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正式な議事録は 今後 厚労省 HP にて公開される見込みです 本会議概要は 傍聴者の記録に基づくものであり 正式な議事録と内容が異なる可能性がありますのでご留意ください 第 3 回厚生年金基金制度に関する専門委員会議事概要 開催日時 : 平成 24 年 11 月 27 日 16 時 00 分 ~18

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第3回 厚生年金基金制度に関する専門委員会 議事概要

開催日時:平成 24 年 11 月 27 日 16 時 00 分~18 時 00 分(実際は 17 時 45 分に終了) 委員: 柿木 厚司 日本経済団体連合会社会保障委員会年金改革部会長 菊池 馨実* 早稲田大学法学学術院教授 駒村 康平 慶應義塾大学経済学部教授 神野 直彦(委員長) 東京大学名誉教授 花井 圭子* 日本労働組合総連合会総合政策局長 宮本 礼一 JAM書記長 森戸 英幸 慶應義塾大学大学院法務研究科教授 山口 修 横浜国立大学経営学部教授・付属図書館長 山本 泰人* 日本商工会議所社会保障専門委員会委員 * 菊池委員、花井委員、山本委員は欠席。花井委員については代理人が参考人として出席。 議 事: (1) 企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進 (2) 代行制度の見直し (3) その他 【傍聴者所感】 ・ 今回は、前半で、2 つ目の論点である“企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進”の議 論、後半で、“代行制度の見直し”に関して議論が行われました。 ・ 前半については、委員の間には、企業年金の持続可能性を高める施策として、『まずは公的年金 と企業年金との関係を整理する必要がある』との意見と、『公的年金との関係の整理とは別に、廃 止される厚生年金基金の受皿となるものが必要』との意見の両論がありました。 ・ 具体的な施策については、厚労省試案で示された「集団運用型 DC」について投資教育を不要と する点を問題視する意見が多くあったほか、経済界の委員を中心に、特別法人税の撤廃や DC の 拠出限度額引上げ等の施策を求める意見がありました。 ・ 後半については、厚生年金基金制度の廃止に関して、『厚年本体の負担リスクが将来的に拡大す る可能性を排除するために、今、廃止する必要がある』との意見と、『廃止することにより将来的に 生じる可能性のある社会的コスト(訴訟リスク等)との比較において、一定の基準を満たす基金まで も廃止する必要はない』との意見の両論がありました。 ・ 厚生年金基金制度の廃止に伴う訴訟リスクについては、事務局から、過去の最高裁判例で示され たポイント(「財産権の性質」、「財産権の内容を変更する程度」、「財産権の内容変更することによ 正式な議事録は、今後、厚労省 HP にて公開される見込みです。本会議概要は、傍聴者の記録に基づく ものであり、正式な議事録と内容が異なる可能性がありますのでご留意ください。

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2 って保護される公共の利益」)を踏まえ検討した結果、法制上は問題ないと判断しているとの説明 がありました。今後は、このポイントを踏まえ、“厚年本体の負担リスクが将来的に拡大する可能性” と“廃止することにより将来的に生じる可能性のある社会的コスト(訴訟リスク等)”とを比較考量しな がら、廃止が妥当かどうかといった議論が行われるものと思われます。 ・ なお、次回(12/10)は基金関係者からのヒアリングが予定されております 【以下会議概要】 ○ 冒頭、神野委員長から、「今回は 2 つ目の論点である“企業年金の持続可能性を高めるための施 策の推進”と、3 つ目の論点である“代行制度の見直し”について議論する。各論点の議論は別々に 行うが、まずは両論点に関して配布資料に沿って一括して事務局から説明いただく。」と進行について アナウンスがあった。 ○ その後、事務局(厚労省/年金局/企業年金国民年金基金課/渡辺課長)が、資料 1・資料 2 につ いて説明。それぞれの概要は以下のとおり。 〔資料 1〕  企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進に関する資料として、厚生年金基金以 外の制度について説明する。なお、この資料は、第 1 回の専門委員会で菊池委員(本日欠 席)からも資料要請があったものである。  P3 以降では、これら制度の中でも、DB・DC・国民年金基金・中退共について、厚生年金基 金と比較もしながら説明。 〔資料 2〕  第 1 回の専門委員会で配布した代行制度の持続可能性に関する資料と各基金の財政関 連指標との関連を分析した。  [P2] 総合型基金の 9 割以上が、積立水準 1.3 未満である。一方、単独・連合型基金では、 半分以上が積立水準 1.7 以上である。(過去実績によると、積立水準 1.3 以上⇒1 年後に代 行割れする確率がほぼゼロで、積立水準 1.7 以上⇒2 年後に代行割れする確率がほぼゼ ロ。)  [P3] 積立水準が高い基金ほど、上乗せ給付の予定利率を 5.5%未満に引き下げている。  [P4] 代行割れ基金の割合が高いのは、繊維業、石油業、運輸業など。  [P5] 代行割れ基金は設立年が古い基金に比較的多い。  [P6] 積立水準が低い基金は成熟度が比較的高い。  [P9] 積立水準が低い基金は上乗せ給付の比率が比較的低い。  [P10、11] 積立水準が高い基金は掛金率が高い。P9 と表裏の関係。 ○ 渡辺課長の説明終了後、神野委員長から、「まず、今回の議題の一つ目である“企業年金の持続 可能性を高めるための施策の推進”について意見・質問等あれば発言いただきたい。」との案内があ り、以降、議論が行われた。

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3 ≪意見交換≫ 企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進 (駒村委員) ○ 資料 1 の表題は「企業年金持続可能性を高める~」とされているが、要するに、企業年金の行く末 をどうするか、企業年金の普及をどうするかという問題だと理解している。この問題について議論するに は、まず、公的年金と企業年金との関係をどう整理するか定める必要がある。 ○ 資料 1 の P11 に企業年金関連の要望等が記載されているが、企業年金に対する利益誘導の観点 ではなく、マクロ経済スライド発動による給付減や支給開始年齢の引上げもあり得る公的年金との 関係において、要望されたような措置により企業年金を積極的に推進していくかどうかという観点で議 論されるべきである。 ○ 企業年金が持つ公的年金の代替性をどう考えるのか。企業年金が公的年金を代替するものであれ ば、老後所得を保障するものではなくなるような DC の中途脱退要件の緩和は認められないということ になる。本テーマは、公的年金とセットで議論すべきテーマである。 (山口委員) ○ 公的年金と企業年金との関係を整理する必要があるとの駒村委員の意見は仰るとおりである。 ○ しかし、自分としては、この専門委員会の議論の対象が厚生年金基金制度であることを踏まえると、 公的年金との関係が整理されなくても、総合型厚生年金基金の加入事業所である中小企業の企 業年金をどうするかという観点から施策を議論することも考えられるのではないかと思う。 ○ 自分のこれまでの経験から言って、厚生年金基金制度の問題は積立不足が生じることであるが、積 立不足が生じる背景には、不足を埋めるための掛金引上げを行えないという状況がある。最終的に、 掛金引上げを行えないために基金の財政状況が行き詰る。 ○ 積立不足の要因には、利差損・死差損・脱退差損等があり、企業年金の持続可能性を高めるため には、これら差損が生じにくい制度である必要がある。そのような制度の設計としては、元利合計や定 額・有期などが考えられる。中退共などはこれに該当する。 ○ 確定給付を前提にしない場合には DC のような自己責任をベースとする制度(平たく言えば貯金)にな るが、厚労省試案で提示された「集団運用型 DC」については、運用商品を資産運用委員会が選 定するとはいえ、最終的な商品選択は加入者が行う限り、加入者への投資教育は必要ではなかろ うか。 ○ また、資産運用委員会については、金商法上の投資助言業に該当するかどうかや運用機関登録が 必要かどうかといった問題もあるであろう。そのような問題が考えられる制度を中小企業が実行できる のか疑問である。厚労省がアイデアとして提示したこと自体は評価するが実行可能性は乏しいように 思う。 ○ 以上を踏まえると、自分としては、中小企業に限っては資料 1 の P11 のような要望を認めても良いの ではないかと思っている。特に、中途引出については、加入者・受給者が失職や困窮の状況にある 場合はある程度配慮があっても良いのではないか。また、経営状況が厳しく確定給付制度や事業主 拠出の充実が難しい事業主でも、従業員が自助努力できるような企業年金の器だけは作ることがで

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4 きるようにすることも考えられるのではないか。そのような施策により、中小企業が企業年金から離れな いような仕掛けを作る必要があるのではないか。あくまで中小企業に限定した施策であるが、個人的 にはそのようなことを考えている。 (宮本委員) ○ 山口委員の意見に大賛成である。 ○ 資料 1 の P4 の各制度の加入者数を合計すると 2,050 万人ほどになる。この数字は、複数制度に重 複して加入している人も含まれているが、傾向としては減少傾向にあるのではないかと推測している。 前回の専門委員会でも言ったように、現状、中小企業は倒産を回避するために必死であり、その中 で企業年金制度が廃止されているのではないかと思っている。 ○ 適年廃止の場合、3 割が他制度移行されず、行方知れずとなった。そのような 3 割の適年の事業所 では、結果的に、労働条件の不利益変更が起こっているのではないかと思う。厚生年金基金制度を 廃止する際には、適年廃止の二の舞にならないようにする必要がある。 ○ 中退共については、累積不足金を減らして健全化を進めることは当然ながら、中小企業が加入しや すい制度にするのが重要である。また、CB プランについては、厚労省試案で単年度でのマイナス利回 りを容認するとのアイデアが提示されているが、企業年金が賃金の後払いであることを考慮して妥当 か検討する必要がある。集団運用型 DC については、従業員への投資教育を不要とするのは問題で ある。 (森戸委員) ○ 自分が今回提示したペーパー(資料 4)の後半は、“企業年金の持続可能性を高めるための施策の 推進”に関する内容。なお、前半は次の議題である“代行制度の見直し”に関する内容。 ○ “企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進”に関する自分の意見は、「公的年金との関 係が整理されなくても、中小企業の企業年金をどうするかという観点から施策を議論することも考えら れる。」とする山口委員の意見よりも、「まず公的年金と企業年金との関係をどう整理するか定める必 要がある。」との駒村委員の意見に近い。 ○ 厚生年金基金制度はもはや中小企業の企業年金の主力ではないと思われるため、企業年金の持 続可能性を高める施策を議論する際には、厚生年金基金制度の廃止を前提とした場合の中小企 業の企業年金をどうするかという点ではなく、まずは、ペーパー P2 の①~⑥のような点を整理する必 要がある。 ○ 中でも、⑥(「企業年金」の枠内だけの議論でよいか)については、公的年金が縮小する状況にあって、 老後所得保障制度の充実は国民一般に必要なことであることから、そもそも、IRA(個人退職勘定) のような国民一般を対象とした制度がまず必要であって、企業年金は「事業主が企業年金を設けた 場合には IRA の代わりにそれを使う」という位置付けのものになるのではないかということである。企業 年金はそのような位置付けにならないと、与えられた政策的なインセンティブが大企業の従業員への 優遇と看做される可能性があり、結果的に、これまで培ってきた企業年金の存在自体が危うくなると 思われる。

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5 (花井委員の代理人) ○ 駒村委員の意見のとおり、公的年金との関係を整理することが重要である。 ○ 企業年金は、加入者数で見た場合、マイナーかもしれないが重要な制度である。特に、厚生年金 基金は、上乗せ給付のほか、終身給付である等の意味があった。 ○ 若年層の雇用環境が厳しいことを考慮し、この企業年金でカバーされる人がどれだけいるかを考える とすると暗澹たる結果が想像される。このような想像が現実のものにならないよう厚生年金基金が持 っていた終身給付等の機能が継続されるようなインセンティブを与えるなどして、厚生年金基金制度 廃止後の保証が必要である。 ○ 集団運用型 DC については、以前、事務局から「従業員への投資教育を代替するものである」との説 明があったが、そうであれば「集団運用型 DC では従業員は自己責任は負わなくてもいいよ」ということ になる。これは、DC 制度の目的として「自己責任」を規定した DC 法に齟齬が生じるものであり、DC 法の改正が必要になる。連合として DC 制度が良いものだと思ってはいないが、制度目的を変えるの も問題があるのではないかと思う。 ○ その他、事務局への質問が 2 つある。一つは「CB プランの指標として TOPIX を使用している事例がど れくらいあるか?」、もう一つは「厚生年金基金制度廃止後も、支払保証制度が現存受給者への給 付を保証し続けるのであれば、その財源はどうなるのか?」ということである。 (渡辺企国課長) ○ 一つ目については、昨年から開始された運営でありデータとして持っていない。 ○ 二つ目については、支払保証事業は、解散基金の上乗せ給付を厚くするために企業年金連合会が 実施する事業であることから、厚労省試案においては、厚生年金基金制度の廃止後は“代行返上 支援事業”に衣替えする方向性を示している。「支払保証事業により代行割れ基金を支援すべし」と の声もあると思われるが、上乗せ給付を厚くするという元々の目的に照らして、代行返上後も企業年 金を続け上乗せ給付を維持する基金を支援するのが適当であると考えたものである。ただし、最終 的には実施主体である企業年金連合会で議論してもらうものである。 (柿木委員) ○ 企業年金の現場の声を紹介したい。企業年金の持続可能性という点で、基本的に厚労省試案は 評価しているが、もっと踏み込んだ施策を実施していただきたいと考えている。 ○ 具体的には、特別法人税の撤廃はぜひとも実施していただきたい。また、集団運用型 DC については、 「本当に投資教育は必要ないのか。」、「企業の責任はどうなるのか。」、「従業員の年金に対する理 解がますます薄くなる。」といった声が聞こえてきており、自動移管者が 5 割を超え、人事・労務担当 者もそのような状況を把握していないという現状において、資産運用委員会に任せるという対応で問 題ないのか。企業型 DC 関連では、以前から、資料 1 の P11 の 3 つを要望しており、早く道筋をつけ てほしいと思っている。個人型 DC 関連では、資産移管手続きを簡素化し、自動移管者が増加する のに歯止めをかける必要がある。 ○ また、今回自分が提出したペーパー(資料 3)にも記載しているが、厚生年金基金の事業所の規模別 データを示していただく必要がある。事業所の多くが中小零細企業であると想定され、DB や DC に移

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6 行するのは難しいのではないかと推測している。中小零細企業でも簡単に他の制度に移行できるよう 手続を簡素にする必要があると考えている。 (駒村委員) ○ 厚労省試案の P8 には「企業年金を普及させるため~」と記載されているが、そもそも、なぜ企業年金 を普及させる必要があるかを考える必要がある。 ○ 山口委員の意見では、企業年金の持続可能性を高めるということが、すなわち厚生年金基金制度 をいかに消化するかという活動になるが、そのような活動で終わって良いものであろうか。 ○ 企業年金の持続可能性を高める必要があるのは、現実の経済環境の変化・労働環境の変化が国 の政策立案を上回るペースで起こっているということであり、やはり、森戸委員も言うように公的年金と 私的年金の関係の整理がまず必要ではないか。 (山口委員) ○ 公的年金が縮小傾向にある中で、企業年金との関係を整理する必要があるとの考え方は基本的に 自分も同感。ただし、厚生年金基金制度をいかに消化するかという活動も必要だと思っている。廃止 される厚生年金基金を他の企業年金制度で消化できずに、企業年金の火が消えるということはあっ てはならないと思っている。 (神野委員長) ○ 他に発言がなければ次の議題“代行制度の見直し”に移る。 代行制度の見直し (神野委員長) ○ ペーパー(資料 4)の説明も含め、森戸委員に発言いただきたい。 (森戸委員) ○ 自分が欠席した第 1 回の専門委員会の記録を拝見していると、皆さんが厚労省試案に賛成で「厚 生年金基金制度は廃止すべき」といっているように感じた。 ○ 自分としても、一定の基準を満たさない基金については、厚労省試案で示されたように、将来的な負 担増を避けるために、解散に誘導し、その際に生じる負担を厚年本体等が被ることはやむを得ないと 考えている。 ○ しかし、一方で、自分としては、厚生年金基金制度にはその法的位置付けの曖昧さからくる様々な 問題はあるが、一定の基準を満たす基金は存続を認めても良いのではないかと思っている。その点で、 厚労省試案とは立場が異なる。 ○ 厚生年金基金は、企業年金の理想的制度として長く祭り上げられてきており、確かに AIJ 事件のよ うな問題はあったものの、一定の基準を満たす基金も含めて全て廃止とするのはあまりに手のひら返し ではないかと思う。

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7 ○ 柿木委員のペーパー(資料 3)にもあるように、一定の基準を満たす基金もやめさせるということになると、 厚生年金基金制度が廃止されなければもらえたはずの上乗せ給付がもらえなくなる加入員・受給者 が出てくる。それは、代行割れ基金に限らず、代行割れしていない基金についても言える。 ○ つまり、立法の仕方によっては、行政訴訟が起こる可能性や社会問題化する可能性があり、そうなっ た場合には相当な社会的コストが発生するものと考えている。 ○ シミュレーションはできないものの、将来的に発生するかもしれないその社会的コストと、将来的に発 生するかもしれない厚年本体による負担とを比較した場合、前者の方が重い可能性があるのではな いか。そう考えると、一定の基準を満たす基金までやめさせる必要があるのであろうか。 (山口委員) ○ 森戸委員が言ったような「やっていける基金までなぜやめさせなければならないのか。」という意見は多 い。 ○ しかし、その前に、現在の代行制度がどういう性質のものかを見ておく必要がある。1999 年に公的年 金の利回りが 5.5%から 4.0%に引き下げられた際、厚生年金基金も予定利率の引き下げで対応す ればよかったが、実際はそうではなく、代行部分の財政の考え方を従来の積立方式から賦課方式に 変え、最低責任準備金の計算方法を変更することで対応した。これにより、名前は「最低責任準備 金」で変わらないが、中身は全く違うものになった。そのため、今、「やっていける基金」であったとしても、 今後は財政が必ず行き詰る。 ○ 1999 年より前は基金の財政は厚年本体の財政から独立していたが、1999 年以降、財政の中立化、 つまり、財政の共通化により基金の財政の問題は本体の財政の問題となった。「やっていける基金は 今後もやっていける」という考え方は、厚年本体の財政とは無関係では語れない。厚年本体の財政 も悪化している中で、厚年本体の財政から基金に対して給付現価負担金を払ってまで厚生年金基 金制度を支える意義・理由は厚年本体側にはない。この点は、この議論に参加する際の共通認識 としておく必要がある。 (森戸委員) ○ 山口委員が仰った話は、積立水準が 1.3 以上であろうと、1.7 以上であろうと、財政状況が健全であ るとは言えないとういことか。以前、事務局が説明した内容から、積立水準が 1.3 以上であったり、1.7 以上であったりすれば、財政は大丈夫と考えてよいものと思っていたがそうではないということか。 (渡辺企国課長) ○ 以前の説明で用いた積立水準 1.3 以上や 1.7 以上は、財政状況に関する一つの分析である。山口 委員の話は、制度に関する説明としては正しい。 (森戸委員) ○ 基金の積立水準の状況が実際には基金の給付負担能力を表していないというのは、AIJ 問題が発 覚する前からそうではないのか。そうであれば、もっと早く問題として取り上げればよかったではないか。

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8 (山口委員) ○ 事務局には申し訳ないが、そのような問題を抱えながらも、行政からは基金に対して「解散せず、財 政の改善に向けて頑張れ」との指導がなされていたとも聞く。単独・連合型基金が代行返上して厚 生年金基金制度から抜けていき、総合型基金のみが残されていく中でそのような問題が顕在化しな かった。 (花井委員の代理人) ○ 厚年本体と厚生年金基金のリスクを混ぜる運営は問題がある。連合は、1990 年代後半から、代行 制度、厚生年金基金制度は廃止すべきと主張してきた。言葉は悪いが「それ見たことか。」という気 持ちである。厚生年金基金制度の廃止は実現する方向で議論を進めるべきと考える。 (宮本委員) ○ 厚生年金基金制度の廃止を含め、厚労省試案は基本的に評価している。 ○ 厚生年金基金制度の廃止のために設ける移行期間を 10 年とする点も、適年廃止の移行期間が 10 年であったことと比較して妥当ではないかと思う。ただ、現在、積立水準が 1.3 以上や 1.7 以上の 基金も含めて、関係者に対する周知・指導を徹底する必要があるし、計画どおり進めるためのインセ ンティブが必要である。厚労省にはその辺りをしっかり対応していただきたい。 (柿木委員) ○ 前回の専門委員会でも話したが、厚生年金基金制度は存続すべきという意見があるのも事実であ る。 ○ 自分のペーパー(資料 3)にも書いたが、事務局は「代行制度は持続可能ではない」と判断しているが、 この場で、民間の年金の専門家から、代行制度の持続可能性について定量的なデータに基づいた 見解を聞きたい。 (駒村委員) ○ 資料 2の P7 のように、基金の設立形態によって積立水準や成熟度の分布が大きく異なっている状 況を見ると、全ての厚生年金基金が同じルールに基づいて運営されているのか疑問に思うが、おそらく ルールは同じであるもののガバナンスが異なるということの表れだと思っている。 ○ 山口委員と森戸委員のやり取りを見ていると、1999 年以降、決定的に性質が変わってしまった代行 制度を、今後も継続し、積極的に残す必要があるかどうかという話だと思った。自分としては代行制 度の役割は終わったと思っている。 (森戸委員) ○ 山口委員に教えていただきたい。今、厚生年金基金が代行返上する際、厚年本体に返済する額は、 実際に給付する額には足りないかもしれないが、最低責任準備金であるという認識は間違っていない か。

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9 (山口委員) ○ 国が厚生年金基金の給付義務を引き継ぐ際に用いている額は一貫して最低責任準備金である。 ただ、最低責任準備金は給付の現在価値と等しくない。仮に、「やっていける基金」が給付を続けて もいずれ給付原資は枯渇する。 (森戸委員) ○ 山口委員の意見は、「やっていける基金」が給付を続けた場合、将来的に必ず赤字が大きくなるため、 今、赤字を確定させた方が良いということか。 ○ ちなみに、自分は何が何でも厚生年金基金制度を廃止するべきではないという立場ではない。素朴 に「やっていける基金」までやめさせる必要があるのか疑問に思っているだけだが、この場の雰囲気では、 図らずもガチガチの制度存続派になってしまっているようだ。 (山口委員) ○ 基金の積立水準の状況が実際には基金の給付負担能力を表していないというのは、以前から同じ であり、今、厚生年金基金制度を廃止する理屈にはならないと考えている。 ○ 自分としては、現在の経済環境を見ると、資産運用リスクにより、基金の積立水準の状況と基金の 実際の給付負担能力との差が広がる可能性が高いと思っている。もちろん、運用次第で、差が狭ま ることもあるが、その点を厚年本体がどのように評価するかという話だと思う。 ○ 厚生年金基金制度を存続させた場合、今後も、厚生年金基金は厚年本体から受けた給付現価 負担金を受給者への給付に充てる。厚生年金基金という存在は一体何なのか、単に厚年本体の 給付代行機関か、という話になる。 (森戸委員) ○ 仮に、厚生年金基金が厚年本体の給付代行機関であったとしても、AIJ 問題が発生するまでは、そ れで良いということではなかったのか。 (渡辺企国課長) ○ 今回、代行制度に関する資料を準備しておらず、議論を混乱させる結果となり申し訳ない。次回、 資料を整えるので第 2 ラウンドで議論していただきたい。 (花井委員の代理人) ○ 事務局に質問したい。森戸委員が厚生年金基金制度廃止に係る訴訟リスクに言及した。厚労省 試案には、特例解散を申請した時点から上乗せ給付を停止する旨が盛り込まれているが、代行割 れ基金の財産を代行部分に優先的に充当し、上乗せ給付を停止することに財産権上の問題がな いと判断した理由を教えてほしい。この扱いは、現行法令に基づく厚生年金基金の解散時にも行わ れているが、どういう理由なのか。 ○ 最高裁判決で、財産権の性質、財産権の内容を変更する程度、財産権の内容変更することによっ て保護される公共の利益がポイントとして挙げられていると聞いたがいかがか。

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10 (渡辺企国課長) ○ その点は重要論点であるため第 2 ラウンドで議論していただきたいと思っている。 ○ 現行法令上、厚生年金基金の解散時、代行給付は保証されており、上乗せ給付は残余財産を 分配するとされているので問題ない。 ○ 一方、厚労省試案の内容は、この解散を前倒しで行わせるということであり、新たな立法が必要とな る。昭和 53 年の最高裁判決で示された、「財産権の性質」、「財産権の内容を変更する程度」、「財 産権の内容変更することによって保護される公共の利益」というポイントに照らして政府部内でも相談 しているが、法制的にはギリギリ問題ないと判断している。ただし、あくまで法制的な判断であり、実際 に訴訟リスクがあるかどうかは別問題である。 ○ 「財産権の内容を変更する程度」については、厚生年金基金の平均的な給付は月 4 万円で、うち、 8 割が代行部分であることに鑑み、代行部分が保証されることにより少なくとも全体の 8 割は保全さ れるという考えである。また、「財産権の性質」については、代行割れ基金において現在支払われてい る上乗せ給付は、代行資産つまり厚年本体の資産を原資としているとの見方もできるという考えであ る。 (神野委員長) ○ 他に意見がなければ今回の議論は終了させていただく。 ○ 柿木委員から「民間の年金の専門家から、代行制度の持続可能性について定量的なデータに基づ いた見解を聞きたい。」との話があったが、出席動議が必要か。もし、この“定量的なデータ”が事務局 で対応可能なものであれば、その必要もないと思うがいかがか。 (渡辺企国課長) ○ 柿木委員と相談して、次々回以降に対応する。 (神野委員長) ○ それでは、次回は、予定どおり、関係者からのヒアリングを行うこととする。 (渡辺企国課長) ○ 次回は、12 月 10 日(月)14:00 から開催予定。詳細は追って案内する。基金の現場関係者、母体 関係者からのヒアリングを予定している。 以上

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