第13回がん政策サミット
2016秋
大腸癌研究会会長
光仁会第一病院
院長
杉原健一
大腸がんの治療
大腸とは
上行結腸
盲腸
横行結腸
下行結腸
S状結腸
結
腸
直
腸
直腸
肛門
右
左
「大腸がん」ってどんな病気?
粘膜から発生した
がん細胞
徐々に大きく、深くなっていく
内視鏡で見た大腸がん
粘膜
粘膜下層
固有筋層
漿膜下層
漿膜
大腸がんとは
Ip
Isp
Is
IIa
IIb
IIc
早期大腸がん
進行大腸がん
● ステージ 3
● ステージ 4
リンパ節転移がある
他の臓器への転移
や
腹膜播種
がある
リンパ節
転移
肝転移
肺転移
腹膜播種
大腸がんの進行度(ステージ)
● ステージ 0
● ステージ 1
● ステージ 2
・がんが
粘膜の中
にとどまっている
・がんが
粘膜下層あるいは固有筋層
までにとどまっている
・
リンパ節転移がない
・がんが
固有筋層を超えている
・
リンパ節転移がない
大腸がんの進行度(ステージ)
検査
(内視鏡検査・注腸検査・CT・MRI)
の結果
治療前の
進行度(ステージ)
を判定
治療法を決定
治療法の決定
手術治療
抗がん剤治療
放射線治療
内視鏡治療
95%
30%
5%
5%
・
ステージ0
・
ステージ1
のうち
浸潤が浅いもの
・一括切除できるもの
内視鏡的切除
経過観察
・
ステージ1
のうち
浸潤が深いもの
・
ステージ2
・
ステージ3
==
手術
==
腸管切除
+
リンパ節郭清
ステージ4
ほかの臓器への転移が
取りきれない
取りきれる
==
手術
==
大腸がんの切除
+
転移も切除
手術以外
の治療
抗がん剤治療
放射線治療
など
大腸がんの治療方針
大腸癌治療ガイドライン2014年版
大腸がんの内視鏡治療
● がんの深さが粘膜または粘膜下層の浅いもの
● 無理なく一度でがんを切除できるもの
● ポリペクトミー
● 内視鏡的粘膜切除術(EMR)
【内視鏡治療の種類】
【内視鏡治療の対象】
内視鏡治療
● 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
e
c
d
b
a
図
2
内視鏡的粘膜切除術
【合併症】
・ 出血
・大腸に穴があく
・がんの不完全な切除(取り残し)
病理検査
リンパ節に転移している
可能性が高い
手術
腸切除+リンパ節郭清
リンパ管や血管に
がん細胞が入り込んでいる
1.2%
0.7%
内視鏡治療の後は
大腸がんの手術治療
血管
●
がん
のある
腸を切除 → 吻合
●
転移の可能性
のある範囲の
リンパ節
を
筋膜に包まれた状態
で切除(
リンパ節郭清
)
大腸がん手術の基本
Aorta
T
IMA
D1
D2
D3
10 cm
10 cm
手術治療方針
リンパ節転移がない
リンパ節転移
疑い
粘膜内癌 粘膜下層癌
固有筋層癌
固有筋層を
貫いている癌
D0,D1
D2
D3
大腸癌治療ガイドライン2014年版
結腸がんの手術
回盲部切除術
横行結腸切除術
S状結腸切除術
がんのステージや
患者さんの状態に応じて決める
◉ リンパ節を取る範囲
◉“安全域”の長さ
直腸切断術
括約筋
温存手術
◉ 肛門を残す手術
◉ 肛門を
残さない手術
肛門括約筋を
切除してしまうので
肛門機能が残らない
直腸がんの手術
直腸とまわりの臓器
腹腔鏡手術の傷
開腹手術の傷
ポート
(筒)
カメラ
腹腔鏡手術
大腸がんに対する
腹腔鏡手術は増えてきている
日本内視鏡外科学会アンケート調査
進
行
癌
腹腔鏡手術の割合
(NCD: 2011年~2013年)
結腸右半切除(59246例):
34.8%
低位前方切除(51632例):
48.6%
早期大腸癌に対する
日本で最初の
腹腔鏡手術
・ 深達度
・ リンパ節転移の有
・ リンパ管侵襲、静脈侵襲
・ 組織型
手術後の治療方針を決定
最終的な
ステージ診断
再発予防のための
抗がん剤治療の必要性
など
【大腸がんの手術切除標本】
腸
管
手術後の病理検査
腸間膜
“がん“
生
存
率
0
1
2
3
4
5
100
80
60
40
20
手術単独
手術+補助療法
手術のみで治癒
化学療法で治癒
化学療法の効果なし
80%の患者には
補助化学療法は
不要
「再発の抑制」=治癒率の改善
+ 数%?
全
例
に
副
作
用
が
起
こ
る
可
能
性
あ
り
術後の抗がん剤治療(
補助療法
)の目的
からだの中に残っているかもしれない、見えないがん細胞を攻撃し、
再発を防ぐ
あるいは
再発を遅らせる
ことを目的として
手術の後に行う抗がん剤治療
6ヶ月間 行う
のが一般的
5-FU+LV
(RPMI法)
UFT+LV
カペシタビン
S1
FOLFOX6
CapeOX
大腸がんの補助療法
問診・診察
直腸指診(直腸癌)
腫瘍マーカー
CT
骨盤CT (直腸癌)
大腸内視鏡検査
1年
2年
3年
4年
5年
3ヶ月ごと
6ヶ月ごと
6ヶ月ごと
3ヶ月ごと
6ヶ月ごと
6ヶ月ごと
6ヶ月ごと
1~2年ごと
大腸がんの治療は
「手術をして終わり」ではない
大腸がん手術後の定期検査
大腸癌治療ガイドライン2014年版
大腸がん術後再発までの期間
0
.2
.4
.6
.8
1
0
12
24
36
48
60
72
84
81.6%
95.5%
累
積
再
発
率
大腸癌術後(月)
Kobayashi H, et al Surgery 2007;141:67-75
1991-1996年の大腸がん治癒切除5230例
再発:906例(17.3%)
● 転移, 再発がすべて手術で取りきれる
● 転移, 再発が手術で取りきれない
● 患者さんが手術に耐えられない
手術
手術以外の治療法
(抗がん剤治療、放射線治療 など)
転移, 再発を起こした大腸がんでも、
手術で取りきれれば治る可能性がある
転移・再発した大腸がんの治療
がん細胞を攻撃し、
がんが大きくなるのを遅らせる
⇒生存期間を延ばす
手術で取りきれないがん
抗がん剤が効いて
小さくなった/個数が減った
手術で取れるように!
抗がん剤治療の目的
5-FU+ℓ-LV
CPT-11
(イリノテカン)
FOLFIRI療法
オキサリプラチン
FOLFOX療法
セツキシマブ
分子標的治療薬
殺細胞性抗がん剤
≪経口薬≫
UFT+LV
カペシタビン
S-1
パニツムマブ
抗VEGF抗体薬
抗EGFR
抗体薬
大腸がんに使用する主な抗がん剤
レゴラフェニブ
ベバシズマブ
マルチキナーゼ阻害薬
TAS102
切除不能大腸がんに対する
抗がん剤治療の進歩
0
5
10
15
20
25
30
2010
2005
2000
1995
1990
1985
1965
生存期間
(月
)
緩和治療
5-FU (alone, + LV)
Irinotecan
1,2Oxaliplatin
3Bmab
Cmab
5,7Pmab
61. Cunningham, et al. Lancet 1998, 2. Rothenberg, et al. JCO 2003, 3. Hurwitz, et al. NEJM 2004, 4. Cunningham, et al. NEJM 2004, 5. Van Cutsem, et al. JCO 2007 , 6. Van Cutsem E et al, NEJM 2009