• 検索結果がありません。

中国語、日本語の母語話者と非母語話者の会話における修復行為について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "中国語、日本語の母語話者と非母語話者の会話における修復行為について"

Copied!
21
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

This document is downloaded at: 2016-10-07T21:50:29Z

Title

中国語、日本語の母語話者と非母語話者の会話における修復行為に

ついて

Author(s)

今中, 麻祐子

Citation

今中麻祐子:英語学英米文学論集(奈良女子大学英語英米文学会),

第41号, pp. 43-62

Issue Date

2015-03-31

Description

URL

http://hdl.handle.net/10935/4342

Textversion

publisher

http://nwudir.lib.nara-w.ac.jp/dspace

(2)

修復行為について

今 中 麻 祐 子

1

.

はじめに 本稿のテーマは、中国語と日本語の母語話者(以下 NS)と非母語話者(以 下 NNS)の会話における修復行為を研究することであるo本稿では、中国語、 日本語の NNSの自己修復方法を示すとともに、 NS開始の修復の例において 生じる問題やその原因を明らかにし、その解決策を提示することを目的として し、る。 Sacks et al. (1977)は、会話において発話産出・聞き取り・理解にかかわる 問題に対処するメカニズムを修復の組織としている。以降、会話における修復 について多くの研究がなされてきた。しかし、 NSとNNSの会話における修 復についての研究は多くはないように思える。そこで、本稿では NSと NNS の会話における修復について考察し、特に中国語と日本語の NSとNNSの会 話に注目する。 まず、本稿の構成について述べたいと思う。第 1節の「はじめに」のあと、 第 2節では先行研究を概観するo第 3節では中国語 NNSと日本語 NNSの自己 修復にはどのような方法があるのかを分析し、 NNSが自己修復を行う能力を 持っていることを示す。第 4節では、 NSによって修復が開始され、 NNSによっ て修復が完了する例に注目する。そして、第 5節において本稿の結論を述べる。 第 4節では特に、 NSによって修復開始が行われるが、 NNSによって修復が十 分に行われなかったため、 NSがその修復を受け入れず、もう一度 NSによっ て修復が開始され、連鎖が拡張されていく例に注目する。例の分析を通して、 この現象の原因を明らかにし、その解決策を提案する。また、第 4節の NSか ら開始される修復においては、多くの場合、自分から積極的に問題を修復する のではなく、疑問文や修復候補を NSから示された後にようやく修復を完了し ている。このことから、 NSから開始される修復行為において、 NNSは修復を

(3)

完了させるために NSの助けを必要としていることを提示する。そして、 NNS の修復完了の助けとなる NSの修復開始の方法を提案する。 本研究の方法は会話分析に立脚する。本稿で用いるデータは、約 10分間の 初対面の台湾人と日本人による一対ーの会話データである。合計 6グループの 会話を録音、録画し、 3グループは中国語での会話、他 3グループは日本語で の会話である。会話参加者は大学生または大学院生であり、 NNSの言語レベ ノレは中級以上とした。(以下の表 1 において、会話参加者についての詳し~)情 報を示す。)会話のテーマは「台湾についてどう思うか」とし、内容について は問わず自由に話すよう指示した。また、会話を録音、録画することに加え、 会話後に、会話についての感想を問うフォローアップ・インタビューも行った。 表1 会話参加者 グループ名 会話で使用 参加者の 母語 年齢 性別 された言語 コード名

Cl

中国語

2

0

男性 中国語

J

l

日本語

2

0

男性

C2

中国語

2

1

女性

2

中国語

J

2

日本語

2

3

女性

J

3

日本語

2

0

女性

3

日本語

C3

中国語

2

0

男性

J

4

日本語

2

0

男性

4

日本語

C4

中国語

2

3

女性

C5

中国語

2

1

男性

5

中国語

J

5

日本語

2

1

男性

J

6

日本語

2

1

女性

6

日本語

C6

中国語

2

0

女性

(4)

2.先行研究 まず修復組織に関する先行研究を概観する。 Sackset al. (1977)の研究に基 づくと、修復組織とは会話において発話産出・聞き取り・理解にかかわる問題 に対処するメカニズムのことである。また、会話における問題に対処するメカ ニズムというと、「訂正」と同じもののように思えるが、「修復」と「訂正」は 異なるものである。「訂正」という表現は、通常「誤り」や「間違い」があっ て、それが「正しい」ものに置き換えられることと理解されている。しかし、 「修復」は誤りに依存しているわけでも、また、何かが何かに置き換えられる ということに限ったものではない。一つの例を見てみよう。 (1) 01→Ken: Sure enough ten minutes later the bell r同 02→ the doorbell rang ・ ・ ・ (Sacks et al. 1977: 363) 1行目で Kenは thebell rangと言いかけている。しかし、途中で中断し、 2行 目では bellの前に doorを付け加えて言い直しているo(1)は言葉が付け加えら れることによって、修復が完了するo1行目の thebellという表現に間違いが あるわけではないにも関わらず、 Kenは言い直すことで\より適切に表現しよ うとしているoつまり、この例は訂正の例ではなく、修復の例であると言える。 それゆえ、修復は訂正よりも広い領域の現象をカバーしているのであるo 加えて、 Sackset al. ( 1977)では、修復行為を開始する側と修復を行う側が 常に同一人物ではない点から、修復の開始を「自己開始」か「他者開始」かに よって区別し、そして、修復行為の完了を「自己修復」、「他者修復」とに区別 しているoつまり、修復開始と修復完了の区別を組み合わせると、「自己開始・ 自己修復」、「自己開始・他者修復」、「他者開始・自己修復」、「他者開始・他者 修復」という 4種類となるo「自己開始」とは、修復の対象となるもの(以下 トラブル源)の発話者によって行われる修復開始のことであり、「他者開始」 とは、トラブル源の発話ターンの受け手によって行われる修復開始であるoま た、「自己修復」とは、トラブル源の発話によって完了される修復のことであ り、「他者修復」とはトラブル源の発話ターンの受け手によって完了される修

(5)

復のことである。では、ここで(1)をもう一度見てもらいたい。トラブル源 は 1行目の thebellである。そして、 Kenは thebell rangと言いかけ、これが 修復開始となるoKenはトラブル源の発話者であるので、この修復開始は自己 開始である。また、 2行目で Kenはより適切に表現するため thedoor bell rang と言い直し、このことで修復が完了する。 Kenはトラブル源の発話者であるこ とから、この修復完了は自己修復である。よって、 (1)は「自己開始・自己修 復」の例と言えるo 次に、他者によって修復が開始され、自己修復する例を見てみよう。 (2) 01 F: This is nice, did you make this?

02 K: No, Samu made that. 03→F: Who? 04→K: Samu. (Sacks et al. 1977: 367・368) ここでトラブル源は、 2行自の Samuである。また、 3行目の Who?という発 話が修復開始となり、 Fはトラブル源の発話ターンの受け手であることから、 この修復開始は他者開始であるといえるo そして、 4行目で Samuという言葉 の発話者である K によって修復が完了される。つまり、この修復は自己修復 であるoよって、(2)は他者開始・自己修復の例であるO また、 Sackset al. (1977)や Shegloff(1992)では、修復開始の位置について も言及されているo自己開始は「トラブル源と同じターン」、「トラブル源を含 むターンの移行関連場所(仕組sitionrelevance place)」、「トラブル源から数えて 三つ目のターン」という三つの位置で起こりうるとし、他者開始は「トラブル 源の次のターン」でしか生じないとした。 本稿の第 3節と第 4節では修復を「NS」と「NNS」の区別から考えたいと 思う。トラブル源が NNSの発話内にある場合、自己開始は NNSによって行わ れ、他者開始は NSによって行われる。また、自己修復は NNSによって行わ れ、他者修復は NSによって行われる。この関係を表した図が以下であるO

(6)

図1 「NS」と「NNS」の区別からみた修復開始と修復完了の分類 NNS開始 NNS修復 NNS開始 NNS開始 NS修復 トラブル源 (NNS発話内) NS開始 NNS修復 NS開始 NS開始 NNS修復 第3節では、中国語、日本語NNSによる NNS開始、 NNS修復の例を分析 し、その特徴や中国語、日本語NNSが自己修復能力を有していることについ て示していく。また、第4節ではNS開始NNS修復の例を考察するo 3.中国語NNS・日本語NNSによる自己修復 3.1中国語NNSによる自己修復 まず、中国語NNSによる自己修復についてどのような自己修復方法がある のか例から示す。私のデータの中では二つの自己修復方法が観察された。一つ はもう一度発音するというものである。以下に例を挙げるIo (3) 01→J3:我去年、(.)欽:: 去 年 我 来 蓋 湾 。 私 去 年 えー 去 年 私 来 た 台 湾 “私去年、 え一、去年私は台湾に来た。” (0.8) 02 C3:好 久 喰 。 と て も 長 い ね “とても長いね。” 1 本稿のトランスクリプトで用いた記号は、西阪仰「トランスクリプションのための 記号」(http://www.meijigakuin.ac担/∼aug/transsym.htm.)を参照した。

(7)

(3)でのトラブル源は、「我」(wる)と言った後の「去年」(qunian)という発話 である。「去年」の正しい発音は四声と二声の組み合わせであるが、 J3の「去 年」の発音は一声と四声を用いており、 J3はその間違えに気づき、トラブル 源の言葉をもう一度発音する。そして、このときに正しい発音がなされるoつ まり、 J3(中国語NNS)は、発音をもう一度することによって、自己修復を 行ったのである。 加えて、中国語NNSによって行われる自己修復のもう一つの方法を示す。 もう一つの方法は情報を追加することであるo(4)は情報追加の例であるo (4) 01 C3:水果? 果物 “果物?” 02→J3:水果o日恩o

t

果。 果 物 う ん マ ン ゴ ー “果物、えっと、マンゴー。” 03 C3:阿::= “あー” 04→J3:=唱、(.)日本、 (.)p恩、 (.)沖縄。 うん 日本 うん 沖縄 “うん、日本、うん、沖縄。” (4)でのトラブル源は、 2行目の水果(shui

g

u

o

)という言葉であるo2行目で J3は水果(shuiguる)と言った後に、苦果(mang

g

u

o

)と言っている。 J3は何 の果物を指していたのかという情報を追加することによって、自己修復をして いるのであるO また、 J3は4行目においても自己修復を行っているo4行目に おけるトラブル源は日本(rl凶n)である。そして、日本(rlhen)といった後 に沖縄(chong sheng)と言うことによって日本のどこを指しているのか情報追

(8)

加をし、自己修復を行っている。このように、中国語 NNSは情報追加をする ことによって自己修復しているのであるo上記で述べたように、もう一度発音 をすることと、情報追加をすることが中国語 NNSの自己修復の方法である。 3.2日本語NNSによる自己修復 次に、日本語 NNSによる自己修復方法についてみていきたい。私のデータ の中では三つの方法が観察された。まず、一つ目は、語藁を変えるという自己 修復方法である。例を以下(5)に記す。 (5) 01→C4:えっ,(.)じゃあどのぐらいの時間? 02→ えっ?時期? 03 J4:えっと,(.)はい,(.)えっと,(.)六年間住んでいました. 04 C4:えっ?そうなんですか? この例でのトラブル源は 1行目の「時間」という言葉である。 1行目で C4は 「時間」と発話した後、「時間」という言葉は適切ではないと感じ、 2行目で 「時期」と語藁を変え、より適切に表現しようとしているo このように語藁を 変えることによって、自己修復を行っているのである。 また、日本語 NNSの二つ自の自己修復方法は文法の間違いを訂正すること である。(6)を見てみたい。 (6) 01→C6:カヌーのボートを(1.0)乗せ(0.8)の”乗ったり= 02 J6 :=乗ったり 03 C6:んん,(.)いろいろな活動をした. 04 J6:楽しそう. (6)のトラブル源は、 1行目の「乗せ」という発話であるO 1行目で C6は「乗 せる」という他動詞ではなく、「乗る」という自動詞を用いるべきであった。 そこで、自身の発話の文法的な間違いに気づいた C6は「乗せ」と言ったあと に、「乗ったり」と言い直し、文法の間違いを訂正し自己修復を行う。このよ

(9)

うに日本語NNSは文法の間違いを訂正することで自己修復をする20 日本語NNSによる三つ目の自己修復方法は、情報追加である。以下に例を 記す。 (7) 01

c

s

:なんかすごく盛り上がっ= 02 JS:=うんうん 03→

c

s

:台湾と(.)台湾の 04→ 歌手のライブと全然 05 JS:う::ん 06

c

s

:雰囲気が違いました 07 JS:たとえばどんなところが ここでのトラブル源は、 3行目の「台湾と」である。 3行目と4行目で

c

s

は 「台湾と」と言ったあとに、「台湾の歌手のライブと」と言っている。このよう に情報追加をすることで、発話で指しているものをより明確化している。

c

s

は情報追加によって、自己修復を試みているのであるo 上で述べたように、日本語NNSの自己修復方法としては、語藁を変えるこ と、文法的間違いを訂正すること、情報追加が観察された。 第3節で見てきたように、中国語NNSも日本語NNSもそれぞれの自己修復 方法を持ち、自己修復を行っているO そしてこのことから、中国語NNSと日 本語NNSは自己修復を行う能力を持っていることが分かるO 続いて第4節では、 NNSの発話内にトラブル源があり、 NS修復開始、 NNS 修復の例に注目して考察するO 4.トラブル源がNNSの発話内、 NS開始、 NNS修復の修復について 第4節ではトラブル源がNNSの発話内、 NS開始、 NNS修復の修復につい て注目していきたいと思う。トラブル源がNNSの発話内、 NS開始、 NNS修 復のアクションシークエンスのパターンはデータ内で三種類観察された。一つ 2 (6)において、 1行目の「乗せる」という文法的な間違いは訂正されているが、「ボー ト」のあとの助詞「を」は文法的に適切ではないが、訂正されていない。

(10)

目は修復候補や言い換えによって修復が開始され、受け入れによって修復が完 了するもの、二つ目は理解チェックによって修復が開始され、受け入れによっ て完了するもの、三つ目はNSによって修復が開始されるが、 NNSによって 十分な修復が行われず、 NSがその修復を受け入れず、もう一度修復開始をし、 連鎖が拡張されるものであるO 修復行為の連鎖が拡張する例は他のパターンよりも多く観察され、会話のメ イントピックの進行を妨げることから、ここでは連鎖が拡張される例に注目し たいと思う。 4.1拡張連鎖が起こる原因 修復行為の連鎖が拡張される原因となるものは、主に二種類観察された。こ れら二つの原因の性質はそれぞれ異なっている。一つの原因はNSNNS 発話意図の理解の相違であり、もう一つはNNSの言語能力が不十分なことで ある。

4

.

1

.

l

修復における発話意図の理解の相違 まず、 NSとNNSの発話意図の理解の相違の問題について考察していきた い。図 2において、この問題のアクションシークエンスを図式化して示す。 図2 発話意図の理解の相違が生じる場合の会話のアクションシークエンス NS:NNSの発話の部分的繰り返し+上昇調

↓ ↓

( NNS:相槌(+繰り返し))

/ / \ 、

NS:疑問文

1

NS:修復候補を伴う疑問文 (+上昇調〉

NNS:疑問文に対する応答 [ NNS:相槌での疑問文に対する応答)

(11)

まず、 NSによって行われる修復開始は、 NNSの発話の部分的繰り返しと上昇 調によって行われるo その次のターンでNNSは時折発話の繰り返しを伴う相 槌で応答する。その後、三番目のターンでNSはもう一度修復を開始するo こ のターンで、の修復開始の方法は二つのパターンがあるO 一つは疑問文を用いて 修復開始を行うもの、もう一つは修復候補を伴う疑問文である。そして、四番 目のターンで修復が完了する。 NSの疑問文に応答するものと、 NSの修復候 補を伴う疑問文に、相槌で疑問文に応答するものであるO 次に、修復における発話意図の理解の相違の問題について詳しく考えていき たい。図2のアクションシークエンスで見たように、最初の修復開始は、発話 の部分的繰り返しによって行われる。ここで、発話意図の理解の相違の例を見 る前に、発話の部分的繰り返しによる修復開始についての一つの先行研究を概 観したいと思う。西阪(2007)では、発話の部分的繰り返しの修復開始が扱う 問題には四つのタイプがあると指摘しているoそれら四つのタイプは以下であ る。 (8) 1)聞き取りの不確かさ 2)間違い(言い間違い、勘違い)の可能性 3)その表現の意味の不確かさ 4)その表現を含む発話全体の意味の不確かさ 加えて、この四つは一つの順序を構成しているoつまり、それぞれの「可能な トラブル」は、それに先立つトラブルの不在を前提としているo例えば、 2)の 言い間違いの可能性を疑えるためには、 1)の聞き取りができていなければな らないし、 3)の表現の意味が疑えるためには、 1)の聞き取りの不確かさや2) の言い間違いではないことが前提となっていなければならないと西阪(2007) は述べている。 ここで、西阪は一つの疑問を提示しているo もし、修復する側 が、部分的繰り返しによる修復開始に対しては、とりあえず、発話全体の意味 を明確化するような全面的な言い直しを試みるならば、すべての可能なトラブ ルが一挙に解決で、きることになるのではないか、という疑問であるO しかし、 なぜ私たちは日常でこの方法を取らないのであろうか。西阪(2007)は、ゴッ

(12)

フマン流の「体面」の仮定(cf.Goffman, 1971; Brown & Levinson, 1979)との 関係を指摘している。つまり、上の四つの可能性は、番号が上がるごとに、ト ラブル源の産出者および受け手の体面をより大きく傷つけることになる。それ ゆえ、もし番号の小さいほうのトラブルの対処で、済むのであれば、大きい番号 のトラブルを対処するよりも体面を傷つけずに済む。したがって、会話者たち は常にどのようなトラブルであるかに関する実際の可能性と、体面を傷つける 度合いとを衡量し、最適化を試みなければならないのである。以上が西阪(2007) の発話の部分的繰り返しによる修復開始に関する考察であるO では次に、 NSとNNSの発話意図の理解の相違に関する一つの例を示す。(9) は、日本語NNSのC6と日本語NSのJ6との会話の一部である。この会話で は、 C6の夏休みの聞の日本での滞在の経験が話題となっているoC6が日本で 経験したことを述べる中で、日本料理を作った経験について話し、日本料理と 台湾料理の違いについて述べるoそして、次にC6は突発的に日本料理がおい しかったと言い、以下はその発話に続く部分のトランスクリプトであるO (9) 01 C6:ん,(0.4)日本料理おいしかった.= 02→ J6:=おいしかった? 03→ C6:ん(.)おいしかった. 04→J6:何が一番おいしかった? ((笑いながら)) 05→C6:ちょっと待って(1.0)つけめん?っけめんが好き。 まず、(9)をNSの発話意図の理解の観点から考えていきたし」 2行目で「お いしかった?」という J6の発話によって修復開始が行われる。これは、 1行 目のC6の発話の部分的繰り返しである。上で見た、西阪の部分的繰り返しが 扱う問題の種類分けに基づいて考えると、この発話はどの問題を扱っているの だろうか。では、まず 1)の聞き取りの不確かさの可能性から検討していく。 もしJ6が聞き取りの問題を有しているなら、この問題は3行目のC6の発話 の繰り返しによって修復は完了ということになる。しかし、この会話では、 3 行目で修復完了とはなっていない。 4行目においてJ6はもう一度修復開始を 行っている。なぜなら、 C6の

3

行目での「ん」という相槌を用いた応答と

(13)

「おいしかった」という発話の部分的繰り返しだけでは、 2行目でのJ6の意図 する修復要請に対する応答としては不十分であったからである。このことから、 J6の部分的繰り返しが扱う問題は 1)の聞き取りの不確かさではないと判断で きるO つぎに、 2)の間違い(言い間違い、勘違い)の可能性についてである が、 2)の問題を有していた可能性はないと言える。なぜなら、 1行自の「お いしかった」という発話について、会話の録音や録画を見る限り間違いはない からである。では、次に 3)のその表現の意味の不確かさの可能’性について考 えるO 1行目の「日本料理おいしかった」という発話は、日本語NSにとって 簡単な言葉であり、意味の不確かさをJ6に抱かせるものではない。それゆえ、 J6は3)のその表現の意味の不確かさを解決しようとしているものではないと 考えることができる。では、最後に4)のその表現を含む発話全体の意味の不 確かさの可能性を検討したいと思う。 1行目における「日本料理おいしかった」 という発話において、 C6は具体的になぜ日本料理が美味しかったのか、何が 美味しかったのかを述べておらず、 1行目のC6の発話全体の意味は不確かで あったと言える。このことから、 J6の部分的繰り返し発話は4)のその表現を 含む発話全体の意味の不確かさの問題を扱っていると判断できる。それゆえ、 上記で述べたように、 C6の3行目の相槌と部分的繰り返しでの応答はJ6の発 話意図への応答としては不十分であり、 C6は修復を完了したとは言えない。 そこで、 J6は4行目において疑問文を用いてもう一度修復開始を行っているo ではここでもう一度、図2を見てみたいと思う。この図をNSの発話意図の 理解の観点から見ると、第一ターンの発話の部分的繰り返しは「NSの修復開 始」であり、第二ターンの相槌と部分的繰り返しは「実質的な修復なし」とな るo また、第三ターンは再び「NSの修復開始」となり、第四ターンのNNS の応答で「NNSの修復」が完了するo 続いて、(9)をNNSの発話意図の理解の観点から考えたいと思う。 2行目は 修復開始である。 3行自において、 C6はJ6の有している問題は1)の聞き取 りの不確かさであると判断していると考えられる。なぜなら、もしC6がJ6 の問題が2)-4)であると判断していたなら、 3行目においてC6は相槌と部分 的繰り返しだけで応答することはないはずだからである。では、 3行目のC6 の応答方法に関する判断は適切なものであったと言えるであろうか。西阪

(14)

(2007)の主張に基づいて検討すると、 C6のこの応答に関する判断は適切なも のであったと考えられる。なぜなら、 C6は J6が聞き取りの不確かさの問題を 有していると判断しており、また、この問題を解決しようとすることは他の問 題を解決しようとすることよりも、互いの体面を傷っけないで済むからであるo それゆえ、 J6(NS)の発話意図の理解の観点からすると、 3行目は「実質的な 修復なし」となるが、 C6(NNS)の発話意図の理解の観点からすると、修復を 試みたことになる。そして、ここで NSとNNSの発話意図の理解の相違が生 じる。では、なぜこのような発話意図の理解の相違が生じたのだろうか。それ は 2行目における NSの部分的繰り返し発話が原因であると判断できる。部分 的繰り返し発話は何の問題を発話者が有しているのかを示すには非常に暖昧で あり、 NNSの誤解を招いてしまうからである。(9)の 4行目以降は NSとNNS の理解の相違は生じていない。 ではここで\もう一度図 2を NNSの発話意図の理解の観点から見てみたい と思う。第一ターンの発話の部分的繰り返しは「NSの修復開始」であり、第 二ターンの相槌と部分的繰り返しは「NNSの修復」となる。また、第三ター ンは再び「NSの修復開始」となり、第四ターンの NNSの応答で「NNSの修 復」が完了する。 第 4.1.1節で考察してきたことから、 NSとNNSの発話意図の理解の相違が 拡張連鎖を生じさせる原因の一つになっていることがわかるO また、修復に関 する発話意図の理解の相違が生じる原因は、部分的繰り返し発話による修復開 始であると考えられる。 4.1.2 NNSの言語能力の不足 拡張連鎖が生じるもう一つの原因となる NNSの言語能力不足の問題につい て考察する。(10)において一つの会話を例として分析する。この会話におい て ClはJIに「日本と台湾で似ているものは何か。」について質問しているo そこで JIは「シーサー」(中国語で獅子(shTzi))を似たものとして挙げてい る。録音、録画で確認する限り JIの「獅子」という発話に発音の誤りは見ら れないのだが、しかし Clは JIが何を言おうとしているのか理解できない。 (10)を以下に記す。

(15)

(10) 01 J1:還有那個(1.4)獅子? あとあれ シーサー “あと、えーっと、シーサー?” 02 Cl :Shizi?((Jlの発音と同じように発音する)) “Shizi”? 03 Jl: 日恩 “うん。” (1.0) 04→ Cl:什慶 東西? 何 もの “それ何?” 05→J1:什慶 東西.欽: 欽: 欽: 獅子. 何 も の え ー え ー え ー シ ー サ ー “それ何?えーっと、えーっと、えーっと、シーサー” ((Jlは困惑した表情をうかべる。獅子の「獅」の発音を巻舌音である ことを強調するように発音しなおす。)) 06 Cl:Shizi?

Shizi”? 07 J1:日恩 射撃す封. “うんそうそうそう。” 08 Cl:明、(.)獅子. Lion 鴫? あ シ ー サ ー ラ イ オ ン の か “あ、 シーサー。ライオンの?” 09 J1:射針封封封. “そうそうそうそうそう。”

(16)

(10)を詳しく見ていく。 ClはJlが何を言っているのか理解できなかったため、 2行目で「Shizi?」と部分的繰り返しをすることによって、修復開始を行って いるo この部分的繰り返しは2)間違い(言い間違い、勘違い)の可能性、ま たは、 3)その表現の意味の不確かさの問題を扱っている。 Clは Jlが何を言 おうとしているのか確かめたいため、 2行目で修復開始を行っているのであるo しかし、 3行目において Jlは Clの発話意図を誤解し、 Clは 1)聞き取りの不 確かさの問題を有していると理解し、相槌のみで応答しているoつまり、 3行 目は NSの発話意図の理解の観点からみると実質的な修復はないが、 NNSの 発話意図の理解の観点からすると、修復を試みたのであるO この問題はまさに、 前のセクション 4.1.1の発話意図の理解の相違の問題であるO 3行目において、 意図を満たす応答が得られないかった Clは4行目において疑問文を用い、具 体的に質問することで修復開始をもう一度行う。この時、 Jlは Clは自身の発 話に関して聞き取りの不確かさではない問題を有しており、修復が要請され、 修復しなければならないことを理解する。しかしながら、 Clは獅子(shTzi) について説明することができず、

5

行目では困った表情を浮かべながら、「獅 子(sh!zi)」の発音の巻舌音をできるだけ丁寧に発音し、「獅子(sh!zi)」とい う語を繰り返すことしかで、きない。もし Jlが日本語で話していたなら、彼は 獅子(sh!zi)とは何であるのか説明することができたと思われる。つまり、 5 行目では Jl(中国語 NNS)の言語能力が十分ではなかったために、中国語で 自分の意図していることを説明できなかったのである。続いて、 8行目におい て、 Clが修復候補を挙げ、修復開始を行い、 9行目において Jlがその修復候 補を受け入れることによって修復が完了する。この例から、言語能力が十分で ないことで修復を適切に行えず、後続連鎖が生じ、会話のメイントピックの進 行が妨げられることがわかるo (10)は NNSの言語能力不足で修復を十分に行えなかった例であるが、 NNS が発話について説明することで修復が完了することもある。その例を一つ見て みたいと思う。 (11) 01 JS:野胞 “Shupao

(17)

02 C5:shupao?

Shupao”? 03→JS:静胞,(.)那個飲料。 運動 的. Shupao あ の 飲 み 物 ス ポ ー ツ の

Shupao,あの、スポーツの時に飲むやつ” 04

c

s

:阿: 録胞野胞. 日 本 浸 有 ?? あ Shupao Shupao 日 本 な い か “あ一、 Shupao。 日本に静胞ないの?” 静胞(sh百戸o)とは、台湾でとても有名なスポーツドリンクであるO

c

s

は台湾 人であることから、静胞(sh百p足o)が何であるかを知っているはずである。し かしながら、 1行目でJSが何を言おうとしているのか理解できていない。 2行 目で

c

s

はおの発音に似たように繰り返しており、 1)聞き取りの不確かさの 問題ではない。また

c

s

は静胞が何であるのかを知っているはずであるから、 3)その表現の意味の不確かさや4)その表現を含む発話全体の意味の不確かさ の問題でもない。よって、 2行目で扱われている問題は、 2)間違い(言い間 違い、勘違い)の可能性を扱っていると考えられるo1行目の「箭胞」という 発話に発音等の間違いがあり、

c

s

が理解できず、

c

s

はその間違いの可能性を 扱っていたものと考えられるo3行目において、 JSは

c

s

の修復開始の意図を 正しく理解し、野胞(sh百戸o)について説明をすることで修復を試みている。 そして、修復は成功し、会話のメイントピックが妨げられることなくスムーズ に進行していく。この例が示すように、 NSによって修復が開始されたとき、 NNSは説明や情報追加をすることによって、修復を完了させることができる のである。 第4節で考察してきたように、 NSとNNSの発話意図の相違とNNSの言語 能力が十分でないことから修復が適切に行われず、連鎖が拡張され、会話のメ イントピックの進行が妨げられるのである。 第3節の考察より、 NNSは自己修復能力を有していることがわかった。し

(18)

かし、第 4節の例で見てきたように、 NSによって修復開始が行われたとき、 NNSは相槌で答えるのみなどで、あまり積極的に修復を行わない。多くの場 合、 NSによって疑問文で尋ねられたり、修復候補を挙げられた後に修復を行っ ている。このことから、 NNSはNS修復開始、 NNS修復の場合において、修 復を行うために NSの助けを必要としていると考えることが出来る。それゆえ、 NSが修復を開始するときは NNSが修復を完了しやすいような方法で修復開 始を行うべきである。そこで私は、 NSが修復を開始する際には、どのトラブ ルを有しているのかを明確にするために W H疑問詞を用い、また、トラブル 源を明確にするためにトラブル源の言葉を繰り返す、「W H疑問詞+トラブル 源」の方法で修復を開始するか、修復候補を挙げるという方法で NSは修復を 開始すべきであると提案する。例えば、(9)では、 J6は2行目において発話の 部分的繰り返しではなく、「なぜ(どの)日本料理が美味しかったの?」と質 問をすることで、 NNSにとって助けとなる修復開始を行えたのである。 5.結論 本稿では、中国語 NNS、日本語 NNSの自己修復方法、 NS開始の修復の例 において生じる問題やその原因を明らかにし、その解決策を提示してきた。第 3節では中国語 NNSの自己修復方法について、もう一度発音する乙とと情報 追加があることを観察し、また、日本語 NNSの自己修復方法は語棄を変える こと、文法の間違いを訂正することと情報追加であることを観察した。中国語 NNSと日本語 NNSのそれぞれの自己修復方法は異なるが、情報追加という自 己修復方法は同じであった。そして、第

3

節より、中国語 NNSと日本語 NNS に自己修復を行う能力があると判断することができる。 第 4節では、 NSとNNSの発話意図の理解の相違と NNSの言語能力の不十 分さによって、修復行為の連鎖が拡張されることがわかった。この拡張連鎖は 会話のメイントピックの進行を妨げる原因となるものである。 NSとNNSの 発話意図の理解の相違については、主な原因となるものは、 NSによる発話の 部分的繰り返しによる修復開始である。部分的繰り返しによる修復開始は、し ばしば発話者がどのトラブルを有しているのかが暖昧となる。それゆえ、私は 会話において NSが NNSに修復を依頼する時には、 NSは部分的繰り返しだけ

(19)

ではなく、 NNSの発話意図の取り違えを防ぐため、より具体的に修復依頼を すべきであると提言する。 また、第 4節では NNSの言語能力不足が、連鎖が拡張される原因となると 論じた。しばしば NNSの言語能力は修復をするために十分でないことがある が、私は NNSの語藁力には限界があるものの、簡単な言葉でトラブル源を修 復するよう努めるべきであると主張する。 NNSはしばしば自身の使える語集 で説明をする能力が十分でないことがある。そこで、 NNSの中国語学習の場 で、限られた語藁の中で何を言いたいのか、どのように言い変えて説明するこ とができるのかを練習することが重要であると提案する。 加えて、第 3節で示したように NNSは自己修復をする能力があるにも関わ らず、第 4節の例で見たように、 NSが NNSに修復依頼をしたとき、 NNSは しばしば積極的にトラブル源の修復を行わない。多くの場合、 NSによって疑 問文や修復候補が提示された場合にのみ NNSは修復を行う。このことから、 NSが修復を開始した場合、 NNSはトラブル源の修復を行うために NSの助け を必要としていることが分かる。 NSが発話意図を暖昧に修復要請することは、 NNSにとって助けとなるものではない。それゆえ、 NNSは積極的に修復を試 みる必要はあるにせよ、 NSはNNSにとって助けとなる方法で修復開始を行 うことは重要である。たとえば、「W H疑問詞+トラブル源+上昇調」または 「修復候補の提示+上昇調」は NNSがどのように自己修復をすべきかを決める うえで助けとなる修復開始となる。 終わりに、さらなる考察が必要となる点に関して述べたいと思う。本稿では、 現象を一般化したものとして捉えるため、 NNSの言語能力を中級者と上級者 のデータを分けずに論じた。しかし、データ分析の中で中級者のほうが上級者 より NSの発話意図を取り違え、積極的に自己修復を行わない傾向が観察され、 NNSの言語レベル別で問題点が異なる可能性があるようにみえた。また、ト ラブルの種類は音韻レベル、形態レベル、文法レベル、概念、レベルとそれぞれ 性質の異なるものがあり、修復開始、修復完了の難易度も異なるように考えら れるoそこで、修復開始や修復方法とトラブルの種類、 NNSの言語能力レベ ルを組み合わせ、詳細に分析を行おう必要があるように思われる。それゆえ、 引き続きこの問題について探究していく必要があると私は考えているO 中国語

(20)

NNSと日本語 NNSの会話における修復行為に関する研究の成果と課題、また 今後の更なる研究の発展が中国語教育や日本語教育に貢献することを期待して いる。 参考文献 大塚容子.2009.「母語話者と非母語話者による会話におけるあいづち一日・英 語会話の比較−」.『岐車聖徳学園大学紀要.外国語学部編』(48),95・107. 張玲玲.2014.「言語的修復行動に関する語用論的研究:中国語との比較を通し て」北海道大学,博士論文. 永山友子. 1997.「日本語母語話者と日本語非母語話者の会話における日本語非 母語話者へのフィードパック一会話における repa祉の相互作用をめぐって−」. 『筑波応用言語学研究』(4),41・54. 西阪仰.2007.「繰り返して問うことと繰り返して答えること一次の順番におけ る修復開始のー側面−」.『研究所年報』(37), 133・143.

Brown, Penelope and Stephen C. Levinson. 1987. Politeness.・SomeUniversals in Language Usage, Cambridge University Press. Gotl企nan,Erving. 1971. Interaction Ritual, Penguin. Kushida, Shuya. 2011. Confirming understanding and acknowledging assistance: Managing往oubleresponsibility in response to understanding check in Japanese talk-in-interaction. Journal of Pragmatics 43, 2716・2739. Sacks, Harvey, Gail Jefferson and Emanuel A.Schegloff. 1974. A simplest systematics for the organization of tum-taking for conversation. Language 50 (4), 696・ 735. Sacks, Harvey, Gail Jefferson and Emanuel A.Schegloff. 1977. The preference for self-correction in the organization of repair in conversation. Language 53 (2), 361-382. H. サックス・ E.A.シェグロフ・ G. ジェファソン.2010.『会話分析基本論集

(21)

順番交替と修復の組織』.西阪仰訳.

s

.

サフト翻訳協力 京都:世界思想社, 157”2546.

Schegloff, E. A. 1992. Repair after next旬rn:The last structurally provided place for the defence of intersubjectivi勿inconversation. American Journal of Sociology 95 (5), 1295・1345.

Tsuda, Sanae, Y asumi Murata, Yoko Otsuka, Motoko Hori, Yuka Shigematsu, and Marni Otani, 2008. Intercultural Communication between Native and Non-native Speakers: Japanese and English Conversation Styles and Rapport Development. JA-CETChubu 25th Commemorative Journal, 57-82.

Yu白,Mamiko,2010. Nonnative speaker-initiated conversation repair: An empirical study of conversation in German between Japanese and German living in Germany. Keio University Graduate School of Media and Governance.

図 1 「 NS 」と「 NNS 」の区別からみた修復開始と修復完了の分類 NNS 開始 NNS 修復 NNS 開始 NNS 開始 NS 修復 トラブル源 (NNS 発話内) NS 開始 NNS 修復 NS 開始 NS 開始 NNS 修復 第 3 節では、中国語、日本語 NNS による NNS 開始、 NNS 修復の例を分析 し、その特徴や中国語、日本語 NNS が自己修復能力を有していることについ て示していく。また、第 4 節では NS 開始 NNS 修復の例を考察する o 3

参照

関連したドキュメント

平成 28 年度は発行回数を年3回(9 月、12 月、3

 発表では作文教育とそれの実践報告がかなりのウエイトを占めているよ

注⑴ Labov (1972: 359-360)は, “narrative” を, “one method of recapitulating past experience by matching a verbal sequence of clauses to the sequence of events which

日本語教育に携わる中で、日本語学習者(以下、学習者)から「 A と B

日本語接触場面における参加者母語話者と非母語話者のインターアクション行動お

 さて,日本語として定着しつつある「ポスト真実」の原語は,英語の 'post- truth' である。この語が英語で市民権を得ることになったのは,2016年

友人同士による会話での CN と JP との「ダロウ」の使用状況を比較した結果、20 名の JP 全員が全部で 202 例の「ダロウ」文を使用しており、20 名の CN

このように,先行研究において日・中両母語話