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Vicia sativaのモロッコ系2n=10と普通系2n=12との雑種の諸特性について-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報告 28

mcグα5αgグ〃αのモロッコ系2n=10と普通系

2n±12との雑種の諸囁性について

山 本 菩 艮

Morphologicalcharacteristics of the hybrid between a Morocco strain

(2n=10)ofl′irciasaii2)aand common vetch(2n=12)

KiyoshiYAMAMOTO

(Laboratory of Genetics and PlantBr・eeding)

(ReceivedJuly20,1959)

T 緒 聾者は若科飼偶作物育穏の目的の下に1指頭㍗院の種,変種間に・交雑を行・つているが,従采この方面の研究はきわ めて少なく,輩老の知る限りではコモンべヅチとヤハズ・エべ/ドゥと.の雑種についての平舌・敬村2)ならびに∴渡辺・山 田7)などのほか2,3の報告46)があるに過ぎないりかかる理由から,Ⅴわ拍り囲の雑観に関する基礎的研究の一部とし て,モロッコより導入されたモロヅコ系とコモソペグチとの間に交雑を行い,雑種を得たので放下これらの諸特性に ついて報告する.なお導入畦は送り状に.坑c去α細相関と記載されているので,一応こコモノベヅチと.同一囁とみなし 導入種をモロッコ系,従弟のコモソベプチを普通罪と.呼ぶことにすや.しかしながら(1)輩著の観察に・よればモロヅ コ系は2n=10で従来のコモソべヅチの2n=12(257)と異っていること,(2)Ⅵc言α隣には2n=10,12,14,24, 28および36が存在すること(1)(8)yわゴα,Sαf加ならびにその近縁種についての分類がいまだ明確を欠いているこ と.2)などの諸点から果してモロッコ釆がyわ才αSα物αに隣するか否かは親閲がある‖ これらの点については今後の 研究によって明かにされるべきものと考える 凍実験に対しいろいろ指導をうけた香川冬天,赤藤克己同博士に対し深甚なる御意を表すと共に種子を分譲いただ いた西村修一・,倣岡匡−・,渡辺亀彦の各諸氏に対し深謝する Ⅱ 実験材料および方法 交配に用いた材料の導入経過ほ第1表の如ぐであり,分譲後は木学附屏農場において眉殖して釆たものである.交 第1表 材料の導入経過

種 類一系統酌l

導 入 経 過 1950年四国虚業試験場より種子の分譲をうけた. 普 通 系 2n=12 1954年農業技術研究所畜産イヒ学部より種子の分譲をうけた 詣52年モロッコのラバ農業試験場より四国薦業試験場に導入し,その翌年同場よ モロ ヅコ系 2n=10 り種子の分譲をうけた. 配は1954年と1955年の2回に行い,1954年には闘場で2×9およぴ9×2の2組合せについて,1955年には鉢植え.し 第2表 雑軽後代の育成経過 註 育踵学会第12固辞流会に発表

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29 第11巻 通巻第29替(1959) たものについて2×9,9×2,4×9および9×4の4組合せに.ついて行い,2×9以外の3組合せのFl種子を 得た.その後の 育成経過は第2表の如くである.Flおよびその後代はすべて11月に・睦巾2.5∼3尺,株間1尺として 水訃こ移植を行った.ただしFlおよび1954年に交雑したF2の全部と1955年に交雑したF2の一部ほ1尺鉢で育成 したい生育および特性調査は4月から5月にわたり契施し,さらに移植直前および6月の生育後期にも併せて行ったい なおヤハズェソドゥの自然交雑に.ついては渡辺・山即)の報賃のごとく袋捌けを行わない場合は他家授粋が行われる

ようであるが,箪著の材掛では除雄して放置しても一花も清爽せず,人為的に花粉をつけた場合にのみ爽が発育し,

さらに.Flの荊が完全に裂関することを確めたのでFl以降は袋捌けを行わずに眉然放置のままで採種した..限端細 胞の観察はコルヒチソまたは8オキシキノリソで前処理を行い,酷酸オルセイソ染色おしつぶし汲で,PMCの観察 は同…・染色液を用い,なすりつけ法に.よった. Ⅱ 実験結果および考察 A 交配成拭およびFlの諸特性 交配成窮ほ第3表のごとくであ畠.1954年の成矧′よ1955年のものよりも煎爽率が著しく掛、が,これほ恐らく田切 で交配を行ったことが原因しているように思われる.しかしながら1935年の成績では4組合せ巾,2×9では畦子が 得られず,また交搾花数が少ないの で明確には言い得ないが習通系を母 とした併合に.は煎爽率は煩いように・ 思われる.このように・染色体数の多 い方を父として円いた場合に潜粒率 のよい種間雑穣の例は種々報質され ているい3)しかし一・爽車の平均毯子 数は各組合せで大差なく,またFl の発芽率は1954年の種子が虫害のた め3粒中1粒しか発芽しなかった以 外ほ何れも85%以上で良好である・ 第3表 交 配 成 蹟 交配叫諾合慧

桓花数≡蔚爽数傾橙姦桓種子数」研率屋

註 交配組合せの数字はそれぞれ系統番昏を表す.以下同様. つぎにFlの外部形態および生育については19S4年に交配したFlは僅か1個体であり,しかも1955年の同一組合せ のFlと全く区様であったので1955年に交配したFlの結果について述べることにするい PlおよびFlの外部形態 および坐骨状況はそれぞれ第4衆および第5表のごとくであり,さらに.3月に撮影したPlおよびFlの植物体は第 1図の如ぐである.Flはいずれの組合せにおいても小葉の形,茎の色,托境の密腺の色および種皮の色などは両親 の中間的に現われ,毒草,英の負および形ほモロッコ系に近く,小葉の大きさ,茎の太さは両親よりも大であるけ ま たモロッコ系および普通系の4ほ冬期にはほとんど伸長しないが,2およびすべての組合せのFlはよく伸長する= 普通釆 4. モロッコ系 普通系 2れ

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香川大学農学部学術報告 30 4×9のF1 9×4のFl 第1図 PlおよびFlの植物体(1956年3甘) 第4表 PlおよびFlの外部形態(1956年) 9×2のFI Scaleの1目盛は5cm 茎の稜 の 色 小薬の形,大きさ 宍の形 偏平で子宝 間の凹みが 著しい 楕円形で最広幅の 位置は基部で大き い _ヒ位の 節まで 赤褐色 淡黄褐色 黄褐色他 に黒色の 班あり 円筒形で予壷 の間の凹みは 僅かである 矢筈形に近く最広 幅の位署ほ免端に 近く大きい 中位の 節まで 赤褐包 浪費褐色 同 上 同 上 9×41同 上 形党 円は 相恩 い位い 近のさ に幅小 形広で 円最端 淡赤褐色 又は緑色 赤褐色 ほとん どない 果褐色 淡赤褐色 同 上 広 最 .\ 楕円形に 近 淡黒褐色 9×21瞞の位置は中央で2 同上 同 上 一七き−し 偏平で子宝 間の凹みが 著しい 褐色他に 栗色の三斑 あり 2 悸芳崖警姦悪窄讐 密生する膿赤褐色 lきし丁 _、..... つぎに生育は初期においてはFlほ屑親の中間的であるが,中期にほいずれの組合せに・おいても草丈,分枝数で両親 よりも優れ,後期に.はこれがさらに著しくなるい かかる雑観強勢についてほ的c吏α尻の種々の雑種で報告されてい 第5表 PlおよびFlの生育(1956年) 開花始 6月 9日 3月 31日 12月12一一13日 革監J分校数き節数‘郡慧 監i分枝数′節数J即慧 草監i分枝数l節数∼節讐慧 註 節間長は最長枝の最大節間長を測定した る=(2467)また開花始めは何れの組合せにおいてもFlはモロッコ系に似て早く,開花期間は両親よりも長く6月下 旬にまでおよぶ. つぎに健全花粉率は第6表のごとくである小両親はまったく健全で99%程度であるが,Flは何れの組合せにおい

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第11巻r通巻第29琴(1959) 31 てもきわめて一倍く,内容物の充実度ならびに形に大小があり,中型半充実花粉は4×9,9×4は9×2のそれより 多く,中型中茎瀧鷹ほその池であり,この内容物の充実摩についてどの程要の花粉までが受精に関与するかは不明で あるが,−L応大型充実花粉だけ を比較すると何れも6∼・フグるで組 合せに.よる相違ほ見られない またFlはきわめて多数の開花 が奉るが開花眉1週間以内に落 爽が著しいので清爽率ほきわめ て但く,さらに一・爽中の種子数 も何れの組合せにおいても1粒 内外で,両親の6∼8粒に比較 して著しく少ない 両親およびFlならびに後代 における染色体観察の詳細は後 報に譲るが,前述のごと.くモロ ッコ系は2n==10であり,普通 系はいずれの系統も2n=12セ 第6表:PlおよびFlの健全花粉率(1956年) 完塾充蒜l姦智副完型中簑は馴嘉 PlまたはFl Flは2n=11であるが,これらの染色体は第2区粧京すごと.くである∴牒め核型虹ついては詳しく述べないが, モロッコ系は大型あるいは中型ほかりで あるのに対し,普通系は同系統共中型で, 亜中部に狭さくを有する1対わ染色体と小 型で小頭を持つ1対の染色体が存在するの が両者の班著な相違甲ように思われる またFlでほ両薪の半数ずつの染色体を縛 っている‖ つぎに.PMCにおいてほいずれ の組合せにおいても5Ⅱ+・1工,1Ⅱ+如, 1Ⅲ十3Ⅱ+・2工 などの田現率が高いが,そ の他種々の1価および8佃までの多佃が現 われる このようにFlでは形態,稔性,染色体 の接合などの諸特性にづいて4×9と9×4と の間に.まったく相違が見られず,また9×2 についても形態および中型花粉の阻現率で 多少他の組合せと異っているのみである B F2の分慨 1954年交汚己したFll個体,1955年交配 第2図 PlおよびFlの棍端細胞に・おける染色体。.114×10にて撮影 左上 普通系2,2nこ=12, 右上 普通弄4,2n=12 左下 モロヅコ系9,2nこ=10,右下 9×4のFl,2n==11 したFlの5個体から各個体共成熱した種子を採種播種したが何れも発芽率は良好であり,諸特性の調査はこれらす べてのF2植物について行った..その結果は何れの組合せにおいても連続的変異は見られず,諸形質,染色体数およ び稔性などからM塾(モロッコ塾2n=10.),C塾(コモソべヅチ塾2n=12.),Fl塑(2n=11),H塾(虞数体型 2n=16.)およびD塾(特殊型2n=11或いは不明)に胡瞭に分類される. すなわちこれら各塾の諸特性,出現個体数と染色体観察個体数,健全花粉率の分布表および種子の大きさ,生育な らびに種子稔性はそれぞれ第フ,8,9および10表の如くである.なお4月に撮影したF2の2,3の塾の植物体は第 3因に,またPMCにおける代表的な接合塾は第4因の如ぐである‖第フ,8表の如くF2全個体についての染色体の 晩熟まできなかったが,全観察個体においては諸特性および稔性と染色体の数および組成との問には明瞭な関係が存 在している.ただしD塾個体はその特性について2,3の塾が存在するようであり,D型全体について染色体の観察を

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香川大学藤学部学術報曹 32 第3因 F2に.現れた各塾の植物体 1957年4月撮影 左上 M塾およびD型,9×2り 右上 Fl型,4×9 左下 C塾,9×4. 右下 D塾,9×2. なお9×2などは各塾の出現した組合せを表す 第4因 P2およびF2のPMCの第1分裂坤 斯こ.おける染色体体接合 114×10にて提腰 上段 左 普通系No.2 6Ⅱ 申 モロッコ釆 5Ⅱ 看 M塾 5Ⅱ 下段 左 C塑 6Ⅱ 右 Fl塑! 5Ⅱ+1Ⅰ

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第11巻 通巻第29琴(1959) 第7表 F2に現われた各型の特性 33 モロッコ系にせわめて近く稔悼も高いが草丈,分枝数などの変異の巾が大きい12n=10で核塾はモロ ッコ釆と変らず,PMCでほ5Ⅱが大部分を占めている.. 普通系のNo.2を親と しキF2は甲92に,No…4を親としたときにはNoh4にきわめて近く稔性は高いが, 早耳,分枝数などの変異の巾は大きい。2n=12こご核塑ほ習適系と同様で卓MCで薩6■Ⅱ■■嘉ミ福主んど痘 占めている 各組合せともそれぞれのFlに・近く稔性も低く草丈,分便数などの変異の巾は大きい..2n=11で核塾は Flと.同様であるが,PMCではFlと河様5正一十1工 が多いが多価染色体はFlより少ない. 小葉は矢筈塑,濃緑色でコモノべヅチの倍数体に似ており,花粉粒ほ角型で健全花粉率は相当高いが種 子稔性は僻い.2n=16の異数体でPMCでは7Ⅱ一十2Ⅰの他種々の接合型が観察される. 生育は他に比し著しく劣り,特に生育後期に著しいい 小葉は丸型洪 に㌻hニーご、乙ノ関ふふ・ヰ ゝl♪J、チA..,ヒ↓1肋./ゝ.・ナナ一土iクヽておJ.ゝrh日日」ざJ_〉ふJ【工1、 −」/、、J./t 緑色のもの,矢筈塾で申肋に沿って 反り返る個体などが含まれ健全花粉率ほ中間またほ僻い.これを分頻テればさら紅Jこ高いろあるが⊥痛 して特殊型と称する.染色体数ほ大部分の個体で2ェ1=11で核塾はFlと異り,PMCでほ5Ⅱ十1Ⅱの 々 他種の多価接合が見られる. 第8表 F2に.おける各塾の出現頻度と染色体観察個体数 組合せお− M I C I Fl ‡ H I D

9×4 3系統合討 10 16い39

3 8 13..12

2 42 68..85

5

1 1.64

0 61 100.00

9×2 16 2 32 59‖26 8 1 1‖85

1 29.63

5 l l 5 9い26

1 54 100.00

註 上段は実数,下段はその百分率を示す 第9表 各畦型別健全花粉率分禰表 組合せお よび系統 番 替 健 全 花 粉

Oul「。.。llO・1蒜.。l20・1;岩.。l30い1忘.。l40・・1蒜.。【5〇‖1蒜.。i60

9×4 4

9×2 1(19岬畑)∃4(D)

註 表中の数字は個体数を,その右の()内は各塑を表す

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香川大学麒学部学術報告 34 第10表 P2およびF2各型の種子の・大きさ,生育および種子稔性(195フ年) 各校数;芸軸の長さ Cl11 囁子の長さ× 巾×厚さ 発芽日数 開 花 始 M ± ♂ 8‖501 40

122り0士24.0 126.6士60.2

166..8土 8.7 ユ46‖5士50..2 75‖0 100.0 8.0士1.2 21.1士2.2134…0土910 M C FI II D M C F】 D 10、9士4‖6 9.1士2い0 9.8土2。.1 7.5 10。.5 17 86 14 ∞ ﹂ ︻ノ 5 1 1 4×9 竺L¶llO‖5 134.4士41り9 159..8土20..フ 126.5±35.7 45小0 ユユ.0士4一ノブ 8−6士1..6 9∴3士1.5 9.5 4.1士0‖6l4月22.4日士3=6 55..5士 8.2 18‖1士3.1 10.5士1..5111.4士 3−9 126∩2土28‖1 155..0 144.4士26.6 95“1土12い6 15.9土3.フ 915 13u4士5…1 15.8土1.2 5.4士0.7l5月10.5日土3..3 フ8い2土14.9 89土1い3 14い3士3..1130い5士 8…2 註 ※の項目ほ.4月12日調査 行わなければこの塾の小区分はなし得ないが,これら個体を一億してD塾とすれば他の塾と明かに.区別される.また 第9表に見られるように.冬型と健全花粉率との関係はきわめて明瞭であり,第10表のように一腰に生育に関する諸形 質埠各巻共変異の巾が相当大きく,仙L爽中の種子数は健全花粉率の高低と−敬するが,M,C塾はモロッコ系および 普通系のそれと.比較して著千僧いようであることが注目される、. 各塾の出現頻度ほ第8表のごとく 4×9および9×4では同様の傾向を京し,Fl塾が最も多く半数以上出現し, 残りのほと.んどがM塑およびC塾で同著ほ偲ぼ同じ割合で出現するように考えられ,さらにHおよびひ塾がごく少数 現れる.これに対し9×2でほM壁抽ミ非常に多く,半数以上を占め,D塾も相当多く,C塾はきわめて僅かである、 このように両掛こ′用いたコモンべヅチの系統の相違によって分離の状態が異るのは如何なる原掛こよるかは不明で今 後の研究に待たねばならないが,上述のようにF2ではその分離が不連続的で,間親塾およびFl型が非瀞こ多く 出 現することは恐らく コ・モノベヅチとヤハズ・エyドゥの(7)F2で親祭されているようにFlの配偶子でn=5および n=6の両親塾およぴこれらに近い塾が多く受精にあずかり生酒カを得たものと考え.られる. C F8の分・離 1954年に交配した材料ではF2全個体から,1955年交配のそれほ第8表の各型の代表的な個体から各組合せ共それ ぞれ:3∼6個体を選んでF8系統を育成したい それらの育成経過および各系統の分離の状況は第11衷に示す如くであ る..1955年交配のF8種子の発芽は相当悪かったが同一L条件における両親の発芽率も同様に薗下した折から見て原因 ほ不明であるが,極端に発芽率の似い系統は別として遺伝的な理由でないように.考えられる、 つぎにF8における各塑はF2のそれと同様,M,C,FlおよびD壁往こ分類され,またf8世代でそれらの塾に 尻する代表的な数個体の染色体を額察した結果F2と同様の傾向が見られ,この世代においても各塑の分類は明確に 行われた‖ただしF2でH型に抗した系統No4は僅か1僧体のD塾が視れただけであり,さらに他の系統からもH 塾は現れない..各塾の出項状態を見ると,F2牡代と同様にMおよびC型は比較的固憲度が高いが−−−∴部の系統で若干 のFl型およびD塑が現れている.これは恐らハ′雄踵初期世代にほ僅かではあるが染色体の不安定性が残るためでけ

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第11巻 通巻第29琴(1959) 第11表 F8系統の育成経過と各塾の出現個体数 35 F$の系 統番号 移 植 個体数 F2 で の 塾 組合せ 交配年次 二:…:‡ミ 董喜喜一喜3 129 ︵∠2︵∠ 註※印はF2で染色体の観察を行わなかった ないかと考えられる.またFl型系統はF2世代と同様各塾を分離するがF2よりもC型およびFl塾が多く現れる 傾向を示し,とくに9×2でほF2とは逆にM塑が少なく,CおよびFl塾が多い..このように.複雑な分離を示す原 因はFl塑が作る配偶子の受精誰力およびその后の生存能力が杜代により,或し のか或いは全く別の原因によるか目下の所不明である つぎに第12,13およぴ14表は1955年に交配したF8のM,CおよびFl型の草丈,分枝数および開花始めの変異を 示したものである..三者共各系統によって若干の差異があるがこれらを一億して各塾別に見ると,】㌔同様変異の巾 が相当大きいが草丈,分枝数はCおよびFl塾が一腰に.大で,開花始めはM型が早い傾向を表しているが,稔性の高 第12表 F8におけるM,CおよびFl各塾の草丈の変異表(1958年) F$ の 型また は親の 系 統 組合せ または 親 階 級 値 (cIH) 10 15 20 25 30 35 40 45 50 2 14 4 4 1 2 4 2 8 フ 1 1 1 2 4 9 6 6 1 2 7 0 2 1 1 2 4 3 2 3 19 3 1 3 7 1 0 2 10 10 1 3 註 調査は4月5日に行ったけ分枝数も同様

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香川大学農学部学術報告 36 第13表 F8におけるM,CおよぴFl各型の分横数の変異表(1958年) F8 の 塑また は親の 系 統 階 級 値 組合せ または 親 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 4 10 3 1 4 5 5 2 1 3 6 8 2 2 7 3 3 6 5 3 1 5 6 6 3 0 1 1 3 0 3 1 7 7 9 3 1 0 2 3 1 1 3 1 0 1 9 6 1 1 2 0 1 5 2 0 1 0 1 1 3 1 1 3 10 1 1 4 8 4 第14表 F8におけるM,CおよびFl各型の開花始の変異表(。1958牛) 開 花 始 いC塾中に.も生育がよく開花の早い個体が含まれるい さらに1954年交配したM型のF8系統にもコモンべヅ利こ劣ら ぬ生育良好な開花の比較的早い個体がある. このような点よりすれば,モロッコ系と習通系コ・モソベタチと.の交脚こ・よって,コモソべッチよりも生育良好に.し て卑生の系統を育成しうる可能性が存在するように判断される.. 摘 要 (1)VわZα・Sα軌αのモロッコ系2n=10に属する系績No9と普通系2n=12に属する系統Noい2およびNoL.4の

2系統との間に相反交配を行い,2×9を除く:3組合せのFlを得た.

(2)Flは何れの組合せにおいても2n=11で,′J、薬の形,種皮の色などは中間的,爽の形および色などはモロッコ 系に近く,生育は旺盛で,開花始めほモロヅコ系と同様早いり また健全花粉率ほ何れも6%,叫爽中の種子数は約1 粒と低い..PMCの染色体接合は5Ⅱ+1Ⅰ,1Ⅱ+如 などが多く,ほかに・稜々の多価および1価染色体が出現する. (3)F2では分難した個体の形質,稔性ならびに遜色体数によってM,C,Fl,H二およびDの各塾に分瀕される小 M型はモロッコ系に近く 2Iト=10でSⅡを示し,C塾はコモソベッチに似て2n=12で6Ⅱを戻し,開塾共稔性は高 い.またFl聖胚2n=11でFlに,H型は2nニ=16の異数体でコモソベタチの倍数体にそれぞれ近い形態及・示し, D塑は生育が著しく惑く,特殊な形態を表わし,三者共稔性は僻く,Fl型以外ほ子孫を残さない.これら各型の出 現率は4×9および9×4ではFl塑が多いが,9×2ではM塾が多く,D型もかなり出現する

(10)

第11巻 通巻第29替(1959■) 37 仕)前記5型の代表的なF2個体についてF$世代を調べると,この世代に.もM,C,FlおよびD型が現れ,Mお よびC塾は安定し,Fl塾は各塑を分離する.F8の草丈,分投数および謂花始めでは冬型で変異の巾が大きく,早 熟で生育の良好なモロッコ型およびコモソベヅチ塾個体も出現する… 文 献 (4)ScHVESC王‡NIKOVA,1。N.:JouY7id扉−Her9dit.γ, 31,349(1940). (5)山凍憲良:育種学雑誌,4,111(1954) (6)山永富良:育種学雑誌,5,47(1955)u (7)渡辺亀菅,山田慶一・:盛業段術研究所報哲G(畜産) (12),1(ユ956) 引 用 (1)DARLINGTON,C。DりWYLIE AいP。:ChroコnOSOme atlasof flowefing pllつtS,154,Londo二1,Alleヱ1& Unwin(1955)

(2)平吉功,松村正幸:育種学雑誌,1,219(1952) (3)香川冬夫:穂高間交雑による作物育種学,16,東京

産業国書(1957).

R占sllm‘

(1)Reciprocalcro3Se3Weremまde aTnOエ1gthree strainsof Tncia.saiiva strain No.2,4and9.excepting

No.2×No.9.No小2and No.4(2.n=12)are co皿merCial$tr・ainsof c)nrnOn VetCh and No9(2n=10)is a

Strainiユ1trOduced from Morocco

(2)In a11cross combinations,the Flplants had grownmore vigorously thanthe paIentS.Leaf shape

and seed coat colour wereintermediate between the paTentS,but the shape and colour of pods

resenbledthos30fMoroccJStrain Thefirstfl)Weringdateofthe FIWaSne?rlythe saてneaSthatof Morocco strain,Whichis earlier・than the other one parent.Polleユ fertility a:1d numberOf seeds per pod were about6%andlrespectively(thoseof the parents aTe ab〇ut 99% a王1d 6−8 respectivelyl).

Chromosome number of the FIWaS2n=11in ro〇t tips,and the most frequernt chr・OnOSOme palrlng at lstmetaphase of PMC’s were5Ⅱ+1工andlⅢ+4E.

(3)The F9plaて1tS Were Classifiedinto M,C,Fl,H and D types acc)rdingtothe externalcharacter,

istics,pOllen fertility aて1d chro=nOSO:ne nurnber・M−type plaて1tS,reSe!五bling Moro〇〇CIStrain,$howed

2n=10and frequent5Ⅱatlstmetaphase of PMC。Type Cincluded plalntS reS3元bling common vetch and2n=12and6ⅡWere ObserveaThesetwo types shoⅣed high fertility On the other hand,Fl≠type

individual$Were Of2n=11and the most frequent chronosDne paring atlst metaphase was 5Ⅱ十1I. Heteroploid plani:SOf2n=16wereiェ1Cludedin the H”type and showed an externalapperance similar to the au七Otei:raploid co刀mOn Ve七ChThelast group of plan七3Showed sIow developemen七 and feeble

morphologica7charac七ersThisgroup wasclassifiedin七O D 七ype(2n=ユ10r?1).The fertilityofthe Fl−,H−,andI)一type plan七S WaSVerylow・SOmeOfthembeing co工nple七ely s乞3rile′and七he F8yOung

plan七S Showedapoor growth andalldied a七1as七lThe frequencyof the planニヨbelonging to Fl←七ype WaSthe highes七,七ho3eOf M andC being the nex七 highes七The othe工 type plan七S Were eXtremely fewin七he co=nbination4×9and4・Bu七in9×2alarge nunb3r Ofindividuals wereof M−type

㈲IngeneralF8prOgeniesobねinedfro工n M−and CLlypebeloニ1gedわthe sヨme 七ype as tha七Of

their r’eSpeCtive parents,bu七those of Fl一七ype segregai:edal1four七ypes,M,C,Fland D。In the F8 genera七ion七he varia七ionsin plan七height,number of branches and flowerir)gda七eincreased,COmpared

Wii:h七hose of the parents.A number of plants of early flowering and vigourous co=nmOn VetCh and Morocco七ypes were obtained

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東京大学 大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻. hirai@mist.i.u-tokyo.ac.jp

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情報理工学研究科 情報・通信工学専攻. 2012/7/12

東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上

A determinantal expansion due to Okada is used to derive both a deformation of Weyl’s denominator formula for the Lie algebra sp(2n) of the symplectic group and a further

「系統情報の公開」に関する留意事項

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