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ニイルの教育思想に基づく実践的諸活動の考察

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Academic year: 2021

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ニイルの教育思想に基づく実践的諸活動の

考察

頓田幸平

vol.9, no.7

Feb. 2007

鳥取大学

数学教育学研究室

鳥 取 大 学 数 学 教 育 研 究

Tottori Journal for Research in Mathematics Education

ISSN 1881−6134

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  ニイルの教育思想に基づく実践的諸活動の考察

              頓田幸平   指導教官:矢部敏昭 1.論文の構成   1.本研究の目的と方法    1.1 本研究の動機        1.2 本研究の目的    1.3 本研究の方法   2.研究内容    2.1 きのくに子どもの村 ~自由学校の開校~      (1)ニイルとの出会い      (2)自由な教育の創造    2.2 プロジェクト ~体験学習~     (1)プロジェクト1 (欲張っていろいろなことができる~「工務店」~)     (2)プロジェクト2 (野菜を栽培し、動物を育てる~「ファーム」~)     (3)プロジェクト3 (大豆の研究~「うまいもんをつくる会」~)     (4)プロジェクト4 (野外活動大好き~「探検クラブ」)    2.3きのくに子どもの村学園を訪れて   3.研究のまとめ 2.本研究の目的と方法 (1)本研究の動機 (2)本研究の目的   第1に、ニイルの教育思想とは何か研究する。   第2に、学校における、ニイルの教育思想が取り入れられた場合の児童・生徒の活  動がどのようなものであるのか、プロジェクトと呼ぶ体験活動を明確化することによ  り、教科との関連性について研究する。 (3)本研究の方法   文献を基に、児童・生徒のどういった活動場面が、ニイルの教育思想が取り入れら  れていると言えるのか調べる。また、実際にニイルの教育思想を推奨している学校に  出向き、児童・生徒の活動している所を確かめ、児童・生徒の様子を考察する。 3.研究内容 (1)ニイルとの出会い (2)自由な学校の創造 「『サマーヒルは、書物に最も重さをおかない学校である。』これはニイルの口ぐせで あった。教師中心のデスクワークよりも、工作(主として木工)、美術、演劇、ダンス などが大事にされる。ひとことで言えば、伝達よりも創造を重んじる学校だ。(中略) さらに、サマーヒルでは、学校よりもむしろ『コミュニティ』という呼称が好まれる。 教科書とノートによる勉強よりも、年齢、役割(教師、寮母、子ども)、性、家庭的バッ クグラウンド、国籍などを異にする70人ほどの共同生活の中で、一人ひとりが学びあ いながら、生きる知恵とものの見方を築くこと、これが大切な目標になっているから だ。」きのくにのプロジェクト活動はデューイの理論が大きな基になっている。ではプ ロジェクト活動におけるニイルの理論はどこにあるのかというと、工作などをする活動 も含まれるのだが、なによりも「コミュニティ」言い換えれば「ミーティング」をとて も大切にしながら、活動に取り組んでいる。また堀真一郎氏は「ミーティング」の重要 性を次のこのように述べて表している。「自由学校とは、ミーティングの多い学校の別 名である。」と。実際にプロジェクト活動においてミーティングは重要な活動の一つに もなる。自分の意見も主張しながら、周りの意見もしっかりと傾ける。自己意志がはっ きりしていないとできないことであり、非常に難しいことだが、コミュニケーションを とるためにも大切な活動であると考える。

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(3)プロジェクト概念図 プロジェクト1 (欲張っていろいろなことができる~「工務店」~) ・自作マンガ ・物語 ・体験談 プロジェクト 工務店 本物の家を建てる 「別荘づくり」 ベランダ作り マンスリー工務店 花壇づくり 棟上げ ・設置場所 ・大きさ ・縮小模型 設計 ・骨組み ・屋根の傾き ・すじかい 説明 ・地域の人の協力 ・専門職人 (大工さん) 料理 ・建築材料 ・花の種 ・料理材料 予算の問題 完成パーティー 販売体験 算数 計画性 図工 幅広い知識 コミュニケーション 算数 図工(技術・美術) ・ブロック ・セメント 販売 種選び 家庭科 日本語・図工(美術)

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プロジェクト2 (野菜を栽培し、動物を育てる~「ファーム」~)  共通する点といえば、まずは何よりもそのプロジェクト活動に興味を持ってもらうこ と。だから最初に子ども自身でどのプロジェクトにしたいか選択できる。これはきのく に子どもの村の基本方針にある「自己決定の原則」に属している。プロジェクトを決め た中でも選択することがたくさん生まれてくる。だから、自分の意志をしっかりと持つ ことが大切になるのだ。  また、どのプロジェクトにおいてもミーティングを何回も行っている。その規模は大 きなものもあれば、小さなものもある。その中で、自分の意見も述べながら、相手の意 見も聞き考えるといった柔軟な対応が必要になる。  プロジェクトにおけるクラス編成は、縦割り学級になっており、同じテーマに取り組 んだとしても、高学年の子、低学年の子によって考え方が違うこともある。そうしたさ まざまな考え方をすることで、学習や活動の多様化を図っている。これは基本方針の 「個性化の原則」に属している。  最後に、共通点として、メインとなる活動からどんどん活動分野が広がっていき、幅 広い知識が得られることが、図でわかる。また、プロジェクト活動をすることにより自 分の生活において身近に感じ取ることができる。これは基本方針の「体験学習の原則」 に属する。つまり、この基本方針が寄り集まってできた活動、それがきのくに子どもの 村学園のいちばんの特色「プロジェクト活動」である。 ・温度 ・湿度 プロジェクト ファーム ウサギやチャボを飼う 畑を耕し野菜や花を育てる 赤ちゃんが 生まれる 卵を産む ・水の入れ替え ・卵の向き 観察記録 ニンジン・トマト・とうもろこし 大根・しいたけ 料理 完成パーティー ・網を張る ・ブロックを積む ・土を掘る ・セメント ・木を切る ・電気かんなで削る 動物小屋に仕切り ・動物のえさ ・小屋を建てる材料 ・料理の材料 予算の問題 算数 ・自作マンガ・物語 ・体験談 月刊ファームズの発行 家庭科 食育 理科・社会 販売体験 理科・算数 算数 図工(技術・美術) 命の大切さ 理科(生物) ・資料(本) ・地域の人のアドバイス (動物園) ・ミーティング 世話の仕方 コミュニケーション 幅広い知識 販売 種選び ・養鶏場 ・花 見学 子ウサギが 増えすぎた らどうしよう 社会 ミーティング

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4.研究のまとめ  教育に関して、時間割における個々の科目にとらわれるのではなく、幅広い知識を得 るためには、総合的な学習を上手に活用し、地域の住民の協力を得ながら、地域全体で 教育に力を注いでいく必要があると考えられる。子どものためを思うと、規則がありす ぎると自由がなくなる。人間にはさまざまな性格があるのだから、一人一人に対応でき るよう環境を整えることも大事になる。学校は子どもが主体なのである。そして、先生 は同じ人間として、お互いかけがえのない存在として、共に教育に励んでいくことが重 要なのではないかと、きのくに子どもの村を訪れて私は実感しました。 5.参考・引用文献   ・「きのくに子どもの村 私たちの小学校づくり」       堀 真一郎 ブロンズ新社  1999/06/10   ・きのくに子どもの村学園 パンフレット

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鳥取大学数学教育研究  ISSN 1881−6134

Site URL:http://www.fed.tottori-u.ac.jp/~mathedu/journal.html 編集委員 矢部敏昭 鳥取大学数学教育学研究室 [email protected] 溝口達也 鳥取大学数学教育学研究室 [email protected] (投稿原稿の内容に応じて,外部編集委員を招聘することがあります) 投稿規定 ❖ 本誌は,次の稿を対象とします。 • 鳥取大学数学教育学研究室において作成された卒業論文・修士論文,ま たはその抜粋・要約・抄録 • 算数・数学教育に係わる,理論的,実践的研究論文/報告 • 鳥取大学,および鳥取県内で行われた算数・数学教育に係わる各種講演 の記録 • その他,算数・数学教育に係わる各種の情報提供 ❖ 投稿は,どなたでもできます。投稿された原稿は,編集委員による審査を経 て,採択が決定された後,随時オンライン上に公開されます。 ❖ 投稿は,編集委員まで,e-mailの添付書類として下さい。その際,ファイル 形式は,PDFとします。 ❖ 投稿書式は,バックナンバー(vol.9 以降)を参照して下さい。 鳥取大学数学教育学研究室 〒 680-8551 鳥取市湖山町南 4-101

TEI & FAX 0857-31-5101(溝口) http://www.fed.tottori-u.ac.jp/~mathedu/

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