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IKAROS 欠損症

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金

難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)

分担研究報告書

IKAROS 欠損症

研究分担者 森尾 友宏 東京医科歯科大学発生発達病態学分野 研究協力者 金兼 弘和 東京医科歯科大学小児地域成育医療学講座 研究協力者 星野 顕宏 東京医科歯科大学発生発達病態学分野 研究協力者 山下 基 東京医科歯科大学発生発達病態学分野

A.研究目的

IKAROS欠損症は2012年に汎血球減少 症の原因遺伝子として報告され、その後分 類不能型免疫不全症(Common variable immunodeficiency)やB細胞欠損症の原 因として報告が相次いだ先天性免疫異常 症のひとつであり、

IKZF1

遺伝子のヘテ ロ接合性昨日喪失型変異により生じる。

多くはミスセンス変異だが、一部にトラ ンケーションを起こす変異やスプライス 異常が知られている。

多くの症例は他の抗体産生不全症と同 様に気道感染症を発症するが、中には複 合免疫不全症をきたす変異も知られてい る。また、自己免疫疾患や造血器腫瘍の合 併も報告されている。

本研究の目的は、これまでの報告例を もとに病態、臨床経過、治療介入の内容を 検討し、IKAROS 欠損症を疑う場合の診 断の手順、IKAROS欠損症と診断された 患者のマネジメントに有用となるガイド ラインの策定を行うことである。

B.研究方法

IKAROS欠損症に関する論文検索を行い、

臨床症状、検査所見、遺伝子変異と表現型の 相関、治療内容に関してまとめた。

また、これまでの報告例を参考に診断、治 療上、問題になりうる点を抽出し、クリニカ

ルクエスション及びその回答を作成した。

(倫理面への配慮)

本研究は患者検体は用いずに行われた。

C.研究結果

本研究によりIKAROS欠損症の臨床的特 徴の多彩さが明らかとなった。気道感染症 を中心としながら、N159変異はニューモシ スチス肺炎などの複合免疫不全症を呈する

ほか、Y210C変異に見られるような汎血球

減少も呈することが明らかとなった。また、

自己免疫疾患や造血器腫瘍が一部の症例で は合併した。IKAROS欠損症は不完全浸透 を示し、変異を有していても易感染性を示 さない例や、自己免疫疾患のみを呈する例 も存在する。

臨床像の幅広さから、治療介入の必要度 も多岐にわたることが明らかになった。無 症候性で低ガンマグロブリン血症もなく、

免疫グロブリン補充さえ必要としない例も ある一方で、複合免疫不全症や骨髄不全の ため造血細胞移植を必要とする例まで存在 することが明らかとなった。同じ変異を有 していても重症度に差があることや、汎血 球減少やB細胞欠損症・低ガンマグロブリン 血症は経時的に変化する症例も存在するこ とから、造血細胞移植の適応に関しては慎 重に判断すべきことが示唆された。

本研究の内容は、班会議(「原発性免疫不 研究要旨

IKAROS欠損症はB細胞欠損症や分類不能型免疫不全症の原因の一つとして知られ、

近年報告が相次いでいる。これまでのIKAROS欠損症の報告例から臨床的特徴、治療内 容についてまとめ、クリニカルクエスション策定、診療ガイドラインを作成した。

(2)

49 全症候群の診療ガイドライン改訂、診療提 供体制・移行医療体制構築、データベースの 確立に関する研究」)において発表し、改善 点の議論を行った。

D.考察

本 ガ イ ド ラ イ ン は 、 作 成 時 点 で の

IKAROS欠損症の報告を網羅し臨床的特徴

や治療内容をまとめているが、その数はま だ少なく十分にIKAROS欠損症の病態を把 握できているとは言えない。長期予後に関 する検討・報告も得られておらず、易感染性 だけでなく自己免疫疾患や腫瘍の観点から

もIKAROS欠損症の長期的な転機がどうな

るのかは注目される。今後報告される症例 の情報をアップデートすることによりより 正確で情報量の多いガイドラインが作成で

きることが期待される。

E.結論

IKAROS欠損症の疾患概念、分子病態、臨

床所見、検査所見、診断基準と鑑別診断の進 め方、合併症、重症度分類、治療・管理指針、

予後と成人期の課題、診療上注意すべき点、

クリニカルクエスションを含めたガイドラ インを策定した。

F.研究発表 現時点では未定

G.知的財産権の出願・登録状況 現時点では未定

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