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顕微鏡的大腸炎、原因不明小腸潰瘍

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Academic year: 2022

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厚生労働科学研究費補助金 

難治性疾患等克服研究事業(難治性疾患克服研究事業) 

分担研究報告書 

顕微鏡的大腸炎、原因不明小腸潰瘍 

 

研究分担者(順不同)  中島  淳  横浜市立大学附属病院 内視鏡センター  教授 

位田  忍  大阪府立母子保健総合医療センター  消化器・内分泌科  部長  牛島  高介  久留米大学医療センター小児科  准教授 

内田  恵一  三重大学消化管・小児外科  准教授   

【研究要旨】 

非特異性多発性小腸潰瘍症は、回腸中下部に浅い多発性の潰瘍と潰瘍瘢痕の混在した病変を 認め、潜在性あるいは顕性出血による高度な貧血を特徴とする小腸潰瘍症である。成人領域・

小児領域いずれにおいても非常に稀少かつ難治性の疾患である。病因は未解明な点が多く、今 回は小児科・小児外科領域の専門施設を中心にアンケートをFAXにて送付し、本邦における臨 床像や治療の実態調査を行った。本邦小児症例は、クローン病や潰瘍性大腸炎に準じた治療法

(サリチル酸製剤、ステロイド剤、免疫調整剤、栄養療法)が試みられていることが本研究よ り明らかとなった。少数ではあるが(特に)稀少である小児症例を集積したという点で非常に 価値ある研究である。 

 

研究協力者 

関  祥孝(久留米大学  助教) 

池田  佳世(大阪大学小児科  医員) 

(埼玉医科大学総合医療センター  教授) 

惠谷  ゆり 

(大阪府立母子保健総合医療センター  部長) 

山田  寛之 

(大阪府立母子保健総合医療センター    診療主任) 

江角  元史郎(九州大学医学研究院  助教) 

 

A.研究目的 

非特異性多発性小腸潰瘍症は、回腸中下部 に浅い多発性の潰瘍と潰瘍瘢痕の混在した病変 を認め、潜在性あるいは顕性出血による高度な 貧血を特徴とする小腸潰瘍症である。成人領

域・小児領域いずれにおいても非常に稀少かつ 難治性の疾患である。病因は未解明な点が多  く、今回は小児科・小児外科領域の専門施設を 中心にアンケートをFAXにて送付し、本邦にお ける臨床像や治療の実態調査を行った。 

 

B.研究方法 

本邦における小児栄養消化器肝臓学会運営 委員施設30施設と小児外科学会認定・教育関連 施設138施設(重複2施設)に1次アンケートを FAXし、返信があった施設にはさらに2次アン ケートにて患者背景や臨床像、治療に関して調 査をおこなった。 

また、非特異性小腸潰瘍症に関しては3次調 査を行った。 

 

(2)

C.研究結果 

登録された12症例の内訳は以下の通りで あった。 

10施設から12症例が集計された。初期検討 において非該当症例を除外すると、単純性潰瘍 症例は2症例、非特異性多発性小腸潰瘍症例は4 症例、その他の原因不明の小腸潰瘍症例は1症 例、顕微鏡的大腸炎は無かった。 

単純性潰瘍症例は、発症年齢が7歳11か月と 8歳で、回盲部に単発で打ち抜き状の潰瘍を形 成し、ベーチェット病兆候を認めず、腸管・腸 管外合併症を認めなかった。5ASAで寛解導入 された症例と抗TNFα製剤が使用されている症 例があった。 

非特異性多発性小腸潰瘍症例は、4例という 少数例であるが疾患の特徴を把握するには有益 な情報でありのちに詳述する。 

その他の原因不明の小腸潰瘍症例では、既 往に肺動脈狭窄症を有する5歳発症症例が、空 腸に単発で輪状に広がる潰瘍を認め、鉄剤投与 を受けていた。 

非特異的小腸潰瘍症の検討において、平成 21年度の日比班による「原因不明の小腸潰瘍症 の実態把握、疾患概念、疫学、治療体系の確立 に関する研究」班の、「非特異性多発性小腸潰 瘍症コンセンサスステートメント」の診断基準 の項目に関して、合致するかを再確認し、家族 歴・血族結婚の有無を質問した。結果を以下に 示す。 

4例の性別は、女児3例男児1例、発症年齢が 1歳、1歳8か月、4歳8か月、7歳で、初発症状  は、貧血、低蛋白血症、腹痛であった。臨床経 過中に、貧血、低蛋白質血症、便鮮血は全例陽 性の既往があった。他には、成長障害、糖尿  病、メッケル憩室切除の既往があった。聞き取 り調査では、家族歴、血族結婚は認めなかった。

2例に十二指腸潰瘍の既往があった。 

小腸の潰瘍の特徴は、3〜30個の浅い円形地 図状潰瘍が、おもに回腸に存在し、輪走・斜走 していた。生検で肉芽種は認めず、結核、ベー チェット、アレルギー腸炎などの所見は無かっ た。 

治療は鉄剤投与などの対症療法が主体であ るが、栄養療療法、中心静脈栄養、そして、5- ASA、アザチオプリン、インフリキシマブなど の投与がされていた。初発時からの経過が10年 を超えている2例では、回腸切除や回腸狭窄解 除術がされていた。 

現在の症状は、2例では貧血や低蛋白血症も 改善し、2例で貧血が認められている。鉄剤や 胃酸分泌抑制剤などの対症療法が継続されてい る。 

 

D.考察 

非特異性多発性小腸潰瘍症は原因不明の難 治性疾患であり対処療法が主体とされる。本邦 小児症例は、クローン病や潰瘍性大腸炎に準じ た治療法(サリチル酸製剤、ステロイド剤、免 疫調整剤、栄養療法)が試みられていることが 本研究より明らかとなった。本邦における推定 患者160人程度と極めて稀少であり標準的治療 は未確定であるため、本調査は少数ではあるが

(特に)小児症例を集積したという点で非常に 価値ある研究である。 

 

E.結論 

難治性稀少疾患である本疾患の病態解明に は症例集積および実態調査は必要不可欠であ  り、今後さらなる症例集積が望まれる。 

 

F.研究発表  1. 論文発表 

英文論文化を予定している。 

2. 学会発表 

(3)

平成26年5月の第51回日本小児外科学会での 発表を予定している。 

 

G.知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む) 

1. 特許取得  なし 

2. 実用新案登録  なし 

3. その他  特記事項なし 

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