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〈文献紹介〉
〈文献紹介〉
宇田光[2005] 『大学講義の改革 BRD(当日レポート方式)の提案』
北大路書房
同志社大学社会学部産業関係学科助教 福田 順
2014年9月に評者が参加した新任教員研修セミナーで、講師の方がこの本を参考に したBRD(Brief Report of the Day:当日レポート方式)法による講義の実践例を紹 介されていた。多くの参加者が「非常に参考になった」と話しており、この機会に共 有したいと願った次第である。
BRDを用いた講義は以下のような構成をとる。まず、講義の最初に、教員がレポー トの課題を提示する。次に、ここがBRD法の根幹と言える部分なのであるが、受講生 はレポートについて構想を練る時間を与えられる。この際、他の受講生と相談しても かまわない。その後、教員がレポート課題に関連する講義を行う。最後に、受講生は レポートを書く時間を与えられ、完成したレポートを提出して90分の講義が終了とな る。翌週、採点・コメントを付与したレポートを返却し、講義最終日にこれまでのレポー トをまとめて提出させる。成績評価は半期の講義であれば、十数枚のBRDに記入され た得点を受講生ごとに合計する形で行えばよい。
著者はこの手法を開発するまで、教員が一方的に話すタイプの講義をしていた。し かしながら受講生の多くは必ずしも知的好奇心に満ちている訳ではなく、結果として 受講生は集中力を欠き、私語にも悩まされたという。BRDの特徴は教員が必要な情報 をあえて出し惜しみするところにある。課題として出されたレポートを授業内で書く には受講生の既存の知識では無理がある。このように受講生に「空腹感」を与えるこ とによってその後の受講生の集中力は高まったという。受講生は単位取得のためには レポートを書かねばならず、その限りでは外発的動機づけである。しかしながら先述 の「空腹感」を味わうことで内発的動機づけへと「自己調整」されていく。この他、
BRD法の利点について、説明時間の減少による教員の労力の減少、教員と受講生の双 方向性の担保が挙げられる。
一方、BRD法のデメリットとしては受講生の数が多い場合、毎回のレポートの回収、
採点・コメント、そして返却が困難になるというものが挙げられる。著者はこの点に
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宇田光[2005]『大学講義の改革 BRD(当日レポート方式)の提案』北大路書房
第一部 研究論文・文献紹介
ついて、座席の指定による一括回収・返却、TAの利用などを挙げている。著者はこのBRD法は集中講義で特に有効と述べている。集中講義は教員、受講生と もに負担が大きいが、この手法は教員の肉体的な負担を抑える一方で、受講生にとっ てもメリハリがつくものとなるからである。