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生体磁気計測を目的とした高温超伝導体dc ・SQUID の基礎的研究

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Academic year: 2021

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     博士(工学)鈴木大介 学位論文題名

生体磁気計測を目的とした高温超伝導体dc ・SQUID の基礎的研究 学位論文内容の要旨

  生 体か ら 発生 する 微 弱な 磁界 を 演対 るこ と によ って 局 音離 向な 袴 韆活 動の 解 析カ ヾで き るカ 丶 欄 蓬 活 動 に よ り 発 生 す る 磁 界 は 非 常 に 嬲 ヨ で ヽSQUID缶 憾 轤 浄 靤 爆 襾 を 用 い て 測 定 す る 脚 協 る 。 し か し 、 現 在 、 生 体 磁 気 計 測 用 のSQUIDは 冷 却 媒 体 と レ て 液 体 ヘ リ ウ ム を 用 い て お り 、a+iiliぬ の 複 雑 化 や 操 作 の 煩 雑 さ 、 高 価 格 化 の 原 因 と な っ て い る 。   一 方 、 高 い 超f云 導 転 移 温 度 を も つ 酸 化 物 超 伝 導 体 に お い て は 、 結 晶 粒 界 がジ ョセ フ ソン 弱 結 合 と し て の 特 性 を も つ こ と カ 渉 く の 研 究 か ら 分 か り 、 こ の 弱 結 合 を 利 用 し た エ レ ク ト ロ ニ ク ス 素 子 、 特 にSQUIDの 研 究 ・ 開 発 が 盛 ん に 行 わ れ て い る 。 酸f蝋 曜 紜 導 体SQUIDの 応 用 と し て は 、 高 し¥Ii&frヒ ヒ を 有 し 、 液 懶 ― で 作 動 す る 生 体 磁 気 計7311E置 カ 湖 待 さ れ て い る 。 し カ ヽ し 丶 現 在 の 酉 夐 イ 嫐 超 伝 導 体SQUIDに は 、 蠶 驪 圧 カ 岻 く 、 そ 嚇 髞 磁 縦 音 カ 海 、 こ と 、 侶 凋 溶メ 劼 『l/f雑 音 カ 嘩 窺 至 す る こ と な と に 多 く の 隠 堤 助 協 る 。   本 研 究 で は 、 液 体 窒 素 温 度77Kで 動 作 可 能 な 、 生 体 磁 気 計 測 を 目 的 と し たSQUIDの 実 現 に 必 要 燧 縦 珊 髄 行 っ た 醐 断 縄 伝 導 体 と し て 超 像 韓 繭 温 度 カ 的90KYBa2Cu3076 (YBCO)を 用 い て 繍 馳 界4‑ il用 し た ノ ヾ イ ク リ ス ク ル 接 ム ロSQUIDを 作 製 し 、そ の 動f}p寺性 、 特 に 磁 界 分 解 能 を 決 め る 重 要 な 要 因 で あ る 変 調 電 臣ciを 明 き ら か と し た ま た 、SQUID を 駆 動 さ せ るFLIー 麟 束 ロ ッ ク ) 駆 動 回 路 に つ い て 、 低 周 波 欝 嚇 嬲 糖 をf且 殺 し て 消 去 す る 交 流 ′ く イ ア ス 方 式 に つ い て 検 討 を 行 い 、 夷 祭 に 高 温 超 伝 導 体dc‑SQUIDを 駆 動 さ せ て そ の 有 効 性 を砲6めた

  本 論 文 は 全8章 か ら 構 成 さ れ て い る 。 第1章 で は 序 論 と レ て 本 研 究 の 背 景 と 生 体 磁 気 言 佝 从 特 に 脳 磁 界 計 測 に お け る 高 温 超 伝 導 体SQUIDの 有 用 性 に つ い て 褫 免 し 、 第2章 で はSQUID の 動 作 原 哩 と 従 来 の 研 究 に つ い て 述 ぺ 、 さ ら に 微 弱 磁 界 計 測 の 方 法 と 問 題 点 、 と く に 高 温 超 伝 導体SQUIDにより割測を行う 場合に問題となる点 を指摘している。

  3章 、 第4章 で はSQUIDの 作 製 と 測 定 法 に つ い て 述 べ て い る 。SQIJIDの 作 製 で は 、 ま づ ャ 訊 憾 界 温 度 を も つYBCO潮 英 をSrTi03縞 刪 搬 り 創 っ せ た ノ リ ク リ ス タ ル 缶 き 板 ヒ に 成 膜 し て 結 晶 粒 界 を 形 成 す る 方 法 に つ い て 述 べ 、 っ ぎ にiWYBCO7や 買 抒 ビ ー ム を 使 っ た り ソ グ ラ フ ィ ー と ア ル ゴ ン プ ラ ズ マ に よ る エ ッ チ ン グ でi纖 珂! 肛匸 し てSQUIDの キ尚 告 とす る 方 法 を 記 述 し て い る 。SQUIDailrミ 型 ぎ で は 、 ! 躰 と な る4端 子 法 に よ るf蹴 ー7盤 酎 蜊 弸 皖 や 、 磁袈E卩カnによ る'i圧 変i辟 黠セ1i丶FLL lJによる磁来 謝鬮I慌= 法などについて述 べている。

  5章 で はSQUID‑ IJii献 に つ い て 新 し い 交 流 方 式 を 検 討 し 、 爽 祭 に 皿 路 をf製 し て 高 irr韻塾f云導S:Y13CO SQUIDてマ彩曲てあることをT J,ZJしている。化り司t2lcs7域の】/「甜睦テとして SQUIDカ 廿争 つ2っ のジ ョ セフ ソン 揺冶め ′ぐラメー夕(1麗i界fめ舗 直やノー・マノH駲i0)カ淵や 間 的 に 変iす る こ と に よ る 雑 音 カ 洳 ら れ て お り 、 低 鰛SQUIDよ り も ヲ1薯 お に 大 き なl缶 助 マ 或

(2)

測されている。そこで、パラメータゆらぎの19tr相成分を相殺する駆動法として′くイアス電流 を正負に交替させる二 重変調FLL方式について検討を行し丶交流′くイアスの周波数fを磁衆 変調周溌数ふより高く し、さらに血に同期して半 周期に蛾たの磁束を加え変調 電圧の褫目 はふ 威扮 の みで 行う 方法 を考案した。タンク回路 によりSQUIDの出カを昇圧し てインピー ダンス整合を行うカ丶 このときバイアス電流の反 転による過渡的電圧f分カ抑 制できSQUID の変調電圧の損失もないことカ瀰認された。その結果、生体'磁気計領1睦行う際に問題となる 低周波謝歔l〜lOHz) c)雑音カ通常の直bリアス方 式こ比べ1/2〜1/.6に働或でき、高温超 任 響 事 体SQUIDを 駆 動 す る 匝 略 と し て は : 十 分 に 有 効 で あ る こ と カ 移 抽 ヽ っ た 。   第6章 で はYBcodc゜SQIJID伽 疎 蒭 購 圧 に つ し 丶 て 謝 噸 討 を 行 っ た イ ン ダ ク タ ン ス の異 なるSQuDを 同一 ―基 板ヒ に 作製 し、 その 変 調電 圧を 損嚏 した 結 果、低 温系のSQUID とfま異なるインダクタンス停群爿生て唸撒に変調電圧カ印貞Fすることカqつかった。この房咽と して、すでに提案されている熱雑音がインダクタンスに結合する磁東性ゆらぎの効果Iこカロえ、

ジョセフソン掻洽に発 生する蒙囃音ラウンディングによる電流ー電圧粥牲の変fbを考慮した 理i侖式 を提 案し 、 実験 値と 理i龠値 の比 蹴会 討 樹〒 った そ嚠 裸、 理 論値と の良いt助鴻 られ、熱雑音尅屎を決めるジョセフソン接合の結合エネルギーと熱工ネルギーの比の値カ彊≧

要であることが分かり 、熱雑音ラウンディングの 影響が無視できる条件(パイ アス電流値 70鹸以ぢカ湖きらかとなった

  また、繋艦ラウンデ ィンク遥ジ観恵するとイ酎 盟系SQUIDて最大変調電圧カ潟られるイン ダクタンスの最適西糾 牛を満足することI攤しく、 蒿i温SQUIDを設計する条倒としてはノー マル抵抗を大きくする ことが重要と予想された。 さらに、鶏Hこ粒界接合の幅を細くしてノ ー マ ル 抵 抗 値 を 増 加 さ せ た 実 験 に よ り 変 調 電 圧 の 向 上 カ 礙 薗 ! さ れ た 。   第7章では磁束変調 電圧に対するダンピンク羝抗 の覿曝について調べた。外部磁界を計測 す る た め に 検出 コイ ル をSQUIDに 直 結す る方 法で は 、磁 束伝 達効 率1まSQuDの イ ンダ ク タンスに比例するため、それを大きくする必要がある。しかし、インダクタンスの増加(l00

〜300pゆにより勲雑音ゆらぎによる変調電圧の低下カちkきな問題となる。そこで変調電圧の 侶汀 を匝 鮒 る方 法と して 佃孫SQUIDで 知 られ てい る、 イン ダ クタ ンス に並列 担あ矼ダン ピングj蚤ヨあをf寸カnする効果について、亨ヨ祭に金属藩膜で形成したダンピングj|蹴をSQuD に付加したものを作製し汲慌塗シ行った。その結果、77K以上の高温領域でも変調電圧の回後 カ 混 ら 机 高 温SQuD可 台 め て ダ ン ピ ン ク 澗 惣 ) 効 果 櫛 繊 げ る こ とカ 、で きた こ れら の 結果は、これまでの数 値シミュレーションや低渦領峻てめ爽験結果と一致するものである。

また、磁來雛音スペクトルの泓帳幼ヽら抵抗のf鋤nによる低周波領域での雑音のょ渤nは見られ ず ヽ ホ ワ イ ト ノ イ ズ 領 貧 で 変 調 鐡 Eの ± 勘 nに よ る 剰 暗 の 漑 珊 況 ら れ た 第9章では本研究の成果を総括している。

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

生体磁気計測を目的とした高温超伝導体dc ・SQUID の基礎的研究

  

生体から発生する微弱な磁界を測定することによって脳内の局部的な神経活動の解析 ができるが、神経活動により発生する磁界は非常に微弱で、SQUID(,超伝導量子干渉素子)

を用いて測定する必要がある。しかし、現在、生体磁気計測用の

SQUID

は冷却媒体と して液体ヘリウムを用いており、計測装置の複雑化や操作の煩雑さ、高価格化の原因と なっている。この問題点を改善すると期待されているものに、高い超伝導転移温度をも つ酸化物 超伝導 体を利用 した

SQUID

がある 。しか し、現在 の酸化物 超伝導 体

SQUID

は、磁東雑音が高く、低周波で増加するl/f雑音が存在することなどの多くの問題がある。

  

本研究は、生体磁気計測応用のための高温超伝導体

dc‑SQUID

の実現に必要な技術を 確立することを目的とし、実験的検討を行ったものである。

  

学位論文の主な結果を以下に要約する。

  

本論文は全

9

章から構成されている。第

1

章では序論として本研究の背景と生体磁気 計測、特 に脳磁 界計測に おける高温超伝導体

SQUID

の有用性について概説し、第

2

章 ではSQUIDの動作原理と従来の研究について述べ、さらに微弱磁界計測の方法と問題 点、とくに高温超伝導体SQUIDにより計測を行う場合に問題となる点を指摘している。

  

第3章 、第

4

章では

YBa2CU30 7.6(YBCO)

を使 った

SQUID

の作製と測定法について述 べている。

  

第5章 では

SQUID

の駆動 法につ いて新し い交流 方式を検討している。SQUIDの低周 波帯域の

l/f

雑音としては2つのジョセフソン接合のパラメータ(臨界電流値やノーマル 抵抗値)が時間的に変動することによる雑音が知られている。そこで、パラメータゆらぎ の逆相成分を相殺する駆動法として交流バイアスの周波数

f

を磁束変調周波数ふより高 くし、さらにんに同期して半周期に蛾蛇の磁束を加え変調電圧の復調はふ成分のみで 行う方法 を考案 して装置 を試作した。実際に

YBCO SQUID

に適用した結果、低周波帯 域(1〜10Hzの雑音が通常の直流バイアス方式に比べ

1

′2〜1′

6

に低減できることが示さ れ 、 生 体 磁 気 計 測 を 行 う 回 路 と し て 有 効 で あ る こ と を 確 認 し て い る 。

‑ 642−

也 一

之 達

眞 幸

城 笠

本 部

   

   

栗 武

山 伊

(4)

  

6

章 で は 作 製 方 法 の 異 な る ス テ ッ プ 接 合

SQUID

と パ イ ク リ ス タ ル 接 合

SQUID

の 特 性に つ いて 検討 を行 っ てい る。 パイ クリ ス タル接 合の場合、ヒステリシスを持 たない

RSJ

モ デ ル 的 な

I‑V

特 性 を 示 し た の に 対 し 、 ス テ ッ プ 接 合

SQUID

の場 合は 、

RSJ

モ デル 的で はあるが有限の超伝導電流(excess cu.rrenりが見られた。この違いの原因のーっとし て 弱結 合 の構 造に 起因 す る電 流位 相特 性の 違 いを指 摘し、より理想的な特性の得 られる バイ クリスタル接合SQUIDについ て、以後の検討を行っている 。

  

7

章 で は イ ン ダ ク タ ン ス の 異 な る

SQUID

を 同 ー 基 板 上 に 作 製 し 、磁 束変 調電 圧に つ い て の 検 討 を 行 っ て い る 。 そ の 結 果 、低 温系 のSQUIDとは 異な る イン ダク タン ス依 存 性を 示 し、 急激 に変 調 電圧 が低 下す るこ と がわか った。この原因として、熱雑 音がイ ン ダク タ ンス に結 合す る 磁束 性ゆ らぎ の効 果 に加え 、ジョセフソン接合に発生す る熱雑 音 ラウ ン ディ ング によ る 電流 ―電 圧特 性の 変 化を考 慮し、実験値と理論値の比較 検討を 行 った。その結果、熱雑音 ラウンディングの影響が無 視できる条件ぐくイアス電流 値70鹸 以 上) が 明き らか とな っ た。 また 、高 温SQUIDを設 計 する 条件 とし ては 常伝導抵 抗を大 き くす る こと が重 要で あ るこ とを 示し 、実 際 に実験 から変調電圧の向上すること を明ら か と し た 。 こ れ ら の こ と は 高 温 超 伝 導 体SQUIDを設 計す る上 での 新 しい 知見 であ る。

  

第8章で は磁 束 変調 電圧 に対 する ダ ンピ ング 抵抗

Rd

の効 果に つい て調 べている 。外部 磁 界 を 計 測 す る た め の 検 出 コ イ ル を

SQUID

に 直 結す る場 合、

L8

は 大 きく する 必要 があ る 。し か し、

L8

の 増加 は 、熱 雑音 ゆら ぎに 起 因する 変調電圧の低下を導くため、 大きな 問 題 と な る 。 そ こ で 、 実 際 に 金 属 薄 膜 で形 成し たRdをSQUIDに付 加 した もの を作 製し そ の有 効 性を 調べ た。 そ の結 果、

77K

以上 の高 温領 域 でも 変調 電圧 の回 復が見ら れ、高 温

SQUID

で 始 め て

Rd

の 効 果 を 明 ら か と し た。 ま た、 変調 電圧 の増 加 によ る磁 束雑 音の 減 少 が 確 か めら れ、 高温 超伝 導

SQuD

のノ イズ 低 減に 有効 であ るこ と を確 認し てい る。

  

9

章 で は 本 研 究 の 結 諭 と 今 後 の 課 題 お よ び 展 望 に つ い て 総 括 し て い る 。

  

こ れ を 要 す る に 、 著 者 は 、 生 体 磁 気 計測 を目 的と した 高 温超 伝導 体SQUIDにっ いて ノ イズ 低 減を 実現 する 測 定回 路の 開発 およ び 素子の ノイズ特性についての新知見 を得た も の で あ り 、 生 体 磁 気 計 測 へ の 応 用 に 貢 献 す る と こ ろ 大 な る も の が あ る 。

  

よっ て 著者 は、 北海 道 大学 博士 (工 学) の 学位を 授与される資格あるものと認 める。

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