）、 国 際 演 武 大 会 が開かれた。 Ｉ Ａ Ｆ 理事会・会議は、 17〜 22日 に国際交流棟会議室で行 わ れた。理 事会では役員改選があり、 ピーター ・ ゴールズベ リ 氏が理事長に再選され た。また、 ４ 年後の次回大会を再び 日本で開催すること等が決まった。 講習会は、 18〜 22日に国際スポー ツ 棟 で 行 わ れ、 日 本 を 含 む 73カ 国、 １ ３００ 名（海外から 600名、日本国 内から 700名）の修業者が参加し、 ５ 日間に わ たって開かれた。 最終日、 植芝守央道主の講習では、 参加者が道場を埋め尽くした。道主 は、転換 ・ 入身 ・ 体さばきといった、 基本動作の重要性を述べ、入り身投 げ、 四方投げなどのポイントを解説 ・ 実践した。教えをいただくまたとな い機会とあり、参加者は、真剣な面 持ちで指導を受けた。 講習会の後、午後 ７ 時より国際交 流棟に場所を移し、約 600名が参加し て、 さよならパーティーが開かれた。 まず始めに、ピーター・ゴールズベ
世界
73カ国
１
３
０
０
名が
講習会に参加
国際合気道大会
植芝守央道主による講習会の様子21 月刊「武道」 2012．11 リ Ｉ Ａ Ｆ 理事長が国際大会開催にあ たり、各関係者に感謝の言葉を述べ た。次に、植芝道主が「各国の合気 道関係者が力を一つにしてくれたお かげで、充実した内容の講習会とな りました。 ４ 年後にはさらに大きな 輪が広り、皆様と一緒にこの大会を 開くことが出来るのを楽しみにして います」と挨拶した。 その後、新役員の紹介、磯山博本 部 師 範 の 発 声 に よ り 乾 杯 が 行 わ れ た。参加者は講習会の内容を振り返 りながら、懇親を深めた。 国際演武大会は、 23日に国際スポ ーツ棟で行 わ れ、 33カ国 130名が参加 した。 国ごとに代表者が演武を行い、 日頃鍛えた技を存分に披露した。 演武大会が終 わ り、これで大会行 事の全てが終了（ 24日は、センター 内 宿 泊 者 の チ ェ ッ ク ア ウ ト 日 ）。 参 加者は、合気道母国日本での様々な 思い出を胸に、それぞれ帰国の途に 就いた。 9 月 18 日 9 月 19 日 9 月 20 日 9 月 21 日 9 月 22 日 9：30 〜 10：30 植芝充央 本部道場長代行 栗林孝典 師範 堀井悦二 師範 小林幸光 師範 金澤 威 師範 11：00 〜 12：00 澤田俊晴 師範 五十嵐和男 師範 岡本洋子 師範 M. ティシエ 師範 菅原 繁 師範 14：30 〜 15：30 C. ティシエ 師範 T. スマイバート 師範 深草基弘 師範 菅沼守人 師範 横田愛明 師範 16：00 〜 17：30 浅井勝昭 師範 山田嘉光 師範 磯山 博 師範 多田 宏 師範 植芝守央 道主 19：00 〜 多田 宏 師範の講義 講習会日程 ピーター・ゴールズベリ 国際合気道連盟理事長 さよならパーティーの様子 国際演武大会の様子 ◇国際演武大会出場者のコメント （オランダ代表２名） ピーター・ラヘルワルドさん（写真左） 「35 年前に始めて、現在六段です。合気道の魅力は、 心と体のバランスが良くなることです。今日の演 武はとても上手く出来ました」 フランク・グルネンさん（写真右） 「合気道の素晴らしいところは、しっかりとした 技を身につければ、体が小さな者でも大きな者を 投げられることです。力だけではありません。何 歳になっても続けられるし、続けるつもりです」
22 2012．11 月刊「武道」 合気道本部道場創建 80周年、合気 会 財 団 設 立 認 可 70周 年 記 念 祝 賀 会 は、 ９ 月 23日に東京・新宿区の京王 プラザホテルで開催された。 祝賀会は午後 １ 時に関係者約 １ ９ ０ ０ 名 を 集 め て 開 か れ た。 始 め に、 古藤曻司合気会常務理事が開会の辞 を 述 べ た。 次 に、 植 芝 守 央 道 主 が、 「（今日の合気会があるのは）本部道 場を中心に日々の稽古を怠ることな く、和合の心を大切にし、地道に歩 ん で き た 結 果 だ と 確 信 し て い ま す。 道と組織の融合をはかりながら、植 芝 盛 平 翁 の 創 始 し た 合 気 道 の 心 を、 正しく次世代へ継承させていくこと を、 お 誓 い 申 し 上 げ ま す 」 と 挨 拶。 続いて平野博文文部科学省大臣の祝 辞を植芝充央本部道場長代行が代読 した。 海部俊樹元内閣総理大臣が祝辞を 述べた後、武道界を代表して、松永 光日本武道館会長が「合気道は、勝 ち負けを争 わ ず、自らの心と体を鍛 えることを目的とする素晴らしい武 道です。国内外で益々発展されるこ とを祈年いたします」と、お祝いの 言葉を述べた。ほかにも、亀井静香
合気道の発展を祝い、
関係者１９００名が参集
合気道本部道場創建 80 周年 合気会財団設立認可 70 周年記念祝賀会
挨拶に立つ植芝守央道主23 月刊「武道」 2012．11 衆議院議員、フォルカー・シュタン ツェル・ドイツ連邦共和国特命全権 大使、山谷えり子参議院議員が壇に あがり、祝辞を述べた。特に、合気 道の経験がある海部、亀井、山谷の ３ 氏は、稽古の思い出を感慨深い様 子で語った。 続 い て、 来 賓 紹 介（ 「 合 気 会 の ひ ろ ば 」 に 氏 名 掲 載 ）、 石 原 光 義 合 気 会専務理事への感謝状贈呈が行 わ れ た。その後、多田宏本部師範の発声 による乾杯で祝宴が始まると、来場 者は合気道の話に花を咲かせ、歓談 に興 じ る様子が多くみられた。 午後 ３ 時、植芝充央合気道本部道 場長代行が閉会の辞を述べ、祝賀会 は盛会裡に幕を閉 じ た。 亀井静香衆議院議員 植芝充央 合気道本部道場長代行 多田宏本部師範の発声により乾杯 松永光日本武道館会長 山谷えり子 参議院議員 海部俊樹元内閣総理大臣 フォルカー・シュタンツェル・ ドイツ連邦共和国特命全権大使
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田代しんたろう 著
漫画家・別府大学教授 月刊「武道」誌上で好評連載中の「マンガ・武道のすすめ」を単行本化！ 柔道・剣道・弓道・相撲・空手道・合気道・少林寺拳法・なぎなた・ 銃剣道・古武道の各先生方に毎回直接インタビュー取材し、武道の良さ、 すばらしさをおもしろく、わかりやすく、描いています。 大人も子どもも読んで楽しく、ためになる武道教養マンガ。 （ Ｂ５判・236 頁 ） 合気道は４話を掲載！ 多田宏先生 磯山博先生 東北大学学友会合気道部 菅沼守人先生武道
子どもの心をはぐくむ
菅野 純
著 早稲田大学教授・教育カウンセラー （ 四六判・上製・410 頁 ）大先輩に聞く
田谷 将俊
著 月刊「武道」記者 （ 四六判・上製・376 頁 ）26 2012．11 月刊「武道」
第
55回全日本実業団剣道大会
第 55回全日本実業団剣道大会（主 催＝全日本実業団剣道連盟）は ９月 17日、日本武道館で行われ、全国か ら 過 去 最 多 に 迫 る 325チ ー ム が 出 場 し、実業団剣道日本一を争って熱戦 が展開された。 決勝は一昨年優勝のパナソニック （ Ｅ Ｓ 本 社 ） が、 昨 年 優 勝 の 東 洋 水 産（本社）を２― １ で降して２年ぶ り ３ 度目の優勝を遂げた。 ３ 位には、 富士ゼロックス（本社） と ＮＴＴ が 入賞した。 決勝中堅戦＝パナソニック・大亀（右）対東洋水産・青木 試合は、 ５ 人制の団体戦で行 わ れ、 試合時間は、 １ 回戦から準々決勝ま でが ３ 分間、準決勝と決勝は ４ 分間 で、時間内に勝負が決しない場合は 引 き 分 け と し た。 チ ー ム の 勝 敗 は、 勝者数によって決せられ、勝者同数 の場合は勝本数によって決し、更に 同数の場合は、時間無制限による代 表戦（一本勝負）で決した。 ◇ ◇準決勝 東洋水産 ３ ―２ 富士ゼロックス 準決勝第一試合は、昨年優勝の東 洋水産（本社）と、 14年ぶりに準決 勝に駒を進めた富士ゼロックス（本 社）が対戦した。試合は、富士ゼロ ックスの先鋒・岩川と次鋒・住崎が 共 に 一 本 勝 ち で ２ 連 勝 し た も の の、 中堅戦からは、東洋水産（中堅・青 木＝二本勝ち、副将・久木原＝一本 開会式パ
ナ
ソ
ニ
ッ
ク
（ Ｅ Ｓ 本社）が
２
年ぶり
３
度目の優勝
27 月刊「武道」 2012．11 勝ち、大将・下川＝二本勝ち）が ３ 連勝し、 ３ ― ２ で決勝進出を決めた。 パナソニック ２― １ ＮＴＴ 準決勝第二試合は、 一昨年優勝 （当 時・ パ ナ ソ ニ ッ ク 電 工〔 本 社 〕） の パナソニック（ Ｅ Ｓ 本社）と、 ＮＴ Ｔ が対戦した。先鋒戦、パナソニッ ク ・ 髙 こう と ＮＴＴ ・ 阿南は引き分ける。 次鋒戦と中堅戦はパナソニック（次 鋒・中野＝一本勝ち、中堅・大亀＝ 二 本 勝 ち ） が 連 勝 し て リ ー ド す る。 そして、パナソニック・植田と ＮＴ Ｔ ・竹越の副将戦が引き分けに終 わ ると、パナソニックの勝利が決まっ た。大将戦は、 ＮＴＴ ・下村が二本 勝ちで意地を見せたが、 ２ ― １ でパ ナソニックが勝ち上がった。 ◇決勝 パナソニック ２― １ 東洋水産 先 鋒 戦 は、 開 始 30秒、 東 洋 水 産・ 庄司が面で入ったところをパナソニ ッ ク・ 髙 が 出 小 手 を 決 め て 一 本 勝 ち。しかし、次鋒戦では、序盤、小 手を狙って飛び込 ん できたパナソニ ック・中野に、東洋水産・石川が小 手を決め、一本勝ちで勝敗を五分に 戻す。 中堅戦、パナソニック・大亀と東 洋水産・青木の対戦は、互いに譲ら ず 一 進 一 退 の 攻 防 が 続 い た が、 中 盤、青木の手元が挙がった瞬間を捉 えて、飛び込 ん だ大亀の小手が決ま る。大亀が一本勝ちを収めた。 副将戦は、パナソニック・植田が 近 間 の 間 合 い で 鍔 つば 迫 ぜ り 合 い を 続 け、 試合をコントロールする。隙を見せ ない植田に対し、東洋水産・久木原 は 攻 め 切 れ ず に そ の ま ま 試 合 終 了。 パナソニックが ２ ― １ と リ ードのま 準決勝第１試合・大将戦＝東洋水産・下川（左）対富士ゼロックス・上原 準決勝第 2 試合・副将戦＝パナソニック・植田（左）対ＮＴＴ・竹越 心技体 人を育てる総合誌
28 2012．11 月刊「武道」 ◈ 最 優 秀 選 手 ＝ 大 亀 健 太 選 手 （パナソニック ＥＳ 本社） 「 調 子 は 悪 く あ り ま せ ん で し た。 前 が 負 け た ら 自 分 が 取 り 返 そ う と 思 っ て、 一 本 を 大 事 に や り ま し た。 来 年 へ 向 け て、 ま た 一 か ら頑張っていきたいと思います」 職場での立場を聞いてみた。 「 職 場 や 剣 道 部 で は＂ 宴 会 部 長 ＂ 的 な 盛 り 上 げ 役 に 徹 し て い ま す。 今 日 も そ う い う 立 場 で で き た の かなと思います」 ま大将戦を迎える。 大将戦、引き分け以上で優勝が決 まるパナソニック・勝見と、勝たな け れ ば 後 あと の な い 東 洋 水 産・ 下 川 は、 共に 28歳。試合は、一足一刀の間合 いで相手の出方を慎重に窺 うかが う試合展 開となる。そして両者共に有効打突 の な い ま ま 時 間 が 経 過 し 試 合 終 了。 パナソニックが ２ 年ぶり ３ 度目の優 勝を達成した。 ◈ 優勝＝酒井順也監督 まだ 37歳と若い酒井氏は、一昨年 優勝した後に監督 に就任。正直、優 勝できてホッとし ました、と安堵の 表情を見せる。 「ここ １ 、 ２ カ月は、 特に、 真っ直 ぐ構えて最後まで手元を挙げないと いう、基本を崩さないことにこだ わ って練習しました。通常の練習時間 は週 ３ 日ですが、皆、自然と朝練も 始めました。今日は、打たれても構 わ ないから、チームを信 じ て自分た 決勝先鋒戦＝パナソニック・髙（右）が東洋水産・庄司から小手を奪って先制する 決勝次鋒戦＝東洋水産・石川（左）が1勝をあげる 最優秀選手に選ばれ、日本武道館賞を授与される大亀健太選手
