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理 数 調 査 報 告 書

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(1)

調査研究等特別推進経費 平成14年度調査報告書

理 数 調 査 報 告 書

−平成14年度理数定点調査集計結果−

平成15年(2003年)3月

研究代表者 三 宅 征 夫

(国立教育政策研究所 教育課程研究センター基礎研究部長)

(2)

は し が き

本報告書は、国立教育政策研究所「調査研究等特別推進経費」による研究プロジェクト の一つである「理科及び算数・数学の到達度とそれに影響を与える諸因子との関連に関す る定点調査研究」(略称:理数定点調査研究プロジェクト)での平成14年度高等学校2年生 に対する調査についての集計結果の報告である。なお、理数定点調査研究プロジェクトは、

旧国立教育研究所科学教育研究センターが中心になって行ってきたが、平成13年1月の改 組再編により、本プロジェクトを担当している研究官のほとんどが教育課程研究センター 基礎研究部に所属することになったので、同センター基礎研究部が中心になって平成17年 度まで継続して調査研究を行うことになる。

理数定点調査研究プロジェクトは、平成元年度以来実施してきた理数長期追跡研究の継 続・発展研究と言うべきものである。理数長期追跡研究では、東日本の5地域において小 5から高3にかけて学校での追跡研究を、さらに高等学校卒業後2年および6年たった卒 業生に対して郵送票による調査を実施し、理数に対する好き嫌いや科学に対する価値観な

どいろいろな視点からのデータを収集・分析し、毎年報告してきた。

理数定点調査研究プロジェクトでは、今後見込まれる教育課程の移行による影響や社会 的な影響を把握するため、小5、中2、高2、高等学校卒業生を対象として、更に調査デー タを収集・分析していくことになった。定点調査では4年ごとに同一学年でのデータを、3 年ごとに同一年齢集団の追跡データを収集・蓄積し、その調査結果を、これまでの調査デ ータと比較することで、例えば理数の好き嫌いの変化など新たな影響を把握することがで きるものと考えている。

本報告書では、昨年の8月下旬から11月末にかけて実施した高等学校2年生に対する調 査の第1次集計について報告する。今年度は8高等学校において調査を実施した。分析に 当たっては、主として、1995年度の同一8高等学校2年生に対する調査と、3年前の同一 年齢集団での調査である1999年度中学校2年生に対する調査データと比較することとした。

予算面、運用面については多くの方のご協力やご支援をいただいた。特に、調査実施に あたっては、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、山梨県の各教育センターに多大のご支援 を戴いた。また、調査に回答してくれた諸氏、さらに関係の各位のご援助を頂戴した。そ れに加えて、小川友子さんらの手によって文書処理やデータの入力などがなされた。これ

らの方々に感謝申し上げる次第である。

平成15年3月 研究代表者

三 宅 征 夫

(3)

平成14年度研究委員一覧

【国立教育政策研究所】

教育課程研究センター基礎研究部長      三 宅 征 夫(代表)

次  長       下 野   洋 研究企画開発部企画調整官      河 合   久 教育課程研究センター基礎研究部総括研究官  五 島 政 一 教育課程研究センター基礎研究部総括研究官  猿 田 祐 嗣 教育課程研究センター基礎研究部総括研究官   瀬 沼 花 子 教育課程研究センター基礎研究部総括研究官   鳩 貝 太 郎

教育課程研究センター基礎研究部総括研究官  松 原 静 郎(調査責任者)

教育課程研究センター基礎研究部主任研究官   小 倉   康 教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官 吉 川 成 夫

教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官 長 尾 篤 志

教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官 日 置 光 久

教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官 清 原 洋 一

教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官 田 代 直 幸

(4)

【教育センター等】

岩手県立総合教育センター科学産業教育室長   照 井 一 明 宮城県教育研修センター 指導主事       武 田 元 彦 福島県教育センター   指導主事       坂 爪 靖 夫 茨城県教育研修センター 指導主事       古 谷 田 明 良 千葉県教育庁学校指導部 指導主事       川 上   純 山梨県総合教育センター 主幹研修主事     富 田 信 綱

【小・中・高等学校,大学】

東京都杉並区立沓掛小学校    教諭     大 谷   明 成城学園初等学校        教諭     島 田   功 筑波大学附属中学校       教諭     大根田  裕 東京都新宿区立四谷中学校    教諭     新 田 正 博 東京学芸大学附属大泉中学校   教諭     福 泉 悦 也 東京都立大学附属高等学校    教諭     越 智 景 三 東京都立両国高等学校      教諭     小松原茂 美 大阪教育大学 教育学部     教授     狭 間 節 子

山梨大学 教育人間科学部    教授     堀   哲 夫

(5)

も く じ

はしがき ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 研究委員一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 調査結果の概要・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・  6

執筆分担・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  7

Ⅰ.研究の概要

1.理数定点調査研究概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・  8 2.平成14年度調査の概要・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

Ⅱ.調査の結果と考察

1.理科調査の結果と考察・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 2.数学調査の結果と考察・・・・・・・・・・・・・・・・・  19 3.生徒質問紙調査の結果と考察

3.1背景に関する項目

3.1.1学習環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・   24 3.1.2 進学観・就職観 ・・・・・・・・・・・・・・   27 3.2学習に関する項目

3.2.1理科の学習 ・・・・・・・・・・・・・・・・   30 3.2.2 数学の学習 ・・・・・・・・・・・・・・・・  33 3.3態度に関する項目

3.3.1理数の学習 ・・・・・・・・・・・・・・・・   38

3.3.2 科学と学校・・・・・・・・・・・・・・・  42

(6)

4.基礎調査の結果と考察

4.1読み調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  48 4.2科学観調査

4.2.1総合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   52 4.2.2 理科・科学・・・・・・・・・・・・・・・・    55 4.2.3 数学 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   58

Ⅲ.調査用紙および反応率一覧

1.平成14年度調査用紙および各項目の反応率

理科問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・   62 数学問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・   68 背景・学習 ・・・・・・・・・・・・・・・   72 態度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・    77 読み・科学観 ・・・・・・・・・・・・・・   80 2.これまでの調査での高等学校2年時および対応する

中学校2年時の反応率

理科問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・    88

数学問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・   92

背景・学習 ・・・・・・・・・・・・・・・    96

態度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・  104

読み・科学観 ・・・・・・・・・・・・・・  112

(7)

調査結果の概要

本調査では、5地域の公立小・中・高等学校の児童生徒及びその卒業生を対象に調査を 実施している。今年度は高等学校第2学年の生徒を対象とした調査を実施した。

今回の調査では、1995年度に実施した同一8校での調査(前回調査)と比較して以下の ような結果が見いだされた。

・理科問題については、前回調査の正答率が55%、今回が56%と正答率はほぼ同じであ った。前回と5%ポイント以上の差がある問題は20題中4題で、正答率が上がった問 題が3題、下がった問題が1題であった。(Ⅱ.1)

・数学問題については、前回調査の正答率、今回調査の正答率ともに62%であった。前 回と5%ポイント以上の差がある問題は20題中3題で、正答率が上がった問題が1題、

下がった問題が2題であった。(Ⅱ.2)

・学校での補習授業・課外授業を受けた生徒の割合は前回に比べて増えた。また、塾へ通 う生徒の割合は変化ないが、学校外での週あたりの学習時間は減った。(Ⅱ.3.1.1)

。進学動機としては、将来つく職業との関連を考慮する生徒の割合が6割と多く、また、

前回と比べてもやや増えていた。(Ⅱ.3.1.2)

・理科では、科学と生活との関連を説明する授業が増え、また、生徒自身が実験・観察を 行う授業が増えた。一方、理科の授業でのコンピュータ活用は進んでいない。(Ⅱ.3.2.1)

・数学では、問題を振り返り見直す機会や意見を出し合うなど話し合いの機会が次第に出 てきた。生活との関連についても少し意識され始めていた。コンピュータを使った授業 も少しずつ展開され始めた。(Ⅱ.3.2.2)

・理科が面白いとする生徒の割合も数学を面白いとする生徒の割合も前回と変化なかっ た。野外観察では楽しいとする生徒の割合が減少した。(Ⅱ.3.3.1)

・国が科学のためにお金を費やすことに関しては肯定的な意識がいくぶん減ったが、中2 時に比べると科学の発展は国の発展に重要とする認識が増えていた。(Ⅱ.3.3.2)

・漢字の読みに関する傾向は前回と変わらなかったが、正答率の高い漢字と低い漢字でそ の間の正答率の差が広がっていた。(Ⅱ.4.1)

・科学・技術に関する意識では、原子力発電に対して禁止または制限する意見がやや減り、

臓器移植と脳死に対しては認める意見がやや増えていた。(Ⅱ.4.2.1)

・科学研究の主要な目的では、前回との変化が見られず、科学的な目的と技術的な目的が 50%ずつであった。理科学習の理由も変化がなく、科学が役立つからと考え方を知るこ

とが大切だからが3割ずつであった。(Ⅱ.4.2.2)

・数学学習の理由では前回と変化が見られず、数学が役立っからが3割、大切な考え方を

身につけるためが25%であった。コンピュータとの関連で、数学の勉強では使わない

方向への回答が増えていた。(Ⅱ.4.2.3)

(8)

執 筆 分 担

Ⅰ.研究の概要       松原 静郎

Ⅱ.調査の結果と考察

1.理科調査の結果と考察        猿田 祐嗣 2.数学調査の結果と考察        瀬沼 花子 3.生徒質問紙調査の結果と考察

3.1背景に関する項目

3.1.1学習環境         川上  純 3.1.2 進学観・就職観      五島 政一 3.2学習に関する項目

3.2.1理科の学習        鳩貝 太郎 3.2.2 数学の学習        越智 景三 3.3態度に関する項目

3.3.1理数の学習        松原 静郎 3.3.2科学と学校        小倉  康 4.基礎調査の結果と考察

4.1読み調査      大谷  明 4.2科学観調査

4.2.1総合       下野  洋

4.2.2 理科・科学        新田 正博

4.2.3 数学       大根田 裕

(9)

Ⅰ.研 究 の 概 要

1.理数定点調査研究概要 1.1 研究の目的

第15期中央教育審議会答申においても科学教育の重要性がうたわれているが,現状を 把握し,問題点を探るためにはその基礎となる調査データが必要となる。我々は,主とし

て理科および算数・数学の到達度とそれに影響を及ぼすと思われる諸因子に関して,10才 から10数年間の経年調査を行うことにより,小・中・高・大学および社会人に至るまで の,到達度や科学的態度に対する諸因子の寄与および変化についての分析を試みる目的で,

平成元年度からこれまで東日本の5地域において小5から高3にかけて学校での追跡調査 を,さらに高校卒業後2年および6年を経過した卒業生に対して郵送票による調査を実施 し,理数に対する好き嫌いや科学に対する価値観などいろいろな視点からのデータを収 集・分析してきた。

本調査研究の目的は,今後見込まれる教育課程の移行による影響や社会的な影響を把握 するため,さらに調査データを収集・分析していくことにある。これまで蓄積してきたデ ータを利用して,どのような変化が見られるかを把握するために,これまでと同様の地域 で,多くの質問が同じとなるような調査を実施していくことにより,その変化を見出すこ とのできる基礎データを得ていくことが重要である。蓄積してきた調査データと,これか ら集めていく調査結果と比較することで,例えば理数の好き嫌いの変化など新たな影響を 把握することができると考えている。

なお,平成元年度よりこれまでの学校段階での調査の分析結果から以下のようなことな どが見出されている。

・数年の間隔をおいての調査では,問題項目,質問項目のいずれにおいても,同一学年の 多くの反応率がほとんど同じであり,成績や態度の変化は少ない。このことから,変化の 大きい場合は,なんらかの影響があったと考えられる。

・同一問題を,学年を変えて複数回調査しても,以前に調査した影響は少なかった。

・同一問題を異なる学年で実施することで理科問題の定着率を調べた結果,より低学年で 正答した児童生徒であってもより高学年で正答する割合は,全体の正答率より10%高い程 度であり,定着率は高いとは言えないことがわかった。

・理数問題に関しては,ともに男女差は少ないが,女子の方が学年による変化が少ない。

・高校では成績ののびが理数,読みともに小さかった。

・理科に対する好き嫌いでは,小学校理科は好きが多いが,学年が進むと学習内容が多い

とする意識が増え,それとともに嫌いが増える。一方,小学校算数ではわずかに好きが多

(10)

い程度であるが,学年が進むとともに理科と同様に学習内容が多いとする意識が増え,そ れとともに嫌いが増えている。

・好き嫌いなど男女差が見られる場合,男子の方が好ましいことが多いが,数学問題の解 決過程を評価する点などでは女子の方が男子よりも好ましかった。

・小学校から中学校や中学校から高等学校へと学校が変わる段階では,成績と好き嫌いと の相互の影響が大きくなり,前の学校からの影響は同一学校段階の前学年より少ない。

・学校段階が進むと,理科や数学に対する好き嫌いの意識が約3〜4割変化していた。

・学校外での学習時間は中学校で最大になっており,高校受験の影響が考えられた。

・教師主導の授業が学年進行とともに強まっていた。

・興味深い授業が科学の価値をよりよく評価するのに影響している。

・科学研究の目的としては,どの学年でも幸福な生活の手段の提供とする技術的な側面の 回答が多かった。

1.2 調査対象校および調査時期

今年度の対象地域としては次の5県の各1地域であり,それら地域にある公立高等学校 が調査対象校とされた。なお,対象学校はこれまで理数長期追跡研究において調査を実施

していただいてきた学校である。

調査県:岩手県,宮城県,福島県,茨城県,山梨県 調査時期:8月下旬から11月末日までの約3か月間

1.3 調査内容

調査内容としては,表1に示すとおり児童に対して3調査(7種目)がある。

それぞれの調査内容毎に時間を区切り,全体で3校時を使って調査を実施する。調査の 回答は,いずれも5肢選択形式による。各調査の調査時間については「2.平成14年度 調査の概要」の表2を参照のこと。

表1 本調査の内容

(11)

1.5 対象児童・生徒および調査年次計画

本年度は表2の集団Bの高等学校第2学年を対象とした。なお,表には理数長期追跡研 究の年次計画も併せて示した。

表2 調査年次計画

理数定点調査研究の集団A〜集団Dでは,表2に示すとおり,4年毎に同一学年の児童

生徒や卒業生を対象とした定点調査となるとともに,小5から高2まで,同一地域の集団

が調査対象であり,追跡調査となる。

(12)

2.平成14年度調査の概要

2.1調査目的

高等学校第2学年における理科および算数の到達度と科学的態度に関する調査を通して,

それらに影響を及ぼす教育諸因子等に関して調査研究を行う。また,「理数定点調査研究」

の一環として,以前の高2生徒との比較ができる。また,3年前には中2で同一年齢生徒 を対象に調査しており,一部が追跡対象者となるので経年変化を調べる。

2.2 調査対象

今年度の調査対象である5地域の公立高等学校8校において,第2学年全員を対象に,

表1に示す調査を実施する。なお,表中の3校対象とは,1998年度調査を実施した3校 における対象者数を示す。

表1.調査対象生徒数

2.3 調査時期

調査時期は,平成14年8月下旬より11月末日の間の3校時である。

2.4 調査内容

生徒に対する調査の種類については,表2に示すとおりである。なお,質問紙について は「読み」を除いて,時間不足による無回答を減らすため,適宜時間の伸縮を可能とした。

また,調査実施の手引きを次ページに,全調査項目と反応率を第Ⅲ章に示す。

表2.調査種目および調査時間

(13)

【平成14年度】理数定点調査 実 施 の 手 引 き

生 徒 調 査

【本年度の調査対象学年は 高2 です】

(1)調査の種類と調査に要する時間は次のとおりです。

ただし,各時間のはじめに数分の説明時間を見込んでください。

(2)調査実施時に調査用紙を配布してください。なお,調査A及びBでは調査用紙 が各2部ありますので,調査に合わせて順次配布してください。

(3)調査前に調査用紙の表紙にある注意を先生に読み上げていただき,続いて組,

番号,男女,生まれた月日,名まえとふりがなを記入させてください。また,調 査Cでは3年後の郵送票調査のための住所を記入するよう促してください。

(4)回答はすべて五つの選択肢から一つを選択し,その記号を○で囲む形式です。

はっきりと記入させてください。

(5)(1)の調査時間に従って調査を実施してください。ただし,調査時間に 約 のつ いている調査では,進み具合によって適宜時間を調節してください。

(6)各調査終了後は,表紙の氏名等がすべて記入されていることを確認させてから,

調査用紙を回収してください。

◎ 調査用紙の返送について

回収した調査用紙は,未使用の用紙も含めすべて同封の着払い用紙を使ってペリ カン便で11月末までにご返送くださいますようお願いいたします。その際,調査 対象の高2生徒の名簿(名票)も指定の封筒に入れペリカン便に同封してください。

調査に対する連絡は下記にお願いいたします。

(14)

[平成14年度]理数定点調査研究 調 査 実 施 の 手 引 き

学校質問紙・教師質問紙

[今年度の調査対象学年は 高2 です]

① 調査の種類とご回答戴く方は次のとおりです。

② 回答しにくい項目もあるとは思いますが,調査用紙おもて の回答のしかたにしたがって,必ず答えてください。

なお,お答え戴いた事項については,本調査の目的以外に は使用致しませんし,個々の項目に対する回答者がわかるよ

うな発表のしかたは一切致しません。

③ 各項目に対する回答は直接調査用紙にご記入く ださい。

なお,教師質問紙中の履修状況調査については,担当され ている教科または科目についてご回答をお願い致します。

④ ご記入戴いた調査用紙(学校質問紙;1部,教師質問紙;

担当者数分)は,生徒対象の調査用紙等と共に,国立教育

政策研究所宛ご返送戴きますようお願い致します。

(15)

Ⅱ   調 査 の 結 果 と 考 察

1.理科調査の結果と考察 1.1問題選択の背景

理科問題選択にあたっては,

① 各学年ともに,内容領域としては,物理・化学・生物・地学の4領域それぞれ5題ずつとし,

さらに,これら5題はIEA第1回国際理科教育調査の目標分類に倣い,知識・理解・応用・

高次の過程・実験の5つの目標領域に1題ずつ属するようにする。

② 学年間で共通の問題をローテーションで配置する(表1参照)。

③ 予備調査の正答率をもとに,各学年とも20題の平均正答率が60%程度となるように問題の選 択を行う。

の3点に基づき,問題選定を行った。

表1 学年間共通問題からみた理科問題の構成

1.2 高等学校理科の結果

(1)全体的な傾向

ここでは,全体的な傾向についてのみ述べる。

今回の02年度調査と同一の問題を,95年度に集団1を対象として高等学校第2学年時に実施し

た。そこで,調査データを比較するには,95年度調査と02年度調査の結果の比較を行うこととし

た。表2に,両調査における内容および目標領域別の平均正答率を掲げた。また,02年度調査の

平均正答率から95年度調査の平均正答率を引いた差を図1のグラフに示した。

(16)

表2 内容・目標別平均正答率(%)

図1 内容・目標領域ごとの平均正答率の差(%)

表2および図1より,95年度調査と02年度調査の2回の結果を比べることにする。

① 02年度調査の全問題の平均正答率は,56%であった。

② 内容領域の平均正答率については,化学の平均正答率が65%で最も高く,生物59%,物理57%,

地学51%の順となっている。

③ 目標領域の平均正答率については,理解が69%で最も高く,知識60%,実験59%,高次の過 程50%,応用44%の順となっており,応用は50%を大きく下回っている。

④ 95年度調査の平均正答率と今回の02年度調査の平均正答率を比較した結果,全体としては95 年度調査より1%ポイント上回っている。

⑤ 内容および目標の領域別に比較すると,知識の領域で1%ポイント下回ったが,応用領域では 約3%ポイント上回り,生物,地学,理解,実験の各領域で約2%ポイント上回った。それ以外

の領域では,2回の調査の平均正答率にはほとんど差はみられなかった。

(17)

表3 各問正答率 −高2集団−

(18)

(2)各問題の正答率

02年度調査の各問題ごとの反応率を表3に示した。また,各問題の95年度調査の正答率と今回 の02年度調査との正答率を比較した結果を,表4に示した。表4では,各問題ごとに今回の02年 度調査の正答率から95年度調査の正答率を引いた差を掲げている。

表4から,全体的な傾向としては,95年度調査との比較で5%ポイント以上の差があった問題は,

20題中4題であった。この4題の内訳は3題が生物領域の問題,1題が地学領域の問題であった。ま た,95年度調査よりも正答率が上がった問題が3題,下がった問題が1題であった。残りの16題は 95年度調査と比べて変化がなかった。また,表4では,高等学校の理科各科目で選択履修する内 容を含む問題6題の正答率の差をイタリック体で示しているが,生物の知識の問題1題は約5%ポイ

ント下がったものの,残りの5題はいずれも5%ポイント未満の差であり,変化していないといえ る。一方,中学校までに履修した内容を含む問題13題(地学の知識の問題は学校で未履修の内容 のため除く)では,5%ポイント以上差がある問題は3題あり,その3題とも正答率は上がっている。

そして,残りの11題については5%ポイント未満の差であり,変化がなかった。

表4 各問題における02年度調査の正答率と95年調査の正答率との差(%ポイント)

(3)理科の各科目の履修状況

上述の理科問題の結果には,高等学校での履修状況も幾分かは影響を与えているものと考えら れる。生徒質問紙Ⅲにおいて,理科の各科目について1週間に何校時授業を受けているかを尋ね ている。次ページの表5では,過当たり1校時以上受講している生徒の割合を,科目ごとに示して いる。

95年度調査と02年度調査とで履修率はほぼ同じ傾向を示しているが,化学IBで変化がみられ,

8%ポイント履修率が下がっている。履修者が最も多いのは生物IBで,約6割の生徒が履修して

いる。次に多いのは物理IB,化学IBの順であり,これらの科目で履修率が1割を超えている。

(19)

表5 理科の各科目を週当たり1校時以上受けている生徒の割合(%)

(20)

2.数学調査の結果と考察 2.1問題選択の背景

「理数定点調査」の前身である「理数長期追跡研究」の問題選択の背景については1989年の ブックレット005及び1990年のブックレット010に詳しく述べられているが,主な方針をあげると次 の通りである。

① 出題傾向が偏らないように,IEA第2回国際数学教育調査(以下SIMSと略す,1980−

1981年実施)の「内容・目標」の2次元の枠組みを採用した。

② 正答率の伸びをみるために,学年に共通な問題を設定した。

③ 過去の大規模調査と比較可能なように,問題の多くはSIMSから選択した。

④ 問題の難易度が適切であるように,各学年の正答率の平均が60%になるように想定し問 題を選択した。

ところで,各学年の出題数は20題,したがって小5から高3までの8年間で延べ160題である が,この中には学年に共通な問題が含まれているので,それらを1題と数えると,数学・数学問題の 種類は83題である。この83題の高2の内容・目標領域別の数を示したのが表1である。

今回の調査対象である高2の 問題を内容領域別にみれば,

代数6題,幾何が5題,解析が 5題,確率・統計が4題である。

なお,今回の「理数定点調 査」においては,基本的に前回 までと同じ方針で調査を行うが,

場合によって問題や選択肢の 表現を変えた方がよいという指 摘があり,結果的に問題1を修 正することとなった。

左上に示したのが問題1の

「理数長期追跡研究」における 問題である。切り口の形を言葉 ではなく,図示することが必要で あるという指摘に沿って,左下 の図にあるように,選択肢アから エをすべて図示することとした。

この間題は,本稿においては

今後同一問題として扱うが,以

上の変更に留意しておく必要が

ある。なお問題1は自作の問題

であり,また,全学年共通に調

表1数学問題の種類とその数(題)

(21)

2.2 高等学校数学の結果

(1)全体的な傾向

ここでは,数学の全体的な傾向についてのみ述べる。

表2に,2002年度及び1995年度の8校の高等学校2年生数学の「内容および目標領域別 の平均正答率」を掲げた。さらにその下に,高等学校1年までに学んだ14題(小中の内容、及び

「数学I」及び「数学A」の数と式の内容)について,1995年度と2002年度のデータを掲げた。

表2 目標・内容別平均正答率(%)−高2(8校)−

これらから,次のことがわかる。

【20題の結果について】

①2002年度全問題の平均正答率は,62%であった。

②2002年度の内容領域別の平均正答率については,確率・統計が77%で最も高く,幾何67%,

解析66%,代数45%の順となっている。

③2002年度の目標領域別の平均正答率については,計算が68%で最も高く,分析63%,理解 62%,応用54%の順となっている。

④1995年度,2002年度の平均正答率を比較すると,問題全体としては,どちらも62%であり,

2002年度は1995年度と同じ正答率である。

【14題の結果について】

⑤ 2002年度の全問題の平均正答率は,69%であった。

⑥ 2002年度の内容領域別の平均正答率については,確率・統計が77%で最も高く,解析 74%,幾何74%,代数46%の順となっている。

⑦ 2002年度の目標領域別の平均正答率については,計算が84%で最も高く,応用65%,理 解62%,分析60%の順となっている。

⑧1995年度,2002年度の平均正答率を比較すると,問題全体としては,どちらも69%であり,

2002年度は1995年度と同じである。

(2)各問題の正答率

各問題ごとの反応率を表3に示した。また図1に,各問題の1995年度と2002年度の8 校の正答率を,「2002年度の正答率ひく1995年度の正答率」の値が大きい順に,問題を

示した。

これらから次のことがわかる。

(22)

表3 各問正答率 −高2(8校)−

(23)

【2002年度の結果について】

1)比較的やさしかった問題

ここでは,正答率が70%以上の問題を「比較的やさしかった問題」として考察する。比較的やさ しかった問題は,5,7,12,15,16,17,18の7題である。いずれも中学校までに学んだ内容であ るため,高い正答率になったのではないかと思われる。

2)比較的むずかしかった問題

ここでは,正答率が50%未満(整数値に四捨五入)の問題を「比較的むずかしかった問題」とし て考察する。比較的むずかしかった問題は,8,11,13,19,20の5題である。この5題はいずれも 1995年度に比較的むずかしかった問題5題と同じである。

問題11については,直観的に正解を見つけるのが難しい問題で,論理的に考えることが必要と される。格子点の数と円周上の点の数とを比較することにより,無限の意味を考えることになり,こう した教材は教科書などでは取り上げられる機会が少ないため,生徒はかなり戸惑ったのではないだ ろうか。

問題13は,多項式の次数に関する問題である。このような代数的構造について,授業中に十分 な時間をとり,説明されることがあまりないのではないだろうか。単純にm+nと答えた生徒が47%い たが,問題を具体化して考えるという工夫があれば間違いに気づいたと思われる。

問題8,19,20については,選択であるため,正答率が低くなったのではないかと思われる。

【1995年度と2002年度との比較】

1995年度と2002年の各問題の正答率を,「2002年度の正答率ひく1995年度の正答率」の 値が大きい順に,問題を並べ,図1および表4に表した。図1に見るように,各問題ごとにみても,

正答率はこの7年間でほとんど変わっていないことがわかる。

表4に見るように,5%ポイント以上正答率が変化している問題は問題20,問題2,問題8の3 題である。いずれも高2で学んだ,あるいは選択としてこれから学ぶ可能性のある内容であり,この ような履修状況の違いが影響していると思われる。

図1  1995年度と2002年度の数学各問正答率の比較−高2(8校)−

(24)

表4   1995年度と2002年度の数学各問正答率の比較−高2(8校)−

(3)数学科目の履修状況

2002年度調査を受けた8校の生徒の数学科目選択状況をまとめると,表5の通りである。

表5   数学科目の履修状況(%)  −高2(8校)−

調査は9月から11月の中で学校側の都合の良い日に実施されている。数学科の標準単位数は,

必修科目の「数学I」が4単位,選択科目の「数学Ⅱ」,「数学Ⅲ」は各3単位,「数学A」,「数学B」,

「数学C」は各2単位である。高2では,高1の「数学I」,「数学A」に引き続いて,「数学Ⅱ」,「数学 B」を選択履修することが期待されている。

高2で履修すると期待されている「数学Ⅱ」を履修している生徒は9割を超える。一方で,高1で 履修すると期待される「数学工」の履修が2割弱いる。

表6は,履修状況の変化を,週1校時以上受けている割合について示している。2002年度は 1995年度に比べて,数学Ⅰ,数学Ⅱ,数学Aを履修している生徒の割合がそれぞれ15%ポイント,

14%ポイント,8%ポイント増えている。

表6 週1校時以上受けている生徒の割合(%)−高2(8校)−

(25)

3.生徒質問紙調査の結果と考察 3.1背景に関する項目

3.1.1学習環境

(1)家庭環境に関する質問

(1)「家庭の蔵書数」

家庭の蔵書数について,95年度調査と比較すると,5%ポイント以上の差はなく,

最大でも2%ポイントの違いであり,全体としてほぼ同じ状況と考えられる。

(2)「家人からの学習の勧め」

95年度調査と比較して,今回の調査で大きく変化したところはない。

(2)学校外の学習に関する質問

(3)「学習塾・進学塾通い」

(4)「学校で補習授業・課外授業」

学習塾・進学塾に通っている生徒の割合は,95年度調査では全体の13%だった のに対し,今回調査でも全体の12%とほとんど変化がない。一方,99年度調査

(中2)と比較すると,44%から22%ポイント下がっている。

学校での補習授業・課外授業については,夏休み,冬休みだけ受けた生徒の割合 が,95年度調査では22%であったが,今回の調査では33%と,11%ポイント上が

り,補習授業・課外授業を受けた生徒の合計は95年度の44%から今回の調査の

49%へと5%ポイント上がった。

(26)

また,99年度調査(中2)と比較すると,中学校では,76%が補習授業・課外授 業を行っておらず,高等学校に比べて補習授業・課外授業の少ないことがわかる。

(5)「学校外での学習の週当たりの学習時数」

学校外での学習の週当たりの学習時間について,0〜2時間までと答えた割合が,

95年度調査では40%であったが,今回の調査では48%と,8%ポイント上がって いる。逆に5時間以上と答えた割合の合計では37%から26%と,11%ポイント下 がっている。

99年度調査(中2)と比較しても,学習時間が0〜2時間までと答えた割合は,

37%から11%ポイント上がっており,学校外での学習時間は少なくなっている。

(6),(7)「学校外の数学ならびに理科の学習時間」

学校外の学習時間について,数学では95年度調査とほとんど変化がみられない。

理科でもほとんど変化ないが,0時間と答えた割合が95年度調査の58%から今回

調査の62%へとわずかではあるが増えている。

(27)

99年度調査(中2)と比較すると,0時間と答えた割合が,数学では24%から 9%ポイント,理科では36%から26%ポイントも上がっていて,いずれも学習時

間は減少しているが,理科の方が数学より学習時間の減少の幅が大きい。

(3)教科の成績及び好き嫌い

(8),(9)「自己評価による数学ならびに理科の成績」

自己評価による数学ならびに理科の成績について,今回の調査を95年度調査と 比較した場合,数学では「一番良い」と「他の教科より良い」とを合わせた割合が 27%から35%に増えている。理科では大きな変化は見られない。

数学と理科を比較すると,「一番悪い」と答えた生徒は,数学が理科より10%ポ イント大きく,「どちらでもない」と答えた生徒は,理科が数学より13%ポイント 大きい。

(10),(11)「数学ならびに理科に対する好き嫌い」

数学ならびに理科に対する好き嫌いについて,今回の調査を95年度調査と比較 した場合,数学では「一番好き」と「他の教科より好き」とを合わせた割合が 33%から39%と増えているが,理科では大きな変化はない。

99年度調査(中2)と比較した場合は,「一番好き」と答えた割合が,数学は

13%から8%,理科では14%から7%と下がっている。また,数学と理科を比較す

ると,「一番嫌い」と答えた生徒は,数学が14%,理科が5%で,数学が理科より

も9%ポイント大きい。

(28)

3.1.2進学観,就職観

本文では,それぞれの2002年度調査と1995年度調査を今回調査と前回調査として表現 するが,特に断らない場合は今回調査のことを示している。また,今回調査の高等学校2 年とその集団が中学校2年の時の調査(1999年度)とも比較した。

(1)進学についての質問

「進学計画(希望)」(12)

大学までを希望している者は6割で最も大きい。どの選択肢も前回とほとんどおなじで ある。中2時の調査と比較してみると,大学または大学院までを希望している中2は4割 で,高2になると20%ポイントも大きくなっている。なお,中2時の調査では選択肢に「中 学校まで」があったが図では抜かした。また,各種学校等と短大は一つの選択肢である。

「進学動機」(13)

進学先と将来の職業との関連を考慮する者が6割と最も大きく,成績や興味によって決 める者は約3割と次に大きい。前回の調査と比べると,将来の職業との関連を考慮する者 が5%ポイント増えている。

中2時の調査との比較では,進学先と将来の職業との関連を考慮する者と成績や興味に よって決める者が中2では47%と43%で似た数値であるが,高2では前者は12%ポイン

ト増,後者は15%ポイント減と大きな差ができている。

(29)

(2)職業観に関する質問

「将来の職業についての家の人との話し合い」(14)

家の人との話し合っている者が9割弱で,そのうち,ときどき話し合う者が約7割であ り,ときどき話し合う者は94〜96年度の5割に比べて20%ポイントも増えている。

「将来希望する職業の方向」(15)

工業技術者などの工学関係を希望している者が1割強で,医学・薬学・理学関係を含め た全理工学関係の職業を希望している者は3割である。これに対して,理工学関係以外の 職業を希望している者は4割である。これらの結果は前回の調査結果とほぼ同じである。

「将来の職業の希望」(16)

まだ希望している職業がない者が約2割で,希望している職業につきたいと思っている 者が約5割,希望している職業はあるがつけないと思っている者は1割弱,はっきり希望

している職業がある者は15%である。

中2時の調査と比較すると,希望職業がある者が高2ではやや増加しているが,全体と しての変化は小さい。

「職業選択の意識」(17)(18)

将来職業を選ぶとき,どのような考えで選ぶかをきいたものである。

若い頃に少しは苦労しても,将来高い地位につける職業につきたいか,高い地位につく より平凡でも幸福な家庭をつくれる職業につきたいかをきいた質問では,前者が24%で,

後者が61%である。また,安定した職業でなくても,自分の能力を十分に発揮できる職業 に就きたいか,自分の能力はたとえ十分に発揮できなくても安定した職業につきたいかき いた質問では,前者が44%,後者が37%である。94〜96年度調査と比べると,平凡で安 定した職業を志向する割合がやや増加している。

これは中2時の調査とほぼ同じ結果であり,大きな変化は見られない。

(3)生活等に関する質問

「クラブ活動の種類」(19)

運動クラブに入っている者は約5割,文化系のクラブに入っている者は約2割で,その

うち,理科関係のクラブに入っている者は数%に過ぎない。また,入っていない者が3割

いる。この結果も前回の調査とほぼ同じ結果である。

(30)

中2時の調査と比較すると,理科関係クラブを含めた文化系クラブに入っている者は2 割で変わらないが,運動クラブに入っている者は中2での75%が高2になると25%ポイ

ントも減少している。その分クラブに入っていない者が高2で増加している。

「TV視聴時間数」(20)

土曜日や日曜日以外の普通の日(平日)のTV視聴時間については,1時間〜2時間が 3割前後で前回に比べて5%ポイント減り,2時間〜3時間は3割で前回と同じ,3時間 以上が前回の2割強から今回の約3割へと7%ポイント増加しており,全体的な視聴時間

は前回調査より増加している。

中2時の調査との比較では,見ないと1時間以下の合計が中2では4%,高2では15%

で10%ポイント増加している。そして,3時間以上が中2では44%であるのに対して高2

では29%と15%ポイント減少している。中2時との比較では,高2になるとテレビの視

聴時間は減っていることがわかる。

(31)

3.2 学習に関する項目 3.2.1理科の学習

理科の学習に関する調査は,10項目で構成されている。調査の回答は,質問項目それぞ れに5段階の尺度(ア.ほとんど毎時間,イ.週に一度くらい,ウ.月に一度くらい,エ.学期

に一度くらい,オ.ほとんどない)から生徒が選択する形式である。

なお,上記の10項目を次の四つにその内容から分類した。

A 授業の進め方   質問項目(31),(32),(33)

B 興味・関心の育成     (34),(35),(40)

C 実験・観察等       (36),(37),(38)

D コンピュータの活用     (39)

以下,この分類に従って見ていく。

A 授業の進め方

調査項目の「(31)前の時間の復習」は「毎時間」と「週一度」をあわせると1995年度

56%,2002年度57%でほとんど変化がない。同様に「(32)教科書にある内容だけ」は1995

年度73%,2002年度72%で変化はないが,「(33)板書を写す」は1995年82%,2002年が

89%でやや差が出ている。

(32)

B 興味・関心の育成

「毎時間」と「週一度」をあわせた数値で見ると,「(34)生徒の考えや希望」は1995年 度と2002年度とで変化はほとんど見られないが,「(35)興味深い理科の授業」は1995年 度38%,2002年度43%でやや差が出ている。同様に「(40)科学と生活との関連の説明」

は1995年度に比べて2002年度の方が「毎時間」「週一度」「月一度」のそれぞれで2%ポ イント,6%ポイント,4%ポイント増加している。科学がいかに生活と深く関わっている

かを説明して,生徒に科学に対する興味・関心を高める工夫が行われるような授業の改善

がわずかながら進んだと考えられる。

(33)

C 実験・観察等

「(36)生徒実験・観察」では,「毎時間」が2002年度は12%で1995年度より8%ポイ ント増加している。「毎時間」「週一度」「月一度」をあわせると2002年度は70%で1995 年度より16%ポイント増加している。実験・観察を行う授業が増えていることがわかる。

なお,中学校の1999年度の調査では「毎時間」42%,「週一度」36%,「月一度」17%

で,それらをあわせると95%にも達しており,中学校の方が高等学校よりも実験・観察を 多く行っていることがわかる。「(37)演示実験」は「毎時間」「週一度」「月一度」をあわせ ると1995年度45%,2002年度55%で10%ポイント増加している。演示実験の回数も生 徒実験と同様に増加しており,高等学校での実験・観察の機会が多くなっていることがわ かる。

「(38)野外観察」は「ほとんどない」が1995年度88%,2002年度92%である。

D コンピュータの活用

「(39)コンピュータの活用」は「ほとんとない」が1995年度94%,2002年度93%で あり,理科の授業でのコンピュータの活用は進んでいない。

まとめ

1995年度と2002年度を比較して,授業の進め方も興味深い授業や生徒主体の授業もあ

まり変化していないが,科学と生活との関連を説明する授業は増加し,生徒の興味・関心

を高める工夫が行われている。また,生徒自身が実験・観察を行う授業が増えている。し

かし,理科の授業でのコンピュータの活用は進んでいない。

(34)

3.2.2 数学の学習

数学の学習に関する調査は、10項目で構成されている。調査の回答形式は、質問項目そ れぞれに5段階の評定尺度(ア:ほとんど毎時間、イ:週に一度くらい、ウ:月に一度く

らい、エ:学期に一度くらい、オ:ほとんどない)で、生徒が答えるものである。

また、上記の10項目を、その内容に従って、次の4つに分類しておく。

A 授業のすすめ方        (21),(22)

B 数学の問題解決        (23),(24),(25),(26)

C 数学における実験及び応用   (27),(28)

D 電卓とコンピュータの使用   (29),(30)

なお、A〜Dの用語は、一般的な意味ではなく、質問項目に限定した意味で使う。調査 結果の処理は、1995年度と2002年度の調査を行った8つの高校2年生について表にまと めてある。項目番号についてアからオの割合を百分率計算した。1995年度は現行の指導要 領の2年目、2002年度は9年目にあたる。

A 授業のすすめ方

(21)「数学の授業中の大部分の時間は、先生の説明を聞いたり、ノートをとったりして います。」

数学の授業は、先生の説明を聞いているという意識がある。その意識が「ほとんど毎時 間」先生の説明を聞いていると考える生徒は、1995年度は87%、2002年度88%であり、

変化していない。

(22)「数学の授業では、例、問い、練習問題という形で授業が進められていきます。」

「ほとんど毎時間」先生の説明が、例や問い、練習問題であると意識している生徒が1995

年度は92%、2002年度は91%である。高校2年生は、例、問い、練習問題と進む形で授

業が進められる傾向であることを意識している。

(35)

以上、項目番号(21)、(22)から、高等学校では、教師が例や問い、練習問題の説明をし ながら授業をすすめる方法が日常的であり、生徒は先生がそのように授業をすすめている

と意識している。この傾向は、調査年度に関わらず出ている。

B 数学の問題解決

一つの問題を理解していく過程において、どのような授業が展開されているのだろうか。

(23)「数学の授業では、先生は一つの問題において、いろいろな解き方を教えてくれま す。」

授業のすすめ方は【A.授業のすすめ方】で明らかなように教師主導である。しかし、

学習指導要領の趣旨の浸透に伴って、教師の授業内容に変化が表れはじめているのか、グ ラフにわずかな数値の変化が見られる。すなわち、現在の高校2年生は、「ほとんど毎時 間」の授業内容をいろいろな角度から考えさせる工夫を教師が行っているとする意識が、

ほんのわずか増えている。

(24)「数学の授業では、練習問題を解いたあとに、先生は「誤りがないか自分で見直しな

さい」と言います。」と(26)「数学の授業では、先生と生徒あるいは生徒どうしで、いろい

ろな考え方や問題点について話し合います。」

(36)

(24)では、「ほとんど毎時間」と「週一度程度」と回答した割合の合計は増えている。

(26)では、今回の調査(2002年度)の特徴として、コ:「ほとんどない」の回答率が7%

ポイント減少し、カからケへの回答率が増加した。前回1995年度調査では、高校2年生 で問題を振り返り見直す機会はあっても、意見を出しあうなどの話し合いはなかなかもて なかったが、問題を振り返り見直す機会も、意見を出しあうなどの話し合いの機会も次第 に授業の中で出てきはじめているものと見受けられる。

(25)「数学の授業では、同じ問題を2時間にわたって話し合います。」

(37)

(25)でも、今回の調査(2002年度)の特徴として、オ:「ほとんどない」の回答率がわ ずかに減少し、イからエへの回答率が増加した。話し合いが学期に一度の程度以上行われ ていても、先生と生徒、生徒どうしで長時間にわたる話し合いをなかなかもてない傾向に あったものが、学期に1回以上の程度、長時間にわたる話し合いをもち、考えさせる授業 内容に変化してきているのが、数値に表れはじめているのだろうか。

C 数学における実験及び応用

数学における実験や生活との関わりを教師が生徒に考えさせることは、高2では日々の 授業の中で行われているとは言い難い。更に、生徒は、教師が数学と生活との関わりを説 明することはあまりないと考えている。この傾向は過去の調査と同様である。

(27)「数学の授業では、私たちが模型を作って考えます。」

高2の回答をみると、生徒が模型を作って考えることは、ほとんどないことを示してい る。また、時間をかけて物を作りながら試行錯誤を繰り返して問題に対する解決過程を生 徒自身で身につけていくことは、ほとんど行われていないことを示している。

(28)「先生は、数学がいかに生活と深く関わっているかを説明してくれます。」

(38)

高校2年生では、今回の調査(2002年度)でオ:「ほとんどない」の回答が11%ポイン ト減少している。これは、授業の中で、数学の内容を生活との関連に配慮しながら指導し、

解決していこうとする授業の機会が少しずつ増えてきていることを示している。生徒は、

先生が数学を生活と深く関わった説明をしようとしていることに、学期に一度くらいであ るが、以前より少し意識し始めていることがわかる。

D 電卓とコンピュータの使用

(29)「数学の授業では、電卓を使います。」

高校2年生では、電卓はこれまでほとんど使われてきていないことがわかる。

(30)「数学の授業では、コンピュータを使います。」

高校2年生では、今回の調査(2002年度)でソ:「ほとんどない」が減少し、セ:「学期

に一度程度」が増えている。授業の中で、前回よりコンピュータを用いた授業が展開され

ていることがわかる。

(39)

3.3 態度に関する項目 3.3.1態度項目(理数の学習)

態度質問項目のうち,理数の学習や情報・計算機器に対する見方を問う質問項目につい ての結果をここでは扱う。

態度質問項目については,次に示す五つの選択肢より回答させている。アの段の選択肢(ア,

カ,サ)は質問項目の見方についてそうだと思うとき(肯定),イの段の選択肢はどちらかとい えばそう思うとき(やや肯定),ウの段はそうではないと思うとき(否定),エの段はどちらか といえばそうではないと思うとき(やや否定),オの段はどちらともいえないとき(中立)の回 答としている。

各表には,アの段(肯定)とイの段(やや肯定)の合計を,今年度2000年度調査とともに,

これまで高2で調査を実施した1995年度の同一8校での結果,また,参考としてこれらの 年度に1998年度を加えた3回の同一3校での結果を示す。さらに,それぞれの調査の3年 前に中2で調査を実施した1992年度,1995年度,1999年度の同一6校での結果もあわせ て示す。なお、中2の1992年度は教育課程の移行期にあたっている。

(1)数学の学習に関する項目

表1に,数学の学習に関する6項目の内容と肯定的な回答の割合を示す。

数学がおもしろいとする割合(賛成とやや賛成の合計;以下同様)は8校の集計では4割強 であり,95年度と変わらない。また3校の集計で比べてみても変化は見られない。中2で はおもしろいとする回答が減少しているのと対照的である。この結果は,背景に関する項

目での「(10)他教科と比べた,数学の好き嫌い」でも95年度の結果と比べて,好きの回 答(好きとやや好きの合計)に変化がなかったのと同じ傾向であった。

学習する内容が多すぎるとする割合は74%から68%に減った。中2では同一項目で教育 課程の移行にともなって多すぎるとする割合が増えたのと対照的である。

計算に関する項目では,計算が役立つとする回答は8割に近い。計算が速くできること が大切とする回答も75%程度を占めているが,中2での回答と同じ数値である。数学の解 き方はいろいろあると考えている生徒は8割強の割合である。一方,文章題が好きとする 回答は10〜15%程度で中2と同じである。

数学で調査年度間に5%ポイント以上差のある項目は1項目だけであり,中2では4項目 で差があったのとは対照的である。

(2)理科の学習に関する項目

表2に,理科の学習に関する6項目の内容と肯定的な回答の割合を示す。この項目では,

各調査年度間で5%ポイント以上の差があった項目は野外観察に関する項目のみで,10%ポ イントの減少であった。

理科がおもしろいとする割合は数学より1割大きく54%程度であった。一方,背景項目 での「(11)他の教科と比べた,理科の好き嫌い」では,好きとする割合(好きとやや好きの 合計)は38%であり,これは数学と同じ数値であった。

学習する内容が多すぎるとする割合は66%で,数学とほぼ同じであり,また,調査年度

による差もほとんどない。中学校において,現行の教育課程では旧教育課程より内容が多

(40)

いと考える生徒が増えているのと対照的である。

実験が楽しいとする割合は,いずれも8割の大きな割合を示している。ただし,中2で は9割に近い。また,調査年度による変化もない。実験を楽しいと考えている生徒は大多 数であることがわかる。一方,屋外での授業が楽しいとする割合は,95年度の73%から 63%に減少したが,それでも大きな割合である。

実験器具の扱いがむずかしいとする割合は,各調査年度とも37%程度で変わらず,中2 でも40%程度で変化はない。また,計算がむずかしいとする割合は83%程度で,この項目 にも変化は見られない。ただし,中2は75%程度であり,いくぶん難しいとする割合は中 2から高2で増えている。

(3)情報・計算機器の利用に関する項目

表3にコンピュータや電卓等の利用に関する7項目の内容と肯定的な回答の割合を示す。

コンピュータを使うと数学がうんざりするだろうと考えている生徒は今年度28%であり,

3年前の中2では23%であった。90年度(小6)−91年度(中1)−93年度(中3)−94年度(高 1)−96年度(高3)のデータでは学年があがるとコンピュータを使うことでうんざりすると考 えている割合は徐々に減少していたが,今回の結果はこれとは逆の傾向を示している。一 方,電卓を使うことで数学が楽しいとする割合は今年度23%で変化ないが,中2では40%

に増加しているのと対照的であった。この項目では,中学校で教育課程の移行とともに肯 定する割合が増えていた。

また,そろばんを利用すると数学が楽しいとする項目に関しては,高2では16%で変化 がないが,中2では26%から20%へいくぶん減少していた。そろばんが上手な方と考えて いる生徒は4〜5人に1人程度おり,中2と同程度である。

一方,コンピュータや電卓などの機器が上手に使えるとしている割合は,電卓では43%,

コンピュータでは24%,ワープロでは23%である。3年前の中2と比べると,電卓やコン ピュータ,ワープロでは今年度の高2の方が中2より上手に使えるとしている割合は小さ く,10%ポイント程度から電卓の25%ポイントも小さかった。中・高でこれらの機器の使 い方は当然異なってくるが,高等学校での情報・計算機器の利用が遅れていることも影響

していると思われる。

(4)意見の発表や考えることに関する項目

表4に,意見の発表や突き詰めて考えることの好き嫌いに関する項目の内容と肯定的な 回答の割合を示す。

意見を発表することが好きな割合は2割強であり,3年前の中2より5%ポイント小さく,

94年度の高1,96年度の高3より10〜15%ポイント程度小さい数値である。すなわち,5 人に1人が積極的に発表することが好きと答えていたが,減少傾向にある。表現の重要性

も指摘されており,理科や数学においてもその機会を設けることが大切であるが,それに 応えることができる生徒は少ないことがわかる。

物事を突き詰めて考えていくことが好きとする割合は今年度44%で,3年前の中2の38%

よりいくぶん大きな数値であるが,94年度の高1と同程度,96年度の高3より1割小さな 数値である。なお,91年度の中1から94年度の高1までの調査では,学年がかわっても その割合はほぼ44%で変わらず,96年度の高3では94年度の高1時より10%ポイント増

えているのがわかる。

(41)

態度に関する項目

高等 学校 2 年8校 ( 3 校) 数値は各項 目に賛成及びやや賛成の割合の合計

(42)

態度に関する項目

中学校2年6校       数値は各項目に賛成及びやや賛成の割合の合計

(43)

3.3.2 態度項目(科学と学校)

ここでは,態度に関する残りの19の質問項目の結果について述べる。これらは,大き く次の4つの内容から構成されている。「科学の価値(益の面)」に関する5項目,「科 学の職業観」に関する4項目,「科学の害の面」に関する5項目,及び,「学校」に関す る5項目である。

表5から表8に2002年度の結果を含む高等学校2年生に対する調査結果を,また彼らが 中学校2年生であった,3年前の1999年度の結果を含む中学校2年生に対する調査結果を 表5−2から表8−2に示す(表の読みとり方については前節を参照のこと。)

以下では4つの内容ごとに,高校2年生に対する2002年度調査の結果の概要を報告する とともに,他の調査年度の結果ならびに中学2年生に対する調査結果を合わせた全体的傾 向についての考察を行う。

(1)科学の価値(益の面)に関する項目

質問は,「(5)算数・数学や科学をよく勉強すれば,もっと生活が豊かになります」,「(6)

自然科学(数学や科学)は,ふだんの生活の中のいろいろな問題を解決するのに役立ちま す」,「(7)数学や科学は,国の発展にとって,とても重要なものです」,「(14)国は,

科学に関する研究にもっとお金をかけるべきです」,「(28)数学や科学は,国の発展にと って,とても重要なものです」の5項目である。それぞれの質問に対する肯定的反応の割 合を表5に示す。

結果は,自分の生活や国にとっての自然科学の利便性や重要性について4〜6割以上の 生徒が肯定的に回答した一方で,科学のためにお金を費やすことについては2〜4割未満 の生徒が肯定したに止まった。

1995年度の調査結果と比較してみると,科学のためにお金を費やすことに関する項目で やや下降する傾向が見られる。「(14)国は,科学に関する研究にもっとお金をかけるべき です」という考えに賛成する高校2年生は,今回の調査では20%ほどであった。中学2年 生に対する1999年度調査の結果(表5−2)でも,この質問項目については1992年度の結 果と比較して6%ポイントほど低下しており,近年,中高生徒の肯定的な反応割合が全体的 に低下していることがわかる。

一方,中学校から高等学校にかけての発達的変化では,一部で肯定的な反応割合が増え

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問4

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