造血器腫瘍に対する化学療法目的で長期入院した患者の社会復帰に至るまでのプロセス : 日常生活上の問題に焦点をあてて
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(2) 38. 後藤真美子. そ こで 、 造 血 器 腫 瘍 に対 す る多 剤 併 用 化 学 療 法 や 末 梢. と共 に 「研 究 へ の協 力 の可 否 は 自 由 で あ り協 力 しな い こ. 幹 細 胞 移 植 の た め に長 期 入 院 を した 患 者 を と りあ げ、 そ の 社 会 復 帰 に至 る プ ロセ ス を 把 握 し、 日常 生 活 上 の問 題. ま た、 プ ラ イバ シー の保 護 を確 約 し、 得 られ た情 報 は研. を 明 らか に す る こ と を 目 的 に 研 究 を 行 った 。. 究 以 外 に は使 用 せ ず 、 発 表 す る際 は個 人 が 特 定 で き な い よ う処 理 す る こと を伝 え た。 そ の上 で 同意 が 得 られ た者 か ら署 名 を 得 て 研 究 を行 った。 ま た、 本 研 究 を実 施 す る. Ⅱ .研 究 方 法 1)研. とで不 利 益 を こ うむ る こ とは一 切 な い こ と」 等 を伝 え た。. に 当 た り、A病 院 倫 理 審 査 委 員 会 の承 認 を 得 た。. 究対 象. 2008年4月 まで に造 血 器 腫 瘍 に よ り多 剤 併 用 化 学 療 法 ま た は末 梢 幹 細 胞 移 植 を 受 け、 ク リー ン病 床 で の入 院 を. 皿.研. 究結果. 経 験 し、A病 院 に外 来 通 院 して い る患 者 の うち、 研 究 の 意 義 を 説 明 した後 、 イ ン タ ビ ュ ー に協 力 が得 られ た5名. 1)患. 者の属性. を対 象 と した。. あ る。3名. 年 齢 は40才 代 後 半 か ら50才 代 の 男 性2名 と女 性3名 で 、 いず れ もR-CHOP、. 2)研. 究期間. A病 院 倫 理 審 査 委 員 会 承 認 後 の2008年9月 で の4ヶ 月 間 。 3)デ. か ら12月 ま. ー タ収 集. 実 施 日程 は研 究対 象 患 者 が 外 来 受 診 した後 の一 時 間 を 予 定 した 。 事 前 に イ ン タ ビュ ー につ い て説 明 し時 間 調 整 を行 っ た。 実 施 場 所 は外 来 で、 利 用 可 能 な 個 室 を準 備. で. は び ま ん性 大 細 胞 型B細 胞 性 リ ンパ 腫 の患 者 CHASER-G後. 自家 移. 植 を 受 けて い る。1名 は 胃MALTリ ンパ 腫 の た め に 胃 切 除 術 を受 け、 血 液 内科 へ転 科 後R-CHOPを 受 け退 院 した。 最 後 の1名 は多 発 結 節 の た め に 入 院 し生 検 に よ り非 ポ ジキ ン リンパ 腫 と診 断 され た。 リ ンパ 腫 切 除後 血 液 内 科 でR-CHOP'S法 を受 け、 そ の 後 放 射 線 治 療 を 受 け た後 に退 院 した。(表1) 表1. 患 者 属 性 及 び イ ンタ ビ ュー概 要. 2)結. 果. し患 者 へ の負 担 を 最 小 にす る よ うに努 力 した。 入 院 中の外 泊時 の過 ご し方 や退院後 の生活 を イ ンタ ビュ ー ガ イ ドに そ って 半 構 成 的 面 接 法 で行 った。 イ ン タ ビ ュ ー は本 人 の 同意 を 得 てICレ 4)分. コー ダー に録 音 した。. 析方 法. 分 析 方 法 は 録 音 した 内 容 を も と に逐 語 録 を作 成 した。 対 象 者 の 回復 過 程 に焦 点 を 当 て るた め、 分 析 に は、現 象 を も と に そ の プ ロ セ ス を分 析 し概 念 の枠 組 み を 見 出 す 方 法 で あ る グ ラ ンデ ッ ト ・セ オ リー ・ア プ ロ ー チ11)12)を 用 い た 。ICレ コ ー ダ ー に 録 音 した イ ン タ ビ ュ ー デ ー タ を 読 み込 み 、 意 味 が 読 み 取 れ る文 章 ま た は段 落 で 区 切 り、 意 味 の あ る文 脈 に ラベ ル名 を つ けた。 次 に意 味 の 類 似 す る ラ ベ ル を 集 め 小 カ テ ゴ リー を作 り、 さ ら に共 通 す る小 カ テ ゴ リー に名 前 をつ け、 そ れ らを 包 括 す る概 念 を抽 出 した。 分 析 結 果 に信 頼 性 ・妥 当性 を 確 保 す る ため に、 分 析 を 進 め な が ら、A病 院 で看 護 経 験 が あ り現 象 へ の 理 解 の 深 い研 究 者 間 で 何 度 もイ ン タ ビ ュ ー デ ー タ を見 直 し、 内 容 の取 り違 え や ニ ュ ア ンス の ず れ はな いか 確 認 した。 カ テ ゴ リ名 や そ の 内 容 の妥 当性 、 分 析 の 方 向 性 、 分 析 結 果 の. 造 血 器 腫 瘍 に対 す る化 学 療 法 目的 で 長 期 入 院 した患 者 の、 社 会 復 帰 に至 る まで の 日常 生 活 上 の 問題 点 を 抽 出 し て カ テ ゴ リー化 を行 った。 そ の 結 果 、[家 族 友 人 との 良. 提 示 方 法 な ど につ い て、 質 的 研 究 の 経 験 が あ る研 究 者 と. 好 な 関 係]、[社 会 復 帰 へ の 要 因]、[外 来 治 療 へ の移 行 に. 討 議 し、 信 頼 性 を高 め た。. 対 す る不 安]、[医 療 者 との 信 頼 関 係 か らの 影 響][筋 力 低 下 ・体 力 の低 下]、[有 害 事 象 、 ボ デ ィイ メ ー 一ジの 実 際]、. 5)倫. 理 的配慮. 対 象 とな る患 者 に対 して、 口頭 と書 面 にて 、 研 究 主 旨. [心 の 持 ち方]の7つ. の カ テ ゴ リー が 抽 出 され た。(表2). 以 下 に 各 カ テ ゴ リー の 内 容 の 中 で 特 徴 的 な 部 分 を 、.
(3) 造血器腫療に対する化学療法巨的で長期入院した患者の社会復帰に至るまでのプロセス一日常生活上の問題に焦点をあてて. [ ]はコアカテゴリ一、. I J はサブカテゴリ一、<>はラ. ベルで詳述する O. サ7 師三 1 ) 友 人 の 存 在 家族の協力家路への負い目 軍事かちの鰍老人介護からの撤 { 増 掛 家 族 と の コ ミ zニトhン 蹴とのつきあい配舗の閥、駐し 事t し て の 鱒 ( 喜 藤 社会舗への直接的な調 社会織への欄・季節 鵬峨{できたんできなか伐人) て. E. 医腕との信頼関係からの開. 力 の 抵 下 草 書 体 E. た。入院中にメールでのく友人の励まし>が心の支 えであったという話もあった。外泊時の友人が講演. 表 2 造血器腫蕩に対する化学療法目的で長期入院した 患者の社会復帰に至るまでの因子. 社会露骨帰国. 3 9. の 不 安 輔限 移 植t 乗 り 超 え る 士 め 仁 鰻への不安移握への思い 続への碍主極的入 再発への不安医護者への依存 白 書 効 果 産 護 者 の 言 動 か ら の 事 書 締姉崎祭 姉崎の語講申盟国子 州首l こよる譲罪悪(制緩) 持概の重量量と入院中の運動量の比懇 話力量下の自覚勧告干の践. 有害事章、ボディイメージの実│. 会に連れ出してくれたというエピソードもあり、入 院中家族だけではなく司年代の女性の友人による励 ましが精神的な支えとなっていた。造血器悪性腫蕩 の場合、汎血球減少の時期には外出や外泊は制限さ れる。また、夜間不眠により不安も強くなるが、夜 間、電話も利用できないときに、携帯メールや PC メールがコミュニケーションのツールとして{吏用し やすいものであったようだ。長期療養となると、毎 思付き添ったり送迎したりでは家族に疲労がつのる が、家族では気がつかないところに友人が時々連れ 出してくれたことは、家族にも本人にも気分転換と なり、長い入続生活や退読後の生活の支援になった。 家族とのコミュニケーション」 ② ⑥ 「 家 族 の 協 力 JI では、く家族の励まし>く外治時の娘との時間>く 外泊時の家族との団らん>く家族の共同作業による 夕食作りを通したコミュニケーション>く家族から の声かけ〉く家族への感謝><子どもの協力>く子 どもとのコミュニケーション>などのラベルカ三見ら れた。家族との時間が外治時や退院後に取れて家族 関係が強くなったことが窺がえる。入院前には忙し くて家族との時間も何気なく過ぎていたが、入退院 で家族との時間をもてたことで家族からの無形の支 えがあることに本人が気づいている。家族との共間 作業としての家事を自覚し、く家事の楽しさ>を語. 制持ち方. る例もあった。病気、入院、退院を通じて、家族と の時間を取ることで家族の団結を実感し、家事とい う作業が苦から「楽」へと視点が転換したと考えら れる。 家事からの解放 JI 老 ③ ⑤ ⑦ ⑧ 「 家 族 へ の 負 い 目 JI 、②「家族 サブカテゴリーとして①「友人の存在 J. 昌己犠牲JI 役割葛藤Jは、<母として父 人介護JI としての役割>を遂行できない苦しみや、く家族へ. の協力」、③「家族への負い目」、「家事からの解放」、. の依存>を苦にする言葉も罰かれた。反対に「家事. ( 1 ) [家族友人との良好な関係]. ⑤「老人介護」、⑥「家族とのコミュニケーションム. からの解放」では、入院生活を家庭の束縛からの解. 、⑧「役割葛藤」、⑨「親戚とのつきあ ⑦「自己犠牲J. 放く自由な時間>と感じているケースもあった。し. 、⑩「配偶者の配慮・励まし」となった。 いJ. かし、家庭の束縛からの解放と捉えつつも、役割遂. ①「友人の存在」のサブカテゴリーに含まれる事例に は以下のようなものがある。. 行できない現状へのいら立ちが「家族への負い目 J. 退読後<老犬との散歩>を一日の区切りにして生. として本人の心を苦しめていたようである。その一. 活の立て産しを図っていたが、その老犬の死によっ. 方で、退院後<夫の父への生活介護><夫の父の通 院補助行為>などが<自立運転へのきっかけ>とな. て再度精神的な「悲しみ」により行動範囲も狭まっ. り、生活行動の回復につながった。否が応でもそう. てしまった。そこから再度立て直しのきっかけとなっ. ならざるを得なかった経緯がある O また、それによ. たのは、老犬との散歩の習慣を散歩という共通の趣. るく退院後の時間のなさ><退院後の疲労感>く退. 味で<友人作り>をすることに生かし、<友人との. 院後のいらだち>といった不満も出現することとな. 夜間の散歩の日課>を実現することができ、それに. るO く運転は自立へのきっかけ><運転の自立が生. より、日常生活に活気を取り戻し、生活行動範囲の 広がりを持つことができていったと語った女性がい. 活の自立>というラベルもあった。夫の父(老人) を介護することで生じる病後の疲労感や奇立ちを我.
(4) 4 0. 後藤真美子. 慢しつつ ( 1自己犠牲J )、「老人介護」のために必要 な生活行動範囲の拡大をすることで、生活の自立、 回復の自覚に至っていることが窺がえる。 ⑨ 「親戚とのつきあい」では、上記の家事や老人介 護などに関するく親戚への負い自>などを語る人も ある一方、家族に恵まれていた対象者にはく両親の 疾患への理解>があり、く両親からの協力>などが 得=られたケースもあった。 ⑩ 「配偶者の配慮・励まし Jでは、①から⑨までの 項告のキイパーソンとなるのがやはり配偶者である ことがわかる O 家族聞の調整や家事のサポートの主 な協力者として配偶者がいて、配偶者の調整で{也の 家族員が参加している O 発病して落ち込みが激しく 投げやりになっていた患者に「こんな高い入院治療 費をやりくりしているのは、あんたがよくなってく れると信じているからゃないか」と叱時激励の言葉 をかけてくれたことで前向きになれたと語る人もあ り、配偶者のちょっとした言葉や気遣いが患者の心 を支え、関病意欲を高めていることが窺がえる O. ( 2 ) [医療者との信頼関係からの影響] サブカテゴリーとして、①「治療への不安」、② 、③「再発への不安」、④「疾患受容」、 「病気への不安J ⑤「治療効果」、⑥「医療者の影響」、⑦「医療者への 依存」、⑧「医師の介入 J 、⑨「移植への思い J 、⑮ 「乗り越える Jが挙げられる。 く医療者への信頼〉く医療者からの保護への安心 感>く医療者からの後押し>く医療者の言動が支え> のように、医師を含む窪療チームによる患者への支え は大きかった。それゆえに、く医療者の言動への戸惑 い>といった言葉もあり、信頼関係とともに患者の心 を支えもし不安にもさせてしまっていた。医療者の言 葉の影響は大きいといえる。また、く階段でのリハビ リは不適>く医師からの「リハビリ不適応」の言葉> く主治医の言葉の重さ>く医師の鷹揚な態度の影響> く医師からの後押し>など、医師の介入の影響も大き く治療への不安に繋がりやすいと感じていた。 I (移植を)乗り越える j ために、く移植に対する イメージの切り変え>く移植のプラス国を考える>く 移植は健康へのきっかけ>など、移植へのイメージマ ネージメントを意識的に行っていた。また、<移植を 乗り越える>ことを<移植経験への懐かしさ>という 表現に置き換えていた。移植という辛い経験さえも懐 かしミ思:えるような状態、すなわち、疾患や治療の受 容が、乗り越えた状態として諮られていた。. ( 3 ) [心の持ち方] く限界のある生命への気づき>く輪廻転生>く孫の. 誕生>く生命への驚き>など、病気になったことで生 命の不思議に気づかされ、また、健康の意義について 考えるようになっている。しかも、それをプラスの方 向で考之ている O く副作用の軽さ><悪い方には考え ない>く検査結果の安心>く日常生活への順応の び>く小さな幸運の積み重ね>く入院環境>などで幸 運と考えることによって思考をプラスに転換させてい るO く運転の自立>く美容読へ行きたい〉く自分への ご褒美>など、比較的小さな目標を設定し達成するこ とで自己効力感が高まったと受け止めていた。一方、 く再発への不安>やく孤独への不安>という急の感覚 もあり、く他人の死が自分に投影>など、決して全て が前向きというわけではなかったと言えるが、その中 で、くアンラッキーには触れない>やく気分転換の必 要性>などで、なるべくく前向きに捉える努力>をし てた。. ( 4 ) [筋力体力の低下] 入院中は、く外治の疲労感>などでく筋力の徐々の 衰え>が<筋力低下への気づき>となっていったよう だ。また、退院後も<俊敏な動作適応できないことへ の驚き>く一年経過しでも筋力回復が遅延>く体重減 少したが重いという感覚>などで、継続して筋力運動 の必要性が認識されている。くリハビリの継続>とく リハビリの内容>は各人まちまちであったが、体力の 衰えの回復には心がけていた。 [有害事象、ボディイメージの実際] く移植前の強化療法による有害事象>及びく R-CH OP: 療法による有害事象>の内容が挙げられている。 く消化器症状>やく骨髄抑制との関連>についての項 目も多くあった。<ウイッグの活用>くウイックゃの心 理面への効用><ウイッグの外見的なメリット〉くウ イッグのファッション性>などウイッグの活用により くボディイメージ>を良好に保てるように努力してい た。ボディイメージの維持により、心の平衡が保たれ ると感じていた。 脱毛に対する保清維持のためのく丸刈りへの決意> ゃく髪を丸刈りにする事への気持ち>や、女性のく髪 への思い>、脱毛によるくボディイメージの変容>へ の動揺が窺がえる O く髪のはえかた><髪の長さがバ ロメーター>に見られるように、くボディイメージの 変容>、ボディイメージの回復が心の持ち方を前向き にしでいるともいえる。く他者の励まし><他者の視 線>などが、くボディイメージが変容>した患者の動 揺をさらに助長している。ボディイメージの回復が く目標>目安となると受け止めていた。 ( 5 ).
(5) 造 血 器 腫 瘍 に対 す る化 学 療法 目的 で 長 期 入 院 した患 者 の 社 会 復 帰 に至 る まで の プ ロ セ スー 日常 生 活 上 の 問題 に焦 点 を あ て て一. (6). [社会 復 帰 へ の 要 因]. 41. 〈社 会 復 帰 へ の き っか け と して の季 節 〉 〈活 動 を 起 こす 季 節 〉 〈冬 季 の 活 動 状 況 の実 際 〉な ど、 社 会 復 帰. [社会 復 帰 へ の要 因]の き っか けを 得 る よ う に な る。 そ の 経 過 に 対 し、 常 に[心 の あ り方]が 作 用 し、[家 族 友 人 と の 良 好 な 関 係]、[医 療 者 と の信 頼 関 係]、[外 来 治 療 へ の. や 生 活 の 順 応 に は季 節 が 関 係 して い る こ と が わ か る。. 移 行 に対 す る不 安]の 外 的 作 用 が 加 わ って 、 そ の[心 の あ. 活 動 しや す い季 節 、 復 帰 しや す い季 節 、 き りの 良 い季. り方]が前 向 きな プ ラス思 考 に変 容 して い く こ とが わ か っ. 節 と い った こ とが 関 係 して い る と考 え られ る。 〈半 年. た 。 こ の プ ロセ ス は、 患 者 が 長 期 入 院 に よ る様 々 な 有 害. が 目安 〉 とい うよ う に、 〈社 会 復 帰 の 時 期 〉を 具 体 的. 事 象 を乗 り越 え 、 前 向 き に社 会 復 帰 す るた め に必 要 な プ ロ セ スで あ り、 この プ ロ セ ス を踏 む こ とで 、 患 者 そ れ ぞ. に述 べ て い る。 社 会 復 帰 に は他 に も 〈デ ス ク ワ ー ク 〉 〈仕 事 の 内容 〉 〈職 場 の 地 理 〉 な ど、 仕 事 に関 す る環. れ が それ ぞ れ に社 会 復 帰 を な しえ て い つて い る こ と に繋. 境 が 社会 復 帰 促 進 に適 して い るか ど うか 関係 して くる。 ま た、 〈体 力 へ の 自信 の な さ 〉 〈社 会 復 帰 へ の 焦 り 〉. が って い たo. 〈不 慮 の心 不 全 に よ る復 帰 の遅 れ へ の 焦 燥 〉 〈社 会 か. 2)社. 会 復 帰 過 程 に必 要 な 支 援 に つ い て. ら忘 れ られ る事 へ の 恐 怖 〉 な ど の 不安 も大 き い。 長 期. 社 会 復 帰 に は患 者 の 身 体 的 、 精 神 的 、 社 会 的 な 回 復 が. 入 院 治 療 に 伴 う社 会 か らの取 り残 され 感 が 、 働 き盛 り の患 者 に 「焦 り」 「焦 燥 感 」 と い う感 情 を抱 か せ て い. 必 要 で あ る。 しか しそれ に加 え、 化 学 療 法 、 移 植 な ど の. る と考 え られ る。 それ と共 に、 〈保 険 の 重 要 性 〉 〈経 験 者 と して の 助 言 〉 〈保 険 タイ プ の 不 満 〉 な ど、 保 険 に よ る〈 経 済 的 な 問題 〉 に も左 右 され る と捉 えて いた 。. 苦 痛 の 多 い 治療 経 験 が、 辛 いだ けの経 験 と してで はな く、 「懐 か しい経 験 」 とい う懐 旧 の 思 い を含 ん だ経 験 と して、 患 者 が 捉 え られ る よ う に変 化 して い る。 「辛 い治 療 経 験 」 が 「懐 か しい経 験 」 に変 化 す る 時期 は 、 す なわ ち 「乗 り 越 え た時 期 」 と一 致 し、 そ の 時点 を超 え な けれ ば 社 会 復. (7). [外 来 治 療 へ の移 行 に対 す る不 安]. 〈 ク リー ン病 床 へ の依 存 〉 〈マ ス クへ の依 存 〉<汎. 帰 に は至 らな い と考 え る。 ま た 、 「乗 り越 え た時 期 」 を 迎 え る た め に は、 時 間 が 必 要 で あ る。 石 田 ら7)は、 「時. 血 球 減 少 時 の感 染 へ の不 安 〉 〈外 来 治 療 へ の 不 安 〉 〈感 染 予 防 の 意 識 〉 〈 医療 者 へ の 依 存 〉 な ど で、 〈外. 間 が 問 題 を解 決 す る」 と述 べ て い る。 時 が 物 事 を 解 決 す る よ うに悩 ん で も解 決 しな い 問題 も時 間 の 流 れ に任 せ る. 来 治 療 へ の移 行 〉 に対 す る不 安 が あ る こ とが わ か っ た。 と くに 感 染 の 危 険 に対 して は、 自分 自身 の く清 潔 習 慣. 事 で 道 が拓 け る事 が あ る と い う事 実 に つ いて 「た だ 、 時. 化 〉 は出 来 て い る と感 じて い るが 、 外 来 で の 〈感 染 へ の不 安 〉を 大 き く感 じて い た。 〈外 来 治 療 へ の不 安 〉が大 き い こ と は く外 来 治 療 の. 間 が 経 って い くの に任 せ る だ け」 とい う患 者 の 語 り を例 に挙 げ て、 説 明 して い る。 患 者 の気 持 ち を 受 け止 め 、 心 理 過 程 に寄 り添 い、 時 間 の流 れ を 共 有 す る こ とで 、 「乗. デ メ リ ッ ト〉 に も繋 が つて い る。 しか し、 一 方 で く在. り越 え た 時期 」 を患 者 と共 に迎 え る こ とが で き る。 患 者 の社 会 復 帰 を 支 援 す る た め に は、 患 者 と時 間 を 共 有 し支. 宅 の利 点 〉 もあ り、 自宅 の環 境 や 家 族 の サ ポ ー トが あ. え る必 要 が あ る こ とが 確 認 で き た。. る患 者 に と って は外 来 治 療 の利 点 は大 き な もの と受 け. 有 害 事 象 や長 期 入 院 に よ る 日常 生 活 の 変 化 を 受 容 す る こ とに は 時 間 が 必 要 で あ るが 、 そ れ と共 に有 害 事 象 、 特. 止 めていた。. Ⅳ .考 1)造. 察 血 器 腫 瘍 に対 す る化 学 療 法 目的 で 長 期 入 院 した患. 者 の 、 社 会 復 帰 に至 る ま で の プロ セ ス 造 血 器 腫 瘍 に対 す る化 学 療 法 目的 で 長 期 入 院 した患 者 の 、 社 会 復 帰 に 至 る まで の プ ロ セ ス は、[家 族 友 人 と の 良 好 な 関 係]、[社 会 復 帰 へ の要 因]、[外 来 治 療 へ の 移 行 に対 す る不 安]、[医 療 者 との 信 頼 関 係 か らの 影 響]、[筋 力 低 下 ・体 力 の 低 下]、[有 害 事 象 、 ボ デ ィイ メ ー ジの実 際]、[心 の 持 ち 方]、 の7つ の カ テ ゴ リー で 構 成 され て い る。 図1に 示 す とお り、 患 者 は造 血 器 腫 瘍 に対 す る化 学 療 法 目的 で長 期 入 院 し、 まず 、[筋 力 体 力 の低 下]を 自 覚 し、 これ に対 処 しよ う とす る と こ ろか ら始 ま る。 そ の 後 、[有 害 事 象 、 ボ デ ィ イ メ ー ジの 実 際]が 起 こ り、 時 間 と と も に ボ デ ィ イ メ ー ジの 変 容 か ら回 復 す る こ と で 、. 図1造. 血器腫瘍に対する化学療法 目的で長期入 院 した患者 の社 会復帰 に至るまでのプ ロセス(横 軸 は時間軸 とする).
(6) 4 2. に頭髪の回復と体重の回復などの外見の明らかな回復が、 乗り越えるための大きな要因となっていることが明らか になった。外見の回復が心の回復を促し、活動範囲の拡 大に影響を及ぼし、それが対人関係の回復へとつながっ て、社会復帰への一歩を踏み出していると考える O また、石田ら 1)7)は、乗り越える要因として家族のサ ポートと同病者のサポートが必要とも述べている。本研 究結果から考えると、退院後の生活の再構築には、家族 に加えて、同病者を含む友人の存在が大きし、。退院前か らの友人だけではなく、入院中の仲間や退読後の友人か ら、直接的間接的に外界への興味や刺激をうけることに よって社会復帰のきっかけを得ていた。したがって周囲 のサポートが必要であることがより明確になった。造血 器腫療の治療による長期入院を経て、大きな社会的ダメー ジを負いつつ回復する過程には、「時間」という要素に 加え、家族・友人などの重要な他者とのつながりを介し て社会との接点を持ち続けることが、乗り越える要因と して必要不可欠であると考える。 移植治療を含め造自器悪性麗蕩治療による長期入院を 乗り越え、社会復帰するには、医療従事者・患者間の強 い信頼関係を保ちつつ、有害事象を整え、体力の保持を 図り、さらには家族友人などの周囲のサポートが得られ るようにコーディネートする必要があることが明確になっ た 。. 後藤真美子. なお、本研究の要旨は 2 0 1 0年第 2 4回日本がん看護学会 学術集会において発表した。. 謝辞 本研究を行うに当たり、ご協力して下さいましたご家 族の皆様、医療機関の皆様に深謝申しよげます。. 文献 1)石田和子,下田薫,中村美代子.骨髄移植患者の退院後. 0:4 1 4 7, における適応問題の分析.群馬保健学組要 2 1 9 9 9 2)石田和子,見代裕子,石原元子.造血幹細胞移植患者の 思いと期待についての縦断的探求.群馬保健学紀要. 2 3:7 7 8 3,( 2 0 0 2 ) 3)石橋美和子.同種骨髄移植を受ける患者の不確かさ とその対処.日本がん看護学会誌 . 1 6巻 2号 5 1 4. ( 2 0 0 2 ) 4)水野道代.長期療養生活を続ける造血器がん患者に とっての希望の意味とその構造.日本がん看護学会 誌1 7:5 1 4,( 2 0 0 3 ) 5)外崎明子.我が国の造自細胞移植患者のヘルスプロ モーションにおける看護支援の展望.日本がん看護. 1 7 巻ι 12( 2 0 0 3 ) 学会誌 .. v .結 論 ・造血器腫療の化学療法による長期入院は、患者それぞ れの生活全般に多くの変化をもたらしている O ・移植治療を含め造血器悪性腫湯治療による長期入院を 乗り越え、社会復帰するには、医療従事者・患者聞の 強い信頼関係を保ちつつ、有害事象を整え、体力の保 持を図り、さらには家族や友人などの周囲のサポート が得られるように、コーディネートする必要があるこ とが明確になった。. V I . 本研究の限界と課題 本研究の対象者は A病院血液内科クリーン病棟退院後 の患者 5名であり、一つの医療機関を対象にしており、 人数も少数である O 対象としている医療機関の体制や地 域性の影響を受けているものと考えられ、本研究の結果 を一般化するには限界がある O 今後は、地域性、医療機 関の特徴などを考窟し対象者数を増やして実証的研究に 発展させていくことが必要である。. 6)外崎明子.造血細胞移植を受ける患者の心理的安定 に関する縦断的研究ーその1. 日本がん看護学会誌.. 1 8 巻1 号与 1 3( 2 0 0 4 ) 7)石田和子,神田清子,白石美咲.造血幹継胞移植体験が 生き方に与える影響と移植を乗り越えた要因.がん 看護,10 巻2 号,17 1 1 7 9, ( 2 0 0 5 ) 8)赤穂、理絵.造血幹細胞移植における精神医学.精神医 学. 4 7 ( 8 ) : 8 6 3 8 6 8,( 2 0 0 5 ) 9)高橋奈津子,雄西智恵美.造血細胞移植の治療過程に あるがん患者の情報ニードと情報探求行動の分析.. 1巻 2 号3 8 4 3( 2 0 0 7 ) 日本がん看護学会誌 2 1 0 ) 清水研,浅井真理子,中野智仁,梅津志乃,秋月伸哉,内 富庸介.造血幹細胞移植を受け得る血液癌患者に対 V o. 12 0, No2, する精神症状スクリーニング.総病精医 .. 1 2 3 1 2 8 ( 2 0 0 8 ) 1 1 ) 文木クレイグヒノレ滋子.質的研究方法ゼミナー jレ . 医 2 0 0 8 ) 学書院、東京、 ( 1 2 ) 文木クレイグヒル滋子.グランデッド・セオリー・ アプローチ 理論を生みだすまで.新曜社、 ( 2 0 0 8 ).
(7) 造 血 器 腫 瘍 に対 す る化 学 療 法 目的 で長 期 入 院 した 患 者 の 社 会 復 帰 に至 る まで の プ ロ セ スー 日常 生 活 上 の問 題 に焦 点 を あ て て一. 43. (Summary) The. process. to. after for Mamiko. social. long-term. hematopoietic Gotoul). 2',. 2' University 3) University. reintegration. Yukari. of. of. tumor Kazue. chemotherapy Kamimura1. Hikone municipal Hospital Prefecture Graduate School. Shiga. patients. hospitalization. Sawamural),. Shiga. in. Prefecture. In the present study, we aimed at finding problems in the process to social reintegration in the patients after long - term hospitalization for chemotherapy and stem cell transplantation for hematopoietic tumors . Objective Five patients treated with multidrug chemotherapy and stem cell transplantation in clean wards were studied. All of them are being followed in out patient clinics. The interviews were approved by the participants though both oral and written consents, and permitted by their physicians. Methods Through semi- structured interviews, we asked participants such questions as follows. • How was your hospital life ., • How is your life going after leaving hospital . • How long did it take for you to get back to your duty life as before. Result and consideration Three patients were treated with stem cell transplantation, and two were treated with R-CHOP and subsequent. School. of. radiotherapy 406 codes. Ayako. Human. Human. Okutsu. 3). Nusing Nursing. after the surgical were extracted,. operation. from which. 60. subcategories and 7 categories were classified as follows.;1) excellent relationships with their family or friends;2) factors leading to social reintegration;3) anxiety with outpatient treatments;4) relationships with medical staff;5) physical energy loss;6) adverse effects and negative images to themselves;7)attitude of mind. It is suggested that the excellent relationship with family members or friends is important for the positive body image of patients, which in term affects the attitude of minds. Consequently, all of these factors, along with the rehabilitation, lead to social reintegration. For Society reintegration after the long-term hospitalization, various supports are needed to deal with problems in an individual patient. Key Words the long - term hospitalization for chemotherapy, hematopoietic tumor patients,.
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