• 検索結果がありません。

南アジア研究 第28号 003書評論文・中谷 純江「押川文子・宇佐美好文(編)『激動のインド 第5巻 暮らしの変化と社会変動』」

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "南アジア研究 第28号 003書評論文・中谷 純江「押川文子・宇佐美好文(編)『激動のインド 第5巻 暮らしの変化と社会変動』」"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)南アジア研究第28号( 2016年). 書評論文. 押川文子・宇佐美好文(編)『激動のインド 第5巻 暮らしの変化と社会変動』. 日本経済評論社、2015 年、278 頁、定価 4000 円+税、ISBN978­4­8188­2324­2. 中谷純江 本書は『激動のインド』シリーズを締めくくる最終巻として、様々 な地域や階層の人々の暮らしに焦点をあてて変化の要因を分析し、将 来の変化の行方を展望することを目的としている。インド経済は1980 年代以降、高い成長を遂げてきた。国民所得の成長を背景に人々の暮 らしぶりは、実際に目を見張るほどに変貌した。携帯電話の普及や農 村電化、学校施設の整備、識字率の向上、出生率の低下など様々な指 標に農村部・都市部ともに人々の暮らしが大きく変化してきたことが わかる。しかしながら、インドについて論じるときに避けては通れない のがその多様性である。ヨーロッパに匹敵する広大な国土と世界第 2 位 の人口を擁し、それぞれの地域が歴史的、社会経済的、宗教的に異な る人々から構成されている。数字に表れる暮らしの変化、すなわち経 済成長の恩恵は、満遍なくすべての地域、すべての社会階層に滴下し ているのだろうか。こうした疑問への答えは、おそらく「否」である。 そのことは、インドを研究する者なら誰もが実感しているところである が、では、どのように不均衡に成長しているのか、地域別、社会階層 別、男女別、ならびにカテゴリー別に「まだら」な暮らしの改善につ いて、インド全体の像を示してくれるものがこれまでにあっただろう か。社会の様々な側面で起きている変化の事例について、それぞれが どのような位置付けにあるのかを示す見取り図の役割をもつ点が本書 の特徴である。 本書は二部構成になっており、まず第一部で、暮らしの変化を表す. 指標としてセンサスや全国標本調査(NSS) や全国家族健康調査. (NFHS)などの大量データを利用し、暮らしの変化を地図や図表の形. で可視化し、地域差や階層差を踏まえた全体像を捉えることが試みら れている。第 1章では、人口動態からその背後に存在する性差別が論じ. 66.

(2) 書評論文 押川文子・宇佐美好文 (編) 『激動のインド 第 5巻 暮らしの変化と社会変動』. られる。第 2 章は、世帯収入増加による食料消費の変化について、第 3 は衣装の変化が取り上げられる。第 4 章で就業構造の変化、そして第 5 章で生活インフラの整備が議論される。人が生まれ、食べ、衣類を身 につけ、働いて稼ぎ、生活の便宜を享受することにおいて、人の暮ら しはどう変化しているのか、全体として見たときどのような格差がある のかが示されている。 次に、第二部では、第一部で提示された様々な側面の変化が、次の 世代の生活の改善に繋がるか否か、既存の格差は次世代において拡大 するのか、あるいは解消されるのかという疑問に応えるべく、出生と 子供の健康・教育の側面が検証されている。具体的には、第 6 章で出 生時の性別選択の問題、第 7 章では水道とトイレへのアクセス、すなわ ち健康における階層間格差、第 8 章で農村・都市間の労働移動と教育 投資を通して、貧困の再生産が解消されるのかが分析されている。 本書の内容だけを追うと、各章で述べられている結論は目新しいも のでない。断片的には、これまでにも個別事例として指摘されてきた ものである。しかしながら、文章で言い表すには不可能なほどに際限 ない多様な変化を、膨大なデータを整理し、例外をコントロールし、変 化の方向を見定めていく手法は、まるで手品のようである。数字に与 えられた意味、そこで導かれた結論にはもはや疑う余地がないように 見える。個別事例をいくらあげても示すことができない客観的根拠が ここにある。読み進めるうちに、評者になじみのある人類学的アプロ ーチとは対照的に、ここで問われるべきは結論ではなく、それを導き 出す精緻な手法なのだと改めて思い知ることになった。残念なことに、 評者にはその手法を問いただす能力や知識はなく、おそらく半分か、そ れ以下しか本書の真価を理解できていないのだと思う。それでも、個 別事例に基づく独自の論点をサポートするために使えそうな図表デー タが満載である本書を何よりも歓迎したい。以下では、各章の内容を 追いながら、評者が特に気になった点について考察する。 第 1章では、インド全体として1981年から2001年までの20 年間で男 女ともに乳幼児の死亡率が大きく改善したことと、出生率が低下した ことが確認される。乳幼児の生存可能性が高まると、親は欲する子供 の数を少なく産むことで達成できるため、自然に出生率は低くなる。そ の他にも、出生率を下げる要因として、女性の労働参加や初婚年齢や. 67.

(3) 南アジア研究第28号( 2016年). 持参金の有無などが検討されている。インド全体では女性の労働参加 率は20 年間に増えておらず、出生率の低下と女性の労働参加とは関係 がないように見える。一方、県別データを用いた比較は興味深い。1981 年から1991年までは、マハーラーシュトラやアーンドラ・プラデーシ ュ、タミル・ナードゥで女性の労働参加率は増加しており、1991年か ら2001年まではラージャスターンやハリヤーナー、パンジャープでの 増加が見られ、両者の変化が質の異なるものであることが指摘されて いる。どのように異なるのか述べられていないのだが、第 4 章での議論 を参考にするなら、おそらく前者の増加は農業分野で、後者の増加は 非農業分野で生じたのではないかと推測される。非農業分野での女性 の就労が特に出生率に影響を与えるということが言えるかもしれない。 また、初婚年齢については、教育水準が上昇すれば、初婚年齢が上が り、出生率が低下すると一般的には考えられているが、パンジャーブ やハリヤーナーでは、女子の教育水準があがり、出生率も低下してい るにも関わらず、初婚年齢が低下するという現象が生じている。本書 には逆行現象に関する説明はないが、その理由はシンプルである。両 地域では、近年の花嫁不足のために、男性側には一刻も早く花嫁を確 保したいという意向があり、婚姻年齢を下げている。一方で男女とも に教育期間が長くなっており、婚姻から実際の夫婦生活が始まるまで の期間が延びているため、出生率は低下していると考えられる。 第 2 章では、穀物(米、小麦、雑穀)と豆類とミルクと油脂(ギー、 マーガリン、カラシ油、落花生油、ココナッツ油)とノンベジ食品と 砂糖について、各食料の消費量とこれらの組み合わせパターンの特徴 から、6つの地域的に分けて1983 年から20 年間の変化を追っている。 各地域の都市部と農村部の比較も行っている。興味深い点として、す べての食料消費において地域間・階層間格差が大きいことが明らかに なった。特にミルクの消費量の格差が大きく、1980 年代にはすべての 地域において、豊かな世帯ほど消費量が大きく増加したが、1990 年代 になるとミルク消費の拡大傾向は影を潜め、ミルク消費の多い地域で はすべての階層において消費量が減少した。その理由として、生乳を 出荷販売することが可能になったためと考えられる。1990 年代までは、 牛や水牛を飼育する世帯は、ミルクをヨーグルトやギーに自宅で加工. (消費)していたが、新しく整備された Dairy とよばれる加工所へ朝夕. 68.

(4) 書評論文 押川文子・宇佐美好文 (編) 『激動のインド 第 5巻 暮らしの変化と社会変動』. に新鮮な生乳を販売するようになり、酪農が盛んな地域では豊かな家 庭も貧しい家庭も共に自宅での消費量が減少した。ミルク販売によっ て世帯所得は増えても、貧しい世帯の子供の栄養状態の改善にはつな がっていない可能性がある。貧困層の所得水準が食生活を改善して豊 かさを享受できるほどに上昇していないという本書の指摘は納得でき る。 第 3 章では、全消費階層において「伝統服」から「既製服」への移 行が着実に進んでいることが統計データから確認される。その結果、地 域ごとに多様であった服飾文化の均質化が着実に進んでいることがわ かる。しかしながら、既製服への移行には、西洋風衣服の増加だけで なく、シャルワール・カミーズやパンジャービー・スーツ、クルター・ パジャマなど、従来は一部地域の伝統服であったものが、より広範囲 で採用され、既製服として購入されるようになっている近年の動向が 指摘されている。単純な欧米化ではなく、新たなインド的衣服の消費 が増えている点が興味深い。近年、評者が耳にするのはオーダーメイ ドの縫製代が高騰し、伝統服が高くつくようになっていることである。 サリーを着るためには、色やデザインをあわせたブラウスをオーダーし なければならず、出費を押し上げることが、サリーを日常着から晴れ着 にする原因の一つにあると思われる。総支出に占める衣料品支出の割 合が農村と都市ともに20 年間で減少しており、衣料品の実質価格が低 下していることが論じられているが、布の価格だけでなく、縫製費用 まで含める必要があるだろう。 第 4 章の就業構造の変化では、農村部では1993 年から2009 年の10 年 間で男女ともに有業率が低下傾向にあり、特に女性の有業者率が大幅 に低下していることが論じられる。世帯所得が上昇し、女性が働く必 要がなくなったのだろうか? それとも働く機会が減っているのだろ うか? 年齢別の有業者率や家計支出別の有業者率を検討した結果、 貧しい世帯で女性の労働参加が低下し、その結果、家計の所得水準が 伸びていないという可能性が指摘されている。男性が農業をやめて出 稼ぎにでるようになると、夫とともに農業に従事していた妻も農業を やめるケースはしばしば聞かれる。農業から非農業部門への急速なシフ トが進む中、男性の出稼ぎが増加しているが、伸びているのは建設業 やサービス業の臨時雇いであり、雇用のインフォーマル化が進んでい. 69.

(5) 南アジア研究第28号( 2016年). る。製造業の雇用が伸びていないため、地方には仕事がなく労働人口 は都市部へ向かわざるを得ない。家族の世話や文化的慣習により移動 ができない女性の労働機会は、 収穫期の農業労働や政府プログラム. (MGNREGS)等による臨時雇用に限定されるようになっていると思わ れる。また、牛や水牛を小規模に飼育し、ミルク収入を得ている女性 は、有業者として数えられていない可能性もある。 第 5 章では、小中学校、保健施設、電気、井戸、電話、郵便局、舗 装道路の普及に関して、1971年から2001年までの30 年間における変化 についてデータを整理し、地域間格差が大きいことを明らかにしてい る。全体として、南インドのインフラ普及度合いは高く、北西インド は30 年間における改善度合いがよい。また、北東部における普及度合 いは上昇傾向にある。これに対し、北部から中央部にかけて、ウッタ ル・プラデーシュやビハール、オリッサ、ジャールカンド、マディヤ・ プラデーシュといった州では遅れている。これらインフラ普及の遅れた 州は、財政的課題を抱えていることが分かる。しかしながら、普及の 遅れた州は、進んだ州よりも、より早いスピードで普及が行われるた めに、最終的には追いつく可能性がある。電力や水道、教育インフラ 等でこのような関係が見られたが、医療インフラに関しては 30 年間に おいて州間格差に全く変化が見られない状況にあった。なぜインフラの 特性において普及に格差が生じるのかという点について、医療インフラ の普及の遅れている地域では、医者や保健師や看護師などが育ってお らず、地元での人材確保が難しいことが考えられる。新しい診療所が 作られ、村外から看護師が派遣されても、毎日の通勤がたいへんなこ とから閉まっている時間帯が多く、日中に開けていても村人は忙しく、 村人の信頼もないために利用者がほとんどいない。数年後には診療所 が閉鎖されて廃墟と化した建物だけが残ることになる。南部、特にキ リスト教徒の多いケーララでは、簡易診療所がうまく機能し、母子の 健康や出生率低下に大きく貢献しているが、教育をうけて看護の専門 職についた女性が地元に多く存在することが背景にある。インフラ普 及は社会開発の基礎になるものであるが、電気や水道、道路とは異な り、教育や医療では人材不足がインフラ普及を阻むという逆の関係も あると思われる。 第 6 章では、生まれる前の男女差別に焦点があてられる。第 1章で乳. 70.

(6) 書評論文 押川文子・宇佐美好文 (編) 『激動のインド 第 5巻 暮らしの変化と社会変動』. 幼児の死亡率における男女差は減少しており、生まれた後に女児が受 ける生存上の不利は解消されつつあることが確認された。しかし、1981 年から2001年を比較すると、0 歳児人口の男女比は悪化しており、そ の原因として生まれる前に受ける差別、すなわち性別選択による産み. 分け動向が検討される。国民家族健康調査(NFHS)データを用いて、. 胎児検査と中絶と男児出生の割合の関連性について分析が行われ、男 児選好による中絶、すなわち胎児である期間に女児がうける差別は 90 年代に比べると弱まっていることが確認された。しかし、筆者は、0 歳 児の男女の性比が拡大しており、男児選好が根深く残っていると考え られるため、着床前診断により胎児になる前に性別選択が行われてい る可能性についても、今後見ていく必要があるという。また、分析の 問題点として、そもそも中絶の意思がない人は胎児検査を受けないこ とが多いため、胎児検査自体が選択の結果である。よって分析結果が 限定的な意味をもつことに留意しなければならないという。つまり、こ うした内生性の問題を取り除くと、胎児検査と中絶との因果関係、お よび中絶と男子出生との因果関係は、もっと有意になる可能性がある と示唆しているようである。筆者は、男児選好がインドに根深い理由 として、結婚時の持参金の問題や女性が嫁ぐ習慣をあげ、女児は投資 収益率が低いと見なされていると説明する。これに対し、評者は、娘 は婚姻を通して家族の社会的地位をあげ、親族ネットワークを作り出 す重要な象徴財であり、娘に投資をする余裕がある世帯にとって長期 的には収益率が高いことを指摘したい。高額な着床前診断を行えるよ うな家庭で、少なくとも第1子に関する限り、男児選好が強く作用す るとは考えにくい。また、近年は子供の数自体が減る中で、親の老後 を支える存在としても娘の価値は高まっている。婚姻市場における嫁 不足も強まっている。評者は、今後、男児選好は弱まっていくと期待 を込めて予想する。 第 7 章は、水道やトイレへのアクセスと下痢症の改善と地域の社会構 造との関係を扱っている。 1993 年から2003 年までの10 年間で、水道やトイレを所有することに なった世帯では大幅に下痢症が改善していたが、世帯ごとの敷地内へ の水道の敷設が進む一方で、共同水道へのアクセスが大きく減少した ため、全体として水道へのアクセスが悪化したことがわかった。共同. 71.

(7) 南アジア研究第28号( 2016年). 水道のメンテナンスや地下水位低下の問題により、既存の共同水道が. 利用できなくなったことが原因である。集団別にみると、SC や ST では、 水道へのアクセスは改善しておらず、ムスリムではむしろ水道へのアク. セスは低下していた。こうした状況の中、 ST では下痢症の改善がみら れ、SC は多少悪化し、ムスリムは大きく悪化していた。なぜ ST で改善 がみられたのか、分析からは明らかになっていないが、女性の教育水. 準や情報ネットワークの重要性が示されている。また、上位カースト. が支配的な村に住む SC、ST 世帯が下痢症改善の点で恩恵をうけている. ことが明らかになった。これは、上位カーストがもつ政治力によって、. ST だけが住む村に比べて、共同水道が敷設される可能性やメンテナン. スが行われる可能性が高まることを表しているように思われる。. 第 8 章では、農村部から都市部への出稼ぎ労働が、恒常的な貧困脱 却につながるのかどうかが検証される。第 4 章でも明らかなように、出 稼ぎは所得を改善し、短期的には貧困削減に効果があるといえる。で は、恒常的な貧困脱却の手段である教育にどれくらい投資がなされて いるのだろうか。デリーのリキシャ引きを対象にした調査データによれ ば、リキシャ引きの教育水準と所得には相関関係はみられなかったが、 8 学年程度の教育を受けたリキシャ引きは、非識字者に比べて、教育に よって所得が上昇するような職業に子どもをつかせたいとの意欲を強 く持っていることが確認された。筆者は、リキシャ引きのような都市 インフォーマル・セクターの稼ぎは、子女の教育に好影響をもたらし、 次世代が人的資本を蓄積して、収益率の高い仕事につくことにつなが る可能性があると述べている。興味深いのは、ウッタル・プラデーシ ュ州居住の子供の場合に限って、10 学年以上の教育を受けたリキシャ 引きであると、子供の教育水準が下がる傾向がみられ、投資としての 教育の役割に親が懐疑的になっていることである。理由として考えら れるのは、デリーに近いために、ウッタル・プラデーシュ出身のリキシ ャ引きは、帰村する頻度が多く、デリーの情報も子どもを始めとする 家族に伝わりやすい。どこまで教育を受けるか、どのような職業に就 くかなどの判断が、より現実的に短期的利益にもとづいてなされている 可能性があるのではないだろうか。 最終章では、データを駆使して描き出された変化に具体的な人々の 顔と姿をのせて、変化のイメージをわかりやすく読者に伝える試みがな. 72.

(8) 書評論文 押川文子・宇佐美好文 (編) 『激動のインド 第 5巻 暮らしの変化と社会変動』. されている。幼児死亡率低下については、インドの母親の多くが小さ な子どもを失う経験をもっていた時代から、現在では6 人のうち1 人程 度にまで減少したという。子どもの数が2 人である家庭も一般的になっ ており、家族という暮らしの基礎的単位に大きな変動が生じている。イ ンフラ普及については、学校や保健施設については、施設の質を考慮 する必要があること、農村電化率についても、村まで電線が引かれて いることを示しており、個々の家屋がそれにつながっているか、電気が 利用できているかは、別の問題であることが記されている。電線を家 に引いても、電気が1日のうち何時間供給されるかにおける地域間格差 は大きい。インフラ普及が個々の家族や個人の生活に与える影響は多 面的で、階層やジェンダーによっても異なる。こうしたことが具体的に 記述されており、まさに暮らしの現状がビビッドに目に浮かぶ。就業 構造をめぐっては、経済成長の中で全体として所得は増加したが、個 別世帯の所得の伸びは上層に厚く、下層に薄い傾向があったことが指 摘される。貧困層の家計支出は漸増して「貧困線」は超えることがで きたものの、その多くが貧困線のすぐ近くに止まった。階層間格差だ けでなく、地域間の格差も大きくなった。こうした背景には、農業部 門を中心とした産業構造からの転換力の弱さ、雇用創出力の脆弱さが. あった。 GDP に占める農業部門の比率は低下したが、農業部門の就業. 人口はあまり減少しなかった。農業は将来性のある部門ではなくなっ. たが、農外雇用へのシフトは出稼ぎによるインフォーマル部門に限られ たため、農村女性の労働機会が大幅に減った。こうした様々な側面を もつ、インドの社会構造変動の全体を捉えるために、筆者は「格差の 構造的再編」と「緩やかな変動」という概念を提示している。それら の概念を用いた、変わるインドと変わらないインドの描写は実に見事 である。 なかたに すみえ ●鹿児島大学. 73.

(9)

参照

関連したドキュメント

90年代に入ってから,クラブをめぐって新たな動きがみられるようになっている。それは,従来の

大きな要因として働いていることが見えてくるように思われるので 1はじめに 大江健三郎とテクノロジー

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値

点から見たときに、 債務者に、 複数債権者の有する債権額を考慮することなく弁済することを可能にしているものとしては、

平成 29 年度は久しぶりに多くの理事に新しく着任してい ただきました。新しい理事体制になり、当団体も中間支援団

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

である水産動植物の種類の特定によってなされる︒但し︑第五種共同漁業を内容とする共同漁業権については水産動

ぎり︑第三文の効力について疑問を唱えるものは見当たらないのは︑実質的には右のような理由によるものと思われ