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. 方法.. システムアーキテクチャ通常の PET 計測では 収集したデータを反復的な画像再構成手法 (ML-EM:Maximum Likelihood Expectation Maximization OS-EM:Ordered Subset Expectation Maximization 等

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Academic year: 2021

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(1)

- 21 -

PET 画像誘導放射線治療を可能とする

リアルタイムイメージング手法の開発

放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター 田島英朗 1.背景

OpenPET によって、放射線治療中の PET 計測が可能になった[1, 2]。放射線治療中の PET 計 測には 2 つ目的がある。まず、重粒子線がん治療に適用した場合、重粒子線が照射された場所に はPET トレーサーである陽電子放出核種が生成されるため、治療中に PET 撮影を行うことで治 療ビームがどこにどのくらい当たったかを確認できるようになる。次に、がんの腫瘍をPET でリ アルタイムに見ながら、その腫瘍を追跡して治療ビームを照射する、画像誘導放射線治療の実現 が考えられる(図1)。特に、本研究の最終的なゴールである後者の目的は、リアルタイムの画像 化が必須であるが、通常PET の撮影は数分から数十分掛けて行われており、それを 1 秒以下のサ イクルで行うという非常にチャレンジングなものである。本研究では、リアルタイムイメージン グが可能な新しいシステムアーキテクチャの提案をし、放医研において開発された OpenPET 小 型試作機に実装することで、世界に先駆けてPET による腫瘍追跡のコンセプト実証を行った[3]。

治療ビーム

OpenPET

患者

腫瘍

腫瘍

X線源

金属マーカー

X線検出器

患者

治療ビーム

従来

提案

PET薬剤

図1.従来の腫瘍追跡放射線治療と OpenPET による腫瘍追跡放射線治療の概念図。 従来技術では腫瘍近傍に埋め込まれた金属マーカーを撮影して間接的に腫瘍の 位置を捕えている(左)が、OpenPET とリアルタイムイメージングにより、腫瘍 の位置や大きさを直接見ながらの治療が可能になる(右)。

(2)

- 22 - 2.方法

2.1.システムアーキテクチャ

通常の PET 計測では、収集したデータを反復的な画像再構成手法(ML-EM:Maximum Likelihood Expectation Maximization、OS-EM:Ordered Subset Expectation Maximization 等)によって3 次元画像化している。線量分布確認のための PET 画像化であれば、重粒子線の照 射から数十秒程度の遅れがあっても十分実用的であると考えられるが、腫瘍追跡をPET 画像で行 おうとする場合には、データ収集から画像化までにかかる時間をほぼ0に近づける必要がある。 画像再構成の高速化は長年取り組まれてきたが、実際にPET を腫瘍追跡に用いた例はこれまでに ない。しかしながら、近年のハードウェアの進歩や画像再構成手法の進歩、特に、従来グラフィ ック演算に用いられてきた GPU(Graphics Processing Unit)を汎用計算に用いる GPGPU (General-Purpose computing on GPU)の登場と、PET で収集された生のデータであるリスト モードデータから1回の反復で収束し、十分な画質を得ることが可能な3D One-pass List-mode DRAMA(Dynamic Raw-Action Maximum Likelihood Algorithm)の開発によって、リアルタ イム再構成の実現が現実味を帯びてきた[4]。本研究では、3D One-pass List-mode DRAMA を GPGPU の技術を用いて実装し[5]、さらにデータ転送を工夫することで定量性をある程度保ちつ つ、フレームレートを安定化させる新しいシステムアーキテクチャを提案した。 提案するアーキテクチャの基本コンセプトを図2に示す。リストモードデータの再構成処理は、 元のデータ量が多くなるほど処理時間が増えるため、提案するアーキテクチャでは、時間フレー ム内で処理できるだけの量のみを使うように、データ転送制御によって調整し、再構成処理の後 で、元のデータ量と使用したデータ量の割合である転送率によって、画素値を補償する。この基 本コンセプトの元、実際に構築したシステムアーキテクチャの詳細を図3に示す。また、以下に 処理の流れを述べる。 3D画像 リストモード データ収集 積算 反復手法によ る再構成 通常 ~20 分 1.0 秒周期以下 通常のPET画像生成 OpenPET リアルタイム 再構成 リアルタイム 表示 データ 転送制御 転送率による補償 一部のデータのみ転送 基本コンセプト 図2.リアルタイムイメージングシステムの基本コンセプト。リアルタイム再構成で処 理可能なデータ量のみを転送し、画像生成後に転送率による補償を行うことで定 量性をある程度確保しつつリアルタイムイメージングを実現する。

(3)

- 23 - ①OpenPET で計測された同時係数イベントデータを、②データ収集ソフトによってリストモー ドデータとして PC 上の高速ストレージに格納する。③データ転送制御システムがそれを監視し、 ④データ量制限に基づいてリストモードデータの一部を再構成用に転送し、⑤その割合を転送率 として引数にし、リアルタイム再構成システムを呼び出す。⑥リアルタイム再構成システムは転 送された一部のデータを読み込み、⑦画像再構成を行い、必要に応じて転送率による補償を行っ た後、高速ストレージに再構成像を格納する。⑧終了ステータスはデータ転送制御システムによ ってチェックされる。リアルタイムビューアシステムの画像アップデートは、⑨ビューア自身が 高速ストレージを監視して新しいファイルの作成を自動的に検知するか、⑨’データ転送制御シス テムからのアップデート通知によって、⑩リアルタイムビューアシステムが高速ストレージシス テムから再構成像を読み込むことで行われる。 OpenPET データ収集ソフト データ転送制御 システム リアルタイム ビューアシステム 監視 再構成像 リストモードデータ 監視 リストモードデータ の一部 リアルタイム再構成 システム 転送率を引数 に呼び出す 高速ストレージ リストモードデータのカウント数を調べ、一部を リアルタイム再構成システム用に格納する アップデート通知 終了ステータス 検出器信号

リアルタイムイメージング

システム

① ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨´ ⑩ ② ⑨ データ収集ボード フロントエンド回路 イベントデータ 同時計数イベントデータ PC

データ収集システム

③ 図3.OpenPET リアルタイムイメージングシステムのシステムアーキテクチャ。再構成速度 安定化のために、取得したデータの流れをデータ転送制御システムにより制御して リアルタイム再構成システムの負荷をコントロールする。

(4)

- 24 - 2.2.OpenPET による点線源追跡の実証実験 PET 画像誘導放射線治療を目指したリアルタイム OpenPET イメージングのコンセプト実証 のために、OpenPET 小型試作機と光学カメラによる点線源追跡実験を行った(図4)。22Na 点線 源がOpenPET の開放空間に位置するように X ステージに棒を取り付け、20 秒周期、そして、20 秒周期のサインカーブにしたがって上下するように制御しながら動かした。点線源は OpenPET 小型試作機と光学カメラによって同時に撮影され、その際に、PC スクリーン上に表示されたもの をスクリーンキャプチャソフトによって動画として取得した。また、再構成像が表示された フレームレートを記録した。なお、今回はリアルタイム再構成システムで処理を行うカウント数 の最大値を5,000 とした。

光学カメラ

OpenPET

小型試作機

22

Na 点線源

2

1

光学カメラ画像

2

1

写真

スクリーンショット

Side view

1

2

Ring

Gap

Ring

X Stage

OpenPET再構成像

22

Na 点線源

実証実験セットアップ

22

Na 点線源

図4.リアルタイム PET イメージングのコンセプト実証実験。OpenPET の開放空間で点線源を 上下させ、データ収集、画像再構成、表示までをリアルタイムに行った。フレームレート は毎秒 2 フレームで、同時に撮影した光学カメラの映像におよそ 2 秒の遅延で追随している ことを確認した。

(5)

- 25 - 3.結果 点線源追跡の実証実験の結果、例として図4下のようなスクリーンショットが得られた。そし てその際、毎秒 2 フレームで画像が更新されていることを確認した。また、キャプチャされた 動画から、光学カメラ上の点線源の位置と、再構成像の点線源の位置を抽出し、サインカーブに フィッティングした結果、1~3 秒、平均して 2.1 秒の遅延が発生していることが分かった(図5)。 4.結論 本研究では、OpenPET と開発したリアルタイムイメージング手法によってリアルタイムの PET 画像誘導放射線治療が実現できる可能性を示した。また、放射線治療以外にも、OpenPET のリアルタイムイメージングによって、例えば針生検などを、その場で腫瘍をPET で見ながら行 えるようになるなど、診断と治療の融合がさらに発展するものと期待している。 参考文献

[1] Yamaya T, Inaniwa T, Minohara S, et al.: Phy Med Biol 53: 757-775, 2008 [2] Yamaya T, Yoshida E, Inaniwa T, et al.: Phy Med Biol 56: 1123-1137, 2011 [3] Tashima H, Yoshida E, Kinouchi S et al.: IEEE Trans. Nucl. Sci. 59, 40-46, 2012

[4] 工藤博幸, 伊東将行, 小林哲哉 et al. : 究極の PET 画像再構成法 DRAMA-新しい緩和パラメー タ制御法とワンパス DRAMA の提案. 平成 21 年度第 1 回次世代 PET 研究会, 2009

[5] S. Kinouchi, T. Yamaya, E. Yoshida, et al.: IEEE Med. Imag. Conf., Oct. 30 - Nov. 6, 2010, M09-281. -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 0 10 20 30 40 50 60 Di spl ay e d P os iti on [mm] Time [s] Optical OpenPET -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 0 10 20 30 40 50 60 Di spl ay e d P os iti on [mm] Time [s] Optical OpenPET 30 秒周期 20 秒周期 図5.実証実験中の光学カメラ画像と OpenPET 再構成像上での点線源の位置を抽出した。遅延は ともに 2.1 秒で、平均誤差はそれぞれ 2.0 mm(30 秒周期)と 3.3 mm(20 秒周期)であった。

参照

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(1)  研究課題に関して、 資料を収集し、 実験、 測定、 調査、 実践を行い、 分析する能力を身につけて いる.