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雑誌名 法政大学体育研究センター紀要

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(1)

テニス・ダブルス試合における生体反応からみた運 動強度に関する基礎的研究 : 男子成壮年テニス愛 好者

著者 田村 義男, 冨田 公博

出版者 法政大学体育研究センター

雑誌名 法政大学体育研究センター紀要

巻 12

ページ 43‑58

発行年 1994‑03‑31

URL http://doi.org/10.15002/00007628

(2)

テニス・ダブルス試合における生体反応からみた運動強度に関する基礎的研究

テニス・ダブルス試合における生体反応からみた運動強度に関する基礎 的研究

一男子成壮年テニス愛好者一

田村義男(法政大学)

冨田公博(法政大学)

緒言

近年、テニスは、競技スポーツのみではなく、健康や生涯スポーツ、レクリエーションスポーツとして盛 んに行なわれ、急激なテニス人口の増加がみられる。

テニスの各基礎技術の運動強度を明らかにすることは、テニスの特性を知り、障害や事故からプレイヤー を守り、正しい基本技術の習得や練習方法、テニスドリルを検討する上で重要な要素である。

テニスの試合中に於ける、‘し拍数や酸素摂取量からの運動強度についての研究は数多く見られるが、 ̄般 成壮年を中心とした研究資料の報告は少ない。

我々は、既にテニスの運動強度についてのグランドストロークやボレー、サービス等の技術、打法による 研究を報告してきた。

テニスの試合は、高い運動負荷強度で間欠的継続時間の要するスポーツ種目の一つである。それ故に高い 体力、運動能力、技術が要求きれる競技である。しかし、その試合における運動負荷強度は、競技者の体力、

技術、戦術なビのほか、年齢や性差あるいは試合のグレードやコートサーフェス等により異なる。即ち、緊 張や精神力.集中力といった心理的要素により左右される特徴,8),3),9)20)がある。特にダブルスにおいては、そ れらの要素以外にパートナーとの連繋、相手ペアーの技術的力量、更にはコンピオ、 ̄ションなどが加わるた め一層複雑な要因が生体への負荷として相乗')2)される。

そのため試合中の運動負荷強度を正確に知ることは非常に困難になっている。つまりそれは直接VO2の測 定が技術的に困難な状況と重合していることによるものである。しかし、スポーツを含めた身体運動すべて における運動負荷強度は酸素摂取量(VO2)に対して、その物理的仕事量とは正比(列するので、最も妥当性 のある指標とされている,7)。そのVO2は心拍数(HR)、心拍出量(Q)、換気量(VE)と直接関係にあるこ とから、テニスにおける試合の運動負荷強度を知るには、HRによる推定方法がより有効な手段となってい る。

しかし、スポーツの特性やその試合場面の内容によって、運動負荷強度とHRとは必ずしも一致しない場 合8),4)がある。その現象は競技者の物理的仕事量に必要なエネルギー的要因とは無関係な要素、即ち心理的ス トレスと考えられる。特にダブルスの試合は、パートナーのコンピオ、 ̄ションを意識した集中力などの心理 的ストレス要因が負荷されている可能性が8),3)ある。従って、テニス試合中におけるHRの変化を基にして、

運動負荷強度を論議している報告が多くみられるが、種目的特徴を十分考慮する必要がある。

そこで、ダブルスにおける心理的要素を考慮した運動負荷強度について、HRと血漿カテコールアミン、乳

-43-

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法政大学体育研究センター紀要

酸、乳酸脱水素酵素、クレアチンフォスキナーゼなどから検討を試みるものである。

対象及び方法

対象:テニス愛好者、成壮年4名(45~59歳、平均51.5歳)。被験者の選択基準は、①成壮年者の男子。② 技術水準は中級程度であること。③、電図に異常のない者。④一般血液生化学検査に異常所見がない者とし た。

方法:実験月は、被験者が最もコンデイシンの適した時節として10月の時期を選んで実施した。実施場所 としてのテニスコートの条件は、オールウェザー(ケミカル)コートとした。

被験者をテニスコート・サイドの椅子に椅座位させ、テニスラケット把持側の肘静脈から安静時の採血(6 ml)を行なうとともに循環諸量を測定した。即ち心電図の胸部誘導(V5)より`し拍数(HeartRate〔HR〕)

を、カブ法で血圧をそれぞれ測定した。

次いで以下のプロトコールでテニス試合を実施させた。試合は限定60分間とし、この制限時間内で1ゲー ムずつを正式な進行ルールに従って実施させた。ただし、試合の流れと遅延を防ぐことに重点をおき、ポイ ント間の25秒及びエンド交代90秒の制限をつけずに、試合を進行させる形式をとった。ちなみにポールチェ ンジは、6ゲーム終了毎に行なった。

被験者の試合中のHRは、軽量小型記録器(フクダ電子HM-lO)を腰背部に装着して導出した。また被験 者の行動分析を正確に行なうために、制限時間内の被験者の動作をビデオテープ記録器(VTR)に記録し、

同時に試合中の1ゲーム毎に要した時間と、被験者のすべての行動を詳細に行動記録シートに記録した。こ の行動記録シートとVTRとを対応させ、HRの反応にも対応させるのに用いた。

試合開始前、試合中、試合後も常時HRを連続記録し、試合終了後は30分間の椅座位による安静を保たせ、

血圧、HRの応答を測定した。採血は試合終了直後と30分後の時点で行なった。

血液は、凝固阻止剤を含まない試験管とEDTA・2Naを含む試験管に採取した。後者の血液サンプルは採 取後、4℃て,冷却遠心分離しその血漿を生化学的分析時まで-80℃に保存した。そして、血中ホルモンの中 で血漿カテコールアミン〔ノルエピオ、プリン(PNE)、エピネフリン(PE)〕を測定した。他に乳酸

(LA)、\U峻脱水素酵素(LDH)、クレアチンフォスキナーゼ(cPK)などを測定した(表-4)。

ダブルスの組み合わせは、テニスの技術レベルと年齢を考慮に入れ、Y、T・・1.K.組(T・K・組)、NW..

K0組(W.G.組)とした。表-1は、被験者のプロフィールである。

-44-

(4)

テニス・ダブルス試合における生体反応からみた運動強度に関する基礎的研究

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(5)

法政大学体育研究センター紀要

結果

表-2A、表-2Bは、試/合結果である。制限した試合時間内に行なわれたダブルスの総ゲーム数は19ゲ ームであった。そして1ゲーム当りのポイント数は約7.3ポイントであり、また平均所要時間は189秒であっ た。チームのゲーム・ポイント獲得結果は、被験者W.G.組が、被験者T・K・組に11対8で勝利している。こ の試合においては、平均的には前半で、ゲーム・ポイントと1ゲームの時要時間とは比F1的な関係を示す傾

向にあった。

表-2B・JLTAOFFICIALSCORE-SHEET表-2A・JLTAOFFICIALSCORE-SHEET

-46-

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(7)

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テニス・ダブルス試合における生体反応からみた運動強度に関する基礎的研究

表-3では、被験者共通に試合前の安静時のHRが、試合開始時には約10~20拍と急激な_上昇を示してい る。また試合中のHRが163拍、Wを除く他の被験者も最高約160拍に近い値を示している。特にサービス時 におけるHRがどの被験者においても共通的に最高HRとなっている。WのHRの値が低いのは、技術的水 準打i去、年齢的特徴の現われだと思われる。試合中のポイント間のレストタイム、エンド交代のレストタ イムを含めて被験者4名の平均HRが124拍を示しているが、これは常に高いHRレベルで試合力推行してい

ることがうかがえる。

試合前後の血圧を比較すると収縮期血圧、拡張期血圧ともに試合後約20-30mmHg高くなっており、試合 中は更に高い血圧を維持しながら推移しているものと考えられる。被験者Gは、試合後において170/

110(mmHg)と極めて高い最高血圧を示した。

図-1は、60分の制限時間内における1分間の平均HRの経時的変化を示したものである。勝者W.G.組は 下段に、負者T・K・組は上段に示されている。W.G.組はHR水準は低いが、T・K・組は常に高いHR水準で

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-49-

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法政大学体育研究センター紀要

変動している特徴がみられる。またW.G.組は、変動周期が同調的傾向を示しているが、T・K、組にはその傾 向が不規則的である。しかし、両組共、HRの変動は複雑であるが、試合の後半に進行するに従いHR値が高 くなっている。特にGはその傾向が顕著に現われている。パートナー間のHR値の変動の特徴が顕著なのは、

T・K・組においてHR値が両者反比|列していることである。一方が高ければ他方が低いという、相互に依存し ている傾向がみられることである。この傾向は、競技選手にはみられない特徴といえる24)。

試合中の被験者個々のHRの変動をみると、T力撮も高い数値を示し、平均HRにおいて137拍(100~163 拍)、次いでKの131拍(110~154拍)、また最高心拍数157拍を記録したGは、平均HRl17拍(85~157拍)

など、これらは被験者の年齢や体力の違い、あるいは技術水準による差、更には両組の戦法、個人特有の打 法などが左右し、HRの変動として現われたものと推測できる。いずれにせよ、試合の後半のHRの平均値が 約141拍を記録しており、高い心拍水準を維持しながら試合が行なわれているといえる。広田25)、宮下26、伊 藤27)らの中高年齢者の男子テニス試合形式による練習のデーター、120~150拍/分のHRの研究報告と同様 な結果が得られた。また我々が既に報告している29)30)31)ように、この試合における被験者のHRから推測でき る運動強度は、それぞれVO2maxの49%~69%に相当するものであった。

図-2Aは、60分の制限時間内に行なわれた19ゲームにおけるlゲーム毎の平均HRを示したものが-1二段 である。lゲーム毎のHRであるので、変動周期とその位相変化が各組一層特徴的にみられる。図-1とは、

対照的に負者T・K・組が各ゲーム毎に相互にフォロー仕合い、ゲームを進行させている傾向が現われている。

図-2A.60分の制限時間内に行なわれた19ゲームにおけるlゲーム毎の平均HR

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テニス・ダブルス試合における生体反応からみた運動強度に関する基礎的研究

特にその傾向は、サービス時に出現している。サービス・サイドの時に確実に積極的に運動量を高め、パー トナーを休ませ、あるいはサーピスカでポイントを獲得する戦法が、内面的に存在していることが推測でき る。勝負は別にして、各ゲームにおけるHRの変動周期に規則性があることは、ダブルスの特徴(一流選手ダ ブルス)でも24)28)ある。そのような変動周期がT・K・組にみられた。

図-2Bは、各ゲームの進行に伴う所要時間を示したものであり、図-2Cは、各ゲームに要したポイン ト数である。試合の中盤8ゲームから11ゲームにかけ、ポイント数と所要時間が高くなっている。特に8ゲ ーム目においては、12ポイントを要し、所要時間も6分を越えている。しかしながら、このゲーム中のHRは 図-2B、各ゲームの進行に伴う所用時間 図-2C、各ゲームに要したポイント数

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被験者Tを除き試合中の平均HRを下回っている。これは被験者T個有の特徴によるものといえる。図-2 B、図-2Cの各ゲームの所要時間・ポイント数とHRの変動、HRとの関係には有意性はみられなかった。

図-3は、サービス・サイドとレシーブ・サイドの1ゲーム毎の平均HRを示したものである。横軸はサー ビス・サイドのサーバーのHRで、縦軸はサービス・サイドのパートナーとレシーブ・サイドの各々のフォア ー、パックのHRである。サーバーのHRに対しては規則的な変化はみられなかった。しかし、サーバーのパ ートナーのHRは低い値を示しており、サーブ11寺におけるパートナーの運動量は、被験者間で差異はあるもの の少ない傾向がみられた。またレシーブ・サイドのフォアー・サイドにおいて、パック・サイドの被験者よ

りHRが高く保たれている傾向にあり、その差は有意であった(P<0.05)。VTRの分析によるリターン・ポ ール速度は、フォアー・サイドの被験者の方が、バック・サイドの被験者より遥かに大きかった。従って、

フォアー・サイドの被験者は、サービスを強くリターンしている傾向であった。これらの変化は、HRの変化 に顕著に現われている。

図-4は、安静時に対する試合中の平均HR(△HR)と安静時に対する試合終了直後の△CPK、△LA、

△PNE、△LDH、△NAdの増加分を示した。図-4は、△HRは被験者1K.、YT・の順に大きくなってい る。1.Kは他の被験者より身体が小さく、体力的ハンデを克服するため、常にハードヒットし、全力で試合 に望んでいる結果の現われであると思われる。T・K・組のTとKにおいては有意な差はなかったが、WとGの 間には有意差があった(P<0.05)。またT・K・組とW0組には(P<0.05)で有意な差がみられた。

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法政大学体育研究センター紀要

クレアチンホスキナーゼ(△CPK)ては、HRで高かった被験者TとGが共に高い増加を示し、ハードヒッ ターであるGはギ酸(△LA)が極めて大きかった。これに対し、Wは△CPKがやや高いものの、△LAは極

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法政大学体育研究センター紀要

は、被験者Wが大きく出現した。そのほか血中成分として、血漿エピネフリン(△PE)はすべての被験者に おいてほぼ同様の値て゛あり、アドレナリン(Ad)は、被験者Tを除き変化はみられなかった。

考察

本研究では、先回の競技選手のテニス・ダブルス試合における運動負荷強度の継続研究として愛好者、特 に成壮年者についてHR及び血中成分から検討した。

ダブルス試合における本実験の得点取得割合は、サービス・サイド、レシーブ・サイド共に約50%であっ た。一般的にはサービス権を持つ組の特徴として、その試合の主導権を先に得るダブルスの有利性がある。

これはサービスに対して、リターンの難易度が高くなることによる場合が推定されている。本実験の愛好者、

成壮年の場合は、そのような結果が得られなかった。しかし、体力・年齢・技術・鞠去などあらゆる要素の 中で少なくても試合中では、被験者相互に代謝的、心理的要因が運動負荷強度となって現われていることに は変わりはないものと思われる。

その特徴は、HR及び血液成分より著明に出現している。HR及び血中成分の変化は、自律神経系の関与を 推定する有効な手段とされている。交感神経活動の有効な指標となる血漿カテコールアミン濃度(アドレナ リン、ノルアドレナリン、ドーパミンetc)によってHRの変化は微妙に影響を受ける6)'3)23)。特に試合の状況 下にあっては、アドレナリンやノルアドレナリンの分泌量が増し、心臓機能冗進、血圧上昇、骨格筋の血液 の増加を促すものである22)23)。

非活動状態のHRの変化は、心理的ストレスの変動信号としてスポーツの心珈勺指導に利用されているこ とが多い。心臓は心理的ストレスに対して敏感に反応する。特にレシーバーのHRはサービスを受ける前から 非常に高くなっている。これはFaulkner(1964)8)やMcArdle(1967)らが'6報告しているが、本実験にお いても楽しむ試合であっても、安静時より試合開始時のHRは急激に上昇している。これは運動に対する期 待、緊張、不安などの心珊勺ストレスに対するものである。このストレスは大脳皮質の興奮を間脳に作用さ せて、延髄の心臓促進中枢を刺激することによって、HRを増加させるものと考えられる。そうした運動前の HRの増加反応は、AnticipatoryHeartRate(AHR)と呼ばれており、筋活動とは直接関係がないとされ ている。しかし、副腎随質からのPE,Ad,PNEの放出による影響も無視できないと指摘している9)24)。また、

スタート前の合図でHRが急激に60~75%HRmaxまで増加することが知られている。これも心理的(情動 性)ストレスの結果によるものである。

更に本実験の試合中の平均HRはかなり高く保たれていることも、AHRの出現機構に関連しているものと 考えられる。試合前の一定のAHRを高揚させる事は、生体の危急反応として有効である場合もあることもみ のがせない。今回、フオアーサイドプレヤーの平均HRがやや高い事は、AHRの影響を受けたものと考えら れる。また各ゲームの始めのポイントが、フオアーサイドのレシーバーのリターンによって行なわれること

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テニス・ダブルス試合における生体反応からみた運動強度に関する基礎的研究

でも、高い緊張が要求されることがうかがわれる。

一方、走運動は下肢を中心とした運動形態をとるが、テニスはダッシュ、ストップ、ラケットスウィング の運動形態をとり、下肢と上肢を間欠的継続運動する。そのため試合中のHRは高く、しかも変動も大きい。

この原因は、下肢の運動に加えて、上肢の運動への活動筋伝達機序が重要視されているからともいえる。こ の現象は、活動筋の量的違いによるものと考えられている。即ち、上肢筋量が小さいために、絶対物理的運 動負荷に対して機械的効率が低下すること。更には上肢の運動調整の程度力祇い理由によるものである。当 然、上肢と下肢の運動のVO2maxは活動筋の量的相異により現われてくる。ハードヒツターや体力的ハンデ を背負っている被験者のHRが高いのは、その原因の一つと考えられる。しかし、こうした代謝|生要素の他に ネ11】経性要素に対してもHRの反応は極めて敏感に受ける。

心臓機能冗進によるHRの反応は、弱い運動負荷強度では、迷走神経緊張の解放によっているが、強い運動 強度では迷走神経緊張解放と同時に交感神経の興奮の連合によって強調される。これは前述の通り、血漿カ テコールアミンなどが強く影響4)する。運動強度や活動筋量、運動継続時間(運動量)に応じて血漿カテコー ルアミンの顕著な増加は、運動反応に特徴的な交感神経の過活動の反映によって起こされる'9)。強い運動強度 でのPEi農度は3~4倍に、PNEi農度は5~7倍にも達し、心臓血管系の反応を効果的にしているといわれて いる')2)。テニスは、フットワーク、ラケットスウイングなビ活動筋の収縮タイプは静的運動に近い。特に被 験者Gは、LAやLDH、CPKが高値を示したのは、この筋収縮のタイプ゜を強力に使うためであると考えら れる。またこの収縮タイプは、筋の疲労を早め易いので、大量の血液を供給することも高いHRの出現が関与 しているものとも考えられる7)'1)'2)。非活動筋ではないもののラケット把持対側肢は、強い交感神経の血管収 縮促進によって活動筋への血液を補っている5)9)10)。

今後は各ゲーム間のレストタイムにおけるHRの変動も考慮し、ダブルスの試合における運動負荷強度を 考えることも重視していきたい。

結語

(1)ダブルス試合時の運動負荷強度を観察するため、心臓機能の指標としてHRを、交感神経活動の指標とし て血液成分、血漿カテコールアミン、その他の血中ホルモンの分析をした。

(2)試合開始直前のAHRは、被験者共通に約15拍上昇していた。

(3)試合中の被験者のHRは、最高163拍、試合の後半におけるHRは、約140拍を越えていた。

(4)サービス・サイドの得点取得率は、レシーブ・サイドの得点取得率とほぼ等しかった。

(5)被験者の年齢により、HRの平均値に差異がみられた。高年齢被験者の平均HRが他の被験者と比較して 低い値であった。

(6)各ゲームにおいて、サーバーが最も高いHRを示した。

(7)勝者には、パートナー同士のHRの変動に同調性がみられた。

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法政大学体育研究センター紀要

(8)血中乳酸濃度は、活動筋の多い被験者において極めて高い値を示した。

(9)血漿カテコールアミンのノルアドレナリンにおいて高齢者が高い値を示した。

(10平均HRは、負者の方がその増加数が高かった。

(11)血漿ノルエピオ、プリンは、被験者間に顕著な差がみられなかった。

(1,以上の結果から愛好者男子成壮年者のダブルス試合における運動負荷強度は、物理的仕事量(エオ、ルギ ー的要素.代謝的要素)は勿論、心理的(情動的)ストレス要因によって影響を受けていることが示唆され た。

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参照

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