第4学年2組 国語科学習指導案
平成24年10月26日(金)第5校時 在籍児童数 男子17名 女子16名 計33名 場 所 4年2組 教室 授 業 者 教諭 荒居 園子 共同研究者 秦 健介 中込 紗耶 中妻 啓郎 田中 寛子 中川 和守 坂根 英子 川勾 きみえ 押山 洋平 1 単元名・教材名 主人公の心の動きを想像して読もう 「ごんぎつね」 2 単元について (1)児童観 本学級の児童は、これまでに、物語教材「白いぼうし」や「一つの花」で、登場人物の会話や行動、情景 描写から登場人物の気持ちの変化を読み取る学習を行ってきた。叙述に基づいた読み取りを意識させること で、グループでは、自分の考えを話せる子が多くなってきた。その中で、登場人物の会話や行動からは気持 ちを想像することができるが、情景描写からは登場人物の気持ちを想像することが十分にできていない。ま た、登場人物の気持ちを表す情景描写を見つけることはできるが、そこから登場人物の気持ちを豊かに想像 することができない児童も少なくない。 心情を表す言葉や行動、情景描写から登場人物の心情を読み取れることは定着してきているが、まだ、読 み取りに意欲を持って学習することができない子もいる。読み取り方を、学習に活用させ、単元を通して達 成感を味わうことができるような児童の育成を図ることが大切であると考える。 (2)教材観 ひとりぼっちでいたずら好きの「ごん」がいつもどおりに「兵十」にいたずらをしたところから物語が始 まる。この兵十へのいたずらによって、兵十のお母さんが亡くなったと思い込んだ「ごん」は、自分と同じ ようにひとりぼっちになってしまった兵十に罪悪感と共感を抱き、せめてもの償いの行動にでる。その償い は、ごんによる一方的なものであったが、それまでのごんとは違った精一杯の善意のある行動である。しか し、あるとき兵十と友人との会話を聞き、まったく自分の存在に気づいていないことを面白くないと感じて しまう。自分による償いであることをわかって欲しいという願望と償いを続けていこうという決意が入り混 じり、この物語の結末へと展開していく。 ごんの立場で物語を読んでいくと、とても切ない気持ちになるだろう。「思いは届いたのだろうか。」、「届 いたとしても命を奪われるという代償があり、これでよかったのだろうか。」、「ごんはどんなことを考えな がら倒れたのだろうか。」など、物語の結末のごんがうなずいた時の気持ちを想像すると多くの感情が掻き 立てられる。また、6の場面は兵十の視点でかかれている。兵十がどのような感情をもつか、どこまでごん について思いを巡らすかについても様々なとらえ方がでてくるところである。そのとらえ方も、ごんの気持 ちを読み取る上では、重要な視点となってくる。 さらに、物語全体を通して、美しい情景描写が随所にみられ、児童は楽しみながら創造豊かに読み深めて いくことができる教材だといえる。 本作品は読み手に登場人物の感情についての疑問を強くなげかけてくるような登場人物の設定、物語の展 開がある。また、ごんの持つ感情が人間としてもとても共感できるものである。児童それぞれがもつ考え方 や感想を交流するのにふさわしい作品である。(3)指導観 本単元では、 の力を身につけさせることをねらいとしている。 そこで本単元では、まず、3年生の国語の教材「モチモチの木」で物語文の読み取り方を想起させる。本 学級は情景描写からは登場人物の気持ちを想像することが十分にできないという実態があるため、特に情景 描写に着目した。主人公の気持ちや行動の変化の読み取り方を活用する場とする。 次に、物語文を読み深めるために、気持ちを読み取るキーワードに着目させた。キーワードとしたのは、 気持ちそのものが表わされている言葉、行動により気持ちが表わされている言葉、情景描写により、気持ち が表わされている言葉である。これらのキーワードに着目させて、登場人物の気持ちの変化を読み取り、最 終的に主題をとらえる力を身に付けさせる。 また、意欲を持続することが困難な児童がいるため、ワークシートを活用し、積み重ねたものを一つの作 品にすることによって達成感を味わわせたい。 児童一人一人に基礎・基本を定着させ、達成感を味わうことができるよう、①自分の考えを持つ、②自分 の考えを書く、③自分の考えをグループで交流する、④自分の中で振り返る、という学習活動を多く取り入 れていきたい。 3 校内研修とのかかわり (別紙参照) 4 教育に関する3つの達成目標や学力向上に関して 段落内容のつながりを考えながら、読み取ることができるようにするために 本単元では、登場人物の思い を豊かに膨らませるために気持ちが表れている言葉、会話文、行動、情景描写に着目させながら読み進めて いく。 5 単元の目標 (1)叙述に着目して進んで物語を読んだり、感じたことや考えたことを伝え合おうとしたりしている。 (ア 国語への関心・意欲・態度) (2)会話や行動、情景描写などの叙述をもとに、登場人物の様子や気持ちの変化を考えて、想像をふくらませ て読むことができる。 (エ 読むこと) (3)物語の場面や登場人物の様子を表すために、文や言葉が工夫して使われていることに気づくことができる。 (オ 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項) 6 単元の評価規準と学習活動における評価規準 ア 国語への関心・意欲・態度 エ 読む能力 オ 言語についての 知識・理解・技能 単 元 の 評 価規準 叙述に着目して進んで物語を 読んだり、感じたことや考えた ことを伝え合おうとしたりし ている。 会話や行動、情景描写などの叙 述をもとに、登場人物の様子や 気持ちの変化を考えて、想像を ふくらませて読むことができ る。 物語の場面や登場人物の様子 を表すために、文や言葉が工夫 して使われていることに気づ いている。 学 習 活 動 に お け る 具 体 の 評 価規準 ① 場面の様子から、登場人物 の気持ちを進んで読み取ろ うとしている。 ② 自分の考えを積極的に伝え 合い、友達の考えと比べよ うとしている。 ① 会話や行動、情景描写をも とに登場人物の気持ちの変 化を読み取って、表現して いる。 ② 叙述に即して登場人物の気 持ちや関係を想像し、一人 一人の感じ方の違いに気付 いている。 ① 言葉に興味を持って意味を 調べたり、自分の考えを書 く中で使ったりしている。 ② 自分の考えを表現するため に適した言葉を選んで使っ ている。 C読むこと 「ウ 場面の移り変わりに注意しながら、登場人物の性格や気持ちの変化、情景など について、叙述を基に想像して読むこと。」
7 指導と評価の計画(全13時間) 本時 12/13 時 時 主な学習活動 学習内容 評価規準 評価方法 ◇校内研修 との かかわり 1 初めて読んだ感想をまとめよう。 ○「ごんぎつね」を読み、主人公の人柄を中心に初発の感想を 書く。 ○漢字・語句の学習をする。 ○感想の記述の仕方 ○感想の伝え合いの仕方 ○難語句の理解 アの① ・ノートの 観察 ◇視点Ⅱ 2 学習の見通しを持とう。 ○三年生の「モチモチの木」を読み、登場人物の行動や情景描 写から、登場人物の気持ちの変化を読み取る活動をすることを 知る。 ○単元を通して、登場人物の行動や情景描写から登場人物の気 持ちや関係の変化を読み、作者の伝えたいことは何かを考える 活動をすることを知る。 ○読み取り方の振り返り ○学習の見通し ◇視点Ⅰ アの② ・ノートの 観察 3 ~ ⑫ 本 時 ごんの気持ちや行動の変化を読み取ろう ○1の場面を読み、ごんの人柄について考える。 ○自分の考えをワークシートにまとめる。 ○2の場面を読み、後悔するごんの気持ちを考える。 ○自分の考えをワークシートにまとめる。 ○3の場面を読み、兵十に償いをするごんの気持ちを読み取る。 ○自分の考えをワークシートにまとめる。 ○既習を生かした読み取 り方 ○ワークシートの書き方 ○考えの交流の仕方 ○個の考えの高め方 ○既習を生かした読み取 り方 ○ワークシートの書き方 ○考えの交流の仕方 ○個の考えの高め方 ○既習を生かした読み取 り方 ○ワークシートの書き方 ○考えの交流の仕方 ○個の考えの高め方 ◇視点Ⅰ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅰ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅰ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅱ 伝え合う場 高める場 ○グループ交流をもとに、課題に対しての自分の考えをま とめる。 ○ごんの後悔する気持ちについて叙述をもとに自分の考 えを持ち、グループで交流し自分の意見との共通点や相違 点に気づく。 ○グループ交流をもとに、課題に対しての自分の考えをま とめる。 ○ごんの人柄について、叙述をもとに自分の考えを持ち、 グループで交流し自分の意見との共通点や相違点に気づ く。 ○兵十に償いをするごんの気持ちについて叙述をもとに 自分の考えを持ち、グループで交流し自分の意見との共通 点や相違点に気づく。 ○グループ交流をもとに、課題に対しての自分の考えをま とめる。 ○疑問に思ったことや、感じたことを班で交流する。
○4の場面を読み、兵十と加助の会話を聞きたがっているごん の気持ちを読み取る。 ○自分の考えをワークシートにまとめる。 ○5の場面を読み、2人の話を聞きながらがっかりしていくご んの気持ちを読み取る。 ○自分の考えをワークシートにまとめる。 ○6の場面P.19 L.10~P.21 L.1 までを読み、ごんや兵十の気持 ちや行動の変化を読み取る。 ○自分の考えをワークシートにまとめる。 ○6の場面を読み、うたれたあとのごんの気持ちを読み取る。 ○自分の考えをワークシートにまとめる。 ○既習を生かした読み取 り方 ○ワークシートの書き方 ○考えの交流の仕方 ○個の考えの高め方 ○既習を生かした読み取 り方 ○ワークシートの書き方 ○考えの交流の仕方 ○個の考えの高め方 ○既習を生かした読み取 り方 ○ワークシートの書き方 ○考えの交流の仕方 ○個の考えの高め方 ○既習を生かした読み取 り方 ○ワークシートの書き方 ○考えの交流の仕方 ○個の考えの高め方 ◇視点Ⅰ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅰ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅰ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅰ ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅱ アの① エの① エの② オの①② ・活動の様 子の観察 ・ワークシ ートの観察 13 作者のメッセージを考えよう。 ○これまでの単元を振り返り、ごんの気持ちや行動の変化をも とに、作者のメッセージを考える。 ○主題のとらえ方 アの② エの② ・活動の様 子、ワーク シート ◇視点Ⅱ ◇視点Ⅲ ○二人の会話を聞きたがっているごんの気持ちについて 叙述をもとに自分の考えを持ち、グループで交流し自分の 意見との共通点や相違点に気づく。 ○グループ交流をもとに、課題に対しての自分の考えをま とめる。 ○ごんのがっかりする気持ちについて叙述をもとに自分 の考えを持ち、グループで交流し自分の意見との共通点や 相違点に気づく。 ○自分が考える「作者のメッセージ」をグループで交流す る。 ○グループ交流をもとに、課題に対しての自分の考えをま とめる。 ○グループ交流をもとに、課題に対しての自分の考えをま とめる。 ○兵十にうたれたあとのごんの気持ちについて叙述をも とに自分の考えを持ち、グループで交流し自分の意見との 共通点や相違点に気づく。 ○ごんや兵十の気持ちや行動の変化について叙述をもと に自分の考えを持ち、グループで交流し自分の意見との共 通点や相違点に気づく。 ○グループ交流をもとに、課題に対しての自分の考えをま とめる。 ○これまで学習してきたことをもとに、単元全体の振り返 りをする。
8 本時の学習指導(本時12/13時) (1)目標 ・これまでに読み取ったことをもとに、根拠を明らかにして、「打たれた後のごんの気持ち」を表現する ことができる。 (2)評価規準 ア 国語への関心・意欲・態度 エ 読む能力 オ 言語についての知識・理解 ① 場面の様子から、登場人物の気 持ちを進んで読み取ろうとし ている。 ① 会話や行動、情景描写をもとに 登場人物の気持ちの変化を読 み取って表現している。 ② 自分の考えを表現するために 適した言葉を選んで使ってい る。 (3)展開 学習活動 学習内容 ○指導・援助と評価の工夫 ★「教育に関する3つの達成目標」との関連 ◇校内研修とのかかわり 時 間 1 前時の学習を振り返る。 2 本時の学習課題を確認す る。 3 P.21 L2~P.21 L6 のキー ワードを確認する。 ・ぐったり ・つぶったまま ・うなずきました ・ばたり ・取り落としました ・青い ・けむり ・まだ ・細く ・出ていました 4 「打たれた後のごんの気持 ち」について自分の考えを持 つ。 ・うなぎやおっかあのことがあっ たから、打たれてもしょうがない な。ごめんね。(1の場面) ・やっと気づいてくれたんだね。 (5の場面) ・打たれてしまうほど、おいらの ことを憎んでいたんだね。ごめ ん。でも、栗のことを気づいてく れてありがとう。(全場面) ・気づいてくれてうれしいけど、 やっぱり打たれる前に友達にな ○前時の学習の想起 ○課題の把握 ○気持ちを表す言葉のさがし方 ・行動 ・情景描写 ○自分の考えの表現の仕方 ・ごんの気持ち ・ごんの兵十に対する思い ・兵十の言動から考えられるごん の気持ち ○前時までのごんの気持ちや行動 の変化を振り返る。 ★気持ちが表れている、会話文、行 動、情景描写に着目させながら読 む。(学力) ◇視点Ⅰ ○6の場面だけではなく、前時まで に学習したごんの気持ちや行動の 変化を振りかえさせる。 ○兵十の行動からもごんの気持ち を考えるよう助言する。 ◇視点1 5 1 10 10 ごんの気持ちや行動の変化を読み取ろう 伝え合う場 高める場
りたかったな。(全場面) 5 全体で深める。 7次時の見通しをもつ。 ○観点の明確化 ・読み取りの根拠が叙述にそって いるか。 ・6の場面以外から根拠を考えて いるか。 ・兵十の言動から根拠を考えてい るか。 ・「ごんは、~。」から始める。 ・根拠の共通点・相違点に気づか せる。 ・ ○個の考えのまとめ方 ○書き込んだワークシートをもと に「打たれた後のごんの気持ち」に ついて話し合い、共通点、相違点に 気づかせる。(メモの活用) ○話し合いが進まないグループを 支援する。 ◇視点Ⅱ 15 4 (4)板書計画 評価場面 〈具体の評価規準〉エ ① 〈評価方法〉・ワークシートによる観 察 ・机間支援による観察 ① 物語すべての場面から読み取れ ている班(児童)には、他者の考え を聞いて、新たな考えに気づか せる。 ② キーワードに基づいて、理由を 説明できている班(児童)には、根 拠の違いについて考えるよう助 言する。 ③ キーワードに基づいて、理由を 説明できていない班(児童)には、 これまでのワークシートや読み 取りの観点を参考にするなど助 言する。 5 打たれた後のごんの気 持 ち を グ ル ー プ で 話 し 合 う。 6 自分の感じ方と比べて 振り返る。 主 人 公 の 心 の 動 き を 読 み 取 ろ う ご ん ぎ つ ね 新 美 南 吉 課 題 ご ん の 気 持 ち や 行 動 の 変 化 を 読 み 取 ろ う キ ー ワ ー ド ・ ぐ っ た り ・ つ ぶ っ た ま ま ・ う な ず き ま し た ・ ば た り ・ 取 り 落 と し ま し た ・ 青 い ・ け む り ・ ま だ ・ 細 く ・ 出 て い ま し た 打 た れ た 後 の ご ん の 気 持 ち ・ う な ぎ や お っ か あ の こ と が あ っ た か ら 、 打 た れ て も し ょ う が な い な 。 ご め ん ね 。 ( 1 の 場 面 ) ・ や っ と 気 づ い て く れ た ん だ ね 。 ( 5 の 場 面 ) ・ 打 た れ て し ま う ほ ど 、 お い ら の こ と を 憎 ん で い た ん だ ね 。 ご め ん 。 で も 、 栗 の こ と を 気 づ い て く れ て あ り が と う 。 ( 全 場 面 ) ・ 気 づ い て く れ て う れ し い け ど 、 や っ ぱ り 打 た れ る 前 に 友 達 に な り た か っ た な 。 ( 全 場 面 )