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自ら学び続ける授業の創造

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自ら学び続ける授業の創造

著者 鹿児島大学教育学部附属小学校

ファイル(説明) 研究同人

英会話の研究と実践 複式の研究と実践 道徳の研究と実践 体育科の研究と実践 家庭科の研究と実践 図画工作科の研究と実践 音楽家の研究と実践 生活科の研究と実践 理科の研究と実践 算数科の研究と実践  社会科の研究と実践  国語科の研究と実践 

自ら学び続ける授業の創造  表紙̲挨拶̲目次

URL http://hdl.handle.net/10232/14943

(2)

メ会

エ 玉

Z 科

肩岡

b.

自ら学び続ける授業の創造

人間の営みに共感し 自分の生き方を問い続ける 社会科授業の創造

I  研究の目的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 3 1  研究の背景……… 23 2  研究の方向………ー………・……… 24 E  研究の内容... . . . . . . . . . 一 一 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 5 1  人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける社会科授業とは… 25 2  人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける授業創造の基本的な考え方 27 ( 1 )   人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける子どもの姿の想定 27

( 2 )   人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続けるための学習内容 28

( 3 )   人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続けるための指導方法 28 E  研究の方法一‑ 一 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . … . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 一 . . . . . . 2 9 1  研究の手順と方法………・………ー…………・……… 29 2  研究計画………一……… 29 N  第 6 学年「アジア・太平洋に広がる戦争」における授業の実践・・・・…・ー 30 l  本単元における授業づくりの基本的な考え方………..……… 30

( 1 )   子どもの姿の想定………・ ……… 31

( 2 )   学 習 内 容 の 設 定 … … 一……… ………… ………ー… 32

2  本単元の授業の具体化………・・・…ー……… 32

3  本単元の実践と考察……… 33

V  研究の成果と課題・・・ 一 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 36 

1  研究の成果...一 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 6

2  研 究 の 課 題 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 一 . . . . . . . . . . . . . . . . … . . . . . . 3 6

(3)

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本研究は,子ども一人一人が社会の中で自分の生き方を問い続ける授業を目指して いる。そのために,自分の生き方と追究対象である人間の営みとのつながりを常に見 出そうとし,自ら学ぶ意欲を高めようとする具体的な子どもの姿や,その姿が表出す る学習内容,指導方法の在り方を探っていく。

I  研究の目的

1

( 1  研究の背景 ) 

学習指導要領の 一部改訂に伴い, I 生きる力 」の育成が よ り強く求められ,それを 玄 目指して 「 確かな 学力J を確実に身に 付けることが叫ばれてから久しい 。

言 この間,社会科においても様々な学力論争がなされてきた。しかし,それぞれの学 の 力論においても,社会が急激に変化する現代においては,それに対応するための 学力 学 が社会科にとって大切である 。つ まり,学習対象である「人間の営み」を 追究 してい 力 く 過程にお いて,様 々な問題解決能力を 発揮 しながら社会的事象 と 事象 の関係につい

」 て 思考 し ,社会的な 見方 ・ 考え方を 高めていくことをねらいにしているのは共通であ は り , これは不易 の部分であると考える 。 これらのことから社会科の学力を次の ように

おく 。

「 一一 一

「社会的事象に対する基礎的・ 基本的知識」と「資料活用力 等の問題解決能力 J ,

「社会的事象に対する追究意欲や知的好奇心等の関心・ 意欲とそれによって形成 される市民としての態度」全てが一体となった力

わたしたちはこれ まで,子ども 一人一人が納得 自 しながら理解し,社会的な見方 ・ 考え方を高めて ハ いく授 業 を創造してきた。その中で,学習内容設 を 定の基本的な考え方や指導方法,評価方法につい 軸 て研究し,授業改善を行ってきた 。 これまでの授 と 業では,社会の在り方について考え,判断し,参 し 加できる社会的判断力に重点を置き,様々な資料

ぷ を収集したり ,分析したり,活用したりする 資料活用力を駆使しながら,社会認識の 然 深化を図ろうとしてきた 。 しかし,子どもたちは,新 しい知識や技能を 得たり, 新 し 性 い 考えをもてたりする 喜びは感 じていたが,社会生活の在 り 方や 自 分の生き方を考え のていく過程において,それらを 獲得 していく 喜びゃ, 獲得 できている 自 分に 気付く 喜 号 び等を味わうことが十分行われないまま 授業が進んでいる 場合 があった。つまり ,新 長 た な 社会的事象に出会ったとき,人々の 生き 方 に触れたとき, 友達 の考えを取り入れ 究たときに感じる 喜びが少なく,そのため に,学習意欲が減退している 。

が これらのことから これからの社会科授業においては,社会的事象に自ら主体的に で 働きかけ,社会的な見方 ・ 考え方を高める過程において,社会的な 見方 ・ 考え方が高 三 ま る 前提 となる 学習意欲, そして学習 した結果 , 生み出される 学習意欲に 着目 するこ 長 と が大切である と考える。そして,子どもが自 分自身を軸にして,自 分の生活 の中で 業 の 自 分の「願いJ と教材とを 常につなげて考え, 自分の生き方 と 関係付けた必然性の

ある追究がなされるような授業を創造していく必要があると感じた。

(4)

ネ 士一

2

(2  研究の方向

前研究では r 人間の営みに共感し,自らの生き方に生かす社会科授業」 を目指し,

思考・判断,表現・技能の発達特性の系統性を基に 子ども一人一人の「わかりたい,

できたい」という思いを大切に,子どもが納得しながら学ぶことができる学習内容を 明らかにしてきた。そして,それを設定する基本的な考え方や評価,指導方法の在り 方を研究してきた。その中で,社会科において子どもがわかる・できる喜びゃ楽しさ 研 を 味 わ っ て い くことは,社会的な見方 ・ 考え方が高 まって いくことにつながるという 究ことを明らかにしてきた 。

の このような研究を進めていく中で,全ての子どもたちが社会科を学ぶ意味を見出し,

経その学びに自信をもち,学んだことを新たな社会的事象と出会ったときに生かしたり,

緯自分の生き方に生かしたりしているのかというと,まだ不十分なこともある 。

か そこで,本研究では,前研究の成果を踏まえ,子どもたち 一人一人が社会科を 学ぶ b 意味を見出せるような研究を行ってい く 。

社会科は,人間の営みを追究対象として,その営みを社会生活とのかかわりで見つ め,そこにおける人々の思いや願いなどの人間の生き方を追究していく教科である。

自その追究過程で,社会生活の在り方やそこにおける自分の生き方について考えるとき,

L

刀社会生活のあるべき姿や,そこにおけるなりたい自分とのつながりを常に聞い続けて のいけるようにすることが大切である。そこで,自分の学び方に自信をもちながら自分 生の生活との関連から考え,追究する必然性を感じることができるような授業を創造し きていくことにする 。

方 そのために,まず,各単元ごとに「社会的事象について基礎的・基本的知識 J と「資 を料活用力等の問題解決能力 J r 社会的事象に対する追究意欲や知的好奇心等の関心 ・ 問 意欲・態度」の観点を基に,授業の中で,追究対象に対して自分の生き方を聞い続け

いる子どもの姿を具体的に明らかにする必要がある。

続 次に,追究対象である人間の営みに対して,子ども自身が自分の生き方を問い続け

1 1   るために必要な学習内容を明らかにしていく必要がある。その際,昨年度までの研究 る を 基 に し て ,人間の営みを自分の生き方とつなげながら社会認識を深め,社会生活に 子意欲的に参加する実践的態度の形成にかかわる学習内容であるかと いう視点から改善 どを加えていくことにする 。

も さらに,子どもたちが,自分の生き方を聞い続けるための指導方法の在り方につい をて研究を進めていくことにする 。

目 このような研究は,社会認識の深化とそれに基づいた社会性の育成,並びに公民的

資質の基礎の大切な要素である態度形成を図ったこれ までの社会科授業に,子どもが し 学ぶ必然性を見出し,生涯に渡って自分の生き方を 問い続けるよ うになると考え,次 てのような研究テーマを 設定した。

人間の営みに共感し 自分の生き方を聞い続ける 社会科授業の創造

‑24‑

(5)

社一

3

研究の内容 研究の方向 わたしたちは,

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間 子どもたちは これらに積極的にかかわり,そこに存在する人間の生き方に共感す のることで,自分の生き方に価値を見出しながら,社会認識を深め,自分の生き方を補 営強したり,強化したり,修正したりする。そして,自分の生き方を見つめ直し,その み生き方に対する新たな意志決定をしていく。

に この人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける過程を通して,子どもたちは,

共 図 1 のような 3 つの力の総体である社会科における学力(確かな学力)を身に付けて 感いく。また,その過程において,自分の生き方を問い続けることで,子どもたちは自 し分の生き方と追究対象である人間の営みとのつながりを常に見出そうとし,自ら学ぶ

、意欲を高めることができる。その際,自分自身の学びについても繰り返し振り返るこ 自とになる。そのことで,次のような感覚'

分を味わうことができる。この感覚は,自 のら学ぶ意欲の源として位置付けることが 生できる。

き 方 を 問

続 け る と

を次のようにおいてきた。

これまで「人間の営み」

人と自然との関係

資 料 活 用 を 基にした恩考・

判断

自分の考え

を整理,再構 成した表現

※社会的思考力

※資料活用力

人と社会との関係

人と人との関係

。 有能感・・・

「自分は問題を見つけることができるのだ。 J

「新たな社会的事象に出会っても,今まで の追究方法を活用できるのだ。 J という

。 感覚。 自己決定感

f自分の問題は自分で解決方法を見出して いるのだ。」という感覚

社会科の学力のとらえ方】

<社会科における「自ら学ぶ意欲」とは>

問題解決の過程で,人間のたくましい営みの姿を発見し,それらに共感することにより,さら に新しい社会的課題を自ら解決しようとする力になるものであり,主体的な問題解決を図ってい く原動力である。

社会科において人間の 営みに共感し,自分の 生き方を問い続ける授 業とは,図 2 のように,

人間の営みを共感的に 学び取る過程において,

学習過程ごとに,全て の子どもが学力の構成 要素である 3 つの力を 関連させながら自分の 生き方とのつながりを 見出していけるような 姿が見られる授業である。

人聞の営みを共感的に学び取る過程

自 ら 学 ぶ 意 欲 が 高 ま る

自分の生き方を問い続ける学びの様相】

人間の営みに共感し,

【 図 2

(6)

‑ 4

また, この 授業においては ,追究対 象 としての 人間の他 に も,多様な考えをもち合う 友達や,教師とのかかわりが,自分の生き方を深めてくれる存在であったり,自分の 昌生活を支えてくれる存在であったりするという恩恵感を味わわせることも大切 になる。

各過程 にお ける具体的 な子 ども の姿 を示すと 次のよ うに なる

過 │ くつかむ過程〉

程 [ ( Q ) 身近な ところに 自分が知らない社会的事象があることを認識する 子ども ご I ( Q ) 自分とのかかわりから問題を 設定しようとする子ども

と I ( Q ) 新たな社会的事象と 出 会っ たとき,そこに介 在する人間の立場に立って考え ,自ら 問 題を見 出 そうと する子ど も

。 社会的事象や問題について調べたいと強く思う(切実な問題意識をもっ) 子ども

O  自他の疑問を相互に認め合い 相互の 立場で問題を焦点化していく 子ども

く立てる過程〉

O  これ ま で問題解決を図っ てき た方法に自信をもち, その方法が今から追究 しよ うと する学習対象に 適応できるか 当 てはめようとする 子ども

自分なりの予想 その根拠を しっかりもち, 相互に認め合って学習計画を立てる 子 ども

に 1< る過程〉

共 ( Q ) 自分の予想と 比 較 し ながら意欲をもって一人調べをする子ども

出 [ ( Q ) これまでに培った地理的・歴史的な見方・考え方を発揮して考え ている子ども

じ │ 。 分かっ たこと を自分なりに整 理し,みんなで話し合い, 社会的事象の因果関係や要因 , に

人 間 の 生 き 方

自 分 の 生 き 方 を 問 い 続 け る 子 ど も が 見 ら れ る

背景を考え ている子ども

。 人間の意図や願いをその人間の立場になって考える子ども

O  自分の追究方法に 自信 をもっ子ども

O  追究対象を 自 分とのつながりで考えよう とする子ども

他の追究方法や考えを 認め合い ながら, 自分の見方・考え方を高める子ども

O  問題解決に必要な資料を 自ら 意欲的に収集 し 活用している子ど も

友達が考えの根拠と した資料と,自分の資料とを比較しながら 自 分の 考えを再度検 証しようとしている子ども

社会的事象同士を比較 たり,関係付けた りし 事象 の背景について考えている 子ども

〈まとめる 過程〉

。 人間の営みを自分とのつながりでまとめる 子ども

自分なりの意志決定を ,その根拠を他に説明したり , 様々な 資料を駆使して新聞 に表したりする子 ども

〈生かす 迦陸〉

。 自分の生き方を社会生活に 生かそうとする 子ども

。 自分の学びを,さらなる追究対象に 生かそうとする 子ども

< 人 間 の 営 み に 共 感 し , 自 分 の 生 き 方 を 聞 い 続 け る 社 会 科 授 業 と は >

社会科の学力を高め,公民的資質の基礎である市民としての態度形成が図れる ことを目指し,子どもたちが自分の学びに対する有能感や自己決定感を味わうと ともに,自分の生き方を見つめ直すことができる授業である。このような授業が 展開される中で,子どもたちは自分の生き方と人間の営みとを常につなげて考え,

学ぶことの必然性を感じながら,社会認識を深める喜びを感じていくことができ るのである。

‑26‑

(7)

‑5

(2  人 間 の 営 み に 共 感 し , 自 分 の 生 き 方 を 問 い 続 け る 授 業 創 造 の 基 本 的 な 考 え 方 )

( 1)  人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける子どもの姿の想定

Z  人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける授業を展開するには,まず,こ れまでの研究で想定した思考・判断,技能・表現における発達特性の一覧表を基に しながら ,各単元における ー単位時間の授業が図 3 の 4 つのパターン(単元終了時 には D になる)のどれに当てはまるかを加味し,単元全体の目標分析を明確に行う 必要がある 。

( A )   意

欲 態 度 に 表 出 す る 子 ど も の 姿 を 見 取 る

戸 空

、 ー

【 図 3 人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける目標のパターン】

明確な目標分析の基 r 人間の営みに共感し,自分の生き方を聞い続ける子ども の姿 J を具体的に想定する 。その際 r 関心 ・ 意欲 ・態度」に着目し,子どもたち の追究意欲や知的好奇心,自己を見つめる力の面から実態を加味しながら考える。

次に,前研究で設定した学習内容を基に, r 人間の営みに共感し,自分の生き方を 問い続ける子どもの姿」を洗い出し,学習過程ごとに置いていく。

以上のような考えの基に想定した子どもの姿,を思考・判断,技能・表現におけ る発達特性に応じ, 学年 ごとに整理すると表 1 のようになる。

【 表 1 想定した人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける子どもの姿】

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自分なりの章志決定をし その根拠を具体 ー自分なりの意志決定をし その根組を具 自分なりの意志車定を その祖拠を且 自分なりの意志決定をし そ の栂担を因果I

事象同士の間保付けをしながら 壁新聞や 体的事象同士の問時付けをしながら 的事車向や事車問で関慌付けをしながら 背景まで吉めた事車聞の間保付けをし立がンフレットにまとめる欄子 人斬聞やパンフレツトにまとめる樟子 人新聞にまとめる樟子 ら個人斬聞にまとめる槽子

資料の韓合的主解釈 当分t

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由者えの湾構築

皇分の生き方を目会 生前に生かそっと寸る樺│ 自分の生き方を振り返りI 社会生活 ためにf 自分はどフすればいいのかを考える隙子

牟んだことから, 面分なりの闘い を も 弘 さ らIなる通夜対象に生かモ

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とする隙子 学んだことかちI 自分なりめ顧いをもち,学ん定こ"fを到、してできる一ことを候そうとす

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(8)

人間の営みに共感し , 自分の生き方を問い続けるための学習内容

これまでの研究から,思考 ・ 判断 ,技能 ・ 表現の発達特性や子ども自身が見出し た学習内容を吟味し,必要であれば学習指導要領に示された内容に付加してきた。

そのことで,人間の営みに共感し,自らの生き方に生かす授業を創造し,子どもた ちが学習内容を納得しながら学ぶ研究を地理的,歴史的,公民的内容に焦点化し行っ てきた。

本研究では,人間の営みに共感し , 自分の生き方を問い続けることができる よう に , よ り 個に応じた 学習 内容を設定 していく必要がある 。そこで,本年度は , 目標 分析や想定された子どもの姿の基,次の よ うな要素を含んだ学習内容を設定するこ

とにした。

( 2 )  

社会的な見方 ・ 考え方が高まる学習内容(※ 前研究を生かしていく 。 ) 自分の生き方を問い続けることができる内容→<子 どもにと っ て より 身近な素 材 >

有用な体験を味わわせることができる内容

単元のねらいに 即 して多様な資料を活用できる 学習内容 資料の特性や活用の仕方を指導することがで きる学習内容

日常の生活で問題解決をする習慣を日常化することにつながる学習内容

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個 に 応 じ た 学 習 内 容 を

‑ 6

ヨ リ

タ 認 知 を 発 揮 さ せ る 自 己 評 価 活 動 の 位 置 付 け

人間の営みに共感し , 自分の生き方を問い続けるための指導方法

人間の営みに共感し,自分の生 き 方を問い続け,社会科の 学力を高めてい く ため には,子 ども 一人一人に応じた学びを 支援していくための指 導方法の工夫 ・改善が 必要である 。その際, 子 どもが自分の生き方を問い続けることができる指導方法は,

子 どもの発達特性を踏まえなが ら ,単元 に応じて考えていく必要がある。

さらに, 個の 学びを 今 まで以上に保障しながら,子どもたちに 自 分の学びに自信 をもたせ,自分の生き 方 を軸にして人間の営みを追究しようとする 意欲を 高まらせ るために ,図 4のような メタ 認知を発揮させる 自 己評 価活動を位置付ける ことにした 。

(振り返りカードの項目の意味)

授業の感想と

自分 自身の姿に 対する振り返り

4 ユ

F

ここ で は,追究 対象について,自 分を軸として考え,

自分の生き方を 聞 い続ける姿を見つ める こと ができる。

これ を単 元全体 で 繰り返すこ とで追 究意欲 を高めるこ

とができ る 。

たこと・特に参考になった串忌

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O  授業 で得 た主 な 知 識 ( 概 念 ) とその 知識獲得 に活用 した資料 ここ ~ で は, 自分 がどんな資料を使っ て認識 したかを見 つめ るこ とができ , 自分の 学 びに 対 し て自 信 をもつ こと が で き る 。 また , 個 に応じた 補充 的 指導につなげるこ とができる 。

‑ 2 8 ‑

メタ認知を発揮させる自己評価活動の位置付け】

【 図 4

(9)

ー 7

E  研究の方法

(  1  研究の手順と方法

子 研究を進めるに 当たっては,まず,授業前に単元の目標分析を具体的に行い, 人間 どの営みに共感し,自分の生き方を聞い続ける子どもの姿

もを具体的に想定す る。次に, その想定した子どもの姿が の表出する学習内容であるか,前研究で設定した学習 内容 さを目標分析レベルで検討をす る。そして,実践 を進め,

長想定した子どもの姿の妥当性を見取っていく 。

践 想定した姿になっていないとき,なぜそうならないの で かを学習内容や指導方法の面から検討し,改善していく

0

2  この設定の流れを示すと図 5 のようになる。

し ( ・砂 子どもの姿を想定し 検証する流れ に く〉子どもの姿を設定した後の流れ )

子 ど も の 姿 を 設 定 し て

授 業 前 1  目標分析 2  人間の営みに

共感 し,自分の 生き方を問い続 ける子どもの姿 の想定 (設定) I~\

3  学習内容設定 I ,/ L 4  指導方法の具

体化

授 業 中 授 業 後

授業記録を基に,

想定した子どもの 姿が人間の営みに 共感 し,自分の生 き方を問い続ける 姿であったかを検 証する 。

1  子どもの姿 を形成評価 2  子どもの姿を基に 指導

3  自己評価(定期的な振り返りの実施)

※  想定 と異なる ときは具体的に働きか ける。

~\ て 子

次 回 の 授 業 に 向 け て

人間の営みに共感し,自分の生き方を聞い続ける 子 どもの姿の設定

【 図 5 研究の手順と方法】

(  2  研究計画 〕

目 本研究の期間は 3 年とし,目標,内容,方法の順に従い,次のような見通しをもっ 標 て 進めていくことにする。

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①  研究の基本的な考え方の再構築と ,人間の営みに共感し,自分の生 1 年次 き方を問い続ける姿の設定の基本的な考え方を構築する。

②  「調べる過程」を中心に実践する。

①  人間の 営みに共感し,自分の生き方を問い続けることができる学習 2 年次 内容の設定の基本的な考え方を構築する 。

②  「つかむ・立て る過程」を中心に実践する。

①  2 年次の研究の成果と課題に立つ個に応じた指導方法の研究をする 。 3 年次 ②  人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける評価の研究をする 。

③  「まとめる・生かす過程」を中心に実践する。

(10)

8

N  第 6 学 年 単 元 「 ア ジ ア ・ 太 平 洋 に 広 が る 戦 争 」 に お け る 授 業 の 実 践

( 1  本単元における授業づくりの基本的な考え方 ) 

( 1 )   単元の目標

授業の具体化に際し,まず,単元の目標の分析を行う。そして,社会的な見方 ・ 考え方を高めていくために,これまで研究してきた思考 ・ 判断,技能・表現の発達 特性も考慮しながら以下の ように本単元の目標を設定した。

│社会的事象への関心・意欲 ・ 態 度 │

満州事変から日中戦争,第二次世界大戦の日本にかかわる歴史的事象に関心をもち,戦争の 背景やその様子,戦時中の国民の生活などについて自分と戦争とのかかわりを考え,学習を振

り返りながら主体的に取り組むことができる 。

│資料活用を基にした思考 ・ 判 断 │

戦場の広がりや国民生活への影響や戦場になった地域の人々の被害の様子,経緯や因果関係 について,戦争の実態と平和の意義とを関係付けて考えることができる。

│ 自分の考えを整理,再構成した表現│

自分で調べたことを明確にしていくために,戦争中の生活や戦争の様子について分かったこ とを年表や地図,絵図等に表現したり,歴史新聞等にまとめたりするととができる 。

│ 社会的な事象についての知識 ・ 理解 │

戦争の背景と経過を理解し,戦争によって日本国民やアジア ・ 太平洋の諸国 ・ 諸地域に大き な被害を与えたことをとらえることができる。

戦争と現在の自分との関係についてとらえることができる。

ここでは,前章で述べてきた基本的な考え方を基に,人間の営みに共感し,自分 の生き方を問い続ける姿を以下の手順に従って具体的に想定していく。そのために,

これまでの実践や子どもの実態を基に考えていくことにする。

①  これまでの本単元の実践から

地理的な見方 ・ 考え方を高める内容を付加する ことで,我が国にかかわる第二次世界大戦で,満 州事変から太平洋戦争へと,我が国が資源を求め て戦争を拡大していき,国民や多くの国々に被害 を及ぼし,戦争が終わったという歴史的な見方 ・ 考え方が,より高まっていくことが分かつた。

しかし,当時の人々が受けた苦しみや,恐怖をとらえるということに関して は表面的な歴史認識で終わっている子どもが見られた。

②  子どもの実態から

「戦争」という認識を中心にして,使用された川ぶ苛¥ 句 9 セ

j 兵器や,真珠湾攻撃,太平洋戦争,空襲,原子爆 j 片 品 尺 空 ⑬ w g 句

! 弾の投下等の歴史的事実についてはよく知ってい川 ß~ 巳川ωJbθ宗主Jìl j るものの,当時の人々の生活の様子等,人胤間

i みという点に関してはあまり目が向いていないこリ ごケ斗÷否

とが分かる

o

4~ー ¥¥ ー£う/

①②より [本実践における授業前のウェ ッ ビング図】

子どもたちが,戦争をより身近なものとしてとらえるとともに,当時の人々の苦 しみや恐怖等を具体的に実感しながら学習を展開する必要がある。つまり,当時の 人々の生き方に共感させることで社会的な見方・考え方を高めていく必要がある。

‑30‑

(11)

9

以上のような分析に加え,この時期の子どもの学習過程ごとの思考 ・ 判断,技能・

表現の発達特性も考慮した上で, P27で示した目標のパターンを基に本単元におけ る人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける子どもの姿を想定すると以下の ようになる 。

【本単元において想定される「人間の営みに共感し , 自分の生き方を問い続ける子どもの姿」】

過程 [関心・意 欲・態 度】 自分の生き方を問い続ける姿

[

発簿される問題解決能力]

[

知 識・理 解]

(A) 

戦 争 の こ と は 新 聞 戦 争 に 一 問 一 こ と を 発 表 し た

j

これまでの知識と 我 が 国 は

15

年 に

つ や本,新聞などで知つ り,友達が知っているる姿こ。とを聞いたりしながら話 第二次世 界 大戦にか も わ た る 長 い 期 間 て い る よ。戦 後

60

年 し合ってみようとす かわる歴史的事実と 戦 争 を し て,鹿 児

を 迎 え て話題 に なっ を比較させながら学 島 も 大 き な 影 響 を

カ= たな。 か 提,示された資料をもとになぜ戦争がた起の だとったの 習問題について考え 受けている。

戦 争 で 日 本 や 世 界 人々はどのような生活をしてい ろうか る。 (比較・類推) む は ど う な っ た の だ ろ という学習問題を導き出そうと考えたり,友達の お互いの意見を集

うか。ま た , 鹿 児 島 意見を聞いたりしている姿。 約し,学習問題を立

はどうだったのかな。 てる。 (i吟味)

ーーー』晶ー‑.・ ・ー・‑̲.・ーーーーーーーー

.一

一字ー曾

1 向扇} ミ詠じで

自 分 た ち の 身 近 こ れ ま で と 同 じ 方 学習問題について,自分の現在の認識を自覚し, これまでの学 習を基 な 所 に も 戦 争 を 伝 立 法 や 追 究 の 柱 で 解 決 自分なりの予想を立てようとしている姿。 に類推し,結論につ え る も の が あ っ た

できそうだな。 いて予怨を立てる。 り,人 が い た り す

て ;  自分や友達の予想を基に追究の柱を考えてノー; (類推) ることに気付く。

戦 争 に 関 す る 資 料 トに書いている姿。 学 習問題を解決す 問題 解 決 す る た

は 図 書 館 や 資 料 館 な るための資料の収集 めの方法や手JII~ を

る どに多くあるから, { 問題を解決するために今までの追究方法る姿を。振り } の目的や方法を見い 納得する。

それを使いたいな。 返って考え,友達と熱心に話し合ってい 出す。 (洞察)

ーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー ーーーーーー ァー手正字か.9Jl‑;主ヲ走り

15主ß Tご I五ぷ I~Ji挙

満州事 変 か ら 戦 争 日本人としての自己を見つめながら, 現 在の日 広がったりした因 が 中 国 へ の 侵 攻 か は ど の よ う に 広 が っ 中関係を振り返りながら,日本軍が中国に侵攻し 果関係や条件が分か らはじまった。

ていったのかな。 ていった様子を地図を用いて調べたり,熱心に友 る。 (因果,条件) 日 本 が 資 源 を 求

達に伝えたりしている姿。 地図を基に世界の め外悶へ侵攻し,

過 去の 戦 争 と 今 の 情 勢 や 戦 争 の 広 が 戦火は東南アジア

日 中 関 係に は 関連が ; 中国に与えた大きな被著と現在の日中関係と関 り,位置,距離が分 太平洋へ広がり,

ありそうだな。 係付け,今後の日中関係のありかたを考える姿。 か る (位 置,距離) 大 き な 被害を 与 え てしまった。

ー‑ー・・ー‑‑ーーーーーーーーーーーー

ーーーー

ーー ー

ーーーーーー・ーーーーーーー 戦 争 に よ っ て 国 戦争が広まっていっ 写真や絵図,クフフ等の多様な資料を基に,鹿 資料を基に当時の 民 が 被 害 を 受 け,

た中 で , 人々 の く ら 児島の様子や人々の生活の様子について類推した 生活の様子を類維す 鹿 児 島 も 空 襲 等 で し は ど の よ う な も の り,追体験しようとしたりしている姿 る。 (類推) 多 く の 市 民 が 被 害

だったのかな。 を 受 け た り , 苦 し

戦 争 を 体 験 し た 人 戦争体験者の話を聞き,疑問に恩ったことを質 戦争を体験した人 い 生 活 を 強 い ら れ 調 に話が聞けそうだな。 問したりしながら,自分たちの平和な生活のあり の話から当時の犠子 たりしていた。

がたさを感じる姿。 を類推したり, 背 景 自 分 た ち の す ぐ

鹿 児島 で も 大 き な をとらえたりする。 身 近 な 人 々 が 戦 争

被害が出たんだな。

i

周炭:字囲めの恐ろしさや無益さを知り,分かったこと} 繍!'f

t

経緯.背祭) を 体 験 し , 鹿 児 島

を 人に伝えている姿。 も 大 き な 影 響 を 受

F'(  人 々 は 苦 し い 生 活 けた。そ し て,尊

で も 必 死 で く ら し て

戦争で犠牲になった人々のことを思い,今自分; い 犠 牲 の上に 現 在

いたんだな。 が存在することへの恩恵感を感じている姿。 の 平和 や 自分 た ち

ーーーーーーーー‑‑‑ーーーーーー‑ーーー 戦挙が広ま":Jて.~~":J 一:一一がある。下ド編(J)

五王 員 磁 7

る 沖 縄 や 広 島,長 崎 沖縄戦や原爆の被害,ソ連の参戦を基に我が国 た 織子や国同士の関 広 烏

長 崎 へ の 原 はどのような様子だっ がどのような被害を受け,終戦に向かっていった 係から敗戦の因果関 爆 投 下 , ソ 連 の 参 たのだろうか。 のかを調べている姿。

f

系をとらえる。 (因 !被等で 次 第 に 敗 戦 果,1剥連, 類推) 色 を 強 め , 連 合 国

日本中が戦争によっ 日本が不利な戦い に敗れた。

て大きな被害を受け, 戦争の恐のろ自 しさや無益さ,命の大切さについてこ を続け,敗戦に│向 れ

' l

純 戦 の 次 期 侵 終戦を迎えたんだな。 れまで 分と比較して考える姿。 かっていった経緯を 攻 地 域 は , 鹿 児 島

日 本 も 他 国 に 被 害 を とらえる。 (経総) が対象であった。

与 え て い る か ら , 戦 ; 酬 に 一 問 問 一 附 な

j

戦争の広がりを基 地 理 的 特 色 を基 争は無益だな。 がら,特攻に行った人々をはじめ,る姿従g軍した人々 に日本がしてきたこ に 特 攻 基 地 が 鹿 児 の日本や家族への思いを考えてい とと日本がされてき 烏 に 多 く 作 ら れ て

たことを関係付けて いた。

今 の 自 分 が あ る の

自日称本がアジア諸前害の民状況説とを獄関係付範け鱗て考商え椋,  考える。 (比較,関 終 戦 が近づ く に は 尊 い 綴 牲 の 下 に あ の 受けた被 係 付 け,因果) つ れ 少 年 も 入 隊 す

るんだな。 戦争の無益さを改めて振り返る姿。 るようになった。

・・Fーーーーーー

ーー‑TFーーーーーーーー.

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ーと)1:ーまであ苧 習を 一司ーー訴 が 函

i

まデジデ ま 戦 争 は お互い が 傷 これまで学習じた我が国と関わりのある第る姿三。次 基に学習問題をまと や 太 平 洋 地 域 に 戦 と つ け 合 う か ら や っ て 世界大戦について,新聞にまとめ,表現す める。 (1吟1

1

ま・断定) 火 を 広 げ . 国 内 外

め はいけないな。 に 大 き な 被害を 与

.

え一.ど敗

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れがた百。

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ーーーー・ーーーーーーーーーーーーー ーー

ーーー

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ァーーと度正

1

政争を誠

i j

生 戦 争 の な い 世 の 中 一 一 … と を 関 … が) 返 さ な い よ う に 自 分 の な い 平 和 を 築 い か にしていくために, ら考え,悲惨な戦争を繰り返さないために,自分 たちにできることを て い く こ と が 大 切

何ができるだろうか。 にできることを探し,実行していこうとする姿。 し て い こ う と 考ーえ である。

す る。 (意志決定)

(12)

学習内容の設定

本単元「アジア ・ 太平洋に広がる戦争」 につい て想定された子ど もの姿を基に,

単元 の学習 内 容 を設定す る 。

本単元 におい ては こ れまで 次の ような考えの基,

てきた 。

: 0   日華事変から太平洋戦争 と我が国の戦争が拡大し ,国 内外 に多大な被害を与 えた ことを多面的にとらえ させ,我が国にかかわる第二次世界大戦に 関す る認 識を深めさ せ るために「アジア ・ 太平洋への戦争 の拡大 j という 地理的な見方 ・ 考え 方 を高める 内容を 一律に 付加した。

『 ・ ι

人間 の営みに共感 し,自分 の生 き方を問 い続 ける子 ども の姿 を 表出させ るに は,

これ までの学習内容以上 に 太平洋戦争を自分たちの身近なこととしてとらえ,よ り切実感のあるものとして追究させる必 『 ・ 要がある ι と 考え た。

単元を通して,戦争を自分の生活とつなげて考えることができる学習内容である,

わたしたちが住む f 鹿児島 j と第二次世界大戦との関係を付加することにした。

( 2 )  

社一

1 0

学習 内容を設定 し ,実践をし

学習構造,学習活動を まと める と 次の ようになる。

本実践の学習 内容 ,

鹿児島市の戦前と戦後の 様子を比較することで,自 分たちにとってより身近な ところに着目させ,学習問 題を設定する。

身近なところから 他国と の関係に目を向けさせ,そ のような戦争が始まった原 因を追究する。

戦争が拡大し,長期化し ていった原因や時代背景な

どを追究する。

戦争が長期化する中で人々 がどのようなくらしをして,

どのような思いでいたか鹿 児島の人々を中心に追究し,

さらに全体の様子を追究する。

沖縄や広島,長崎等,我 が国がどのような被害を受 けたのか,また,終戦と鹿 児島とのつながりについて 当時の人々の生き方から追 究する。

学んだことをまとめ,戦 時中の人々の思いを振り返り,

平和に対する今後の自分の 在り方について考える。

く今回の本校での学習 内容設定>

学習問題設定

まとめ わたしたち が 住む﹁鹿 児 島 ﹂ と 第 二 次 世界 大戦

く これ までの本校での学習内容設定>

戦前と戦後の様子を 比 較することで,なぜこの ような戦争が起こったの かという,学習 問題 を 設 定する。

身近なととろから 他 国 との関係に目を 向 けさせ,

その よ うな戦争が始まっ た原因を追究する。

戦争が拡大 し,長期化 していった原因や時代背 景などを追究する。

戦争が長期化する中で 人々がどのようなくらし をして,どの よ うな思い でいたかを追究する。

沖縄や広島,長崎等を 中心に,我が国がどのよ うな被害を受け,戦争が どのようにして終結した かを追究する。

学 ん だ こ と を ま とめ,

平和に対する今後の自分 の在り方について考える。

‑ 3 2 ‑

(13)

( 2  本単元の実践と考察

( 1 )   実践 1 (3/6) 

一11

本段階では, P  27 で前述した目標分析の方法において,パターン C で目標分析を 行った。そして, r 人々のくらしの様子」という学習内容において,当時,鹿児島市 で戦争を体験した人材を活用することによって,人々の生き方に共感できるように 学習を進めた 。本段階を含め, 一単元を通して自分の 学 びの様子を顧みることがで きるような振り返りカードを用意し 一単位時間終了後に自分の 学びを記録させた。

主 な 教師 の働 き か け

@

写真

(戦時中の附属小学校の授業)

o  r 戦時中の人々はどのようなくらし をしていたのだろうか」という

問題意

識を高めるために,校庭で剣術の練習 をする子どもたちの様子を基に当時の 人々のくらしについて話し合う。

@  人々のくらしの様子をも

っと知

りた いと

いう意欲をもっ姿(発表)

@  人材 (戦争経験者)

O  戦時中における人々のくらしの様子 をとらえさせるために,戦争経験者に よる経験談を聞くこ

とで,当時の人々

の苦労や考え方に共感できるようにす る 。

@

(

鹿児島市の擢災状況)

鹿児島市の被害を具体的にとらえさ

せる

ために, 市の催災状況

を提示 し , その状況下での人々の思いや生き方を 考えさ

せるようにする

鹿児島市の宰襲による被害状温

自イオ 檀害を畳けた人世(人)櫨曹を畳けた置物(戸)

S2 0 . 3 . 1 8   1

司自 司元世月

I S20

.4

. 8  7 :  2 5 9 :  

S20

.4

. 2 1   4 5 4 8   8 7 1 8 8    S20 . 5 . 1 2   6 7  

S20 . 6 . 1 7   66134  6 4 9   S20 . 7 . 2 7   8 9 0 5   1

1:1; 

S20 S20 . . 7 8 . . 3 6  1   1 f 6 i R 5 l 4   2   3 1 2 7 5 8 9 1   

合 計

1 5 : l R 5   2 1 9 6 1  

天口の

66% 市街地の 93%

O  話を

聞いて深く心に感じたこと

を伝 えたりお互いの考えを共有した りする ために,振 り返りカー

に記入

させる ようにする。

@  戦争の時代に生きた人々に共感し

戦争と自分との関係を考えるこ

とがで

きたか。

(考察)

自 分 の 生 き 方 を

い 続 け る 子 ど も の 姿 ( W ~

は補助発問)

戦時中の人々はどのような

くらしをしていたのだろうか。

本や他教科の 教 科書,映画な どでも人々が必 死に

くら

して

る様子を見たこ とがあ

るな。

それでも戦争に勝

ことを信じて

,頑

って いた ん だ な 。

強い思

いをも って い

たんだな

自分たち にはできるかな。

自分のおじいさん

やおばあさんも同じ

よう

ことを

言っ

いたよな。

この時代 に生きた

みんなはす

ごいと思

う 。

戦争中

生きた人々と自分たち はどのよう な関係があるかな。 」

※個に応じた補充的学習

多くの命や財産が失われるような戦争時中でも 人々

は勝利を信じて必死に なって生きていたんだな。

たくましく生きた人々に自分たちも

学ばないと いけないな。

戦時中の人々のくらしについて,子どもたちは,まず「衣 J r 食 J r 住」 のそれぞ

れの視点で事実認識を得た。その後,当時鹿児島市で戦争を体験した方に,戦時中

(14)

社 ‑ 1 2 

のくらしを中心に鹿児島市の大空襲下での体験を話していただいた。子どもたちは,

「鹿児 島 J とい う視点から第二次世界大戦を見ることができた。そして,戦時中の人 々 が苦しい生活の中,必死で生きていこうとしたことをとらえることができた 。 さら に,子どもたちは,体験談の聞き取りから,戦時中の人々の生き方に共感していっ た。そして,自分の家族のことを思い出したり,これまでの自分の知識と比較した りすることで,さらに戦争のことについて調べ,考えていこうとする姿が見られた。

つまり,自分の学びに対する有能感をもちながら学習に取り組み,自分の生き方に 生かしていたといえる。

したがって,本段階において,

「人々の くら しの 様子」を追究

しながら当時の人々の思いを考│同ヮち 7 聴者持蛇・

えさせていくという学習内容が │ o 払れお硲

妥当であったといえる 。 【体験談を基に,戦時中の人々の生き方に共感する A さんの姿】

( 2 )   実践 2 (4/6) 

本段階では,前述した目標分析の方法において,パターン D で目標分析を行った。

学んだことをさらに自分の生き方にまで生かし,自ら 学び続けていこうとする態度 をもつことができるようにするために, r 戦争の終わり J という学習 内容に おいて 前段階までの学習を生かしながら ,当 時の人々の生き方についてさらに追究してい

く 段階であ る 。

主 な 教師 の 働 き か け ツダム宣言受諾の様子)

O  日本がどのようにして終戦を迎えたのだろうか という意識を高めさせるために,写真を基に考え させる。

地図

(原爆で破綾された地域)

O  戦争によって我が国が受けた被害をとらえさせ るために,原爆での被害を基に,原爆の恐ろしさ について考えさせるとともに,この戦争で失って しまったものについて話し合わせるようにする。

@  写 真 (

沖縄の地上戦の様子)

沖縄での激しい戦闘をとらえさせるために,写

真と県民の五分のーが亡 くなったという

事実とを

関係付けて,その悲惨さについて考えさせる 。

@新聞(オリンピック作戦計画地図) O  今の

分と戦争との関係をとらえさ

せるた

めに,沖縄の次の目標が鹿児島県であったこ とを示す地図を基に終戦を迎えた意味を考え させる。

@手紙(特攻隊員の遺書)

@  写 真 (

出書室前の特攻隊員)

O  今の平和な世の中があるのは戦争で命を犠 牲にしてまで戦った人々がいたからだという ことをとらえさせるために,特攻隊員が残し た遺書をもとに平和の尊さについて考えさせる。

@ 戦 争 で亡 くなった人々が生きていたら,み んなにどのようなことを伝えたいだろうか。

そして,自分たちにはこれからどのようにし たらよいだろうか。

(

窃戦争と自分との関係について考え

,戦時中

j に生きた人々に共感することができたか。( 振

;

'  り返りカード)

自分

の 生 き 方 を

い 続 け る 子

どもの姿

( W

~は補助発問)

沖縄であった地上戦の可 能性が鹿児島でもあったん

だ 。

でも,それまでに多くの 犠牲があったから終戦を迎 えたんだな。

もし,終戦が遅れていたら,鹿 児島は大変なことになってしまっ

ていたな。

鹿児島県が戦場になっていて,

おじいさんやおばあさんが巻き込 まれていたら,自分は生まれてい なかったかもしれない。戦争と自 分のつながりがここにもあるな。

国内外

に多くの被害を与え,我が国は終戦を迎えた。このよう な戦争を二度と繰り返さないようにすることが大

切だ。

34‑

(15)

‑ 1 3

(考察)

ここでは,終戦に向けて我が国が受けた被害について話し合った。その中で,沖縄 での地上戦の様子を示した資料を基に,沖縄での人々の様子や当時の人々の思いにつ いて話し合わせた 。そして,その後の「鹿児島」への上陸作戦計画の地図を提示す る ことで,同様の戦いが「鹿児島」でも起こる可能性があった事実に大きな驚きを感じ る姿が見られた。さ らに, 沖縄での戦

闘の様子から類推し,もし「鹿児島」

で地上戦が行われていたら,自分の存 在もなかったかもしれないという考え から,戦争と自分とのつながりを感じ ることができ,平和の尊さについて よ

り深く認識することもできた。また,

「鹿児島」とも関係の深い特攻隊を取 り上げた。その際,隊員が残した遺書 と写真を基に,戦争で亡くなった人々 がどのような思いをもっていたかを考 え,話し合わせる活動を取り入れたこ

とで,子どもたちは犠牲になった人々

[

Aさんの振り返りカード]

単元の始めの段階では戦時中の傑子について,表面的な認識 しか得られていない。しかし,単元の終末の段階では,歴史的 事象の背景をとらえるとともに,当時の人々の生き方に共感し,

今後の世の中の在り方や自分の生き方を考えていこうとする姿 が見られる。(※ の部分から考察)

の思いにふれ,尊い犠牲の上に現在の自分がいるということをとらえることができた。

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足 以 以五

また ,振り返りカードを基に子 どもが自分自身の学びを振り返り,

自分の学びに対する有能感や自己 決定感を高めることができた。そ して,この振り返りカードを基に 補助資料の提示等,個に応じた指 導にいかすことができたことから,

振り返りカ ードを用いた指導方法

【ゲストティーチャーへ手紙を書く 8 さんとその手紙】 │についても効果があったことが分 かった 。

さらに, ['生かす」過程において,子どもたちが自ら「調べる 」過程で戦争体験を 話して下さったゲストティーチャーに「学んだことを伝えたい。」という強い意志を 示したために,手紙を書くことにした。その手紙には,全ての子どもたちにおいて,

以下のような姿が見られた。

11m テイ引ーの同こ 対叩州事 戦時中 lこ 生きた…J;t9Q~ 1; ì ~感 1 I  当 時 山 の日 生き方に ついて真剣 問 る と と も に 「 当時 の 川 町 心 叫 つ

けていかなければな ら ない」と自分の在り方を考え,伝えて いこうとする姿

つま り , ['生かす」過程において,子どもたちが戦争についてさらに考え, 学んだ

ことを伝えようとする姿まで高めることができたと 言 える。それは['調べる」過程

で「戦争の終わり」を追究することで,当時の人々の生き方に深く共感できたからで

あると考えられる 。したがって, ' [ 調べる」過程において, ['戦争の終わり 」 という学

習内容で当時の人々の生き方に共感させる ような内容と方法が妥当であるということ

が分かつた。

(16)

‑14

本実践を通して,授業前に想定した子 どもの姿は,子どもたちが人間の営みに 共感し,自分の生き方を問い続けること ができるという点で,妥当であったとい える。

また,前単元までの学びを生かしてい くことで,歴史的な見方 ・ 考え方を高め るととができ, r アジア ・ 太平洋に広が る戦争」に対する認識も深まっていった。

さらに,戦争に よって犠牲になった人々 や戦争の中をたく ましく生き ようとした

戦争について考え,自分の今後の生き 方を考えていこうとする子どもの姿

直 詞 22.5% → 匿 詞 95%

※  ウェッビング図(赤の書き加え)と 子 ど も の 手 紙 ( " " 部分)により検証

人々に共感させたことで 戦争と自分との関係を よ り深く考え,未来の平和的社 会を自分たちの手で作り上げたいという態度形成までつながっていったと言える。

V  研究の成果と課題

わたしたちは本年度 r 人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける社会科授 業の創造」というテーマを設定し,その基本的な考え方について研究を進めてきた。

その結果,次の ような成果と課題を得ることができた。

(1  研究の成果 ) 

O  これまで研究してきた子どもの思考 ・ 判断,技能 ・ 表現における発達特性を踏ま え,関心 ・ 意欲 ・ 態度の面から子どもたちが自分の生き方を問い続ける姿を明らか にし,一覧表にまとめることができた。

O  人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける子どもの姿を設定し,その よ う な子どもの姿が表出する よ うな学習内容を設定 し てきたことで,自分を軸として追 究対象である人間の営みに共感しながら社会的事象をとらえ,これまで以上に社会 的な見方 ・ 考え方を高めることができた。

O  単元を通して,自分の学習を振り返ることができる振り返りカードを用意し,記 入させたことで,子どもたちが自分自身の学びに対する高まりを感じながら学習に 取り組むことができた。 また,認識面において個に応じた補充的な学習をすること ができ,指導と評価の一体化 を図ることにもつながった。

(  2  研究の課題 ) 

• r 人間の営みに共感し,自分の生き方を問い続ける」子どもの姿を各単元につい て検討し,学習内容設定の要件を探るとともに,その妥当性を見取る必要がある。

.  子どもが有能感やよりよく自分で解決方法を見出しているんだという自己決定感を いだき,自分の生き方について考え続けるための指導方法を改善していく必要がある。

[ 参考文献)

「学力の質的向上をめざす社会科授業の創造」

「問題解決学習で『生きる力』を育てる 」

「 社会科教育 No.550 , 555 

「生きる力を支える学習意欲の育て方 A""ZJ

「小学校学習指導要領解説 社会編」

関 浩 和 著 藤 井 千 春 著 北 尾 倫 彦 著

‑36 ‑

( 2 0 0 5 年 ( 1 997 年 ( 2 0 0 4 年 ( 1 9 9 7 年 (平成 11 年

明治図書)

明治図書)

明治図書)

図書文化)

文部省)

参照

関連したドキュメント

おわりに

5 成果と課題

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埼玉学園大学・川口短期大学 機関リポジトリ &lt;研究ノート&gt; 生活科授業から見えてきた生活科授 業構造と学びの基礎力 :

537 - 544 学芸図書︑ 全国大学国語教育学会編

知識の探究にむけた教育実践方法 社会科学系の大学学部教育における自律性と 造性の実現に向けて 佐 藤 大 輔 目 次 はじめに 1 議論の視点と問題意識

信が持てたりしたことは、問題解決型の学習や社

としたり,深めようとしたりする力