博 士 (獣 医 学) マ シュ ー チャ ー ルズ プ レ イフ ォ ード
学位論文題名 ‐.
Immunological studies on larval Ecん LnococcLLs rnひ2とilocuZarLs infectionln scid mice.
(重度複合免疫不全.scidマウスにおける多包虫感染の免疫学的研究)
学位論文 内容の 要旨
多 包 条虫Echinococcusmul tilocularisは 、巾iriJ裾主の 嚮歯類やヒ トでは 致死 的 な 経過 を たど る 病原 性 の強 い 寄生 虫で 、北方I塰liH園 に広く分加iし医 学 ・ 獣 医 学 上 問 題 と な っ て い る 。 本 幼 虫 は ヒ ト や 中 間 宿 主 の 齧 歯類 体 内 で 無性よ曽 殖および1云移し、 病原性を発揮する。中ILIlj宿主への感染は、本来の 虫 卵 の 経 口 摂 取 以 外 に 、 実 験 的 に 幼 虫 の 組 織 で あ る 嚢 胞 や 原 頭 節を 腹 腔 や 皮下 に 接 種し て も成 立 し、 無性 増 殖し 、 多数 の 原頭 節 を産 生 す るよ う にな る。 こ の 幼虫 に 対す る 感受 性 は動 物 によ り 様々 で あり 、 年齢 、 ・ 性、 抗 体、
南6仆 、1弧 粒球、マク ロファージ、リンノヾ球などのゑf因子が感受性にI刈与す るこ と が9Iら れて い る。 様 々な 免 疫応 答 を引き 起すが、I坊御に はりンノヾ 球 が重 要 な 役割 を 果た し てい る こ. と が示 唆 され て きた 。 まず 最 初 にこ れ らの 凶子 に つ いて 考 察し 、 マウ ス にお け る多 包 虫感 染 時の 希i主一 寄 生体 オu互 作 川を1)ンノヾ球の役割を中心に訓べるために、C.B ‑17マウス(以下正´;;0マtン ス1の ミュータン トで、機fiL的TおよびB糸I|1胞を先 天f肉に全く火打!する亜 度 複 合 免 疫 不 全 マ ウ ス ( 以 下 scidマ ウ ス ) を ′Hい 検 討 を 加 え た 。 ま ず 、scidマ ウ ス お よ び 正 常 マ ウ ス に 原 頭 節 を 腹 腔 内 投 与 し 、 マウ ス 腹 腔I/、Jに お ける 多 包虫 の 成長 を シス ト 重 量ならびに 糾織学的観 察によって 比 jl皎 し た 。 感 染 後6週 日 ま で はscidマ ウ ス お よ び 正 常 マ ウ ス と も に シ ス ト 重量 の 著 しい 変 化は み られ な かっ た が、 そ れ以I絳正 常 マ ウス で はシ ス トパ1
凹 に 顕 著 な 肉 芽 腫 様 炎 症 反 応 が 現 れ 、 シ ス ト 内 の 幼 虫 の 発 育 が 抑 制 さ れ た。 一 方、scidマウ スで は二段I暗の発 育を する こと がlリJらか とな った 。す な わ ち 、 感 染 後6週 目 ま で は 正 常 マ ウ ス とI司 様 に 発育 を 抑 制 し た が 、 感 染 後7週 目 よ ル シ ス ト 重 量 は 急 激 に 増 加 し 、 感 染 後15週I三Iま で に 体 重 の 約 リ2を 占 め る よ う に な っ た 、 また 、 糸11織 学 的 検 査 で は 原頭 節 の 形 成 が みら れた。
次にシスト重量の増加と原Lf節形成へのTおよびB荊ll)j'cl,の影淵l!をッJらか にす る た め に 、 多 包 虫 感 染 およ び 非 感 染 正 常 マ ウ ス か ら 得ら れ たJ拘 腺 およ び腓臓 糸l‖胞 をscidマ ウス に移入 し、 その 後原霸f節をJJ堕腔内投与した。正 常マ ウ ス%[ll胞 移 入scidマ ウス で は 正 常マ ウス と同 様にシ スト 重貰tの ょm加 が抑 制 され 、移 入糸I‖ 胞の ドナ ーが多 包虫 感染 して いるも のと 感染 して いな いも の で シ ス ト 重 量 に 差 は 認め ら れ な か っ た が 、 シ ス ト 内の 原 函i節 形 成状 態はgIl胞の ゛ド ナーの 感染 /非 感染に よっ て興 なっ た。す なわ ち、 多包 虫感 染正常 マウ スの ネ川胞 移入 では 原頭 節の形 成は 遅れ たが、非感染正常マ|ンス の糸IIl胞 移 入scidマ ウ ス で は原 頭 節 の 形 成 状 態 は 無 移 入scidマ ウ ス と 同様 で、 感 染11遡 で 原 頭 節 が み られ た 。 こ れ ら の 轟j果 は り ンノ ヾ 球 が マ ウ ス体 内での多包虫の発育(シスト重‑!のI{(IJ)J[Iと腸〔舛f節形成)の抑制に関与して いることを示唆してし、る。
次 に 、 免 疫 グ ロ ブ リ ン 産 生細 胞 で あ るB荊ll胞 の 多 包 虫に 対 す る 影 響 を検 討した。まず多包虫感染正´;;すマ,ンスのJ亅ヤネ)YCr,よりB%III包をMagnetic activated cell soi‑tei' (MACS)を川いて分窩佐し、scidマ:ンスに移入した。B 糸Ill)ia移入scidマIンスおよび無移入scidマtンスに鵬|:舛f節を股JJ坐投与してシ スト重量を比Il炎した。)Jiヤ糸Ill胞のMACSによる分出m粥Ij製;tf果はフローサイ トメ ト リー およ び分 窩tf三B細胞 移入scidマ ウス にお ける多 包条 虫に 対す る特 典的抗体の産生により稀!認した。B糸Ill胞移入群ではシスト重量のょ田カIIがiit 移入scidマTン ス 群 の も の よ りも 早 い 時J田 に み ら れ 、T荊lI胞 非 依 存 性 特典 もしくは非特うせ免疫グロブ1Jンがシスト重1ftのIlO)JIIを促進している可かヒ性
が示 唆 さ れ た 。 そ こ で 、 多 包 虫 の 発 育 へ 及 ぼ す 多 包 虫 !I奇 う せI′l免 疫グ ロブリ ンの影 響を検討するために多包虫感染正´f;0マウスのJrIlね,(感 Jfltお|t)を分 剛[し、scidマ|ンスに弼・|:頭節投与前および投与後経時「1′、jに接櫛した。対Jl舗と し て 非 感 染 マ ウ ス.I(ILjilfを 接 種 し たscidマ ウ ス お よ び 無 処 位scidマlン ス を 川 い て 、 こ れ ら の マ ウ ス に お け る 原Lf節 の 発 育 を 比j陵 繊 察 し た 。 そ の;fili 来、;感染.I(ILjiljを投与したscidマウスは正´i';;.ltILjfケ投与または無処.越マlンス よルシスト重量のユ二田加が早い畤ン|り亅にみられ、多包凵!に対すろ4iL'tが多包虫 の 発 育 を 促 進 す る こ と が 示 唆 さ れ た 。 こ の よ う に り ゃ 味 深 い 糸 !f来 が 得 ら れ 、 itf主‑論 : 生 仆 州 互 作Iljに お け る 免 疫 応 答 の 役jIlJに つ い て 考 察 を 加 え た 。 そ の 他 、 多 包 虫 感 染 に 対 す る | 坊 御 に 関 与 す る こ と が 示 唆 さ れ て い る マ ク 口 フ ァ ー ジ 、 お よ び 最 近 、 住.I(IL吸 虫 感 染 で 寄 生 虫 に 有 利 に 作JHす る こ と が 示 唆 さ れ て い る TNF‑aに つ い て 検 討 し た が 、 有 意 差 の あ る 紺 爿 き は 示 す こ とは‖,1−となかった。.
以 上 の 成 紺tか ら 、 重 度 複 合 免 疫 不 全(scid)マlシ ス を 川 い る こ と に よ り 為 : 1ニ 虫 エ キノ コッ クス がL| :】I/‖ 社f主 体内 で補 主の 免疫 系あ るい はそ の産 物を利 川して JIっ苑nしている可JiiL´ヒ1:が示唆された。
学位論文審査の要旨 主 査 教 授 神 谷 正 男 副 査 教 授 板 倉 智 敏 副 査 教 授 小 沼 操 副査 助教授 奥祐三郎
学 位 論 文 題 名
Immunological studies on larval EchinococcMs rnultilocularis infectionin scid mice.
(重度複合免疫不全.scidマウスにおける多包虫感染の免疫学的研究)
多包条虫Echinococcus mulhlocularisは、北方圏諸国に 広く分布し、中間宿主の齧歯類 や ヒ トで は致 死的 な経 過 をた どる 寄生虫である。多包虫感染 時の宿主の免疫応答を明ら か に する ため に、C.B・17マウ ス (以 下C.B.17)の ミ ュータ ントで、TおよぴB細胞を先 天 的 に 欠 損 す る 重 度 複 合 免 疫 不 全scidマ ウ ス ( 以下scid) を用 い検 討を 加 えた 。゛
まず、scidおよぴC.B 17で多包虫感染の様子を比較した。C.B.17では幼虫の発育が抑制 さ れ たが 、scidでは6週目まで発 育が同様に抑制され、その後 急激にシスト重量が増加し た 。C.B.17から得られた胸腺お よび脾臓細胞をscidに移入し 、感染を行ったところシス ト 重 量は 抑制 され てい た 。こ れら の実験の結果はりンバ球が マウス体内での多包虫の発 育 の抑制に関与し、成熟化に影 響を及ぽすことを明らかに した。
次 に、B細 胞の 多包 虫に 対す る 影響 を検 討し た。 細 胞移入 マウスではシスト重量の増 加 が 非移 入scid群のものよりも大 きかった。そこで、多包虫 感染C.B 17の血清をscidに 投 与 した とこ ろ、 感染 血 清を 投与 したscidは正常血清投与ま たは無処置マウスよルシス ト 重 量が 大き くな り、 多 包虫 に対 する 抗 体が 多包 虫の 発育 を 促進 する こと が示 唆され た 。 その 他、 多包 虫感 染 に対 する 防御 に 関与 する こと が示 唆 され てい るマ クロ ファー ジ 、およびTNF・ の役割につ いても検討した。
以 上の よう に、 本論 文 はエ キノ コックスーscidマウスの実 験系を用いることにより、
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免 疫 系が 多包 虫の 発育 を 抑制 する だけでなく、多包虫の増殖 を促進すろ可能性を示すも の で 多包 虫症 の感 染防 御 機構 の解 析に資するところが大きい と考えられる。よって、審
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奄員一同は、Lmガ者マシューチャールズプレイフオード氏が博士(獣医学)の学位 を受けろ資格が十分あるも のと認める。
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