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博士論文審査報告書

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Academic year: 2022

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(1)早稲田大学大学院 先進理工学研究科. 博士論文審査報告書. アルカリ土類金属修飾した ペロブスカイト担持金属触媒の 調製と触媒作用 Modification of perovskite supported metal catalyst with alkaline earth metal and its catalysis. 申. 請. 者. 比護. 拓馬. Takuma. HIGO. 応用化学専攻. 触媒化学研究. 2018 年 2 月.

(2) 比護君は、本博士論文において、担持された活性金属との相互作用および 協奏効果を発現しうる担体材料を設計し、高機能な担持金属触媒の開発およ びその作用学理の解明を進めた。特に担体として欠陥導入を施したペロブス カイト型酸化物に注目し、調製したペロブスカイト担持金属触媒を、エネル ギー分野ならびに環境分野でそれぞれ代表的な反応である水素製造ならびに 排気ガス浄化の反応に適用した。本研究で開発した触媒は、それぞれの反応 に対して従来型触媒と比較して大きな優位性が認められ、これら触媒の性能 解析を行って担体材料がどのようにして効果を発現するかを解明した。本論 文は 4 つの章からなる。 第 1 章では本研究の背景となるペロブスカイト型酸化物および金属担持触 媒 の 設 計 ・ 利 用 に つ い て 概 説 し て い る 。 ペ ロ ブ ス カ イ ト 型 酸 化 物 は ABO3 で 表 さ れ 、A サ イ ト と B サ イ ト に 多 く の 組 み 合 わ せ の 元 素 を 導 入 す る こ と が で き、多様な物性を持つ酸化物を設計可能である。このペロブスカイト型酸化 物を触媒の担体材料として用いた例は多くなく、詳細な担体効果の検討例も 少ないため、ペロブスカイト担持金属触媒は、新規かつ高性能な触媒となり 得ることを示している。 第 2 章では、エネルギー分野で代表的な反応の一つである水素製造のため の炭化水素の水蒸気改質に焦点を絞り、とりわけ反応性の低い芳香族系炭化 水素からの水素製造のための高性能触媒の開発と、その作用メカニズムを明 ら か に し て い る 。 ペ ロ ブ ス カ イ ト 型 酸 化 物 と し て LaAlO3 の La サ イ ト を Sr や Ba で 部 分 置 換 し た 材 料 を 用 い 、 Ni を 担 持 し て 触 媒 と し て 用 い て い る 。 原 料としてトルエンを中心に、種々の炭化水素の水蒸気改質を行い、その触媒 性能について、担体材料表面上の分子の吸着と表面格子酸素による酸化を関 連付けて議論している。ペロブスカイト型酸化物を担体に用いた場合、いず れの原料を用いても最も改質活性が高く、コーク析出量が低いことを見出し た 。 そ の 要 因 を in-situ IR 測 定 に よ る 各 炭 化 水 素 分 子 吸 着 の 観 察 結 果 か ら 考 察し、格子酸素欠陥を介した酸素イオンの移動性向上効果が高機能の重要な 因子の一つであることを明らかにした。異価カチオンの導入により格子酸素 の移動性が向上し、反応の律速段階が変化する事を見出した。このように、 L a A l O 3 格 子 中 に 異 価 カ チ オ ン を 導 入 す る こ と に よ り 、酸 素 欠 陥 を 起 点 と し た Redox 機 能 を 担 体 に 持 た せ る 事 が 可 能 で あ り 、 水 分 子 の 活 性 化 に 加 え 、 炭 化 水素の吸着および活性化を促進する場を設計することが可能であることを提 案したことは、触媒調製化学の進展に貢献し、工学的に新規な成果として評 価できる。 第 3 章 で は 、 環 境 分 野 で 代 表 的 な 反 応 の 一 つ で あ る 自 動 車 排 ガ ス 中 の NO 還 元 に 注 目 し 、B a 修 飾 し た ペ ロ ブ ス カ イ ト 型 酸 化 物 の 酸 素 移 動 特 性 が こ の 反 応 に 大 き く 寄 与 で き る と 考 え 、 C3H6 に よ る NO 還 元 反 応 に 対 し ペ ロ ブ ス カ イ 1.

(3) ト 担 持 P d 触 媒 を 検 討 し て い る 。B a を A サ イ ト に 部 分 置 換 し た L a 1 - x B a x A l O 3 -  を 担 体 と し た Pd/La1-xBaxAlO3-が 従 来 型 触 媒 で あ る 高 比 表 面 積 Al2O3 を 担 体 と し た 担 持 貴 金 属 触 媒 (Pd/Al2O3、 Rh/Al2O3、 Pt/Al2O3)と 比 較 し て 573 K 以 下 の 低 温 域 で 著 し く 高 い NO 還 元 活 性 を 示 し 、 欠 陥 を 導 入 し た ペ ロ ブ ス カ イ ト 型酸化物担体の優位性が認められた。希薄条件での燃焼による自動車排ガス 中 に は 酸 素 や 水 蒸 気 が 共 存 し 、 一 般 的 に は NO 還 元 触 媒 は 酸 素 や 水 蒸 気 の 吸 着により性能が低下することが知られるが、本研究で見出した触媒は、 Pd/La1-xBaxAlO3- は 乾 燥 お よ び 湿 潤 ど ち ら の 反 応 雰 囲 気 に お い て も ほ ぼ 同 等 の 高 い 活 性 を 維 持 す る こ と が で き た 。 こ の よ う な 優 位 性 を 示 す P d / L a 1 - x B a x A l O 3 -  に つ い て 各 種 キ ャ ラ ク タ リ ゼ ー シ ョ ン を 行 い 、触 媒 性 能 向 上 の 要 因 の 解 明 を 行 な っ た 結 果 、P d / L a 1 - x B a x A l O 3 -  表 面 で は 他 の 触 媒 と 比 べ 、よ り 低 温 で C 3 H 6 の 部 分 酸 化 さ れ た 種 が 生 成 し 、反 応 中 間 体 が 低 温 で 効 率 よ く 形 成・反 応 す る こ と に よ り 低 温 で 高 い N O 還 元 活 性 を 示 す こ と を 明 ら か に し た 。 第 2 章 に 引 き 続 き 、L a A l O 3 格 子 中 に 異 価 カ チ オ ン を 導 入 す る こ と に よ り 優 れ た触媒機能が発現することを示したことは、本手法が広く応用展開可能であ って一般的な研究開発手法となる可能性を強く示唆しており、触媒化学の進 展に資する工学的価値が高い成果と認められる。 第 4 章ではこれらアルカリ土類金属にて修飾したペロブスカイト酸化物を 担体とした金属触媒についての共通的な作用機序をまとめている。担体表面 におけるペロブスカイト型酸化物の表層酸素の寄与による炭化水素の酸化中 間体形成と、生成した表層酸素欠陥の水蒸気や酸素による再生が、反応に重 要な役割を果たしていることを明らかにした。 これらの結果を包括的に評価すると、これら発見は、担持金属触媒におい て担体の表層酸素を活かした機能発現と高性能化に向けた指針を示しており、 触媒化学の発展に寄与しうる新規性を持った学術的に優れた研究と評価でき る。よって本論文は博士(工学)の学位論文として価値あるものと認める。 2018 年 2 月 審査員(主査). 早稲田大学. 教授. 博 士 ( 工 学 )( 東 京 大 学 ) 関 根. 泰. 早稲田大学. 教授. 工学博士(早稲田大学). 松方. 正彦. 博 士 ( 工 学 )( 早 稲 田 大 学 ) 里 川. 重夫. 成蹊大学. 教授. 本田技研工業. 日本本部. 2. 堂坂. 健児.

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