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近 年 の ド イ ツ に お け る 議 会 法 の 展 開

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(1)

講 演

近 年 の ド イ ツ に お け る 議 会 法 の 展 開

⎜﹃ 加 重 さ れ た 大 連 立

q u a lif iz ie rt e  G ro ß e  K o a lit io n

﹄ を踏 ま え て

ク リ ス チ ャ ン

・ ヴ ァ ル ト ホ フ

翻 訳

赤 坂 幸 一 一

問 題 設 定

⎜ 大 連 立 政 権 下 に お け る 少 数 者 保 護

皆さ んに ドイ ツ 議会 法の 現時 の 発展 にか んす る 若干 の情 報を 提 供さ せて いた だ ける こ とを

︑喜 ばし く 思い ます

︒ド イ ツ にお いて 議会 法 は︑ 法学 論議 の 中心 に位 置し て いる わけ では あ りま せん

実務 にお い ては

︑ド イツ 連 邦議 会お よび ラ ン ト議 会に おけ る 諸会 派の 専門 家 たち や︑ 議会 事 務局 の専 門家 た ちが この 問題 に 取り 組 んで いま すが

︑ 学界 では 数名 の 学 者た ちが 関心 を 寄せ るに とど ま って いま す︒ も っと も︑ ドイ ツ 国法 学者 大会 で は二

〇 一二 年の キー ル 大会 で議 会法 の 問 題が 取り 上げ ら れ︑ ハン ブル ク のブ ツェ リウ ス・ ロ ース クー ルの

Hermann Punder

教 授︑ およ びオ ス ナブ リュ ック 大 学 のPascale Cancik

教授 に よっ て︑ 新た な 方向 性が 示唆 さ れま した

近年 では

︑長 い 間︑ 議員 の地 位 が関 心の 対象 と なっ てき まし た

︒そ の契 機と な った の は二

〇〇 五年 の 議員 法改 正と そ

講 演

(2)

れ に続 く訴 訟手 続

およ び その 後 の法 改正 でし た

︒さ らな る透 明 性⎜

⎜比 喩的 に 言え ば

﹁ガ ラス 張り の 議員

﹂を めぐ る 議 論は

︑二

〇〇 七 年七 月一 日の 連 邦憲 法裁 判所 判 決

およ び専 門 裁判 所の 諸判 決 をも た らし まし た︒ こ れに 対応 する 議 論 は今 なお 続い てい ま す⎜

⎜し か し︑ 議 員の 地位 をい っそ う法 化Verrechtlichung

する とい うこ のテ ーマ は︑ 大 変に 詳 細な もの であ り ます し︑ その 取 り扱 いに は議 論 の余 地も あり ま す︒ しか も︑ こ のテ ー マに つい ては

︑ 最後 に日 本を 訪 れ た二

〇一 三年 の 五月 に大 阪大 学 で講 演を 行い

︑ それ は日 本の 専 門誌 に日 本語 で 公表 さ れる こと にな っ てい ます

そこ で 今日 は︑ 赤坂 教 授と の打 ち合 わ せを 踏ま え︑ 他 の問 題を 皆さ ん と検 討し たい と 思い ま す︒ すな わち 議 会法 にお ける 少 数 者保 護と いう 問 題で して

︑そ れ も︑

加重 さ れた 大 連立

qualifizierte Große Koalition

とい う 状況 下 にお ける ドイ ツ の 今日 の政 治的 多 数状 況を 踏ま え て︑ 検討 した い と思 いま す︒

二 ド イ ツ に お け る 議 会 統 制 シ ス テ ム

内閣 及び 執行 部全 体 を統 制す るこ とは

︑あ らゆ る議 会の 主要 な 任務 に属 して いま す︒ 統制 は︑ 国 家の 作 用 シ ステ ム

Funktionensystem

の鍵 概念 をな して い ます

連 邦憲 法 裁判 所の 言葉 を 借り れ ば︑ 権力 分立 原 則が

﹁議 会統 制 権の 基盤 お よび 限界 とし て

﹂立 ち現 れる

とさ れま す︒ 基 本法 の憲 法秩 序 にお ける 中心 的 な代 表 機関 とし ての 連 邦議 会は

︑立 法 作 用・ 創設 作用

政治 的意 思形 成 作用 およ び公 開 作用 と並 んで

統 制作 用 をも 担っ てい ます

︒ そ の際

︑統 制は

︑ 多数 決お よび 公 開と 並ん で︑ 議 会代 表制 の中 心 的な 構成 要素 で あっ て

︑し たが って 民 主的 に行 われ た 決 定を 正統 化し

︑ それ に拘 束力 を 与え る 際の

︑ 中心 的な 要素 で もあ りま す︒ こ こに お いて 統制 は

責 任と 対に な る概 念Korrelat

とし て 立ち 現 れま す︒ 中心 的 な議 会作 用と し ての 統 制 は︑ そ の対 象Richtung

⎜⎜ 誰 が 統制 を受 け るの か⎜

⎜お よ びそ の統 制手 法

⎜⎜ いか なる 手 段で 統制 が行 わ れる のか

⎜⎜ に よっ て 区別 され ます

︒ 統制 のた めに は

(法政研究 82‑4‑ )34 1152 講 演

(3)

情 報を 持つ こと が 前提 とな りま す10

しか し 情報 を 統制 対象 から 得 るこ とは

︑容 易 に考 え つく 諸般 の理 由 から

︑常 に期 待 で きる わけ では あ りま せん

︒実 効 的な 統制 を行 う ため には

︑統 制 権の 行使 に関 連 する 情 報を 関係 者の 意 思に 反し てで も 手 に入 れる

︑効 果 的な 手段 が必 要 です

︒ド イツ 議 会法 には

︑一 連 の議 会統 制権 お よび 統 制手 段が 用意 さ れて いま すが11

そ の際

︑こ れら の 権限 ない し手 段 は部 分的 にし か 明文 化さ れて い ませ ん12

統制 は 独立 の 議会 作用 では な く︑ 国民 代表 議 会 の本 来 の諸 任務 を﹁ 横 断す る 形で

quer

存 在し て いる とい う異 論13

考 慮し まし ても

︑結 局 の とこ ろ︑ こ の 知見 に 何 ら変 化が 生ず る もの では あり ま せん

︒ 議会 統制 はし ば しば 議会 少数 派 によ って イニ シ アテ ィヴ がと ら れま すの で︑

⎜す で にMax Weber

が強 調し てい ま し たよ うに14

⎜公 開の 確立 を通 じ て実 現 され ます

︒そ の際

︑ 議会 の公 開は

︑ ここ でも 予め

﹁媒 介的 なmedial

もの と して 捉え るべ き でし ょう

︒ 発覚 し た弊 害が 公表 され て初 め て︑ 議 会調 査権 は実 効 性を 獲得 する

﹂の で す︒ 会計 検査 院 の場 合と 同じ く

︑議 会は

︑ほ と んど の統 制権 限 使

に際 して

︑ 法的

・技 術 的な 意 味に おけ るサ ン クシ ョン を何 ら 持 ち合 わ せて おら ず︑ 統制 の結 果は むし ろ︑ 政治 的論 争の 中に 論拠 と して

argumentativ

持ち 込ま れえ ま すし

︑ また そ うさ れる べき な ので す︒ その 限 りで

︑期 待さ れ てい るの は政 治 的効 果で あっ て

︑法 的 効果 では あり ま せん

︒ 個々 の議 会統 制 権は

︑一 定の 段 階構 造を 伴っ たgestuft

手法 と して 理解 する こと が でき ます15

この 段階 付 けは まず

︑ そ の法 的根 拠の い かん とい う観 点

⎜⎜ 憲法 それ 自 体や 法律

︑議 院 規則 など

⎜⎜ か ら行 わ れま す︒ 他方 で は︑ 各々 の統 制 手 法に おい て連 邦 議会 が用 いう る 手段 のい かん と いう 観点 から

︑ この 段階 付け が 行わ れ ます

︒す なわ ち

⒜ 情報 要求 権 連邦 議 会調 査局

wissenschaftliche Dienste

調 査 会Enquete-Kommission

の設 置要 求 16

︑公 聴会

17

︑そ の 他類 似の 諸制 度

⒝ 個々 の議 員 の質 問権

基本 法三 八条 一項 二 文︑ 同二

〇条 二 項二 文

⒞ 出席 要求 権

・問 責権

基本 法四 三条 一項

︑ 議事 規則 一〇

〇 条以 下

近年のドイツにおける議会法の展開

(4)

⒟ 請願 委員 会 の特 殊権 限 基 本法 四五 c条

︑ 請願 委員 会の 権 限に 関す る法 律18

⒠ 連邦 議会 の 防衛 受託 者19

基 本法 四五 b条

⒡ 連邦 諜報 機 関の 議会 統制 委 員会

基 本法 四 五d 条

⒢ 調査 権 基 本法 四四 条︑ 調 査委 員会 法20

PUAG

刑事 訴 訟法 連邦 議会 の統 制 権限 は民 主的 手 続の 中核 をな し てお り︑

⎜⎜ そ の具 体的 な姿 と いう よ りは

︑そ の実 質 にお いて

⎜⎜ 基 本 法二

〇条 二項

︑ 二八 条一 項一 文

︑七 九条 三項 に よる 保障 に関 わ って いま す︒

三 議 院 内 閣 制 に お け る 調 査 権

⎜ 少 数 派 権 の 拡 充

⑴ 議会 調 査権 の 機能 変化

しか し議 院内 閣制 に おい ては

︑議 会 多数 派と 内閣 と の間 で 政治 的利 害が 一 致し ます

︒と い う のも

︑内 閣は 議 会多 数派 から 選 ばれ

︑こ の多 数 派に 依存 して い るか らで す︒ そ れゆ え

︑議 会に おけ る 少数 派権 を︑ ど れ だけ 強調 して も し過 ぎる こと は あり ませ ん︒ 議 会の 調査 委員 会 を例 にし て︑ こ のこ と を明 らか にし て みま しょ う︒ すな わち

︑ 調査 委 員会 の任 務は

︑ その 解明 が公 共 的関 心事 と なっ て いる 事態 につ い て調 査し

︑こ れ につ い て本 会議 に 報告 する こと で ある21

︒そ れ ゆえ ポ イン トと なっ て いる の は︑ 議 会が

﹁自 ら の決 定 を準 備﹂ す るた め︑ 事 態 を解 明し て

︑情 報を 獲得 す るこ とな ので す22

議会 の 調査 委 員会 が果 たす 実 際の 役割 は︑ 各 々の 憲 法秩 序に おけ る 国家 組織 法上 の 構 造様 式Architektur

具体 的 には 権力 分立 のあ り 方の 如何 にか かっ て い ます

︒ 立法 部と 執行 部 が理 念的 には 対立 し て いる 大統 領制

にお いて は︑ 内閣 が 議会 多数 派に 依存 す る議 院内 閣 制と は 地 位及 び作 用が 異 なっ て いま す23

議 院 内閣 制に おい ては

︑内 閣が その 発足

︑存 続 お よび 政治 的 活 動に おい て議 会 多数 派に 依存 し てい ます ので

︑ 議会 調査 権は 議 会少 数派 権へ と 変質 し ます24

こ れは 純 粋な 大統 領制 で

(法政研究 82‑4‑ )36 1154 講 演

(5)

は 必ず 起こ ると い うも ので はあ り ませ ん︒ 議院 内 閣制 にお いて は 内閣 を支 持す る 議会 多 数派 と︑ これ に 反対 する 少数 派 と が対 立し てい ま すの で︑ 調査 委 員会 は議 会

の内 閣 統 制手 法で ある とい うよ り は︑ む しろ 多数 派と 少 数派 との 間 の論 争 の契 機と なり ます し︑ 少な くと も一 九一 九年 以 降の ドイ ツの よう に︑

調査 権が 少 数派 権と して 制度 化 さ れて いる 場合 は そう なり ます

︒ 調査 権Enqueterecht

の この よ うな 機能 変化 を認 識 し︑ 貫 徹し たの は︑Max Weber

の 功績 です ので

︑Weber

を現 代 のド イツ 調査 権 の精 神上 の父 と して 位置 づけ る こと がで きる で しょ う︒ 彼は 一 九一 八 年の 著作

﹃新 秩 序ド イツ にお け る 議会 と内 閣﹄ で

︑事 態を 新た な 諸関 係の 下に 認 識し

︑議 会統 制 を実 効的 に行 う ため の 十分 な手 段を ラ イヒ 議会 に与 え よ うと しま した

︒ 連邦 憲法 裁判 所 およ びラ ント 憲 法裁 判所 の裁 判 例を 通じ て︑ 少 数派 権 が要 請な いし 貫 徹さ れま した し

︑ ま た議 会調 査委 員 会法

PUAG

それ が 委員 会レ ベル でも 受 容な いし 拡充 され た ので すが

︑ これ によ って

︑ 議院 内閣 制 にお いて も調 査 委員 会が 機能 す るこ とが でき る よう にな りま し た︒

⑵ 委員 会 手続 と 少数 派権

すで に 述べ まし たよ う に︑ 調査 委員 会 がそ の設 置段 階 では 少数 派権 と して 構 想さ れ てい るに も拘 ら ず︑ 同委 員会 は 議会 の下 位・ 援 助機 関と して

︑ 本会 議の 会派 構 成の 鏡 像と して の委 員 会構 成の もと で 活 動し なく ては な らな いこ とか ら

︑基 本的 な緊 張 関係 が生 じて き ます

︒そ れゆ え

︑こ の 調

手 段が なま く ら刀 とな り︑ あ るい は 象徴 的symbolisch

な態 度に 終始 す るの では なく て︑ 実 効 的な 議会 統制 を可 能な ら しめ るた め には

︑い わば 設置 段階

延 長し て︑ そ の手 続に つ いて も︑ 少 数派 権の 要 素で もっ て 構想 しな く ては なら な いの です

︒こ の こと を連 邦憲 法 裁判 所は

︑一 連 の判 断Judikat

に おい て一 貫し て 示し てい ます25

この 裁 判 例の 基本 的 な考 え方 は︑ 議 会調 査委 員会 法PUAG

の中 に流 れ込 んで お り︑ そ の際 常に ポイ ン トと なる のは

︑多 数 決 原理 と正 当 な少 数派 権と の バラ ンス の問 題 です

︒こ の場 合

︑委 員会 にお け る少 数派 権と い って も

︑手 続統 制権 を 多数 派か ら少 数 派 へと 移行 させ る こと を意 味す る わけ では あり ま せん26

近年のドイツにおける議会法の展開

(6)

四 大 連 立 政 権 下 の 議 会 少 数 派 権

⑴ 少数 派 権の 拡 充の 試み

二〇 一三 年九 月の 連 邦議 会選 挙を う けた 内閣 の成 立 によ り

︑ド イツ は一 九 四九 年以 来三 度 目 の大 連立 政権

⎜CDUSU/C

とSPD

とか ら構 成さ れて い ます

⎜⎜ によ って 統 治さ れ るこ とに なり まし た︒ 最初 の二 つ のケ ース は︑ 一 九六 六年 から 一 九六 九年 まで のKurt Georg Kiesinger

首 相の 大連 立内 閣

︑お よび 二〇

〇 五年 か ら二

〇九 年ま でのAngela Merkel

首相 の大 連立 内閣 で す︒ 二〇 一三 年 末以 来の 今次 の 大連 立内 閣は

︑CDUSU/C

およ び

SPD

会派 が ドイ ツ 連邦 議 会の 議員 の八

〇% 以上 を占 めて いる 点 にお いて 特徴 的で す︒ この こと はも ちろ ん︑ 議会 にお け る少 数派 権の 実 効性 にも 直接 的 な影 響を 及ぼ し てい ます し︑ そ のた め︑ 激し い 議論 の 対象 にな りま し た︒ ここ でも ま た

︑議 会の 調査 委 員会 を例 にし て

︑こ の問 題を 明 らか にし てみ た いと 思い ます

︒ 基本 法お よび 議会 調 査委 員会 法で は 四 分の 一

が同 委 員会 の設 置要 件と して 法 定さ れて い ます

︒し かし

︑ 大連 立 時代 を 迎 え て︑ 野 党 が こ の二 五% の 議員 を 集 め られ な い こ と から

qualifizierte Große Koalition

︑こ の 設置 要 件が 論議 の対 象 とな りま した27

連邦 議 会 議員 によ る抽 象的 規範 統 制の 提出 要 件は

︑か つて は 議員 の 三 分の 一で した が︑ 憲 法 改正 によ り四 分の 一 に縮 減さ れま した

BGBl I S.1926

︒ 議事 規 則に おけ る少 数 派権 は︑ より 簡 単に 変更 する こ とが でき ま す︒ 第 一八 立法 期

はじ め

︑大 連 立政 権は

︑野 党権 の本 質的 な妨 害 を行 わな いこ とを

︑少 なく とも 政治 的に は義 務 付け られ て いま した

︒基 本 法四 四条 一項 一 文お よび 議会 調 査委 員会 法一 条 一項 の場 合に お ける 少 数派 保護 を通 常 法律 によ って 強 化 し︑ すな わち

調

要件 を引 き下 げ るこ と もあ りう る︑ と の信 念 が︑ と きに 表明 され ま した

︒ しか し 二つ の理 由か ら

︑こ のこ とは 当 を得 てい ませ ん

︒第 一に

︑こ の 四分 の一 とい う 要件 は

︑憲 法制 定者 に よる 憲法 的効 力 を もっ た決 断を 現 して おり

︑こ れ を通 常法 律で 改 正す るこ とは で きま せん

︒第 二 に︑ 議 会調 査手 続に お いて は︑ 第三 者

(法政研究 82‑4‑ )38 1156 講 演

(7)

の 法的 地位 が関 わ って おり

︑ま た は関 わる こと が あり うる ので す が︑ この 第三 者 を保 護 する ため には

︑ 議会 の調 査を 憲 法 上︑ 制限 する 必 要が ある ので す

⑵ 少数 派 権と 制 憲者 意思

まず 第一 の 論拠 につ いて です

調

要件 が 満た され た場 合︑ 連 邦 議会 は調 査 委員 会を 設置 す る義 務を 負う の です が︑ この 要 件を 定め る規 定 は︑ 憲法 上そ の よう な 数値 設定 を行 う こと を通 じて

︑ 議 会少 数 派の 保護 とい う関 心⎜

⎜そ れ と と もに 議 会 野 党が も つ 手 段⎜

⎜ と︑ 議 会 の 作用 能 Parlaments   力Funktionsfahigkeit des と のバ ラ ンス を図 って い ます

︒注 目す べ きは

︑一 九一 九年 のヴ ァイ マ ル 憲法 三四 条が 帝国 議会 議 員の 五分 の 一の みを

調

要件 とし て定 め︑ は る かに 低く 数値 設定 を 行っ て いた

︑と い うこ と です

︒ 少数 派 権を その 限り で 縮減 させ たこ と は︑ 議会 評議 会 の意 図的 な決 断 であ ると 理解 し なく て はな りま せん28

また その 限り で

︑ ヴ ァイ マル 時代 の 経験 に照 らし

︑ 憲法 自体 にお い て看 取さ れる 要 件の 定量 化と の 関連 で

︑議 会の 作用 能 力が 強調 され た の でし た29

第三 者 の権 利と の関 係 を考 慮せ ずと も

︑連 邦の 通常 法 律制 定者 が基 本 法四 四 条一 項の 要件 を 変更 する こと は 禁 止さ れて いる の です

⎜⎜ たと え それ が賛 成要 件 の縮 減を 意味 し

︑し たが って 議 会の 少 数派 保護 を強 化 する 意味 であ っ た とし ても です30

議会 多 数派 が

﹁任 意の 自己 拘 束﹂ を 行う ケー スで あ れば

︑ま た違 っ た結 論 にな る もの と思 わ れま す31

諸ラ ント にお い ても

⎜⎜ ドイ ツ は連 邦国 家な の で︑ あら ゆる 機 関が 各支 分国 レ ベル で も再 度立 ち現 れ ます

⎜そ の 一 部に おい て︑ 四 分の 一要 件が 採 用さ れて いま す

そ の他 のラ ント は︑ 議 会 構成 員の 五分 の一 とい う ヴァ イ マル 規律 を引 き 継い でい ま す

︒ ここ でも また

︑民 主的 多数 派と 少数 者 保護 との 衡 量に おい て︑ 憲 法上 どの よう な 決断 がな され た かが ポイ ント に なり ます

近年のドイツにおける議会法の展開

(8)

⑶ 第三 者 の保 護 第二 の 論拠 に つい て︒ しか し なが ら決 定的 な のは

︑議 会の 調 査に よ って 第三 者の 権 利が 影響 を受 け る 場合 があ る⎜

⎜ この 第三 者自 身 が調 査対 象で あ る場 合で あれ

︑ 調査 とは 無関 係 の場 合 であ れ⎜

⎜と い うこ とで す︒ 調 査 委員 会は 公権 力 を行 使す るの で あり

︑そ れゆ え 第三 者に 対し て は基 本権 に拘 束 され て いま す︒ さら に

︑組 織法 上の 法 的 拘束 の全 体が

︑ 基本 権の 場合 と 同じ よう に︑ 第 三者 の保 護に 仕 えま す︒ 対応 す る法 的 拘束 が基 本法 自 体に 含ま れて い る 場合 には

︑こ の 根拠 から も︑ こ の法 的拘 束を 通 常法 律に よっ て 変更 する こと は でき ま せん

︒少 数者 に よる 議会 統制 の 利 益と

︑第 三者 の 保護 の必 要性 と の衡 量を

︑す で に憲 法制 定者 自 身が 行っ てい る ので す

五 基 本 法 改 正 の 可 能 性 お よ び 必 要 性

現在 のド イツ 連 邦議 会に は︑ す でに 複数 の調 査 委員 会が 存在 し てい ます

︒こ れ らは し かし

︑多 かれ 少 なか れほ ぼす べ て の会 派か らな る

︑実 に広 範な 多 数派 の合 意を もっ て設 置さ れた もの で︑ それ ゆえ

︑ 本当 に摩 擦 が生 じた ケー スech-

ter Konfliktfall

は なお 発生 して い ませ ん︒ 調査 委員 会は

︑ 議会 野党 の最 も 強力 な武 器に あ たり ます

︒議 会 野党 の存 在と 作 業能 力 とが

︑再 度︑ 基 本法 の民 主制 原 理 の中 核的 要素 と して 立ち 現れ てき ます32

それ にも 拘 らず

四分 の 一と いう

調 要 件を 伴 う既 存の 法状 況 は︑ 憲法 に反 す るも ので はあ りま せん

︒い ず れに し ても

︑ 基本 法四 四条 一 項と の関 連で は︑

憲 法に 反 する 憲法

verfassungswidriges Verfassungsrecht

⎜⎜ す なわ ち 基本 法七 九条 三 項違 反

⎜⎜ がポ イン ト とな るで しょ う

︒ 基 本法 四四 条一 項の

要 件は

︑む しろ

︑ 野党 の法 的 地位 をと もに 形作 るも の なの です

︒反 対 の主 張 もあ りう る だろ うと は思 い ます が︑ 議会 に おけ る現 時の 多 数派 関係 を鑑 み ても なお

︑そ の よう な 主張 は説 得的 で はあ りま せん

︒ そ もそ も基 本法 は

︑野 党の 利用 し うる 機﹅会﹅

と︑ 統 治責 任の 交替 の みを 保障 して い るの で あっ て︑ たと え 特定 の要 件を 充

(法政研究 82‑4‑ )40 1158 講 演

(9)

足 で き な い が ゆ え に 個 々の 野 党 の 権 利 が も は や 行 使 さ れ え な い 場 合 で あっ て も︑ 大 連 立 政 権 が 憲 法 上

︑非 正 統il-

legitim

なも のと なる わ けで はあ りま せ ん︒ もち ろん

︑法 政 策的 には

︑議 員 の四 分の 一に 代 えて

︑全﹅

野党 会 派が 一致 して 求 める 場 合に は調 査委 員 会を 設置 しな く て はな らな い︑ と する 基本 法改 正 につ いて も︑ 熟 考す べき でし ょ う︒ さら にま た

︑基 本 法下 の六 五年 間

︑議 会民 主制 は 比 較的 安定 して い たわ けで すが

︑ その 時を 経た 今

︑基 本法 改正 に よっ て四 分の 一 とい う 要件 を五 分の 一 へと 引き 下げ る こ とも

︑検 討に 値 する と思 われ ま す︒ その 場合 には

︑ その 当然 の帰 結 とし て︑ 委 員会

にお ける 少数 派 権に つい て も︑ 平仄 を合 わ せる 必要 があ る もの と思 われ ま す︒

調

調

稿

使 稿

稿

Christian Waldhoff

稿

近年のドイツにおける議会法の展開

(10)

268 ff. Wahlrecht und Parlamentsrecht als Gelingensbedingungen reprasentativer Demokratie,VVDStRL 72(2013),S.191 ff.,

BVerfGE 118,277.

西

BVerfGE 110,199(219).

稿

10

Vgl.BVerfGE 70,324(355).

11

BVerfGE 124,78(114).

12

13

Christoph Mollers in seiner Habilitationsschrift,,Gewaltengliederung“,2005,S.198 ff. 14

Max Weber,Parlament und Regierung im neugeordneten Deutschland,1918,S.351 ff.

(法政研究 82‑4‑ )42 1160 講 演

参照