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四字熟語・成語に関する調査研究(その3)

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四字熟語・成語に関する調査研究(その3)

その他のタイトル A Survey and Research on Japanese‑Chinese Four‑character Idiomatic Words (Part 3)

著者 兪 鳴蒙

雑誌名 關西大學中國文學會紀要

巻 41

ページ A17‑A37

発行年 2020‑03‑15

URL http://doi.org/10.32286/00023369

(2)

四字熟語・成語に関する調査研究

(その 3)

兪  鳴 蒙

要約

 日本語の四字熟語を活用して中国語の成語や四字熟語を効果的に習得するこ とがどの程度できるのかに関する、「漢検四字熟語 5 級」と「漢検四字熟語 4 級」の調査に引き続き、「漢検四字熟語 3 級」の調査を行った。これまでは、中 国語学習に日本語の知識を活用できる可能性の高いものはほぼ、学生成語辞書 に収録されている甲①類の a 群(使用頻度が 3 桁以上)に止まると考えていた が、今回は、日本語の使用頻度 2 桁以上なら活用できる可能性を検討すること にし、また成語辞書に収録されていない乙・丙類の難易度の設定を修正した上 で、調査した。そして、「検 3 」の場合、同形同義の甲・乙・丙類、異形同義 の丁類の a 群に加えて、b 群のものも、およそ 4~7 割ほどは中国語学習に活用 できる可能性が高いという結果が得られた。また、「検 4」・「検 5」も、「検 3」

と同様に、乙・丙類および丁類の b 群は甲類の b 群より活用できる可能性が高 いことも確認できた。

1.はじめに

 これまで拙稿(2018)・(2019)1)では、『漢検四字熟語辞典 第二版』で

「検定 5 級」(614 語)、「検定 4 級」(417 語)と記されたものを検討した。

本稿では、「検定 3 級」(311 語)と記されたものを検討する(以下、それ ぞれ「検 5」「検 4」「検 3」と略称)。

 日本語の辞書および調査・検討の方法については、これまでと同様に、

『新明解四字熟語辞典 第二版』、J 参考書2)、「朝日新聞記事データベース聞 蔵Ⅱ」( 1985~現在)を用いて意味と使用状況を調査する。一方、中国語

(3)

の辞書および調査・検討の方法についても、これまでと同様に、日中対応 の有無および意味と使用状況を調査する3)

 また、日本語に対応する中国語を甲(①②)・乙・丙・丁・戊・己類に 区別することは、これまでと同様であり、使用頻度による区分(a・b・c・

d 群)についての検討は、拙稿(2019)で修正した通りに行う。

 その上で、甲・乙・丙・丁・戊類や a・b・c・d 群に分類した日中両語 について学習上のレベルに関して検討するが、日本語はこれまで通りに、J 参考書を用いていずれにも見出し語として収録されているものを M レベル

(中級レベル)、そのいずれかに収録されているものを H レベル(上級レベ ル)、J 参考書に収録されていないものを P レベル(専門レベル)に分け る。但し、それに対応する中国語に関する検討は、本稿では一部修正する。

というのは、日本語に対応する乙・丙類の中国語は成語でないため、成語 である甲類の M・H・P レベルと同じように難易度を設定することは適切 ではないと判断したからである。したがって、甲類に関してはこれまで通 りに、C1 参考書4)のいずれかに収録されているものを M レベル(中国語 検定 2 級~準 1 級)、C2 参考書5)のみに収録されているものを H レベル、

それ以外のものを P レベルとするが、乙・丙類については下記の設定を設 けて分けることにする。

M 使用頻度が 10,000 以上のもの H 使用頻度が 2,000 以上のもの P 使用頻度が 1,999 以下のもの

 以下、これまでの調査結果と比較しながら、どのような日本語が中国語 学習に生かすことが可能なのかという点に絞って a・b 群を中心に論じる が、己類(日中語の対応のないもの」と活用の可能性が低いと分かった c・

d 群は付録の資料として記載すべきではあるが、今回、枚数制限のため、割 愛させていただく。なお、日本語と中国語の用例数調査は 2019 年 8 月に実 施した。

(4)

2.日中同義の四字熟語・成語と成語以外の四字熟語 2.1 甲:日中同形同義のもの

 調査した結果、甲は 154 語あり、そのうち、甲①(中国語が「CNKI 辞 書類 DB」の学生用成語辞書の 8 冊(「学生用成語辞書 8 選」)6)のいずれか に収録されているもの)は 88 語(57%)、甲②(中国語が成語辞典のいず れかに収録されているもの)は 66 語(43%)となる。「検 5」および「検 4」の割合を比較すると、およそ 1%の差しかない。(パーセントの割合は 小数第 1 位を四捨五入して示す。)

「検 3」の甲 154 語:甲① 88 語(57%)、甲② 66 語(43%)

「検 4」の甲 199 語:甲① 116 語(58%)、甲② 83 語(42%)

「検 5」の甲 234 語:甲① 133 語(57%)、甲② 101 語(43%)

7)

2.1.1 甲①:「学生用成語辞書 8 選」のいずれかに収録されているもの  「検 3」甲①の a 群の日本語は、下記の通り 15 語ある8)。(「学生用成語辞 書 8 選」(⦿)、成語辞書(〇)、成語以外の語学辞書や専門書(◌)に収録 されていることをそれぞれ⦿、〇、◌で示し、それ以外の場合は無標記で 示す。なお、使用頻度数は千以上の場合端数を切り捨て千単位「,」で表示 する。)

 a 日本語が使用頻度 3 桁以上の M レベルのもの

喜怒哀楽

3,・喜怒哀

乐⦿238, 新陳代謝

1,・新

陈代谢⦿573, 自暴自棄

1,・自暴自弃⦿117,

千載一遇

999・千载一遇⦿710

意気揚揚

16 +意気揚々 687・意气扬扬⦿925

孤立無援

633・孤立无援⦿53,

神出鬼没

407・神

出鬼没⦿16, 天衣無縫

377・天衣无

缝⦿7,

虚虚実実

4 +虚々実々 217・虚虚实实⦿24,

四分五裂

257・四分五

裂⦿51, 夫唱婦随

202・夫唱妇随⦿12,

(5)

勇猛果敢

190・勇猛果敢⦿1,

深山幽谷

167・深山幽谷⦿3,

深謀遠慮

158・深

谋远虑⦿42,

粗製濫造

10 +「粗製乱造」148・粗制

滥造⦿107,

 a 群の日本語に対応する中国語は M レベル 8 語、H レベル 2 語、P レベ ル 5 語である。これまでの調査結果と比較すると、次のようになる。(「:」

の左に日本語の各類の割合と各レベルの語数とその割合を、「:」の右に対 応する中国語の各レベルの語数とその割合を示す。)

a 「検 3」15 語(甲①の 17%)M15/100%:M8/53%・H2/13%・P5/33%

「検 4」15 語(甲①の 13%)M15/100%:M10/67%・H3/20%・P2/13%

「検 5」27 語(甲①の 20%)M27/100%:M17/65%・H7/23%・P3/12%

 「検 4」と「検 5」では中国語の M・H・P レベルが 1~3%の差しかない が、それらと比べると、「検 3 」では M・H レベルは 6~7%、P レベルは 20%の差があるので、「検 3」の a 群の中国語の難易度が少し増したようで ある。しかし、中国語の P レベルの「虚虚实实」は使用頻度が 6 桁と非常 に高く、「深山幽谷」も 4 桁あり、「勇猛果敢」・「意气扬扬」・「千载一遇」

の 3 語も 3 桁あって、これらは常用される語である。したがって、「検 5」・

「検 4」と同様に、「検 3」の甲①の a 群の日本語はいずれも中国語学習に 活用できると考えられる。

 但し、「検 3」の日本語の「粗製濫造」は、「粗製乱造」とも書かれるが、

使用頻度から分かるように、「粗製乱造」の方がよく使われている。ところ が、中国語においては、『初中生错别字病句大全(中学生の誤った字と文の 誤用例集)』によれば、「“粗”和“滥”都是草率、无节制的意思 , 而“乱”

指没有规律 , 没有秩序。因此 , 不能写成“粗制乱造”。〈「粗」も「濫」もい い加減である、無節制である、というのを意味する。しかし「乱」はルール や秩序がないことを指す。従って「粗制乱造」と書いてはならないのであ る。〉」とある。したがって、中国語の「粗制滥造」は M レベルで、使用頻 度が非常に高いため、日本の中国語学習者にとっては注意すべき語である。

(6)

 b 日本語が使用頻度 2 桁以下の M レベルのもの、H レベルのものと 3 桁 以上の P レベルのもの

先憂後楽

83・先忧后乐⦿3,

巧言令色

73・巧言令色⦿11,

国士無双

72・国士无双⦿1,

空中楼閣

31・空中楼

阁⦿162, 酔生夢死

21・醉生梦死⦿24,

佳人薄命

16・佳人薄命⦿314

克己復礼

16・克己复礼⦿39,

明哲保身

7・明哲保身⦿47,

一諾千金

2・一

诺千金⦿23, 異端邪説

2・异端邪说⦿15,

高材疾足

0・高材疾足⦿200

黄道吉日

2・黄道吉日⦿7,

才子佳人

2・才子佳人⦿42,

道聴塗説

0・道听途

说⦿59, 党同伐異

0・党同伐异⦿11,

墨守成規

0・墨守成

规⦿151,

天下無双 139・天下无双⦿7, 肝胆相照 76・肝胆相照⦿48, 怪力乱神 13・怪力乱神⦿11, 乱臣賊子 5・乱臣贼子⦿11, 三綱五常 0・三纲五常⦿57, 節倹力行 0・节俭力行⦿327 倒行逆施 0・倒行逆施⦿33,

 「検 3」の b 群は 23 語あり、日本語は M レベル 16 語、H レベル 7 語で ある。それに対応する中国語は M レベル 6 語、H レベル 8 語、P レベル 9 語である。

b 「検 3」23 語(甲①の 26%)

 16/70%・H7/30%・P0/0%:M6/26%・H8/35%・P9/39%

「検 4」30 語(甲①の 26%)

 M16/53%・H13/43%・P1/3%:M9/30%・H8/27%・P13/43%

「検 5」35 語(甲①の 26%)

 17/49%・H18/51%・P0/0%:M13/37%・H14/40%・P8/23%

 「検 3」の b 群の日本語は P レベルのものがなく、M レベルのものが「検 4 」よりも「検 5 」よりも 17~21%が増える。また、b 群の日本語の「検 4 」と「検 5 」では、使用頻度が 1 桁以下のものが、それぞれ 20 語( 67

%)、19 語(70%)も占め、「検 3」では 13 語(57%)となっているので、

(7)

中国語学習に生かす確率は半減するが、「検 3」の b 群は「検 4」と「検 5」

より若干易しいと言えよう。

 一方、中国語の P レベルの 9 語に関しては「三纲五常」「克己复礼」「怪 力乱神」「天下无双」「先忧后乐」の使用頻度が 4~5 桁であり、「国士无双」

「节俭力行」「佳人薄命」も 3 桁あり、常用される表現である。

 このように、「検 3」の甲①(88 語)においては、a・b 群の日本語は 38 語(甲①の 43%)あり、日本語の認知度や習熟度により、a 群(15 語)と ともに、b 群のうち使用頻度が 2 桁以上の 10 語(b 群の 43%)も中国語学 習に活用することができるのではないかと考えられる。

2.1.2  甲②:「学生用成語辞書 8 選」以外の成語辞典のいずれかに収録さ れているもの

 「検 3」の甲②は 66 語(甲の 42%)ある。

 a 日本語が使用頻度 3 桁以上の M レベルのもの

滅私奉公

468・灭私奉公〇 371  文人墨客 296・文人墨客〇 99,

奇奇怪怪

2 +奇々怪々 127・奇奇怪怪〇 12,

 「検 3」の甲②の a 群の日本語は 3 語あり、それに対応する中国語は H レ ベル 1 語、P レベル 2 語である。但し、中国語の「奇奇怪怪」は使用頻度 も高く、畳語でもあるので、本調査の基準上 P レベルであっても理解し易 い表現である。そして、「検 3」の甲②の a 群の中国語は、漢検の受験級で 比べても、全体的に「検 4」より少し易しくなるようである。

a 「検 3」3 語(甲②の 5%)M3/100%:M0/0%・H1/33%・P2/67%

「検 4」5 語(甲②の 6%)M5/100%:M0/0%・H0/0%・P5/100%

「検 5」13 語(甲②の 13%)M13/100%:M1/8%・H1/8%・P11/85%

 「検 4 」および「検 5 」と同様に、「検 3 」の a 群の日本語は使用頻度が 高いため、いずれも中国語学習に活用できると考えられる。

(8)

 b 日本語が使用頻度 2 桁以下の M レベルのもの、H レベルのものと 3 桁 以上の P レベルのもの

粒粒辛苦

13

+粒々辛苦

25・粒粒辛苦〇 0.1,(粒粒皆辛苦◌ 11,)

鶏口牛後

23・鸡口牛后〇 184

多岐亡羊 6・多岐亡羊〇 63 胆大心小

6・胆大心小〇 88

愚者一得

5・愚者一得〇 312

金殿玉楼

2・金殿玉楼〇 45 首尾一貫 381・首尾一贯〇 4, 竹林七賢 36・竹林七贤〇 22, 功成名遂 0・功成名遂〇 1, 凍解氷釈 0・冻解冰释〇 219 雲翻雨覆 0・云翻雨覆〇 181 無間地獄 100・无间地狱〇 1,

 b 群は 12 語ある。日本語は M レベル 6 語、H レベル 5 語、P レベル 1 語 である。「検 3」の甲②の b 群は下記の「検 5」の数値と同じになるので、

「検 4」は若干易しいと言えよう。

b 「検 3」12 語(甲②の 18%)

 M6/50%・H5/42%・P1/8%:M0/0%・H1/8%・P11/92%

「検 4」17 語(甲②の 20%)

 M10/59%・H7/41%:M1/6%・H1/6%・P15/88%

「検 5」26 語(甲②の 26%)

 M12/46%・H14/54%:M0/0%・H2/8%・P24/92%)

 一方、それに対応する中国語は M レベルのものがなく、H レベル 1 語、

P レベル 11 語であり、P レベルが 92%を占める。但し、P レベルの 11 語 では、5 桁の「竹林七贤」とともに、「首尾一贯」「功成名遂」「无间地狱」 の 3 語が 4 桁であり、3 桁の「粒粒辛苦」も 5 桁の「粒粒皆辛苦」の高い 認知度の影響で理解し易いものと考えられる。

 しかしながら、「検 3」の甲②の b 群の日本語は使用頻度が 1 桁以下のも のが、58%(7 語)を占め、「検 5」の 58%(15 語)と同一であり、「検 4」

も 53%( 9 語)なので、「検 3 」の甲②の b 群の日本語は中国語学習には 活用する可能性が半減すると思われる。大体、日本語の使用頻度が 2 桁以

(9)

上あるものは、それに対応する中国語も 4~5 桁あれば、それらの語(4~

5 語)は生かすことができるのではないかと考えられる。

 このように、「検 3」の甲②の b 群の日本語の使用頻度が 2 桁以上のもの は 42%を占め、前述の「検 3」の甲①の b 群の活用可能値(43%)とほぼ 同じになる。したがって、「検 3」の甲②(66 語)の a・b 群の 15 語(甲

②の 23%)に関しても、a 群( 3 語)とともに、b 群の使用頻度が 2 桁以 上の 5 語(42%)は、中国語学習に活用することができると言える。

2.2 乙・丙:成語以外の辞書類による調査で判明した日中同形同義のもの  乙類は中国の成語辞書に収録された成語以外の専門用語・熟語(中国語 では「四字格词语」)であり、丙類は辞書に収録されていない成語以外の熟 語などである。両者は成語以外の四字熟語という共通点を持つので、これ までと同様にまとめて検討する。

 調査した結果、「検 3 」の乙・丙は 58 語ある。「検 3 」・「検 4 」・「検 5 」 の日中同形同義の甲・乙・丙の各割合を比べると、数値上 3 者とも 1%の 差しかない。日本語の四字熟語が中国語の成語や四字の専門用語・熟語と 比較して、全体的にこのような内訳(成語が約 7 割強、他は 3 割弱)とな るのかは今後の調査のデータが必要になる。

「検 3」(212 語):甲① 88 語(42%)・甲② 66 語(31%)・乙丙 58 語(27%)

「検 4」(281 語):甲① 116 語(41%)・甲② 83 語(30%)・乙丙語 82 語(29%)

「検 5」(332 語)甲① 133 語(40%)・甲② 101 語(30%)・乙丙 98 語(30%)

 すでに拙稿(2018)・(2019)で述べたように、乙・丙のものは中国の古 典書籍や歴史書にある逸話から生まれた成語と異なった成立過程と内容を もっており、その中国語は主として、近現代的もの(専門用語を含む)、日 本語由来のもの、仏教用語、古典名句・詩句である。「検 3」の乙・丙のも のも同様であると言える。

(10)

 a 日本語が使用頻度 3 桁以上の M レベルのもの 試行錯誤

16,・试行错误◌ 680

一喜一憂

4,・一喜一忧 1,

順風満帆

1,・顺风满帆 231

時代錯誤

1,・时代错误◌ 5,

栄枯盛衰

604・荣枯盛衰 532

清廉潔白

363・清廉洁白 291

権謀術数

318・权谋术数 596

和魂洋才

125・和魂洋

◌ 2,

 「検 3」の乙・丙の a 群では日本語(8 語)に対し、中国語は H レベル 3 語、P レベル 5 語である。全体的には、中国語の難易度は「検 4」・「検 5」

の値と比べると、M レベルのものがなくなっているため、易しい語が少し 減少していると言える。

a 「検 3」8 語(乙・丙の 14%)M8/100%:M0/0%・H2/25%・P6/75%

「検 4」9 語(乙・丙の 11%)M9/100%:M1/11%・H1/11%・P7/78%

9)

「検 5」17 語(乙・丙の 17%)M17/100%:M2/12%・H2/12%・P13/76%

 この中で、中国語の「时代错误」10)・「和魂洋才」・「试行错误」10)は近現 代的な専門用語で日本語由来のものでもある。「和魂洋才」は H レベルで あるが、これはデータベースに論文が多くあるためであろう。「和魂洋才」

は異国の日本文化にかかわる用語なので、中国での実際の認知度は P レベ ルに相当すると考えられる。また、「权谋术数」は、南宋の哲学者、思想家 である朱熹(1130-1200)の注釈書『大学章句序』によるとされているが、

中国で成語にはなっていない。さらに、「一喜一忧」・「荣枯盛衰」11)・「清廉 洁白」「顺风满帆」は、中国人が特に好む対句の表現であり、書き手によっ て「荣枯盛衰」・「盛衰荣枯」のように順序を変えて使われることがある。

 b 日本語が使用頻度 2 桁以下の M レベルもの、H レベルのものと 3 桁以 上の P レベルのもの

温厚篤実

52・温厚笃实 111

一騎当千

43・一骑当千◌ 262

生者必滅

26・生者必灭◌ 65

和魂漢才

23・和魂汉才◌ 683

鼓舞激励

13・鼓舞激励 12,

古今無双

12・古今无双 231

寂滅為楽

4・寂灭为乐◌ 0.6, 規制緩和 2,・规制缓和 1,

(11)

二者択一 2,・二者择一◌ 3, 潜在意識 455・潜在意

识◌ 16,

官尊民卑 216・官尊民卑 1, 士魂商才 30・士魂商才 508 孤城落日 28・孤城落日 969 不朽不滅 1・不朽不灭◌ 163 老婆心切 0・老婆心切◌ 289 忠魂義胆 0・忠魂义胆 23 一虚一実 0・一虚一实 6, 北斗七星 599・北斗七星◌ 13, 受胎告知 295・受胎告知◌ 484 事後承諾 203・事后承诺◌ 431

 乙・丙の b 群は 20 語ある。日本語は M レベル 7 語、H レベル 10 語、P レベル 3 語であるのに対し、中国語は M レベル 3 語、H レベル 2 語、P レ ベル 15 語である。「検 3」の乙・丙の b 群の中国語の難易度は下記の値が 示すように、「検 4」とほぼ同じである。

b 「検 3」20 語(乙・丙の 34%)

 M7/35%・H10/50%・P3/15%:M3/15%・H2/10%・P15/75%

「検 4」28 語(乙・丙の 34%)

 M7/25%・H11/39%・P10/36%:M4/14%・H3/11%・P21/75%

「検 5」35 語(乙・丙の 36%)

 M12/34%・H20/57%・P3/9%:M3/9%・H4/11%・P20/80%

 また、中国語の中には、「潜在意识」12)・「规制缓和」13)・「二者择一」・「和 魂汉才」・「士魂商才」・「事后承诺」・「一骑当千」14)は近現代的なもので日 本語由来の表現でもあり、「寂灭为乐」・「老婆心切」・「生者必灭」は仏教用 語であり、「孤城落日」 は古典詩句である。そして「鼓舞激励」・「北斗七 星」・「一虚一实」・「官尊民卑」・「古今无双」・「不朽不灭」・「温厚篤実」「忠 魂义胆」15)は中国でも使われている四字の表現である。但し、「受胎告知」

に関しては最初の英華辞典を出版した宣教師ロバート・モリソン(1782~

1834)の翻訳によるかどうか不明である。

 一方、乙・丙の b 群の日本語の「検 3 」・「検 4 」・「検 5 」では、日本語 の使用頻度が 1 桁以下のものが、それぞれ 5 語(25%)、7 語(25%)、12 語( 34%)を占める。日本語の使用頻度が 1 桁以下のものを除いて、「検

(12)

3」の b 群では、「規制緩和・规制缓和」・「二者択一・二者择一◌」・「潜在 意識・潜在意识◌」・「北斗七星・北斗七星◌」・「官尊民卑・官尊民卑」の 5 語(25%)が中国語学習に活用できる可能性が高いのではないかと考え られる。次に 2 桁のものは 8 語あるが、それを加えると活用可能な語は 13 語(65%)となる。

 このように、乙・丙の a・b 群の 28 語(乙・丙の 48%)に関しては、a 群(8 語)に加えて、b 群の使用頻度が 3 桁以上であれば 35%(7 語)、2 桁以上であれば 75%( 15 語)を、中国語学習に活用できると言える。そ して、乙・丙の b 群の活用可能値は、2 桁以上であれば、甲①・甲②の b 群の活用可能値(42%・43%)より 22~23%高くなる。

【日本語の使用頻度が 1 桁以下のもの】

乙・丙の b 群:「検 3」5 語(25%)、「検 4」7 語(25%)、「検 5」12 語(34%)

甲①の b 群:「検 3」12 語(55%)、「検 4」20 語(67%)、「検 5」19 語(70%)、

甲②の b 群:「検 3」7 語(58%)、「検 4」9 語(53%)、「検 5」15 語(58%)

 なお、乙・丙の a・b 群の日本語に由来した中国語は、「検 3 」が 10 語

(36%)、「検 4」が 16 語(43%)、「検 5」が 6 語(12%)である。

2.3 丁:日中異形同義のもの

 中国語に日本語との同義の同形はあるが、異形との併存か異形が主流と なっているものや、同形がなく異形だけのものがある。「検 3」には 55 語 あり、同義の甲・乙・丙・丁全体(267 語)の 21%を占める。

「検 3」(267 語):甲乙丙 212 語(79%)・丁 55 語(21%)

「検 4」(339 語):甲乙丙 281 語(83%)・丁 58 語(17%)

「検 5」(434 語):甲乙丙 332 語(76%)・丁 102 語(24%)

 以下、中国語の異形は拙稿(2018)・(2019)、および上記の甲・乙・丙 で述べた日本語と同様の場合は*を上付きで印し、『漢検四字熟語辞典 第 二版』と J 参考書に、見出し語ではなく類義語として挙げられるか、ある

(13)

いは解説で挙げられているものと同様の場合は、斜体で示す。そして、類 義語として挙げられるか、あるいは解説で挙げられているものものを❶、

それ以外のものを❷として区分して挙げる。

 a 日本語が使用頻度 3 桁以上の M レベルのもの

冠婚葬祭

3,・冠婚葬祭 333 → 冠婚

祭〇 2,

平穏無事

302・ →

平安无事⦿28, 複雑多岐

137・复杂多岐 16 → 复

380,

変幻自在

1,・变幻自在 43 →

变幻自如 166 取捨選択

1,・取舍选择 5, →

选择取舍 10, 孤軍奮闘

995・孤军奋斗 2, →

孤军奋战⦿53, 感慨無量

634・感慨无量 133 → 感慨无穷 335

良妻賢母

462・良妻贤母 1, →

贤妻良母〇 39, 支離滅裂

441・支离灭裂 383 →

支离破碎⦿237, 生殺与奪

257・生杀与夺〇 180 → 生杀予夺⦿16,

諸説紛紛

1 +諸説紛々 67・诸说纷纷 56  →  众说纷纭⦿56,

 a 群は 11 語ある。❶の異形の 3 語は『漢検四字熟語辞典 第二版』など に挙げられているので、異形であっても中国語学習に活用できるのであろ う。なお「平穏無事」や、日本語と同形で使用頻度が 2 桁以下のものは、

実際に中国では使われないので、一字の違いでも注意すべきである。❷の 異形の 8 語は日本語にないため、「取捨選択」のように語順の異なる「选择 取舍」の方がよく使われることや、一文字の違いがあることなど、学習に 日中の異同の説明が必要である。

 「検 3」の丁の中国語の難易度は、下記の数値の示すように、「検 4」・「検 5 」よりやや高いが、M・H レベルのものが 7~8 割を占め、2 語以外は 4 桁以上の使用頻度のものなので、甲・乙・丙の a 群と同様にほぼ活用でき る。但し、異形なので、日中両語の混同も生じ易いのであろう。

(14)

a 「検 3」11 語(丁の 20%)

 M11/100%・H0/0%・P0/0%:M4/36%・H4/36%・P3/27%

「検 4」10 語(丁の 17%)

 M10/100%・H0/0%・P0/0%:M4/40%・H4/40%・P2/20%

16)

「検 5」15 語(丁の 15%)

 M15/100% H0/0%・P0/0%:M5/33%・H6/40%・P4/20%

 b 日本語が使用頻度 2 桁以下の M レベルのもの、H レベルのものと 3 桁 以上の P レベルのもの

粗衣粗食

40・粗衣粗食 64 →

⦿3,

気炎万丈

8・气炎万丈 1 → 气焰万丈⦿361 大安吉日 160・大安吉日 13 → 黄道吉日

⦿7, 片言隻句 69・片言只句 252 → 片言只

⦿20, 脚下照顧 23・脚下照顾 8 → 照顾脚下◌ 36 勤倹力行 10・勤俭力行 52 →

节俭

力行

〇 327 怒髪衝天 3・怒发冲天 100 → 怒发冲冠⦿16, 遠慮近憂 1・远虑近忧 476 → 人无远虑必有近忧〇 2, 好事多魔 0・好事多魔〇 285 →

好事多磨⦿13,

潜移暗化 0・潜移暗化⦿542 →

潜移默化⦿1124,

不老長寿 507・不老长寿 328 →

长生不老⦿45,

❷ 証拠隠滅 3965・证据隐灭 24 →

隐灭证据 275

応急措置 1970・应急措置 67 →

应急措施◌ 184,

終始一貫 330・终始一贯〇 190 → 始终一贯〇 9, 職権濫用 24・职权滥用 6, →

滥用职权◌ 220,

意気衝天 7・意气冲天 50 → 豪气冲天 6, 進取果敢 6・进取果敢 117 → 果敢进取 226

 b 群は 17 語ある。❶が 10 語、❷が 8 語である。❶の「脚下照顧」は、中 国語であれば述語+目的語という語順なので、「照顾脚下」の方が辞書に収

(15)

録されている。❷の「職権濫用」も同様に「滥用职权」なら辞書に収録さ れ、使用頻度も「职权滥用」より格段に高い。

 一方、丁の b 群の日本語の M・H レベルのものは、それぞれ 2 語( 12

%)、15 語(88%)あり、P レベルのものがないため、「検 4」・「検 5」よ りやや易しいように思われる。

b 「検 3」17 語(丁の 31%)

 M2/12%・H15/88%・P0/0%:M3/18%・H3/18%・P11/65%

「検 4」20 語(丁の 34%)

 M7/35%・H11/55%・P2/10%:M3/15%・H5/25%・P12/60%

「検 5」30 語(丁の 29%)

 M12/40%・H16/53%・P2/7%:M8/27%・H6/20%・P16/53%

 そのうち、日本語の使用頻度が 1 桁以下のものが、7 語(41%)を占め、

「検 4」の 9 語(45%)、「検 5」の 15 語(50%)よりは、認知度が高いと 言えよう。

 このように、丁の a・b 群の 28 語(丁の 51%)に関しては、a 群(11 語)

とともに、b 群の使用頻度が 3 桁以上であれば 29%( 5 語)が、2 桁以上 であれば 59%(10 語)が、中国語学習に活用できると思われる。

 「検 3 」の丁の b 群の活用可能値は、2 桁以上であれば、「検 3 」の甲① と甲②の b 群の活用可能値(42%・43%)より 16~17%高くなる。なお、

下記の数値が示すように、丁の b 群の日本語の認知度は 1 桁以下のものが 多いため、乙・丙の b 群より低いと言えよう。

【日本語使用頻度が 1 桁以下のもの】

丁の b 群:「検 3」7 語(41%)、「検 4」9 語(45%)、「検 5」15 語(50%)

乙・丙の b 群:「検 3」5 語(25%)、 「検 4」7 語(25%)、 「検 5」12 語(34%)

甲①の b 群:「検 3」12 語(55%)、 「検 4」20 語(67%)、 「検 5」19 語(70%)

甲②の b 群:「検 3」7 語(58%)、 「検 4」9 語(53%)、 「検 5」15 語(58%)

(16)

3.戊:日中異義のもの

 「検 3」では日本語に対応しながらも異義であると判明したものは 10 語 ある。「検 5」・「検 4」・「検 3」全体で 53 語あるが、「検 5」の戊が最も多 い。

「検 3」(277 語):甲乙丙丁 267 語(78%)・戊 10 語(4%)

「検 4」(347 語):甲乙丙丁 339 語(83%)・戊 8 語(2%)

「検 5」(469 語):甲乙丙丁 434 語(76%)・戊 35 語(7%)

 以下、これまでの調査と同様に、日本語と中国語の意味の相違を、㊀中 国語には日本語の指す意味がないもの、㊁日本語には中国語の指す意味が ないもの、㊂日中の両者の意味の解釈が異なるもの、の 3 つに区分する。

ここでは、辞書の記述を参考までに引用し、類別の㊀㊁㊂を記すことに止 める。日本語と中国語で対応しない意味に下線を付す。また、日本語の私 訳は〈 〉で示す。

 a 日本語が使用頻度 3 桁以上の M レベルのもの

換骨奪胎

165・换骨夺胎〇 294

(「外形はもとのままで中身を取りかえること、また、外見は同じでも内 容が違うこと。本来詩文の創作法の一つとして、古人の作品に創意を加 えて独自の作品とすることをいったが、転じて、先人の作品の一部を変 えて、新しい発想によるもののように見せかける意に用いられることが 多い。」)

 戊の a 群は 1 語あるが、上記の下線を引いた部分の日本語で意味が派生 したものなので、中国語にはないのである。

a 「検 3」1 語(戊の 25%)M2/100%:M0/0%・H0/0%・P1/100%

「検 4」2 語(戊の 25%)M2/100%:M0/0%・H1/50%・P1/50%

「検 5」7 語(戊の 20%)M7/100%:M3/43%・H1/14%・P3/43%

(17)

 b 日本語が使用頻度 2 桁以下の M レベルのもの、H レベルのものと 3 桁 以上の P レベルのもの

㊂ 炉辺談話 21・炉边谈話◌ 1,

日「いろりのそばでくつろいでする、うちとけた話。」中「炉边谈话是美 国总统罗斯福利用大众传播手段进行政治性公关活动的事例之一。……」

(bb)<「炉辺談話」アメリカの F. ルーズベルト大統領がメデイアを利用 して行った政治的演説の事例の一つである。……>

 戊の b 群も 1 語ある。上記の日中の意味解釈を比較すれば分かるように、

中国語の意味は出来事を翻訳したものであり、日本語の意味は元の事例か ら転じた用法である。

b 「検 3」1 語(戊の 10%)

 M0/0%・H1/100%・P0/0%:M0/0%・H0/0%・P1/100%

「検 4」0 語(戊の 0%)

「検 5」7 語(戊の 20%)

 M4/57%・H3/43%・P0/0%:M2/29%・H1/14%・P4/57%

 日中の同形異義のものは、字形から覚えると混同が生じるが、日中の異 義に注意すれば中国語学習に活用できると言えよう。

4.己:対応のないもの(翻訳語で対応するもの)

 本調査で有力な資料などが得られず、中国語の成語・熟語のままで対応 せず、翻訳語で対応するものと判断した己類のものは、「検 3」では 34 語

(全体 311 語の 11%)ある。「検 4」の 70 語(全体 417 語の 17%)と「検 5」の 145 語(全体 614 語の 24%)より少ない。

 なお、己の「検 3」の中の「鯨飲馬食」「帆腹饱满」の出典について『漢 検四字熟語 第二版』ではそれぞれ『史記』の「範雎伝」、陸游の『入蜀 记』とされているが、筆者の調査では出典となる部分が見出せず、また中 国では現在使われていないため、己に入れることにする。また、「神算鬼

(18)

謀」は近年日本アニメの影響で、使われることがあるが、一般化されてお らず、中国語の「神机妙算」がそれに相当する翻訳語であると考えられる。

5.まとめ

 以上、「検 3」に関する日本語と中国語の比較調査について述べてきた。

今回の乙・丙の M・H・P レベルの見直しにより、拙稿(2018)・(2019)

の結論を修正して、以下の 2 点が指摘できるのではないかと思う。

 (1) 拙稿( 2019 )の結論と同様に、日中両語の学習レベル( M・H・P レベル)には齟齬があり、日本語も中国語も必ずしも、「検 3」のレベルの 値からみる難易度が一律に「検 4」・「検 5」より高くなるとは限らない。

 (2) 中国語学習に日本語の知識を活用できる可能性の高いものは甲① a の a 群に止まると考えていたが、今回、日本語の使用頻度が 2 桁以上であ れば活用できるのではないかと考え、乙・丙の M・H・P の修正結果を含 めて集計した。「検 3」の場合は、甲・乙・丙・丁の a 群に加えて、甲①の b 群 43%(10 語)、甲②の b 群 42%(5 語)、乙・丙の b 群 75%(15 語)、

丁の b 群 59%( 10 語)が、中国語学習に活用できる可能性があると言え る。注意すべきは乙・丙と丁の b 群の方が、甲①・甲②の b 群より活用の 可能性が高いことである。その点に関して修正した報告であるが、「検 4」

の場合は、甲①の b 群 33%(10 語)、甲②の b 群 47%(8 語)、乙・丙の b 群 75%(21 語)、丁の b 群 55%(11 語)が活用の可能性があり、「検 5」

の場合は、甲①の b 群 30%(16 語)、甲②の b 群 42%(11 語)、乙・丙の b 群 66%( 23 語)、丁の b 群 50%( 15 語)が、活用の可能性があると言 える。つまり、「検 3 」と同様に、「検 4 」・「検 5 」も、乙・丙の b 群と丁 の b 群の方が甲①・甲②の b 群より活用の可能性が高いのである。

 なお、試みに『例解小学四字熟語辞典(新装版)』(以下「例解小学」と 略称)に収録されているかどうかを調べたところ、次のことが判明した。

つまり、甲・乙・丙・丁・戊の a 群は、甲①の「検 5 」( 27 語)の 26 語

(19)

( 96%)を除いてすべて「例解小学」に収録されており、また、甲・乙・

丙・丁・戊の b 群は戊を除いて、甲①は 39~46%、甲②は 46~58%、乙・

丙は 60~71%、丁は 50~59%が収録されている。このことは、乙・丙の b 群と丁の b 群は甲①・甲②の b 群より活用の可能性が高いという今回の結 論と一致している。

 さて、今回の結論が漢検のすべての四字熟語についても妥当するだろう か。今後、「検準 2」などについても調査を行うことにしたい。

1) 楊華(2015)は中国語教育における常用四字格(成語と成語以外の四字熟語)

の学習について「日本語の四字漢語と対照しながら学習した方が効率的だ」と指摘 している。筆者も日本人の中国語学習者が日本語の「四字熟語」の知識を活用し て、中国語の成語を効果的に習得することがどの程度可能であるかを検討する必要 があると考え、『漢検四字熟語辞典 第二版』(約 4000 語を収録)において「検定 5 級」「検定 4 級」と記されたものを対象として、日中の辞書やデータベースなどを 精査して、日中常用四字成語・熟語に関する対照研究を報告した。

2) J 参考書:『四字熟語辞典 厳選 1100 語』(金田一秀穂)と『実用四字熟語新辞 典』(精選 945 語)。

3) 拙稿(2019)と同様に、主としてウェブサイト『CNKI 中国知網』にある「 国工具书网络出版总库(中国参考図書データベース、1973 年以降)」(「CNKI 辞書 類 DB」と略称)に網羅されている、成語を含む各種辞書と、ウェブサイト「百科 辞書(bc)」「百度百科(bb)」「百度漢語(bh)」などによる検索で行った。また、

用例数の調査はこれまでと同様に、『CNKI 中国知網』にある「中国学术文献网络 出版总库(中国学術文献オンラインサービス)」(「CNKI 文献 DB」と略称)によ って行った。「CNKI 文献 DB」には「検 4」の調査時と同様に、「中国期刊全文数 据库(中国定期刊行誌全文データベース)」(1915 年以降)、「中国博士学位论文全 文数据库(中国博士学位論文データベース」(1984 年以降)「中国优秀硕士学位论 文全文数据库(中国優秀修士学位論文データベース」(1953 年以降)、「中国重要会 议论文全文数据库(中国重要会議論文全文データベース)」(1953 年以降)、「国际 会议论文数据库(国際会議論文データベース」(1981 年以降)「中国重要报纸全文 数据库(中国重要新聞全文データベース)」(2000 年以降)、「中国年鉴网络出版总

(20)

(中国年鑑オンライン出版総データベース)」(1949 年以降)が含まれる(下線 を付したものは「検 5」の調査時からのものである)。

4) C1 参考書:『中国語成語ハンドブック』(沈国威・紅粉芳恵他、2014、1204 語 を収録)、『中国語四字成語 慣用表現 800』(中国語検定準 1 級・2 級対応、林怡州、

2012)。J 参考書:『四字熟語辞典 厳選 1100 語』(金田一秀監修)と『実用四字熟 語新辞典』(精選 945 語)

5) 拙稿(2019)の注には不備があり、修正した部分に下線を引いて以下のように 正す。C2 参考書:中国語成語ハンドブック』中に挙げられている、見出し語と重 複しない近義・反義の成語、『現代漢語常用詞表』(四音節が 5855 語注 2   )、『精選中 国語成語辞典』上野恵司、2014)。

6) 一括して参考文献に記す。

7) 学生用成語辞書の選書変更に伴い、再度「検 5」の甲①か甲②かを調査した拙 稿(2019)の修正値である。修正前は、甲①は 117 語(50%)、甲②は 117 語(50

%)であった。以下に挙げる「検 5」の甲①、甲②に関する a・b・c・d 群の値は いずれも修正値である。

8) 日本語の四字熟語は、J 参考書のいずれにも収録されているもの( M レベル)

は太字で示し、そのいずれかに収録されているもの( H レベル)は で示す。一 方、それに対応する中国語は、C1 参考書に収録されているもの(M レベル)を太 字で示し、C2 参考書に収録されているもの(H レベル)を で示す。

9) 乙・丙の中国語の M・H・P に関する新基準で「検 4」「検 5」を計算し直した 数値。また、使用頻度も調査し直した。

10) 『大辞林 第三版』によれば、「時代錯誤」は〔「新しい言葉の字引」(1918 年)

に英語 anachronism の訳語として載る〕とある。

11) 中国語で「盛衰荣枯」(980 )とも使う。

12) 『精選版 日本国語大辞典』によれば、「潜在意識」は「〔英独仏和哲学字彙

(1912)〕」に載っている。

13) 「規制緩和」に対する翻訳語もある。例えば「放松制」(10,)や「放管制」

(3,)が挙げられる。

14) 『万条成语词典』には「一人当千 一个人的力量 , 可敌过千人。形容力气极大。

(一人の力が千人の力にも匹敵する意。非常に大きな力があること。」とある。使用 頻度が 21 ぐらいでかなり低い。

15) 「胆忠魂」(80)も使われている。

(21)

参考文献

(「学生用成語辞書 8 選」は*を記す。また、アルファベットは略称である。)

余清逸( 1989 )『実用大学语文词典丛书古汉语成语典故词典』*黑龙江人民出版社

(GCD

颜毓书主编(1986)『万条成语词典』黑龙江人民出版社(WC

郭迎春主编;汪小宁・张岩(2004)『新课标小学生实用成语词典』*世界图书出版西 安公司(XXSC)

黄金贵・徐应玉・张建红(2004)『新课标中学生实用成语词典』*世界图书出版西安 公司(XZSC)

张林川,李桂生,周春健 他(2005)『学生成语学习词典』*语文出版社 任超奇(2006)『新编学生多功能常用成语词典』*崇文书局

周春健・谭巧云・张友彬(2007)『中学生多功能成语词典』*中华书局 王涛ほか(2007)『中国成語大辞典』上海辞书出版社(ZCD 丁辛百(2008)『学生成语典故词典』*中华书局

陈壁耀主編(2009)『新编成语大词典』宁夏人民出版社(XCD)

林玉山主编;陈林茂・陈保存・陈皓 他(2007)『中华多用成语大辞典』湖南人民出 版社(ZDCD)

鲁小娟(2009)『初中生错别字病句大全』广西师范大学出版社

林怡州(2012)『中国語四字成語 慣用表現 800』(中国語検定準 1 級・2 級対応)三 修社

三省堂編集所編(2013)『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂

日本漢字能力検定協会編(2013)『漢検 四字熟語辞典 第二版』公益財団法人日本漢 字能力検定協会

上野恵司(2014)『精選中国語成語辞典』白帝社

汉语大字典编纂处・四川出版集团(2014)『多功能小学生成语词典双色版』*四川辞 书出版社

沈国威・紅粉芳恵+関西大学中国語教材研究会編(2014)『中国語成語ハンドブック』

白水社

楊華(2015)「中国語教育における常用四字格の学習 ― 日本語の四字漢語との対照 を通して」『コミュニカーレ 4 号』2015,pp101-120 同志社大学グローバルコミ ュニケーション学会

金田一秀穂監修(2017)『四字熟語辞典 厳選 1100 語』長岡書店 高橋書店編集部編(2017)『実用四字熟語新辞典』

学研辞典編集部(2018)『用例でわかる四字熟語辞典(改訂第 2 版)』)

(22)

兪鳴蒙(2018)「日中四字熟語・成語に関する調査研究」『摂大人文科学』第 25 号、

pp117-136 摂南大学外国語学部

兪鳴蒙(2019)「日中四字熟語・成語に関する調査研究(その 2)」『中國文學會紀要』

第 40 號、pp23-46 関西大学

『佛学大辞典』(『佛学大辞典』foxue.911cha.com(FXD)

【摘要】

本稿继前两稿(2018)(2019)之后,以《汉检四字熟语词典第二版》中的

“四字熟语 3

级”词语为研究对象进行了调查研究。前两稿研究认为,一些对汉 语学习有用的日语的四字熟语主要集中在甲类①(中国的学生成语词典里亦有收 录)の a 群里。此次研究首先对之前的研究方法进行了一些修正,把词频有十位 数以上的日语四字熟语都列入对汉语学习有用的可行度范围之内,并对非中国成 语的四字格乙·丙类词语的难易度标准另行设定。经此修改,本研究发现,

“四

字熟语

3

级”的词语,除了同形同义的甲·乙·丙类和异形同义的丁类 a 群,各 类 b 群之中大致有

40~70%的词语也可以对学习汉语起一定的作用。另外,本研

究还发现,日语四字熟语“4级”

“5

级”和

“3

级”一样,较之甲类 b 群词语,

乙·丙类和丁类 b 群词语的利用可行性更高一些。

(23)

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