小金原まちづくり懇談会
「誰もが安心して暮らしつづけることのできる社会づくり」
~行政と地域住民、民間企業と地域住民がつくる地域共生社会~
日時:2018年3月4日(日)10:00~12:15
会場:小金原市民センター2階ホール
主催:小金原連合町会まちづくり部×松戸市
講演者:池谷啓介
(NPO法人暮らしづくりネットワーク北芝 事務局長)◇暮らしづくりネットワーク北芝とは
「誰もが安心して暮らせるまちづくり」をテーマに人と人、人と地域をつなぐネットワークとして機
能すること、また、地域の問題解決のために行動を起こそうとする個人やグループの支援を中心に多様
な事業を展開している。
地域の中でのお母さんグループが子育て支援を行いたいという要望に対して活動のバックアップや
お手伝いを始めたことがNPOを設立したきっかけであり、現在に至るまで「であい」「つながり」「げ
んき」をキーワードにあらゆる層が集える居場所やイベントをしかけ、つながりの創出と生活に課題を
抱える層やニーズの発掘を模索している。
◇つぶやきひろい
地域活動を行う際、最初に取組むのが「つぶやきひろい」である。ワークショップや集会など、様々
なイベントや活動を通して地域の課題を吸収し、地域のニーズに合わせた活動を行っている。
例えば、ある高齢者の方が、「病院に行くのが大変で困っている。行政が実施している送迎サービス
があるが、月に2回しか使えないし、1か月以上前に予約しないと使用できない。発作があったときに
パッと病院に行きたい。」といったつぶやきから、周りの高齢者に耳を傾けてみると同じ悩みを持って
いる方が何人もいた。そこから、事業化できる方法を考え、地域独自の送迎サービスを展開し始めた。
他にも「花いっぱい」やコンテナを使ったコミュニティスペースの展開、こどもの居酒屋「樂駄屋」、
朝市「芝樂市」なども地域のニーズを基に活動を行っている。
◇地域通貨まーぶ
活動のなかで、一つのポイントになっているのが、こどもが稼いでまちの中で使用できる地域通貨ま
ーぶである(大人も使用可能)。稼ぎ方としては、「自分の未来のためになること」、「誰かのためになる
こと」を基本とし、イベント出店型と常設型の2種類ある。イベント出店型は、イベント内でお仕事体
験を実施しており、屋台の宣伝・接客、清掃、パトロール、チラシ配りなど20分100まーぶの設定で
行っている。常設型は、らいとぴあ21(文化センター)に求人ボードを設置し、こどもたちがやりたい
ことを選べる仕組みとなっている。
地域のボランティアや地域活動に参加することで、働くという感覚を身に付け、地域や社会のことを
学び、稼いだ地域通貨使って遊ぶシステムとなっている。約2000万まーぶが地域に流通しており、箕
面市の約140店舗(コンビニ、ユニクロ、スターバックスコーヒー等)で使用可能である。
◇北芝のまちづくり
「集い、たべる、語る」
ひとが集まるところに食べるものとおしゃべりは必須である、「茶がゆの会」「モーニング」「お
せちプロジェクト」等の自分たちに必要なサービスを住民ボランティアグループが企画・実践して いる。
地域の拠点
地域活動を行うために、拠点が重要である。ただし、多額の費用で整備する必要はなく、コンテ
ナとウッドデッキを合わせた北芝の拠点「芝樂」のようにスペースが少しあって集まれる場所を上 手く活用することが重要である。
「やってみたい」を応援
チャレンジショップやイベント持ち込み企画など、住民が主体となったさまざまな「やってみた
い」をバックアップしている。資金や責任をバックアップすることで若者が取り組みやすくなる。
◇若者の力×地域の困りごと→起業へ!「なんでもやったる
DAY!」
「なんでもやったるDAY!」とは、社会にまだ出ていない地域の若者たちが地域の為になにかしたい
と考えたのが発端で、地域の若者が30分500円で地域の困りごとに対して行っている活動である。
この活動は、当時19歳のリーダーがトヨタ財団の補助金を獲得し、活動の資金としている。
また、技術面のサポートは、地域の高齢者などが主に支えており、若者支援を目的として始まった活
動が定年退職した高齢者の居場所にもなって、相乗効果が得られた。
◆質疑応答
市民:小金原の印象は?
池谷
:区画整理がされているいい街だと思った。一方で、団地が多く、戸建て住宅の高齢化が進んできていることから、(住宅の)ミニ開発が行われてくると思う。その際、新しく移住してきた人と
一緒に活動していくことが難しいところである。ポイントは子育て、子どもの繋がり、PTA 等
を地域活動につなげることだと思う。
あとは人的にも物的にも地域資源が沢山あると感じた。
市民:地域活動において、失敗と教訓を教えて頂きたい。
池谷
:ニーズや地域の課題からスタートするため、ニーズに合わないといった失敗は少ない。ただ、北芝では、春祭りを開催していて、第1回、第2回は大勢の人が集まり盛り上がったが、第3回
は「やらされている」、「やらなければならない」、「今年もやるの?」のような雰囲気での開催
となったため、第 4 回は思い切って春祭りをやめてしまったことがある。いらないイベントは
やめて、地域の方が主体的に楽しく企画・実施できるイベントを開催するべきだと考える。失
敗したものを継続することが更なる失敗にもつながってしまうので、新たな展開を考えるよう
に取り組んでいる。
市民:楽しいイベントや活動を実施し、北芝の外の人が引いている分断線(部落問題)を取り払うよう
な取組みを行っていると感じた。冒頭で、見えない分断線はより顕著になっていると伺ったが、
現在行っている取組みの成果はどのように表れているのでしょうか。
池谷
:本来目指しているのは差別がなくなり、誰もが地域に来てくれることである。今まで北芝に地域外の方に来てもらう機会がなかったが、朝市、お祭り、送迎サービスの拡大等により、地域内
と地域外との双方通行が実現した。
ただ、未だに高齢者の方は高い差別意識をもっていることが多いと感じるが、北芝に一度も来
たことのない70代の方が、孫の太鼓を見て北芝の良さに気付いたなど、所々エピソードがあり
少しずつ変わってきていると感じる。
市民:小金原地域は地域活動の主となる人が高齢者であり、
地域活動の後継者となる若者がいない。今後、若者に地域活動を行ってもらい、現在、主に活動している役員はバックアップに回りたい
と考えているため、世代交代する(担い手を確保する)方法が知りたい。
池谷
: ルーティンワークを一回止めて、その予算を地域の方がやってみたい活動に当ててみることが大事だと思う。結果として地区や自治会ごとに違う取組になってもよいと思う。北芝では、花
を植える取り組みをしていたが続かなかった。それを無理やり続けることもできたが、楽しく
なかったので野菜にしてみたら良かったことがある。大事なのは、自分たちがやらされている
のではなく、やっているという実感にどう繋げていくか、それが自分たちのものと思えるかが
ポイントであると思う。
市民:地域通貨の取組について、
また、指定管理者制度による管理がみなし法人でできるのかどうかについて、伺いたい。
池谷
:地域通貨の取組は、現在の枠組みを作るのに 10 年を要し、関係機関との調整などに苦労した。基本的な仕組みはデパートの商品券と同じであるが、通常6カ月が有効期限のものを延長する
ことで、若者が働いて稼いでためることができるため、モチベーションの向上につながってい
る。スタディツアーで海外に行った若者もいる。
指定管理者制度における法人格の取扱は、条例によって異なる面もあるので、市の方に確認い
ただきたい。また、法人格も比較的簡単につくれるので、検討いただいてよいと思う。
市民:意思決定の仕組みを教えて頂きたい。また、アイデアを否定されたりすることもあるのか。
池谷
:いろいろな団体のトップが集まって地域会議を行っている。また、年に一度地域総会を行い、去年活動してこと、今年活動したいことを主に話し合っている。
話し合いの中で、アイデアが否定されることもあるし、100%合意はありえないと思う。一般的
にはリーダー格の方が2割、リーダーたちに賛同する方が6割、反対派が2割などと言われてい
るが、賛成派の方が主体的に取り組んでいくことが大事だと思う。
市民
:一つ目はどうしてこんな活動ができるか?二つ目は若者が活動に参加してくれるためのアドバイスを頂きたい。
池谷
:被差別部落だから様々な活動を行っているのではなく、楽しいからやっていることが多い。北芝の消防団に入りたい若者の多くが、手当てで飲み会やバーベキューや旅行などができて楽しい
から参加している。楽しさがあるかないかで全然違うと思う。
市民:栗ヶ沢に住んでおり、
今回のように小金原の名の付くイベントには少し疎外感をもっている。小金原地域としてイベント名称から対象範囲を広げるなどができないか。
池谷
:北芝では、開催するイベント等はいつでもだれでも来ていただいて良いと思っている。みんなが関われる中間的な位置づけのイベントや居場所を確保することが大事だと思う。
市民:小金原地域で、まずどんな事に取り組んだらいいか教えて頂きたい。
池谷
:居場所をつくることはハードルが高い。まずは、太鼓活動等のみんなで取り組めるもの、2人からでもできる活動を始めると良いと考える。だめだったら止めればよい。計画通りに行う必要
もなく、やりながら考えていけば良い。まず目の前にある課題に取組みながら振り返れば良い
と考える。