1885
金澤欝科大學山田門科教室
(主任1』1出教授)
燧道内ニテ超レル急性煤煙中毒症二就テ
専攻生向野定一・
(月召剰】6牟F6月18日受阿廿)
目 次 1。緒 言
2.中毒症例 3.中毒症例一般総括
4.二三有毒瓦斯巾稽症状ニツイテ
5.考 擦 6、縛 諭 7.文 鰍
I緒 言
去ル昭和3年12月6日午前H時過ギ上リ北陸線某十イ」千ノヒ内二於テ貨物列車ガ天候険悪ノ 上(常日ハ靭翼,午前中八風吹)過重量ノ索引車輪室轄等ノ種々原因ニテ列車ノ停止トナリ乗 車貢全部(1o名)ガ不幸トンネル内二止ル事約1時間程ニシテ人事不省トナリ救助サル.救護
二体リ内5名ハ1時間以内二蘇生シ池ノ5名中3名ハ昏睡状態二階リ他ノ2名ハ現場ニテ蘇 生シ得ズ不幸ニシテ死1=ニセシ惨状アリ.救助サレシ昏睡状態ノ3名ハ翌目病院二枚容サレ内 コ名八種々最善ノ盧置テ施サレシモ其効無ク蘇生セズ1週後二死亡シ他ノ2名ノ生命ハ救助 サレシモ練イチ長時期ノ外傷性瀞経及糠榊障擬ヲ來セリ。余ハ前言巳遭難時二救護班バ員ト
シテ現場二急行シ救助二從事シ.後3名ノ罹患者八相當長期二夏リ直接治療ヲ擦當セリ.依 テ3名ノ病症所見及経過二就テ記載セント欲ス。
蓋シ水災害二鰯スル本邦文献テ見ルニ之二就チノ文献少ク叉余ノ言巳鞭モ亦不備ノ織多キチ 遺憾トスト離モ更二先輩諸賢ノ指数テ乞フ事アラントス。
II中毒症例
第一例.山O繭021歳♂ 機關助手 入院 昭和3年12月7日 昭和3年12月14日死亡
既往症 家族的ニハ遺儲的疾患ナグ焚母兄弟ハ共二健在シ本人ハ印弗校ヂ卒業シ生來鯉ニシテ著患ナ
シ。
現病屋及現症6日午前11時トッネル内ニテ窒,苗、シ人事不省ノ状態ヨリ救助サル.救蜘蓄時八人工呼吸 法・皇.ソフ土,口ニリン滝射,酸素吸入法ニテー時蟹醒シタル毛常二働唾ソ易シ,皮膚ハ冷却シ顔面ハ煤 煙ニテ汚染サレ蒼白色ナリ,瞳孔散大シ反騰^鈍ナリ呼吸ハ略号据(24位)脈臓(110位)頻敬ニシテ緊張弱
シ。冷汗甚ダシク口唇ハ江ノー三チ星シ三回嘔吐セリ,心臓,肺臓,腹部ハ異常ナキモ四肢ハ冷却シ魔 意運動チナサズ時々全勇強直チ球シ常ニロチ緊シ青ノ運動ハ鏑緩ニシテ口腔外二出テソロ膣及舌ハ乾燥
ス。
【125】
1886 胸 野
経過エ2月7日入院ス・前日ト病症異ナヲズ昏睡セリ,項部強直アリ膝董反射,「バビンヌキ」反助アリ 熱3尉Cナリ.尿聞及便秘チ來シ導厭及洗腸チナス,風ハア年之1ゾ性ニシテ糖(一)蛋白(±〕ナリ.「リン グ土,ロヂノ、㌣液チ注射ス・
12月8日呼ブ皓ハ開眼シ時々頭痛チ訴へ青ヂ動カス,熱3ぼC,脊髄穿刺チ施ス該液ノ所見ハ正滞ナリ.
導尿,洗腸テ行フ,虜置ハ前日同様ナリ背血液中二一一一酸化炭素チ言忽メス.
工2月9日下肢ヲ時々動カス虚置ハ前日ト同様トス熱病シ.
12月10日熱40℃チ超エクリ.呼吸ハ正糖ナリ.
12月12日今日二至ルモ筒昏睡チ持続ス.從ツチ綱n的二掻1食シ待ズ滋養澁賜テナス.
12月14日呼吸籔(35税)脈腰微弱トナリ午後6時半過キ死亡ス。
解 劃 所 見
踏部所見ニテ八大脳部所見二異溝チ認メス間脳郡及大胆脚部ノ血管走行尋常テルモ小膿外表所見ハ上厨 右側上牛月葉部二五銭白銅大,左側識郡ニモ・一銭銅貨大ノ軟化鉄披部テ認ム,深サ右側1−Ocm。左1・5㎝・ト ス筒右側前証部位ノ外側チ切割スル二割耐下牛月葉部二機實大ノ小空洞アリ内二言嚇キ血色チ帯ベル軟溶物 チ調ム.左側ハ異常ナシ小騰底部ニハ病璽ナシ叉血液所見二於テハナトロy反麟タンニン酸反騰二俵リ血 ん 一 印一画菱イ七炭素ノ布イ〔チ言忍メス。
(助 一 例)
第二例.営O幸O郎 34歳♂ 機關手 蟻盤ン6 1 雪 3 4 5 6 7 目
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経超 12月7日入院ス症状ハ前日同様ナリ常二無言ナリ,
ンスキ」反射,共二翻メラル、慶置トシテ,リンゲル,ロヂノン液ヂ注射シ流動食テ典フ。
12月8日尿閉ノタメ導尿ス,尿ハァルカリ性繍反騰(一)蛋自反騰(±)ナリ.塵置ハ前日同様ナリ,血中 二一̲化炭素チ詔メズo
12月g日意識的排尿アリ,椅々覧醒セシ毛時々頭痛ヲ・訴へ一般精淋障擬予靭度二認ム(遭靴時閻,列車 【126】
入院 昭和3年12月7日 退院昭和4年2月14日
甑往症 生來健在ニシテ著患ナク遺博的疾 患ナシ極メテ舳鯉實直ニシテ千僕五人アリ皆 紺健ナリ。
現痛展及現症 第一例ト同ジグ人事不省者 トシテ救功サル,人工呼吸法,カンフル,口 ぺ叩ン注射,酸素吸入潅等ニテ箆醒セリ,當 日岳ハ意識明瞭ナヲシモ嗜眠二隅リ易シ瞳子L散 大シ反腰ハ鈍ク項都強嵐ナシ,口腔ハ乾燥シ 舌ハロ腔外二出プズ四肢ハ少シ強直穣ニシテ 常二掘絶行爲チナス.言諦ハ簡単ナル臆答ニ スラ常二鈍叉澁滞ナリ,脈ハ窮ク頻敷ニシテ 呼吸ハ尋1常ナリ!二回租嘔吐セリ胸部腹部二 異溝テ認メズ。
蟹醒蒔ニハ時々頭痛チ訴フ膝蓋反射,「バビ
蓮道内ニテ趣レ〃急性煤煙中毒症二就テ 1887
番號テ知ラズ)慮置ハ前目同様ナリ・
12月10日均麗的二異状ナシ港射チ行ハズ.
1ξ月12日著シギ縞肺障擬チ書忍ム(妻子ノ有無,自己ノ年齢等チ追想セズ)粥食トス∵
12月15日食慾尋常ナリ,洗腸チ行フ.尿所見二異状チ認メス・
12月18日起立ノ時不安定:シテ失調アリ,時々涕泣ス.
12月22口精沸障擬俵然トシテ軽快セズ(一日中撮取セル食事ノ回数及遭難時日チ間フモ畑ラズ)時々頭痛
テ訴ク.
12月24日超立スル事チ低精解障醸以外二真髄的異状ヂ認メス.
12月31目食慾,睡眠,大小便二異状ナク,均艦的病症テ翻メスW.R一(一〕M.R、(一)ナリ。繍融障薩 ハ著明ナリ.(追想カ,計算ニカ極メテ銃シ)
1月4口握力右15左16ニテ腕力著明ナリ.血歴最大uO最小60,脈購72,尿所見ハ糖(一)蛋白(一)ニシ テ膝蓋反射,足腱反射ハ共二元進ス.
2月14日繍榊障擬ノ鰹快テ認メスシテ退院ス.血騒最大102最小70,尿所見正常ナリ。
(第 二 例)
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第三例.亦O定0 24歳δ 機關助手 入院 昭利3年12月7H 昭和4年3月10日 閨1程症 家二族的遺博疾患ナシ木入生來鯉在ニシテ繭業翠校チ卒業シ著患ナシ.
現痛麓及現症前二例ト同ジク人事不貧状態二於テ救助セラル,種々ナル手岱二俵ジ・時鷲醒セシモ再 ビ嗜眠シ,二回嘔吐セリ,舌ノ運動銃クロ腔内ハ乾燥セリ.瞳孔敵大シ,反射鈍ク呼プ略ハ僅カニ開眼 ス,項梛強直ナシ,囚肢ハ時々痩撃叉強政シ冷汗チ蟹ス,脈臓頻激,呼吸尋=常ナルモ四肢ノ騒意運;動無グ 心麟,肺脇腹部二異常チ融メズ.
鯉題12月7日入院ス,症状ハ前日二異ナラズ四肢ノ拒絶行傷アリ粗暴ナリ.ロヂィィ,2∠だヒ液与注 助ス,尿閉及便秘アリ導尿及溌腸スー
1888 向 野
12月8日原ハアル川性ニシテ糠反照(十十)0.2g/d1蛋白反騰(土)ナリ,慶直前日ト回ジ.血中一酸化炭 素チ翻メ丈
12月g日意識鈍ニシテ嗜眠ス,呼吸ハ正溝テルモ脈聰ハ少ク40位トス,鹿直前日ト回ジ.
12月11B言語蟹スレドモ明瞭ナラズ精肺障擬チ認ム.
工2月13日今日迄ノ虜置ハ入院覚日ト岡ジ.熱平温トナリ肺御多少克奮シ,狂暴ナリ(立チテ放尿ス)。
12月17日身艘的異常ナキモ動作ヤ・狂暴ナリ,睡眠蒔以外八大蟹テ襲シ雨測」二股ハ瀞二車輪運動ヂ爲シ 失調ヂ調ム,粗暴ナルが敬二派臓駿温チ測定シ得ザノレ事再々アリ.
12月21日狂暴行届ヤ・軽快ス,右側顔面肺纏麻痺,左側上下肢ノ不髄テ調ム.
12月23B精解障擬音羽ナリ,食慾尋常ナ切.
1月4日M・R・(一)W・R・(一)血壁最大105最小55,握力右13左I3ニシテ風カ著明ナリ。尿二異糟ナ シ.侯然トシテ繍肺障擬著明ナリ,叉四肢ノ失調アリ・
1月23日原ハ糠反魔…(一)蛋白反懸(一)ナリ.
2月26日精卿障擬樫快セズ1書物チ讃ムモ直テニ書日事ハ忘レ手筆能カハ山崎ヂ(山さき)組輸事務所テ(ウ ンユ市ジムシヨ)軍艦チ(軍くんカン)金ケ11情チ(命カナカ ザキ)等ト言巴ス.
3月15日清榊障擬及繭側上下肢ノ軽度ノ失調テ蔑布シテ退院ス。
(第 三 例)
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III 中毒症例一般纏括
前言巳3例ノ症状テ鰯察スルニ
(1)呼吸器系統ニツイテハ救助當時呼吸ハ速ク苦脚状態ナリシモ入院後ハ呼吸数モ正常 咳嚇,喀疾等ノ症状ナク服,鼎,氣管枝及肺臓郁ニハ特二加答兄症状共ノ他ノ異状テ認メズ 山rレ・死亡数日前ヨリ呼吸敷35前後二坤加セリ。
【128】
遂道内ニテ越レル急性燦壌中毒症二就テ 1889
(2)l1循環器系統二就テハ脈瞬ハ救助常時八大抵頻数ナリシモ数日後二至リテハ正常トナ レリ.赤星ハ入院後10日間程ハ脈膵40−50位ノ事アリサレド心臓部所見二異状ナク血魔モ著 明ナル愛化テ示サス血液圧臆1Ml.R.(一)W.R.(一)共二陰性ナリ叉血中二一酸化炭素テ 認メス。
(3)消化器系統二就テハ遭難常時ハ現場ニテ各人共二悪心テ呈シ2−3回嘔吐テ來セリ,
入院後ハ悪心嘔吐ナク大抵ハ流動物ヲ鑑食=シ入院1週後ニハ普通食トナレリ,山ロハ昏睡ノ タメ彊食=不能ニシテ滋養注腸テ行ヘリ,大小使ハ遭難當夜ヨリ入院数日後迄尿閉便秘ナリシ モ五週後二至リテハ意識的排出ヲナス.尿ハ入院當時アルカリ性ニテ蛋白ラ少量認メ赤星ハ 筒糖反騰(十十)0.2g/d1テ示セルモ約2週後二至リテ織,蛋白共二消失セリ。
(4)無二就テハ遭難1週間内ハ不定ノ護熟アリシモユ週間後二社リテ八千温二復セリ,
山1]ハ死亡時迄護熱39℃前後テ認メタリ。
(5)利1経及精利瞬擬
遭難當時ハ各自昏睡二隆リ反射ハ特二愛叱ヲ認メサルモ四肢ハ時々強直テ來シ叉痙撃テ示 セリ.荷随意的運動ヲナサズ五管器ノ障擬ハ特二之テ認メ犬山ロハ昏睡ノマ・死亡シ赤星 ハ遭難1遡俊二四肢ノ失調テ來シ3週後二至リテハ軽度ノ古顔面祠確麻痺及左側上下肢ノ麻 痺テ認ム.宮下ハ2週後迄歩行不能ニシテ叉両人共二両側上肢ノ脱カテ認メタリ。
精神障擬ハ両人共二鐙醒4日頃ヨリヤ・軽度二現川ノ遭難當時ノ時日,場所列車番號等チ 知ラズ時々頭重,頭痛テ訴フ入院2週俊二於テハ精刺1障擬盆々著明二悪化シ追想力,計算 力,考察力,共二減退シ小學2年程度ノ能力タルニ過キズ,2ケ月後ニハヤ・軽快セシモ3 ク月後二於デモ狗柵鴬ノ障擬ラ認メ軽快遅々トシテ容易二恢復セサリキ。
W二三有毒瓦斯中毒症状二就テ
余ハ前記病症ガ如何ナル疾患ナルカ,將共ノ原因ノ奈魅二社ルカ知ラント欲セリ.然レド モ適當ナル文献テ見出ス能ハズ依テ煤塵耳新中二合マルルニ,三有毒瓦斯ノ中毒症状テ参照 シ以テ前述疾病テ観察セリ。
I..一酸化表素中毒症状二就テ.
英ノ中毒症ノ輕慶ナルモノニ於テハ頭痛,眩撮,耳鳴,悪心,嘔吐テ訴へ強度ノモノハ前 記ノ他鐵面潮紅,脈腰頻敷,叉晩カテ來シ姉i幡睡トナルヲ帝トス.経過トシテ1−7日以 上二夏リ艦溜上昇(例外トシテ35.5.c−36九ノ事アリ)シ死亡セサル場合ハ40大テ超ユズ,
呼吸ハ之二準シロ内ハー般二乾燥シ護汗スルコト多ク瞳孔ハ縮少スルコトアリ又散大スルコ トアリー定セズ筋肉ハ痙撃叉強直シ腱反射ハ先進シ昏睡申爾便ハ失禁ス,該症ノ恢復ハ遅緩 ナリ.愉該症後嚢症ハ欧洲戦飢中反共ノ後潅瓦斯中毒者中二歩ク護シ症型多種多様ニシテ数 日反数ケ月間二夏リ精榊ノ沮喪叉ハ錯繍L二階リ意識ノ消失ヲ來シ時二Paralyse穣トナリ又 My・liti・,M・1tipu・e Skule・・s・様運動障擬テ育スルト共二四肢ニハ痙撃ノ外MonopI・gi・
H萬em1pkg1・テ残綾セシ裏アリト,更二急劇ナル症状ニテハ患者ハ呼吸促迫,揺搦又痙撃強 〔129】
1890 画 野
直テ護シ次ギテ運動廠砕,知蟹消失テ來シ昏睡二階リ落命ス.Z邊㎎ger・Lebma㎜・二依1ノ バー酸化麦素中毒二際シ1−2時間叉教時間外気中ニテ呼吸セシメクル時ハ血液中二於テハ 最早化撃的ニモ光學的ニモー酸化麦素テ讃明スル事困難ナリ.撚1ノドモ重篤ナル症状ハ依然 持綾シ時ニハ致死ス.叉Za㎎9er,G1ipele等二体レハ死鐙二於テ中毒護病48時間後ニスデ
ニ申棚部二室洞及軟化竈テ認メタリト。
II.亜硫酸瓦斯中毒症状二就テ.
本瓦斯二依リ粘膜デ刺較シ流涙,鼻汁テ出シ噴暁,悪心,咳嚇,頭痛,呼吸困難テ來ス,
L・hm・㎜ハO.05%ニテ既二色瞼ニシテ重症中毒二社リテハ胸部緊迫シ胸痛ヲ來シ又中樋障 擬テ星シ,失跡二路リ次テ繁死スト、亜硫酸瓦斯中毒死ノ創見ニテハ特異所見ヲ見ザレド亜 硫酸瓦斯ハ他ノ有毒瓦斯ト共二湿性有毒瓦斯トシテ生髄二障擬テ來スト。
I工I.炭酸瓦斯中毒症状二就テ.
本瓦斯モ他ノ有毒瓦斯ト併合シテ來ル事多ク4.0%ニテ呼吸困難テ來シ耳鳴,頭痛,胞内 苦悶後先紳ス.8.0%以上ノ高度中毒ニテハ筋肉豆=ク弛緩シ,甚シギ呼吸困難ラ呈シ脈膵ハ 弱ク頻敷トナリ皆目垂二階リ次デ落命ス。
VI.煤煙中毒症二歳テ.
本瓦斯申ニハー酸化炭素,亜硫酸瓦斯メタン瓦斯共ノ他種々ナル有毒瓦斯テ含有ス.共申 潅ハ汽車乗務員ガ隆道内乗車ノ際二時々被ルモノニシテ病症毛患者二体リ多種多様ニシテ頭 痛,頭重,眩最,胞内苦悶,悪心,嘔吐テ訴へ劃面養自,舌震頭シ,瞳孔反騰ハ鈍ク脈鱒癌 藪ニシテ弱ク,四肢ハ蕨冷スルモ呼吸ハー般二整調ニシテ腿反射ハ尤進シ,軽重二体リ人事 不省叉昏睡三階ル事アリ.熱ハ雫漣ノ事多ク韓蹄ハー般全治スルモ経過長シ,又本中毒ハ断 定シ難キモー酸化炭素ノ中毒トナスヨリモ寧日亜硫酸瓦斯二体ル中毒ナラント推論セラル。
V 考 察
翻ツチ余ノ経験セル3例ノ中毒症状テ見ルニ武藤氏ノ喝7ルカ如ク現場ノ事構ヨリ煤煙二 体ル中毒ナル事明ナリトス.サレド3例ノ症状及経過二就テハ亜硫酸瓦斯中毒症二於クル呼 吸器系統ノ障擬テ特二認メス,寧日M・h・反古木氏等ノ言巳載ニアルー酸化炭素中毒症ノ軍症 型二該當スルガ如ク認メラル,而シテトンネル内ニテ窒息急死セル2名並二3名ノ急性中毒 者二於ケル頭痛,悪心,嘔吐等ノ症状ガー酸化炎素中毒症二於クル特有ナル雛又昏睡状態ヨ
リ次デ死亡シタル山日ノ脳創見二於クル軟化鉄損ノ所見又他ノ2名ノ棘経及清洲犬態ノ著 シヰ障擬ラ残存セシ症状及煤煙申ニハ亜硫酸瓦斯ト共二一酸化炎素瓦斯モ亦多量二含有セラ ル・モノニシテトンネル内二約1時間停止セルガ爲二一酸化炭素ノ充分生誰二影響テ及ボセ
シ事ハ肯首シ得ベク以上ノ諸項ヲ考察シ本邦二於テ未ダ記載少ナキ煤煙瓦斯中毒ノ重症ナル
モノト恩†窪ス。
【130】
途道内ニテ超レル急性媒煙中毒症昌就テ 1891
VI結 論
(I)本症3例ノ病症及経過ハー酸化炎素中毒ノ重症例二一致パ
(II)本症ハ煤煙瓦斯中毒症ノ重症型ト認ムルコトテ得ベシ
御懇切ナル御指導ト御校閲チ総ハリシ恩師一山刷敬授二謹譲{ス。
VII文 厭
1)今描:病理堅. 2)小南ヌー邸:賀用法轡學. 3)武家昌知:災害ト中毒,災害 警學講演集,昭和2年2月. 4)大薗清冶:慶事公論,亜硫酸中毒ノ寛験的調査,大正13年 11月. 5)芦漫録副:脚経學雑誌,第26巻ノ1號.大正14年12見 6)古木仁:工業
中毒. 7)正しZa㎜gger−Z凹nic止Handbuch der innelm Med三。in bogmndt v0D V,M二〇hr&
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