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学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 氏 名

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Academic year: 2021

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(1)

(様式第9号)

学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

氏 名 松本 卓也

審 査 委 員

主 査

増 永 二 之

副 査

佐 藤 利 夫

副 査

藤 山 英 保

副 査

山 本 定 博

副 査

金 子 信 博

題 目

Soil Properties and Fertility Status in Relation to Crop Productivity in Arable Lands of Turkey and Guatemala (トルコおよびグアテマラの農耕地に おける作物生産性に関連する土壌特性と土壌肥沃度)

審査結果の要旨(2,000字以内)

急激に増加する世界の人口に対して、安定的に食糧を生産し供給することが世界中で求められてい る。先進国においては、高収量品種・化学肥料や農薬・灌漑などの先進技術を活用し、集約・安定的で 高い生産を得る事ができているが、これ以上の大幅な生産増加は望めない状況である。一方、その他の 途上国では、国あるいは農家の経済的な制約から先進技術の導入は限られており、食糧生産は気 象など環境条件で大きく変動している。これら先進技術投資が制限される地域で、安定的に食糧 を生産するためには、食糧生産の土台となる土壌資源の把握と管理が必須である。本研究では、

主要な穀物としてコムギを生産するトルコおよびトウモロコシを生産するグアテマラにおいて、

農耕地の土壌特性・肥沃度の評価および主要作物生産性との関連を調査した。

地中海性気候のトルコ国アダナ県のコムギ栽培地圃場15地点の土壌特性と肥沃度を調査した。

調査地の土壌は、Luvic Calcisol, Haplic Leptosol, Calcic Vertisol, Haplic Vertisol, Haplic Arenosolに分 類され、主要な土壌群はCalcic Vertisolであった。土壌群やその分布は異なる標高がもたらす気候 の違いや地形の違いによるものであった。コムギ栽培に関する主要な土壌特性は以下の通りであ る。可給態P(オルセンP)は12地点で30 mg P2O5 kg-1以下で、トルコのコムギ栽培における土 壌診断基準では低いと判定された。交換性Kは12地点で施肥の必要がない程に高かった。DTPA Znは13地点で、石灰質土壌においてコムギ生育を制限するとされる0.5 mg kg-1よりも低かった。

P及びZnが調査地のコムギ生育に対して制限要因になり得る事を確認した。

(2)

グアテマラ西部高原地域のAndosolのトウモロコシ栽培圃場28地点の土壌特性を調査し、日本 の土壌診断基準値と比較しながら土壌肥沃度評価を試みた。供試土壌は2008年に28地点のトウ モロコシ栽培圃場から 0-30cm の深さで採取した。土壌特性および土壌肥沃度がトウモロコシ収 量に与える影響を検討するために、供試土壌を採取した23地点の圃場において同一の施肥条件の 下で栽培試験を行った。調査地の土壌は、砂壌土で、pHは低く、高いリン酸吸収係数を反映して 可給態リン酸は低く、交換性CaとMgは低く、交換性Kは高かった。相対的に高い交換性Kと 低い交換性Mgに起因する塩基バランスの不均衡が示された。栽培試験のトウモロコシ収量は、

0.75~6.39 Mg ha-1の範囲であった。主成分分析の結果、土壌特性は、1)有機物及びリン酸吸収因

子、2)土性因子、3)交換性Mg因子、4)リン酸可給度因子の4主成分に要約された。重回帰分析の

結果、トウモロコシ収量は 1)有機物及びリン酸吸収因子、3)交換性 Mg 因子、4)リン酸可給度因 子によって規定されており、収量の全変動の49%がこれらの因子で説明された。土壌特性が収量 に多大な影響を与えること、高いリン酸吸収係数による低いリン酸可給度と低いMg/K 比がこの 地域のトウモロコシ栽培における主要な収量規定要因であることが示された。

以上のように本研究では、当該調査地域において、途上国では現在ほとんど用いられていない 土壌診断を試みて、土壌特性・肥沃度の評価を行い、さらに主要生産穀物の生産性との関連につ いて初めて明らかにしている。土壌学分野における当該地域の土壌に関する知見を深めるだけで なく、安定的な食糧生産のための土壌資源管理に関して非常に重要な情報を与える内容であり、

学位論文として十分な価値を有するものと判定した。

参照

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