法律の正式名称
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対
する支援等に関する法律」
(平成18年4月施行)
介護保険制度の目的
「支援が必要な高齢者の尊厳を保持し、有する能力に
応じて自立した生活を営めるようにする」
介護の社会化に伴い、高齢者虐待も表面化
◆高齢者虐待とは(定義)
「
養護者
による高齢者虐待
及び
養介護施設従事者等
に
◆虐待の種別
①
身体的虐待
②
心理的虐待
③
性的虐待
④
経済的虐待
⑤ 介護放棄
虐待にあたるかどう
か判別しがたくと
も、同様に防止・対
応をはかることが大
切!
◆身体的虐待の具体例
●暴力行為
・平手打ちをする。つねる。殴る。蹴る。
・ぶつかって転ばせる。
・入浴時、熱い湯やシャワーをかけてやけどをさせる。
●本人の利益にならない強制による行為、代替方法を検討せず
に、高齢者を乱暴に扱う行為
・介護しやすいように、職員の都合でベッド等へ抑えつける。
・食事の際に職員の都合で、本人が拒否しているのに口に入
れて食べさせる。
●「緊急やむを得ない」場合以外の身体拘束・抑制
◆心理的虐待の具体例
●威嚇的な発言や態度
・怒鳴る。「追い出すぞ」と脅す。
●侮蔑的な発言や態度
・嘲笑。臭い、汚いと言う。子ども扱いする
ような呼称で呼ぶ。
●高齢者や家族の存在や行為を否定、無視するような
発言や態度
・「なんでこんなことができないの」等と言う。
・話しかけ、ナースコール等を無視する。
・大切にしている物を乱暴に扱う、捨てる。
●高齢者の意欲や自立心を低下させる行為
・本人の能力を無視してオムツを使用したり、職員のペースで食事介
助をする。
●心理的に高齢者を不当に孤立させる行為
・家族へ伝えてほしいという訴えを理由なく無視して伝えない。
●その他
・車椅子での移動介助の際、早いスピードで走らせ恐怖感を与える。
・浴室脱衣所で、異性の利用者を一緒に着替えさせる。
◆性的虐待の具体例
●本人との間で合意が形成されていないあらゆる
形態の性的行為またはその強要
・排泄介助しやすいよう、下着のままで放置する。
・人前で排泄させたり、オムツ交換する。
◆経済的虐待の具体例
●本人の合意なしに、財産や金銭を使用し、本人
の希望する金銭の使用を理由なく制限すること
・利用者に無断でお金をつかってしまう。
・無断流用。お釣りを渡さない。
・立場を利用して「お金を貸してほしい」と頼む。
・日常的に使用するお金を不当に制限する。
◆介護放棄の具体的な例
●必要な介護や世話を怠り、高齢者の心身の状態を悪化させる。
・入浴をさせない。水分栄養補給を怠る。
●状態に応じた治療や介護を怠ったり、医学的診断を無視した
行為。
・処方藥を服薬させない。受診させない。
●必要な用具の使用を限定し、高齢者の要望や行動を制限させ
る行為。
・めがねや補聴器、義歯があるのに使用させない。
●高齢者の権利を無視した行為、またはその行為の放置
・他の利用者に暴力をふるう高齢者に予防的手立てをしない
◆法で定められていること(抜粋)
◆定義(第2条)
◆国民の責務(第4条)
◆早期発見(第5条)
◆養介護施設の設置者・養介護事業者の責
務(第20条)
◆通報・届出(第21条)
◆通報を受けた場合の措置(第24条)
11◆養介護施設・事業所の責務
①養介護施設従事者等へ
研修を実施
する
②利用者や家族からの
苦情処理体制を整備
する
③その他の養介護施設従事者等による
高齢者虐待の防
止のための措置
を講じる
【虐待防止法 20条】
高齢者虐待の防止・発見・対応の責任
は、従事者個々人の問題だけではなく、
施設・事業所そのものにもある!
◆早期発見の責務と通報の義務
・虐待を受けたと「思われる」高齢者を発見
⇒ 市町村へ通報すること
一般・・身体に重大な危険⇒通報義務
それ以外の場合⇒通報努力義務
養介護施設従事者等・・自分で働く施設等で発見し
た場合は、
重大な危険の有無に関わらず、通報義務
等が生じる。
【虐待防止法 21条】
通報義務は守秘義務に妨げられない!
通報したことによる不利益な扱いは禁止されて
いる!
高齢者虐待の発生要因
(1)発生要因 高齢者や家族等の養護者が持つ要因 きっかけになる 出来事 心理的因子 社会的因子 家庭・社会環境的因子+
精神障害 依存的性格等 高齢者虐待+
高齢者 介護家族 家庭環境の変化 家族内のストレス観察のポイント!
…高齢者虐待発見チェックリスト(マニュアルP11)を参考
高齢者虐待の実態
『高齢者虐待の要因分析等に関する調査研究事業」報告(認知症介護研究・研修
仙台センターより要旨抜粋)
養護者による高齢者虐待
相談・通報件数(全国)
18390
19971
21692
23404
25315 25636
23843
25310 25791
26688
12569 13273
14889 15615
16668 16599
15202 15731 15739
15976
0 5000 10000 15000 20000 25000 30000相談・通報件数
虐待判断件数
117
137
126
84
104
87
0 20 40 60 80 100 120 140 160H26年度
H27年度
H28年度
相談実数
虐待実数
養護者による高齢者虐待相談実数・虐待実数(長崎市)
41.6% 43.2% 28.5% 5.1% 7.1% 6.6% 7.3% 8.4% 10.9% 7.3% 1.9% 8.8% 3.6% 3.2% 4.4% 4.4% 10.3% 12.4% 9.5% 12.3% 18.2% 0.7% 1.3% 0.7% 7.3% 3.9% 5.8% 7.3% 3.9% 5.8% 4.5% 3.6% H28年度 (n=137) H27年度 (n=155) H26年度 (n=137) 介護支援専門員 介護保険事業所職員 医療機関従事者 近隣住民・知人 民生委員 被虐待者本人 家族・親族 虐待者本人 当該市町村行政職員 警察 その他
相談・通報者(複数回答)
※ 構成割合を相談・通報者の合計人数に対して算出全国:29.6%
61 17 49 0 34 71 26 54 1 29
63
16
38
0
20
身体的虐待
介護等放棄
心理的虐待
性的虐待
経済的虐待
虐待の内容(複数回答)
H26年度(n=161)
H27年度(n=181)
H28年度(n=137)
全国:66.6%
男, 18.4%
男, 22.1%
男, 17.9% 女, 81.6% 女, 77.9% 女, 82.1% H28年度(n=87) H27年度(n=104) H26年度(n=84)被虐待高齢者の性別・年齢
6.9%
4.8%
7.1%
12.6%
11.5%
20.2%
27.6%
23.1%
19.0%
24.1%
29.8%
29.8%
17.2%
22.1%
15.5%
11.5%
8.7%
8.3%
H28年度(n=87) H27年度(n=104) H26年度(n=84) 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85~89歳 90歳以上16.1%
24.0%
23.8%
2.3%
1.2%
78.2%
75.0%
72.6%
3.4%
1.0%
2.4%
H28年度(n=87) H27年度(n=104) H26年度(n=84) 未申請 申請中 認定済み 非該当 全国:66.7% 4.4% 6.4% 11.5% 16.2% 15.4% 11.5% 26.5% 33.3% 26.2% 26.5% 20.5% 19.7% 11.8% 11.5% 16.4% 13.2% 10.3% 4.9% 1.5% 2.6% 9.8% H28年度(n=68) H27年度(n=78) H26年度(n=61) 要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5被虐待高齢者の要介護状況
17.6% 16.7% 9.8% 25.0% 15.4% 31.1% 36.8% 23.1% 32.8% 14.7% 19.2% 19.7% 2.9% 9.0% 3.3% 1.5% 1.3% 1.5% 10.3% 1.6%
H28年度
H27年度
H26年度
自立又は認知症なし 自立度Ⅰ 自立度Ⅱ 自立度Ⅲ 自立度Ⅳ 自立度M 認知症はあるが自立度不明 認知症の有無が不明 n=68 5.1% n=78 1.6% 自立度Ⅱ以上57.7% 自立度Ⅱ以上55.9% 全国:自立度Ⅱ以上69%介護保険認定済者の認知症日常生活自立度
n=6155.2%
53.8%
56.0%
26.4% 31.7% 25.0% 17.2% 10.6% 17.9%1.1%
3.8%
1.2%
H28年度
H27年度
H26年度
虐待者とのみ同居 虐待者及び他家族と同居 別居 その他 n=84 全国:37.4%虐待者との同居・別居状況
n=104 n=87 全国:49.2%31.9% 25.5% 27.6% 0.0% 6.4% 3.4% 34.0% 33.6% 35.6% 16.0% 24.5% 24.1% 5.3% 2.7% 4.6% 0.0% 0.9% 1.1% 2.1% 1.8% 2.3% 9.6% 4.5%
H28年度
H27年度
H26年度
夫 妻 息子 娘 嫁 婿 兄弟姉妹 孫 その他 n=94 2.3% n=110虐待者:続柄
n=8763.2% 55.8% 47.6% 13.8% 9.6% 17.9% 14.9% 25.0% 23.8% 4.6% 5.8% 3.6% 3.4% 3.8% 7.1%
H28年度
H27年度
H26年度
1-生命・身体・生活への影響や本人意思の無視等 2 3-生命・身体・生活に著しい影響 4 5-生命・身体・生活に関する重大な危険 n=84 n=104 n=87虐待の深刻度
全国:32.2%
全国:32.8%
分離19人 非分離51人 調整中2人 既に 分離 15人 1 4 6 0 3 5 その他 上記以外の住まい・施設 等利用 一時入院 緊急一時保護 やむを得ない措置 介護サービス契約
分離19人の内訳
(人) 13 0 1 5 9 19 18 その他 養護者介護負担軽減事業へ の参加 他サービス利用 新たに介護保険サービス利 用 プラン見直し 養護者に対する助言・指導 経過観察 (人)非分離51人の内訳
虐待事例への対応状況
養介護施設従事者等による
高齢者虐待相談・通報件数
273
379
451
408
506
687
736
1120
1640
54
62
70
76
96
151
150
221
300
408
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800
相談・通報件数
虐待判断件数
(全国)
962
本人 2.4% 家族・親族 20.0% 当該施設職員 21.9% 当該施設元職員 10.0% 当該施設管理者等 11.7% 医療機関従事者 2.5% 介護支援専門員 4.4% 介護相談員 0.7% 地域包括支援センター 2.7% 社会福祉協議会職員 0.4% 国民健康保健団体連 合会 0.5% 都道府県 2.6% 警察 1.8% その他 11.8% 匿名 6.7%