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ネットの罠から学生を守ろう

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Academic year: 2021

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ネットの罠から学生を守ろう

―― 情報リテラシー涵養の重要性 ――

人文学部言語文化学科助教授 大野 圭介 [email protected] http://www.hmt.toyama-u.ac.jp/chubun/ohno/index.html

1 はじめに

学生の間でもパソコンはもはや必要不可欠な 道具となりつつある。私の所属する中国言語文 化コースの演習室にも、数年前からネットにつ ながったパソコンが配置され、授業のレジュメ もワープロソフトを用いて作成するのが当たり 前になってきた。文献検索や蔵書検索もネット 上から行えるようになり、各種の電子文献もネ ットで公開されるようになっている(私の運営 するサイトでも公開している)。

しかし多くの学生にとっては、パソコンは自 分で所有するにはまだまだ高嶺の花である。高 校では既に情報科が新設されているから、数年 後には大学へは一通りのパソコン技術を身につ けて入学してくるのが当たり前になっているこ とであろうが、現在の大学生にとっては、パソ コンは大学で初めて実際に触れるケースが多い といえる。

そうした実態を踏まえて、富山大学では教養 教育において情報処理科目が用意されているが、

そこでのカリキュラムはワードやエクセルの使 い方といった技術面の指導に重点が置かれてい るようである。それはもちろん大切なことであ るが、その一方でネットにあふれる「情報」そ のものへの向き合い方は十分に教えられている のであろうか。最近頻発している様々なネット 犯罪を始めとして、ネットをとりまく若者をめ ぐる事例を見ていると、そのあたりがどうも心 許ないような気がしてくる。このほか総合情報

処理基盤センターでも「Web による情報倫理教育 コース」を行っていて、受講しなかった場合ユ ーザーID 停止という形で、学生には受講を半ば 義務づけてはいるが、ネット犯罪については一 般論に終始し、果たして学生の心に残るかどう かは大いに不安である。その上教員の受講は任 意であったため、その存在すらほとんど記憶に 残らないまま終わってしまったのではなかろう か。学生自身が一般的なネット倫理を多少身に つけたとしても、日ごろ学生と接する教員の中 に、ネットに対して無防備かつ無知な人が少な からずいるようでは仕方がない。本稿ではいく つかの事例を挙げて、こうしたお寒い現状に対 して、いささか警鐘を鳴らすこととしたい。

2 スパムメールに躍らされる若者

インターネットをやっていれば、必ずといっ ていいほど目にするのが、頼みもしないのに送 りつけられる怪しげな広告・宣伝のメールであ る。その多くは成人向け商品やサイトの宣伝で あったり、ヤミ金融や「サイドビジネス」の案 内であったりと、一読して胡散臭さを感じるも のである。このように一方的に送りつけられる 広告や宣伝のメールはスパム(spam)メールと呼 ばれている。

ある程度社会経験を積んだ大人であれば、こ んなものは一蹴して相手にしないに違いない。

この大学でも某F社から執拗にかかって来るマ

ンション投資勧誘の電話に頭を痛めている人は

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多いと思うが、よほど金が余っているお人好し でもない限り、このぶしつけな電話にほいほい 応じて大金を投ずる人はまずおるまい。

ところが学生にこれと同じことは期待できな い。社会経験のない学生の中には、ちょっと甘 い言葉が書いてあるだけで、それを鵜呑みにし て誘いに乗ってしまう人が少なくないのである。

以下に実例を挙げてみたい。

2.1 ネズミ講メール

1996 年から 2000 年頃にかけて猖獗を極めた、

「マネーゲーム」 「リピート・スリー」等と称す るネズミ講への参加を呼びかけるスパムメール

( http://www.kumat.com/hennamail/spam/case _moneygame.htm 等に実例がある)には、批判精 神を持たない多くの若者が躍らされた。あちこ ちの無料サーバーにネズミ講参加を呼びかける サイトが林立し、中には「友達を誘ってみたら

『絶対やる!』と乗って来た。そこで金を振り 込んでみたけれどもなかなか儲からない」とい う「体験談」を載せた、笑えないサイトもあっ た。

これらのネズミ講は、2001 年 1 月に初の逮捕 者が出て、その後も摘発が相継いだため、今で は表立っては見られなくなったが、ネットオー クションで「金が儲かる方法」などと称した「商 品」を売るという形で、隠れてネズミ講を開設・

勧誘する輩はまだいるようである。しかしネズ ミ講は開設や勧誘はもちろん、参加しただけで も無限連鎖講防止法違反の罪に問われる。会員 が無限に増加しないと儲からないシステムであ り、地球の人口に限りがある以上いずれ破綻す るのは自明で、社会への悪影響が大きいからで ある。

ネズミ講が下火になる一方で、マルチ商法や マルチまがい商法などの怪しげな「ビジネス」

への勧誘メールはいまだ後を絶たない。次に挙

げるのは最近私のところに届いたスパムメール である。

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これで駄目ならビジネスなんて何をやっても無 駄です!

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金に困っている学生には、こういう「楽して儲

かる」文句を見ると、一も二もなく飛びつく人

が少なくない。しかしここで宣伝している「マ

ル秘情報」は、かつてネズミ講の隠れ蓑として

の「商品」に使われていた、法を潜り抜けるた

めの裏技集であり、ちょっと検索をかけてみれ

ば、無料で公開しているサイトもすぐに見つか

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る、もはやマル秘でも何でもない代物である。

しかもこれらを子会員に販売して広めていくシ ステムであるから、ネズミ講と同じくいつかは 飽和してしまうものであり、50 万円の月収など 到底実現不可能である。その上掲示板への宣伝 書き込みはマナーに反する迷惑行為であり、こ のような行為を続ければプロバイダから会員資 格を停止され、ネットの嫌われ者となるだけで ある。無論宣伝効果などありはしない。それこ そ「こんなエセビジネスなんて何をやっても無 駄」なのであるが、社会経験が乏しい主婦や学 生の中にはコロリと騙される人がいるのである。

まさに「貧すれば鈍す」である。

2.2 デマ情報メール

一方、デマ情報を流す悪質なメールも存在す る。ニセのウィルス情報を「できるだけ多くの 人に伝えてほしい」と流すものには、多くの人 が引っ掛かったし、最近でもみずほ銀行をかた って「インターネットバンキング用のパスワー ドファイル」と称する添付ファイルを実行させ ようとするスパムメールが報告されている。こ れは添付ファイルの実行によって、何らかの情 報を盗み出したり、他のパソコンへ攻撃を仕掛 けるための「踏台」にするプログラムを仕込も うとしていると見られる。

これに類するものに「チェーンメール」があ る。かつての「不幸の手紙」の電子メール版と いうべきもので、恐ろしい文面の後に「このメ ールを○人に回さないと不幸が訪れる」と書い てあるメールが、若者の間で蔓延している。不 幸をうたうものだけではなく、反対に「幸福が 訪れる」 「恋がかなう」などとうたうものや、 「ド ラえもんの最終回」といった他愛のないジョー クもあるが、共通しているのは「一定時間内に 複数人に回せ」という文句があることである。

この文句があれば、どんなにもっともらしいこ

とが書いてあっても、それはまずデマと考えて よい。

チェーンメールは悪意のあるものばかりでは なく、中には善意から起こったものもないわけ ではない。しかしこれも広まればかえって迷惑 と化す。「××病院で Rh マイナスの血液が不足 している。多くの人にこのメールを回して提供 を呼びかけてほしい」というチェーンメールが 流れた事件が実際にあったが、その結果は患者 を助けるどころか、病院に問い合わせが殺到し て業務に支障を来たすことになってしまった。

またアメリカのアフガニスタン攻撃やイラク攻 撃の際にも、反戦署名を求めるチェーンメール が流れ、少なからぬ文化人や学者も参加し、マ スコミの中にも好意的に報道したものがあった が、国連は「このような形での署名運動は行っ ていない」と火消しに躍起であったし、ネット ワークにも無用の負担がかかり、自己満足だけ の迷惑行為であることに変わりはない。

たとえ善意の内容であっても、チェーンメー ルは禁じ手であり、これに参加したり、これを 用いて広報を行なったりするのは、迷惑行為以 外の何ものでもない。マスコミでさえこの問題 には呆れるほど無知であるから、我々一人一人 が肝に銘じるほかはない。

2.3 架空請求メール

そして今なお止む気配がないのが「架空請求 メール」。使ってもいないアダルトサイトなどの 使用料をでっち上げ、脅迫じみた文句で支払う よう要求するものである。マスコミでもしばし ば報道され、すっかり社会問題となっているの で、ご存じの方も多いと思う。

これらのメールの特徴ははっきりしている。

・個人名あてで書かれていない。

・利用したサイト名が曖昧。URL も書かれていな

い。

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・ 「何を」 「いつ」 「どのくらい」利用したという 具体的な明細がない。

・脅迫的な文句が並んでいる。しかも大抵の場 合力みすぎたあまり文章が稚拙である。

・振込先の口座が個人名である。

こういった特徴があれば、架空請求と見て間違 いない。そもそも正当な請求であれば、文書で するものであり、誰に送ったかもわからないメ ールでするはずはない。

それにもかかわらず架空請求メールを受け取 って縮み上がってしまう若者は後を絶たないし、

逮捕者も出ているのに、一向に下火になる気配 がない。手口も次第に巧妙化し、口座名を書か ずに「連絡しろ」と携帯電話番号だけを書いて いるものや、 「あなたのパソコンが大変なことに なっている。至急連絡を」と偽って(こういう ものは意味もわからず専門用語を並べ立ててい て、滑稽極まりない代物である)、とにかく電話 をさせようとしているものもある。電話すれば もちろん「金出さんかい!」とすごまれること になるし、そうでなくても氏名・住所・電話番 号・メールアドレス等の個人情報をまとめて得 体の知れない人物に取られてしまうことになり、

それをもとに、今度は個人名入りの、より「信 憑性」が高く見える、新たな架空請求を送りつ けられる可能性もある。

偽名口座を用意してメールをばらまきさえす れば、あるいはちょっと電話を受けてすごめば、

疑うことを知らない若者はどんどん金を振り込 んでくれる。元手はほとんど必要ない。まさに

「楽して儲かる」からこそ下火にならないので あり、若者は被害者になるだけではなく、ちょ っとしたはずみで加害者になる恐れさえあるの である。

【対策】

こうしたものに引っ掛からないためには、と

にかく「うまい話は転がっていない」 「儲け話に は裏がある」という、昔から言い古されたこと を、改めて学生に徹底していくのが急務であろ う。ネットの世界とてこの点は現実世界と何ら 変わりはないのである。

そしてもう一つ徹底しておきたいのは、 「スパ ムメールは絶対に相手にしない」ことである。

スパムで宣伝するのは、他にまともな宣伝方法 がないからであり、自ら怪しいものだと白状し ているようなものである。スパムで宣伝してい る会に加入したり、商品を購入したりしないの はもちろん、返信も避けた方がよい。返信すれ ばそのアドレスが生きていてメールを読んでも らえると相手に知らせることになるからである。

また架空請求に関しては、 「ほいほい金を支払 う前によく調べてみる」という習慣を身につけ させることが大切である。少しネットで検索し てみれば、類似の事例は山ほど見つかるはずで ある。特にアダルトサイトを利用した経験のあ る人は、 「あの時見たサイトでは?」と余計に不 安になる傾向があるが、いつどんなサイトを見 たかをしっかり覚えていれば、ニセ請求である ことはすぐに見抜ける。アダルトサイトに行く なら、几帳面になることは必須の条件である。

さらに日頃学生と接する我々の方でも、情報 収集を怠ってはならない。これはネット上の出 来事ではないが、数年前のある飲み会の席で、

一人の学生が「アムウェイの説明会に誘われて 行ったら、説明していた人は月収 100 万円でベ ンツを乗り回していた。学生は参加禁止なので、

卒業したらやってみたい」と言っていたのに対 して、若い教員がこともあろうに「あんたも頑 張らないと!」とけしかけていた。私はすかさ ず「あれは批判の多い商法だ」と注意しておい たが、当の学生はそうと信じたくない様子であ った。どんなに学生生活委員会が頑張っても、

教員一人一人がこのように無知であったらどう

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にもならない。最近も首都圏の大学で「ウィー ズ」なるマルチ商法の被害が広がっているとい う。帰省シーズンが終わった今、地方に拡大す る可能性もないとはいえない。私はこの一件以 来、コースのホームページと自分のホームペー ジに、マルチ・マルチまがい商法批判や悪徳商 法 関 係 の リ ン ク 集 を 載 せ て い る ( URL は http://www.hmt.toyama-u.ac.jp/chubun/link.

htm)。ぜひ御覧になって、最低限の知識は身に つけていただきたい。

3 アダルトサイトの罠

性欲は食欲とともに人間の最も根源的な欲求 である。ましてやその最も旺盛な時期に、それ を禁止してしまうことはどだい不可能である。

故にアダルトサイトの存在そのものを否定する つもりはないし、学生に見るなと言う筋合いも ない。

ただしこれには「安全なサイトである限り」

という条件がつく。「安全でないアダルトサイ ト」にうっかり立ち入ろうものなら、自分が困 るばかりか、周囲にも甚だ迷惑をかけることに なるからである。

アダルトサイトの罠で最もよく知られている のは「不正架電」であろう。 「無修整画像を見る にはこの専用ソフトをダウンロードして下さ い」などという文句につられてクリックすると、

プログラムのダウンロードが始まり、これをイ ンストールすると、電話回線の接続先が海外に 変わってしまい、後で高額の国際電話代を請求 されるというものである。この手口も次第に巧 妙化し、「ENTER」をクリックしただけで接続先 を変えられてしまうというケースもある。

大学のパソコンはダイヤルアップで電話回線 につなぐのではなく、専用線を利用しているか ら、たとえ不正架電に引っ掛かっても、国際電 話につながって金銭的被害が生じることはない。

しかしパソコンを起動すると自動的に立ち上が る変なプログラムを仕込まれるから、パソコン の動作に支障が出る。中国言語文化コースでも 演習室のパソコンが起動できなくなる事態が頻 発し、調べてみると不正架電で書き換えられた 国際電話接続がいくつも見つかった。これは一 旦やられると原状回復は容易ではなく、結局再 インストールをする羽目になった。不正架電サ イトを見た犯人は不明であるが、ネットに対し て無知な者の仕業であることは間違いない。

不正架電以外にも、悪意のあるプログラムで ある「トロイの木馬」を仕掛けられたりする可 能性もあるし、スパムメールで宣伝しているア ダルトサイトをクリックして閲覧すると、どの アドレスに送ったメールから閲覧したかわかる ような仕掛けになっていることもある。これに 引っ掛かるとその後大量のアダルト宣伝スパム に悩まされることになるであろう。

また出会い系サイトもアダルトサイトととも にスパムで盛んに宣伝されているが、スパムで 宣伝しているようなところはまず悪徳業者だと 考えてよい。既述の通り、スパムは他にまとも な宣伝手段がない者のすることであって、それ 自体が胡散臭さを物語るものである。本当に真 面目な出会い系サイトは、スパムによる宣伝な ど行わなくても、真剣に出合いを求める多くの 会員が集まっているのである。

【対策】

アダルトサイトによる被害を防ぐには、学生 に

・大学のパソコンでは閲覧しない。見るなら自 分のパソコンで。

・「無修整」などのうまい文句は相手にしない。

うまい話は罠だと心得ること。

・見るなら几帳面になること。どのサイトをい

つどのくらい見たかを覚えていないと、後で何

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か起こった時に対処できない。

・出会い系サイトも性的な文句で宣伝している ところや、性的な書き込みの多いところは罠だ と心得ること。美人局

つ つ も た せ

の被害も多数報告されて いる。

・スパムメールで宣伝しているサイトには絶対 に行かないこと。

を徹底する必要があろう(無論教員も守らなけ ればならない)。学生はもはや「寝た子」ではな い。情報処理教育でもこうした内容はぜひ盛り 込んでほしいと思う。

4 おわりに

さまざまなネットの罠を紹介してきたが、こ のようなものに引っ掛からないための最大の武 器は、ネットでの経験と情報の総合力である。

前者は言うまでもないことであるが、学生にと って重要なのはむしろ後者である。

スパムメール反対運動を唱える各種サイトに は、架空請求メールに関する若者からの相談が 後を絶たない。そのあまりの多さに、サイトの 管理者は架空請求の例と対策を解説した専門の ページを作って、 「架空請求はまずこのページを 読むように」と案内している。それにもかかわ らず、彼らは「不安だ」 「どうすればよいのか」

と掲示板に書き込んで来るのである。

彼らの相談で目立つのは、 「解説ページにある 例と文面が違っている。本当に無視していいの か」という質問である。彼らは自分が受け取っ たのと「一字一句全く同じ」例が「架空請求」

として挙げられていないと安心しないのである。

解説ページには「利用したアダルトサイト名が はっきりしない」「日時や利用時間の明細がな い」 「受取人名が書かれていない」などのわかり やすい特徴が書かれているのに、彼らには全く 猫に小判のようである。

これもひとえに、 「情報を集める」ことまでは

知っていても、 「集めた情報を分析・総合する」、

即ち「情報リテラシー」が欠如している故に起 きる悲劇であろう。受け取ったメールの特徴を 分析して、実例の特徴と照らし合わせ、自分で 判断するというプロセスを踏まずに、ひたすら 他人に判断してもらうことで安心しようとする、

実に安直な気質がうかがえるのである。学生に 限らず、教員の中にも、ことコンピューターに 関する限りこういう安直な態度を取る人が少な くないが、それではいつまでたってもネットに 対して無知かつ無防備なままであり、学生をネ ットの罠から守ることなど到底覚束ない。

結局情報処理教育はネットの仕組みとブラウ ザやメーラーの使い方を教えるだけでは全く不 十分であるといえる。それはあたかも自動車の 仕組みと運転技術を教えただけで、交通法規や マナーを教えずにドライバーを路上にほうり出 すようなものであり、ネットを安全に使いこな せるようになるには、ネットをとりまく恐ろし い現状(それも具体例を挙げなければ、学生の 頭には残らない)と、それへの対処法を十分に 教育される機会を設ける必要があろう。そして 我々も、ネットに入ることは開拓時代のアメリ カ西部に乗り込むのと同じだと心得て、あちこ ちに潜む「敵」を十分に知っておかなければ、

学生を危険から守ることはできない。

事はネットにとどまらない。情報を集め、特 徴を分析し、その結果を総合し、自分で判断し て結論を下すことは、まさに学問の根幹である。

こういうことができる能力こそ学生に一番身に つけてほしいことだと、私は思っている。辞書 や参考書や Web サイトを鵜呑みにして、ただ引 き写しただけで事足れりと思っている学生に、

いかに「自分で考える」ことの重要性を教育で

きるか。ネットにおける情報リテラシーを涵養

する上でも、また文部官僚が最近好んで口にす

る「生きる力」を養う上でも、このことは大き

(7)

な課題であろう。

(参考になるサイト)

「新・変なメールを受け取ったら」

http://www.hennamail.com/

スパムメールや架空請求メールなどの「変なメ ール」に関して、その性質と対策を解説する。

特に若者に対して、不用意に変なサイトに入ら ないことや、怪しげな情報をすぐ鵜呑みにしな いこと、自分でよく考えて判断することを説い ているのは好感が持てる。学生に薦めるには一 番のサイト。

「ネット被害対策室」

http://www002.upp.so-net.ne.jp/dalk/higai.

html

ネット詐欺・架空請求・アダルトサイト被害な どの、ネット上のトラブル全般についての傾向 と対策を載せる。掲示板での相談受付も可能。

メールマガジンも発行している。

「迷惑メール(spam)撲滅私的調査会」

http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam-j .html

スパムメール反対運動の総本山的存在。 「スパム メールはなぜいけないか」や、スパムメールへ の対抗策を懇切丁寧に解説する。掲示板の情報 も充実している。

「情報モラルを学ぼう」

http://www.wmc.gr.jp/security/index.htm 悪徳通販サイトや悪質アダルトサイトの罠を

「仮想体験」できるサイト。

「インターネット・ネズミ講の研究」

http://f28.aaacafe.ne.jp/%7Ekenpei/mouse.h tml

ネット上でのネズミ講について、実例の分析や、

それらの主張する「理論」のおかしさを掲載。

ネズミ講サイトへのリンクもあり、ネットネズ

ミ講の実例を知るには最適のサイト。

参照

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