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雑誌名 法政大学体育・スポーツ研究センター紀要

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Academic year: 2021

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共通テーマ「現代社会における、健康と体力」 :  サッカーからのメッセージ「こどもたちが危ない!

著者 清雲 栄純

出版者 法政大学体育・スポーツ研究センター

雑誌名 法政大学体育・スポーツ研究センター紀要

巻 26

ページ 70‑70

発行年 2008‑03‑31

URL http://doi.org/10.15002/00005061

(2)

第26号

共通テーマ

「現代社会における、健康と体力」

67

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法政大学体育・スポーツ研究センター紀要26,70-70(2008)

サッカーからのメッセージ「こどもたちが危ない!」

情雲栄純

人類が足でボールを蹴る事を始めたのは、紀元前31吐紀 ごろ中国で行われたと考えられている。

現在の形になったのは1911t紀に入りイングランドのエ リートスクールで行われるのを期にパブリックスポーツの生 徒が立ち上げたフットボール協会設立を期に急速に全111:界 に広がりをみせた。|]本ではサッカーとして浸透しているが 協会創立はl92M1Hと歴史は浅い。私は約40年前この競技 と11}会い、現在までその魅力に取り付かれている。当時は大 学と企業が'''心になり日本のスポーツを支えていた時代で、

特に大学の施設は貴重なプレーの場となった。サッカーでは 体育系大学以外は企業からスキルの高い指導者(OBが'11心)

が派遣されるケースが多く、技術・戦術はもちろん体ノノ、iや '1k旗管I1l1まで指導され、私たち学4kは今まで経験した事の ない情報を一気に手に入れる事になる。大学で活11Mした選 手は日本リーグ(企業)への道が大きく開かれ大学と企業の 連挑が「1本サッカーのレベルを何とか維持していた時代でも あった。しかし、そこにはトップアスリートだけが生き残る 図式しかなく現代、盛んに行われている子供たちに対しての 一貨指導体IljIIはほとんど存在せずかろうじてスポーツ少年 団がその役を担っていたにすぎない。

サッカーの最大の魅力は技術習得には時l1llを要するが用 具に費111がかからず(ポールさえあれば)、ルールが容易(17 条しかない)でどんなレベルでもゲームに入りやすいところ にある。その証拠に207の国と地域がFIFA(国際サッカー 連M1)に力11M'し、世界中で2億6千万人が選手として登録 されている。(FIFA2007発表)トップレベルの試合になる とほとんどベンチコーチ(外からの指示)は通用せず瞬時の コミュニケーション能力が要求され、一旦ピッチに立つと自 分の判断と決断が大きくチームに影響し選手の責任は他の スポーツより重い。そのためフィジカル面はもちろんメンタ ルmiでの健康維持は不可欠で自己責任に欠ける選手はIiiil汰 される厳しいスポーツでもある。

ロ本では15年前、景気の波に左右される不安定な企業ス ポーツからの脱却を図るためにJリーグ誕生した。地域貢献 を掲げた「ホームタウン」を合言葉に大企業だけにjliiらない 地域密着の経営戦略は少しずつ文化として根付こうとして いる。その成果はファン・サポーターの増力11に力Ⅱえ.スポン サーの心も揺り動かし選手のモチベーションに大きなパワー を植えつけた。同時にすべてのクラブが各年代の強化・育 成・普及事業と指導者の育成にも取り組み一環指導体制が 確立されてきた。その成果はワールドカップ連続3回11}場を 始めオリンピックやワールドユース111:界大会111場の常辿l玉|と してアジアをリードするまでになった。この流れに自信を深

めた(財)I]本サッカー協会は2005年宣言を発表「サッカー を通じて蝋かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全 な発達と社会の発展に貢献する。」というiHl1念を掲げ「サッ カーの杵及に努め、スポーツをより身近にすることで、人々 が幸せになれる環境を作り」1げる。」とのビジョンを示した。

この宣言に基づき「Jリーグ百年榊想」が大きく動き11)した。

そのキーワードが「子供たち」である。

私の関係する大宮アルディージャでMI設直後の9年前 から「運動好きやサッカー好き」の子供たちを増やそうと、

|jlil児から小学校6イ12生(5歳から12歳まで)を対象とした サッカースクールを開校した。今では8拠点で毎週約2200 名の子供たちがサッカーを楽しんでいる。又、毎年60回を 超える獅度で実施している事業にスクールキャラバン(選手 やコーチが幼稚|Nilや小学校で先生に代わり授業を受け排つ)

や他のスポーツ団体と協Ijillして子供たちに複数のスポーツと 触れ合う機会を与えるアカデミー事業がある。この事業は11 本の教育関係者からも注'二Iを集めているが地域からも大きな 101侍が広がっている。

現代の子供たちはテレビゲームの普及や塾通いで、外遊 びやスポーツに親しむ時|M1が少なく、運動不足やコミュニ ケーションが十分に取れない状況にある。私はサッカース クールやスクールキャラバン開催時に先生や付き添いの保護 者から定期的に話を聞くようにしている。「大きな声であい さつをするようになった」「子供たちが給食を残さないよう になった」「病気がちな子が風邪をひかなくなり、心身が鍛 えられ)'1Nもし<なった」「以前はテレピゲームに夢I|]になっ ていたが、今では家の手伝いや家族との会話も増え思いや りの心が出てきた」などの声を多く聞くようになった。文部 科学省が実施している「体力・運動能力調査」でも明らか なように子供の体力や運動能は30年前をピークに長期の低 下傾Ih]にあり、現在の子供の体格は親の世代を上lIllってい るにもかかわらず、体力・運動能力は大きく下回っていて危 機的状況にある。子供の体力や運動能力の低下は、将来的 には国民全体の体力低下につながり、生活習慣病など健康 に不安を抱える人々が増え、ひいては社会全体の活力が失 われるリド態が危`|共されている。今こそ、このような状況を改 善するためにもサッカーを始めスポーツ界が連帯して「子供 たちの居場所づくり」に収1)組み、[1本にスポーツが文化と

して定着するきっかけになれば嬉しい。

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