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学生支援局 Three-S について

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Academic year: 2021

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はじめに

学生支援局 Three-S は、東日本大震災で被災した地域に対して、学生が主体となり復 興支援活動を行う団体として設立されました。2011 年より活動を開始して 2015 年で4年 目を迎えました。設立後約2年間の1~3期(2011 年6月~ 2013 年 12 月)の活動は学 内でのチャリティータオルの販売や、手話団体と協力しチャリティーイベントを開催し ました。また、募金活動や冬服、髪飾りを被災地に提供する直接的な支援活動を行いま した。同時に震災の風化を防ぐため写真展の開催、学園祭で東北のご当地グルメの販売、

といった関東からの間接的な支援も行ってきました。また関東に住んでいる広域避難者 の支援や、他大学と連携して東北への学生の派遣活動も展開してきました。

今回寄稿させていただく文章は、4期(2013 年 12 月~ 2014 年 12 月)5期(2014 年 12 月~ 2015 年 12 月)の活動報告です。そのことに加えて、震災から4年が経過し、被 災地も関東も変化している状況で、今後どのように活動を継続させていくべきなのかに ついて、私たちの考えをまとめさせていただきます。

学生支援局 Three-S について

◆概要

「東日本大震災復興支援プロジェクト学生支援局 Three-S」は、2011 年6月7日、立教 大学新座キャンパス内において学生有志5名によって設立されました。「Three-S」とは、

「Support Station by Student」の略称で、「学生による復興支援の場」という意味です。

Three-S は、立教大学コミュニティ福祉学部「東日本大震災復興支援プロジェクト」

と連携を重ねながら活動の幅を広げ、2015 年現在、40 名以上の登録者を擁しています。

Three-S では、復興支援に対する想いを持ちながらも、一歩を踏み出さず、実現せずに いる学生のことを考えながら「学生にできる復興支援」をコンセプトに、先輩から後輩へ、

継続的に関われる復興支援活動を中心に展開しています。特徴としては学生主体の支援 活動を展開しており、企画の発案から具体化、実施、フィードバックまでを学生が独自 に行っています。

震災から5年目を迎えるにあたって、設立当初からの活動を通じて培ってきた被災地

学生支援局 Three-S

~設立、成長を経て、4年目の今とこれから~

第 4 期代表 多田 千紘

(福祉学科 4 年)

第 5 期代表 門倉 啓介

(現代心理学部映像身体学科 3 年)

在学生の活動報告

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とのつながりを大切にしながら、変化する被災地の状況を踏まえつつ新たな活動を企画 しています。2015 年度は「相手の今を知り、交流を続ける」「学ぶ∞活かす」という2つ の目標に沿って活動しています。

◆活動報告

現在の活動としては大きく分けて「風化防止」と「防災」と「定住支援」の3つがあ ります。以下は第4期から第5期の活動報告です。

風化防止

風化防止活動にはキャンパス内で行う活動と、実際に東北へ行く活動の2種類があり ます。

キャンパス内での風化防止活動

< 写真展 >

キャンパス内で行っている活動の1つが写真展です。Three-S では 2011 年から毎年、

学園祭 IVYFesta で写真展を開催しています。展示する写真は、主に現地活動で撮影さ れた写真であり、参加学生や東北在住の方から募集したものです。それぞれの写真一枚 一枚に、何の写真かが分かるようにコメントをつけて展示しています。写真展で現在の 東北の状況を伝えることで、今の被災地の状況と震災があったことを思い出してもらえ る活動になっています。2014 年度の来場者数は 237 名でした。2015 年度はコミュニティ 福祉学部東日本大震災復興支援プロジェクト主催の「復興支援トーク LIVE」でも写真を 展示していただき、より多くの学生の目に触れる機会となりました。写真展は、私たち の活動の記録でもあり、東日本大震災の風化防止のための大切な活動であると考えてい ます。

<石巻焼きそば販売>

もう1つのキャンパスでの中心的な活動は、石巻のご当地グルメである「石巻焼きそば」

の販売、お手伝いの活動です。関東に住む方が石巻を知る1つのきっかけとして、石巻 焼きそばがあると思います。私たちは販売活動を通して、学生ならではのパワーと元気で、

少しでも石巻を知ってもらうお手伝いができればと考えています。毎年学園祭 IVYFesta において、石巻焼きそばを学生のみで販売しています。2014 年度は2日間で計 669 食を 販売しました。売り上げは 234,370 円で、次年度の学園祭で行う石巻焼きそば販売の予算 として使用します。この活動は震災後より続いている、石巻焼きそばを PR する有志団 体「石巻茶色い焼きそばアカデミー」との交流が基盤になっています。Three-S では 2011 年からアカデミーの方々とのイベント等で、石巻焼きそば販売のお手伝いをさせて いただいています。2014 年度はお台場、池袋、東京ドームの計3か所、2015 年度は5月 にお台場フジテレビ、7月に石巻のイベントでの販売活動に参加しました。

<わかめプロジェクト>

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町の認知度を向上させることを目標とした企画です。新座キャンパス周辺のお祭りや学 園祭で、南三陸産のわかめやわかめ料理を販売することを当面の活動としています。

2015 年7月に新座北部第2地域(通称 : きたに)のお祭りである「きたにフェスタ」に おいて、南三陸産の塩蔵わかめと、南三陸に住む住民の方が制作した手芸品を販売しま した。売り上げは 40,250 円でした。この売り上げは今後の活動で販売する商品の仕入れ に使う予定です。

また南三陸を学生で訪れるツアーも行いました。4月に4人、6月に5人(うち引率 教員1名)の規模で行い、地元のわかめ漁師さんとの交流や、南三陸町の見学、地元住 民の方々と交流しながらわかめ料理の試作も行いました。これらの活動で得た知識やつ ながりを元に、学園祭におけるわかめ販売の計画を具体化させています。

実際に東北に行く風化防止活動

<石巻・女川ツアー>

実際に東北へ行く活動としては、石巻・女川ツアーという企画があります。企画発足 の経緯は、2014 年の時点で震災から3年が経ち、新座キャンパス内で震災の記憶の風化 が進んでいる、という現状がありました。そのことに加え、Three-S が行ったアンケー ト結果より、復興支援活動に参加したいが、実際に現地に行ったことはないという学生が、

新座キャンパス内に多く存在していることが判明しました。これらの背景を踏まえ、ま だ被災地へ行ったことのない学生にその地域の魅力を伝え、参加した学生が、新たな復 興支援活動を始めることを目標としてこの活動を企画、実施しました。また、この活動は、

実際に被災地に足を運ぶことで、被災地の今を知ってもらいたい、という思いも込めら れています。

2014 年度は、参加学生、引率スタッフ、教員の計 15 名で宮城県石巻市と女川町を訪 問しました。活動内容は石巻市・女川町の見学を行い、現地の方に被災されてから現在 に至るまでのお話を伺うことが主でした。加えて、震災後再開された「おながわ秋刀魚 収獲祭」にボランティアスタッフとして参加させていただくことができました。結果と して、ツアー後も継続的に支援活動に参加する学生を輩出することができ、また、収獲 祭に参加したことで、これから復興へと向かっていく女川町の様子を垣間見ることもで きました。2015 年度もこのツアーは開催する予定です。

▲2014年度写真展の様子写真を 地域ごとに分けて展示している。

▲2014年度IVYFestaでの石巻 焼きそば販売

▲きたにフェスタでのわかめの 販売活動

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防災

<HOPE~体験型防災演習~>

HOPE(Hands On disaster Prevention Exercise)は、Three-S が主催する防災を学ぶ イベントです。被災された方の「東日本大震災の経験を伝え、活かさなければいけない」

との言葉を受けて、被災地での活動を通し、日常的に災害に備えることの必要性を感じ た学生によって立ち上げられました。

2014 年3月から 2015 年8月までの時点で3回実 施し、計 34 名の学生を集め、防災知識と謎解きゲー ムを組み合わせた防災レクリエーションを実施しま した。参加者に一定の満足度は与えることはできま したが、実際に防災に興味を持つようになったかは 分からず、今後の課題であると感じています。2015 年度からは、新座地域との連携も視野に活動を行う 予定です。

定住支援

< Joy Study Project >

新宿区内に被災地から避難されてきた方たちへの 支援を行う学生ネットワークです。立教大学池袋 キャンパス・新座キャンパス、東洋大学、法政大学 など首都圏の大学生が集まり運営しています。主に 月1回、地域の方々、子どもたちが集まる「さんさ ん広場」というサロン活動を行っています。

活動当初は、避難者への支援を目的としていまし たが、現在は復興支援というよりは、被災した方々 に向けて地域に溶け込めるよう支援する「定住支援」

と、地域が避難者を「住民」として受け入れられるよう支援する「地域支援」の2つの 側面があります。学生が主体となっている活動ですが、立教大学コミュニティ福祉学部 東日本大震災復興支援プロジェクトのサポートを受けながら活動を展開しています。

▲門脇地区にある日和山付近を見学 ▲収獲祭にて無料配布されていた女川の秋 刀魚

▲防災のキーワードを導くための謎解 きをしている

▲さんさん夏祭りの様子

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現在の活動方針は「在住支援・縁・円」であり、毎月のサロン活動に加え季節ごとのイ ベントも実施しています。2月には冬祭りも企画しており、住民同士で交流する場とな るはずです。

Three-S としての活動の継続

Three-S は上記の活動を通して、東北の方との交流を続けさせていただいています。

その中には、震災後から今に至るまで4年間関係を保ち続けていただいている方や、初 期と現在を比べると、より親しい関係性に変化している方もいらっしゃいます。活動で お会いする時、東北の方のちょっとした言葉や提案に、私たちは4年間で培ってきた時 間と関係を感じ取っています。例えば、石巻茶色い焼きそばアカデミーさんとの関係の 変化があります。以前アカデミーと Three-S のコラボTシャツを作成しようという話を していただきました。これまで、石巻焼きそば販売の活動は継続して行ってきましたが、

コラボTシャツを作ることを提案された時、Three-S とアカデミーさんの関係は、これ からも続いていく「つながり」になるのだと思いました。つまり、より信頼関係が強まっ ていくことになると思います。今後多様化していく復興支援活動の中で、こうした信頼 関係は団体にとって欠かせない基盤になると思います。

今後、さらに風化が進んでいき、活動の継続が危ぶまれることがあると思いますが、

活動を継続させることは大切だと思います。それは、Three-S にしかできない役割の1 つに、新座キャンパスで被災地への活動を続けるということがあるからです。Three-S は新座キャンパスで唯一、学生が主体となって活動している復興支援団体です。それゆえ、

学生にとって非常に身近な復興支援団体であると言えます。活動で被災地へ行くと、被 災された方から「震災があったということを忘れないでほしい」という言葉を聞くこと が多いです。Three-S が活動を継続させることが出来なくなるということは、新座キャ ンパスにおいて、震災の風化防止活動を行う学生の団体がなくなることを意味し、震災 の記憶が風化してしまうことになります。それは、被災地の方が持つ思いに反すること だと思います。そのため、Three-S は震災があったことを風化させないために、今後も 活動を継続させる必要があると考えます。

継続する上での課題と取り組み

Three-S は大学生の団体です。そのため、毎年新入生が入り、先輩が卒業していき、

メンバーが入れ替わります。2011 年から、Three-S は財政面の課題と、人材面の課題を 抱えながら活動を引き継いできました。今も財政的な面では、活動費を補うために助成 金の申請を続けています。加えて、人材的な面では、活動を引き継ぐ後輩を生み出すた めにメンバーで現地を訪れ、お世話になっている方との交流を行っています。また、そ こで感じたことを踏まえ、先輩と一緒に復興支援について考える時間を設けています。

しかし、4年目を迎えた今、状況が変化しつつあります。助成金の窓口が減り、活動資 金を得ることが難しくなってきています。今までの規模で活動が継続できるか見通しが 立たなくなってきました。さらに、活動に新規に、継続的に関わる人数も減っており、

メンバー数は年々減少傾向にあります。その他にも私たちが代表を務めたこの2年間で、

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いくつかの課題が出てきました。

第4期(2013 年 12 月~ 2014 年 12 月)では、団体内の中心となり活動を担っていく メンバーの減少がありました。このことは、設立当初から活動してきたメンバーがいな くなることが原因で、団体として活動している目的を正確に引き継げていないのではな いかと考えました。設立当初は「何かしなければ」という使命感が前面にあり、活動に も勢いがありました。しかしそこから2期、3期と続いていくうちに、その勢いは薄れ、

団体としても縮小傾向にあったのです。そこで、一度原点に立ち返る機会としてワーク ショップを実施しました。Three-S は何のために活動をしているのか、もう一度考えて みることで、今の Three-S に求められているのは「被災地のために何かしたい」という 思いを継承しながら、今後の活動を継続させるための基盤づくりであると考えました。

さらに、今まで明確ではなかった団体の年度目標を「相手の今を知り、交流を続ける」「伝 える∞活かす」という2つに設定しました。活動を続けていくには、共通の目標を意識 することが必要不可欠であるのだ、ということを学びました。

第5期(2014 年 12 月~ 2015 年 12 月)では団体の方向性が見えにくくなりました。

震災から5年目という被災地の変化の中、今の活動のまま続けていくべきか、それとも、

今とは違う形で東北との関係を続けていくのかの選択を迫られましたが、こうした葛藤 をメンバー間で日常的に共有できていないというのが現状でした。この状況を変えるた め、上級生と次年度の主軸となる下級生とで話し合いを行う機会を設定しました。この 話し合いを土台に、2015 年 12 月に予定している団体総会において、来年度の活動目標や 今後の団体の形を考える時間を設ける予定です。

懸念事項であった活動財源の確保に関しては、いくつかの手段を講じました。1つ目 は助成金の獲得です。2015 年度は予算案の時点で Three-S の持つ予算額を超えており、

助成金の申請が不可欠でした。申請に際しては、復興支援推進室(コミュニティ福祉学 部東日本大震災復興支援プロジェクト事務局)のスタッフの援助を仰ぎながら書類を作 成し、プレゼンテーションを行いました。多くの方のご協力のおかげで、2015 年度は電 通育英会と住友商事の計2つの助成金の審査に通ることができました。今、この助成金 は Three-S メンバーの財務担当が管理しています。当初は財務管理のスキルがなかった 学生が、支援室のサポートの下、今では学生自身で助成金を管理できるようになりました。

2つ目として、現在、会費制の導入を検討しています。今まで Three-S の活動費は寄 付金や助成金に依拠しており、メンバーから活動費を徴収することはありませんでした。

しかし、復興支援活動を取り巻く財政状況が変わり、今まで以上に自主財源の必要性が 高まってきたことから、早いうちに財源の確保について考え直すことが必要になると思 います。

今後の Three-S の活動の展望

被災地の状況は、日々変化し続けています。私たちは、その変化を感じながら活動を 展開する必要があります。

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だ復興は始まったばかり」という認識です。被災から丸4年が過ぎ、がれきや被災物の ほとんどが処理され、被災地は新たなスタートに向けて進んでいます。

震災当初は、がれき撤去や生活物資の提供などのハード面の支援が主だったことに比 べ、現在、津波の被害を受けた地域では高台移転や防潮堤の建設が進み、浸水地域では、

嵩上げ工事や地区整備が行われています。また、復興公営住宅が建設され、仮設住宅か ら公営住宅への移行も進んでいます。このような住居整備の背景で、震災後形成された 被災者同士のコミュニティが再び壊れ、地域住民の関わりが薄くなり、孤独死といった 問題が発生しています。さらに、震災を原因とした人口流出によって、過疎化や高齢化 など、元々抱えていた地域課題の深刻さも増しています。被災地にはこのような復興に 向けたソフト面の課題が多くあり、これらの課題を解決するために、地域活性化、まち づくりなど、コミュニティの支援が必要とされてきます。

私たち Three-S は、設立当初は学生の「何かしたい」という想いを形にするべく、身 近にできる復興支援や実際に被災地を訪れるツアーなど、多様な活動を中心に展開して きました。それから4年経ち、被災地の現状も変わるなかで Three-S も転換期を迎えて います。これからは、震災当時中学生だったメンバーへ活動を引き継いでいく時です。

そのときに「被災地のために何かしたい」という想いはそのままに、活動を継続してい くために何が必要なのか、という視点も大切になってきます。

活動の形は今後、状況に応じて変わっていくかもしれませんが、これからも私たち Three-S は、東北と住んでいる人々のことを忘れず、何が必要か考え、実行していく団 体でありたいと考えます。

お礼

この場をお借りして、日ごろからご支援いただいているコミュニティ福祉学部の先生 方、設立時から今まで Three-S の活動を支えてくださっている、復興支援推進室の皆様、

Three-S を立ち上げ、発展させてくださった先輩方、そして 2015 年度の活動費を助成し ていただいた公益財団法人電通育英会様、住友商事東日本再生ユースチャレンジ・プロ グラム様に感謝申し上げます。助成していただいた金額を 2015 年度の活動予算として組 み込み、学内での広報活動や学生を東北へ派遣する活動に使わせていただきます。そして、

私たちの活動を日々応援・協力していただいている東北の皆様に、心より感謝申し上げ ます。

参照

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