論文内容要旨
Hyperreflexia induced by XLR-11 smoke is caused by the pyrolytic degradant
(XLR-11燃焼煙による反射亢進は熱分解物が原因で生じる)
毒物学 籏岡恭子
危険ドラッグの多くは「ハーブ」と呼ばれ、主に加熱吸入される。「ハ ーブ」の主な成分である合成カンナビノイド(SC)は、鎮痛、低体温、無 動などの中枢抑制作用を示すことが知られている。一方、一部の
SC
を含 む危険ドラッグを摂取した者が異常興奮を示すことが報告されているが、その作用機序は明らかでない。そこで本研究では、乱用実態に即した危険 ドラッグの生体影響を解明するため、XLR-11[(1-(5-fluoropentyl)-1H-
indol-3-yl)(2,2,3,3-tetramethylcyclopropyl)methanone]を用いて検討
を行った。1. XLR-11
ハーブ燃焼煙の吸入曝露と成分分析自発運動量および体温の測定が可能なチップを埋め込んだ
Balb/c
雄性 マウスを吸入曝露チャンバーに入れ、ミント葉0.5 g
または5%XLR-11
含有葉
0.5 g
燃焼煙に3
分間曝露した。また、燃焼開始1
分後のチャンバー内空気を
HPLC
分析に供した。5%XLR-11
含有ハーブ曝露群では、曝露後1~7
分において挙尾や痙攣を伴うジャンプ等の興奮作用が観察され、自発運動量が有意に増加した。ま た、曝露後
8
分以降はSC
の特徴である体温低下を示した。曝露煙中にはXLR-11
の約25
倍のXLR-11
熱分解物が含まれており、マウスの吸入量は 各々約0.5、 12 mg/kg
と計算された。2. XLR-11
およびXLR-11
熱分物の作用比較マウスに
XLR-11(15 mg/kg)、XLR-11
熱分解物(15 mg/kg)または溶媒 を腹腔内投与し、自発運動量、体温及びカタレプシーを測定した。XLR-11
群、XLR-11
熱分解物群においてSC
の特徴である体温低下・カタ レプシー誘発作用が確認された一方、興奮作用はXLR-11
熱分解物群での み確認された。3.興奮作用発現メカニズム
XLR-11
熱分解物投与30
分前にCB
1受容体遮断薬AM-251、ドパミン D
1受 容体遮断薬SCH23390、ドパミン D
2受容体遮断薬Sulpiride、グルタミン
酸mGluR₅受容体遮断薬 SIB-1757
またはGABA
トランスポーター活性化薬 ガバペンチンを投与し、自発運動量を測定した。また、側坐核の細胞外ド パミン量、海馬の細胞外グルタミン酸量を測定した。AM-251
およびガバペンチンはXLR-11
熱分解物誘発興奮作用を有意に抑制したが、SCH23390、Sulpiride および