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Microsoft Word - 1.鉛の腐食挙動.doc

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月

鋼管柱の地際腐食

腐食センター 栗栖孝雄

1.緒言 鋼管柱などのポールは、電力供給用(電柱:高・中・低圧線)、電気通信用(電信柱、電話線、光ケ ーブル)、放送用(CATV、音楽放送)、無線中継用(PHS、携帯電話機)、架線柱用(架空電車線)、照明 柱用(街路灯)、交通信号機用(信号柱)、標識柱(道路標識、その他標識)、その他の支柱(ゴルフ、 時計塔、農業ハウス、遊具、門柱など)として、さまざまな目的や用途に応じて広範に用いられている。 鋼管柱は、構造物として堅牢性(耐風、耐振、耐震)、耐久性、意匠性(デザインや景観)、施工・作 業性(現地組立など)が要求され、経済性を考慮して設計される。 使用材料として主に、炭素鋼、耐候性鋼、鋳物、ステンレス鋼が用いられ、コンクリートやアルミニ ウム、チタンなどの非鉄金属と競合している。鋼管柱の製造工程では、溶接やベンダーを用いて、直管、 テーパ管、角管や各種形状に組み立てられ、酸洗やブラスト処理してめっきや塗装が施される。これら のポールは、掘削機やクレーンを使って建柱される。ポールには、変圧器や看板・標識など各種附属物 が加えられる場合もある。 建柱された鋼管柱は、柱上部の大気部、柱上部/柱下部の境界の地際部(開口部から地面までの間)、 柱下部の埋設部などの設置環境に曝される。 大気腐食環境は、山間、田園、都市、工業、海浜・海上の各地域、屋内・屋外では露出・半露出・非 露出部位などに区分され、特に、飛来塩分、SOx・NOx、砂・埃、温湿度などの腐食因子の支配する環 境である。また、埋設環境は土壌、アスファルト、コンクリートであり、腐食因子として土質、含水率、 電気伝導度、土壌・コンクリートからの溶出成分などが影響する。地際環境ではマクロセル機構や犬の 尿などが係わる。 鋼管柱は、上記のような設置環境に曝されると腐食による経年劣化を受ける。この腐食部位は、構造 上の応力集中箇所となり、車両による道路の振動や直接衝突、台風や地震による外力が加わると、座屈 や倒壊事故につながる恐れがある。 本報告では、特に鋼管柱の腐食、とくに地際腐食を中心として腐食事例、腐食機構、腐食対策につい て概説する。 2.実態調査 (1)(社)日本照明器具工業会の調査1) 鋼製照明用ポールの設置後 0~35 年の 523 本について、経年変化を調査した結果、設置後 6~10 年で は腐食による危険度の大きいものが出現し始め、21~25 年では 40%、31~35 年では 75%が危険度が大 となるとしている(図 1)。 なかでも、危険度が大きい腐食は地際腐食であり、その設置環境は植栽内の湿潤環境によって占めら れ(約 78%)、次いでアスファルト環境であり(約 10%)、コンクリート環境(約 4%)であるが、メン テナンスの良否が寿命を大きく支配している。 (2)内山らの調査2) 照明柱調査において多くはカラ-塗装の炭素鋼鋼管、次いで亜鉛めっき鋼管、またアルミニウムポールも調査 している。 柱上部(地上 1m以上)では塗装鋼管は、設置 20 年程度では塗膜はがれなどの劣化・欠損部が多く見られた が、直接倒壊事故の原因になるような腐食は殆ど認められていない。大気暴露試験結果3)から、海岸地域での

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 腐食代 1mmに相当する炭素鋼の寿命は 20~50 年と予測される。溶融亜鉛めっき鋼管(めっき量 550g/m2 のめっき消耗速度は、海岸線からの距離に強く依存し、海岸線から離れた緩和な環境の寿命は 20~30 年、平均的 海岸線は 10~20 年、海水飛沫帯では 10 年未満の結果であり、大気暴露腐食試験とほぼ一致している。アルミニ ウム鋼管は、表面のクリア塗膜が海塩粒子や紫外線により劣化・飛散した後も、裸管の腐食速度は緩慢であり、 0.1mmの腐食代でも、約 50 年の腐食耐久性が発揮されるとしている。 これに対して、柱下部(地上 1m以下)の地際腐食は、表 1 に示すような塗装鋼管の地際腐食による貫 通孔は設置後 20~30 年でみられ、海岸地域、犬尿、植栽内、コンクリートベースとの隙間部などで、 腐食、穿孔を確認している。 溶融亜鉛めっき鋼管の地際腐食は、コンクリートベースの隙間部での海水や雨水滞留部で亜鉛めっきは消失し、 地鉄の著しい浸食を 10 年~20 年で確認している。 アルミニウム鋼管の地際腐食は、犬尿の環境では 30 年、公園植栽内は最長 38 年までそれぞれ変色の みが観察され、海浜地区でも腐食は殆ど見られない。 (3)関連会社の調査 電力・通信会社、ポールの製造会社や建造・施工・補修に係った会社などで、ポールの腐食調査や腐 食事例が収集されている。電力会社では、塗装炭素鋼や溶融亜鉛めっき配電部品(電柱、その他部品) の耐久性評価が行われ、環境の腐食性に応じて一般、塩害、重塩害地域などに指定し、塩害・重塩害地 域では 20 年以上で赤錆による損傷が大きくなり、25~30 年の寿命となり、補修・取替えの腐食対策を 実施している。通信会社担当の電気通信設備用鋼管柱は、材質は SS41(JIS G3101)で、全体に溶融亜 鉛めっき(JIS H8641 2 種 40)が指定され、地際腐食が、団地建物の日陰部、畑中、アスファルト舗 装道路で発見されており、その対策として地際部にはタールエポキシ塗料(JIS K5664)による防食処 理が施されている。 配電設備や架空通信設備の金属系は防食目的のために、塗覆装や亜鉛めっきが施され塩害リスク(海 塩粒子量、腐食速度、寿命)を評価し、地図上に表示する塩害マップシステムを作成している4)5)(図 2-1,2-2 参照)。 その他、ポール関連会社は、環境の腐食性・意匠性を考慮して防食設計を行っており、特に地際対策 には各社留意して、ホームページなどで紹介6)している。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0~5年 6~10年 11~15年 16~20年 21~25年 26~30年 31~35年 特に異常なし 劣化進行・軽微 危険 図 1 鋼製照明用ポール経年変化を調査した結果 (設置後 0~35 年、調査本数 523 本) 損 傷 比 率 % 経過年数

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 表 1 地際環境(1m以下)における腐食傾向 照明ポールの地際周辺の腐食状況 地際付近で生じる腐食集中現象の特徴 塗 装 炭 素 鋼 管 No1-1:海浜公園、植栽中、26 年、 貫通孔食。 No1-2:離岸距離 5~6kmの公園、20 年、 貫通孔食、犬の尿あり。 No1-3:離岸距離 6kmのタウン内、30 年、 貫通孔食、コンクリート/ポール間に雨水滞留。 No1-4:離岸距離 15~20kmの公園内、33 年、 土壌による地際腐食進行。 ( (1)制御ボックスと地表までの部分と地中内で発生 (2)貫通孔食は 20~30 年でもあり、海岸地域では 10 年でもある。内部に雨水の滞留が観察され る。 (3)貫通孔食期間の予測が困難で、設計が難しい。 (4)地中埋設された部分でも、土壌と接する部分で 浸食がみられ、30 年経過程度で更新される場合 がある。 Zn め っ き 鋼 管 No1-5:波や飛沫かかる海岸バス道路、9 年、 コンクリート、地際で海水滞留、 Zn 消失、Fe 腐食 No1-6:離岸距離 2kmのSA内、コンクリート割れ による隙間部あり (1)コンクリートベースとの隙間に溜まった雨水との接触頻 度が高いところでは地際の Zn、Fe の腐食あり。 (2)雨水溜りでの、鉄の著しい浸食は 20 年以上で 見られたが、海水の溜まりでは 10 年程度ででる。 Al ポ ー ル No1-7:公園,犬の尿多い,30 年、地際腐食 No1-8:最長 38 年,制御ボックス汚れ・変色あり No1-9:公園植栽内、顕著な腐食無し No1-10:海浜住宅道路、コンクリート割れ・ 雨水の滞留あるも、顕著な腐食なし No1-11:海水浴場砂地、腐食無し ( (1)ポールの制御ボックス周辺、植栽の茂みの中、 滞留雨水や海水との接触部位では、顕著な集 中腐食は、全く見られなかった。 (2)土壌埋設、コンクリート埋設の部分は、多くは タールエポキシ塗料や絶縁テープで保護され ているものが多く、健全であった。 腐食小(青)→(緑)→(黄)→(赤)腐食大 図 2-2 溶融亜鉛めっき腐食量マップの例4) 図 2-1 塩分付着量マップの例4) 塩分少(青)→(緑)→(黄)→(赤)塩分多

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 3.鋼管柱の腐食事例 鋼管柱でもっとも多く使用されているのは炭素鋼の塗装および溶融亜鉛めっき仕様である。 これらの鋼管柱の柱上部を 1.5m以上、柱下部を 1.5m以下とし、各設置環境における代表的な腐食事 例を表 2 および表 3-1,3-2 に示す。 柱上部および柱下部のそれぞれの部位で以下のような腐食状況を示す。 (1)柱上部での発錆、流出さび、孔食を伴う大気腐食、 (2)開口部などからの浸水による管内面腐食、 (3)柱下部の大気/埋設環境でおこる腐食や犬の尿による腐食などの地際腐食、 (4)柱下部の埋設環境下で起こる管内外面腐食などがある。 3.1柱上部(1.5m以上、大気腐食) 大気環境設置による柱上部の腐食事例を表 2 に示し、腐食形態は次のようなものがある。 (1)塗装炭素鋼管は、塗膜が白亜化し、塗膜下腐食を生じながら、ふくれ・割れ・剥離などの塗 膜劣化を起し、赤錆を発生して経時的に腐食する(表 2;No2-1,2-2)。 (2)溶融亜鉛めっき鋼管は、大気環境では経時的に腐食し、白錆、赤錆を発生し、穿孔にいたる。 その腐食は海岸地域ほど増大すると考えられる(No2-5)。 (3)塗装鋼管および溶融亜鉛めっき鋼管は海岸地域での、潮風の当たる反対側が腐食・穿孔が起 こり易い(No2-3、2-6)。 (4)溶融亜鉛めっき鋼管は、潮風が運ぶ海砂の当たる柱下部は腐食し易く、赤錆、減肉を発生す る(No2-7)。 (5)溶融亜鉛めっき鋼管は安全シート、貼紙添付防止カバーなどの下で、湿潤になり腐食し易い (No2-4)。 3.2柱下部(1.5m以下、地際腐食) 柱下部の地際腐食の管外内面の腐食事例(表 1、表 3-1,3-2)から、以下のようなものがある。 (1)地際腐食は、発錆、減肉、穿孔、選択腐食として生じる(表 1;No1-1,1-4、表 3-1;No3-1~ No.3-4)。 (2)地際腐食は、ベース露出<コンクリ-ト、土、インターロッキング(それぞれ約 3.5%)< アスファルト(約 10%)<<植栽内(78%)の順に多くみられる1) (3)地際腐食は、コンクリート隙間部の滞留水によって生じやすく、海岸部の滞留水は塩分が多 くなり、田園部より腐食が大きい(No1-3,1-5,1-6、No3-7,3-8)。 (4)犬の尿が頻繁にかかる鋼管柱は、地際腐食による発錆・減肉・穿孔が起こり易い(No1-4、 No3-5,3-6)。 (5)溶融亜鉛めっき鋼管の白錆や裸使用耐候性鋼のポールはコンクリートなどの周囲の基盤など を汚染する(No2-8)。 (6)塗装鋼管の開口部から雨水が浸入し、制御ボックス周囲の発錆、結露水による管内上部や結 露水の滞留による地際での管内腐食が発生する(No3-11、No3-12)。 (7)ステンレス鋼管の地際では少し黒褐色の変色がみられるが、腐食は殆どない(No3-14)。 (8)アルミニウム鋼管の地際では少し黒い変色がみられるが、腐食は殆どない(No3-15)が、ス テンレスボルト接合には異種金属接触腐食が起こる(No3-16)。

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 表 2 柱上大気腐食事例 塗膜紫外線劣化・さび・腐食(35 年) 塗膜紫外線劣化・割れ・腐食(40 年) No2-1:都市部、電線柱、炭素鋼+塗装 No2-2:田園都市部、標識柱、炭素鋼+塗装 潮風側 逆側 安全シ-ト下腐食 貼紙添付防止板下 No2-3:海岸地域、照明柱、炭素鋼+塗装 15 年 No2-4:田園都市部、信号柱、溶融亜鉛めっき 全面腐食、潮風の裏側に穿孔(35 年) 1 方向潮風(20 年) 潮風裏方向(15 年) No2-5:海岸地域、照明柱 No2-6:海岸地域、照明柱、溶融亜鉛めっき 海砂塵による柱下部腐食 流れ白錆 No2-7:海岸地域、照明柱、溶融亜鉛めっき No2-8:田園都市、照明柱、溶融亜鉛めっき

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 地際腐食 表 3-1 地際腐食事例 孔 No3-1:海岸部、標識柱、炭素鋼+塗装 No3-2: 都市部、照明柱、炭素鋼+塗装6) No3-3:塗装照明柱、溶融亜鉛めっき信号柱6) No3-4:海岸地域、照明柱、溶融亜鉛めっき6) 犬の尿による白錆発生 犬の尿による腐食 No3-5:都市部、信号柱、溶融亜鉛めっき No3-6:都市部、照明柱、炭素鋼+塗装6),1) コンクリ-ト雨水溜まり(30 年) コンクリ-ト隙間雨水溜まり(29 年) No3-7:塗装鋼製標識柱、都市歩道内 No3-8:溶融亜鉛めっき照明柱、離岸 2kmSA 内6)

侵食集中 管内滞留水

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 表 3-2 地際腐食 基盤プレ-ト地際での結露水蓄積が大きい。 15 年、再塗装 基盤プレ-トが柱よりさび進行が速い。20 年 No3-9 都市部、ステーションホ-ム、半露出 No3-10: 海岸地域、標識柱、炭素鋼+塗装 No3-11 海岸地域、標識柱、炭素鋼+塗装 No3-12 海岸地域、照明柱、炭素鋼+塗装 No3-13 都市部、鋳鉄+塗装、門柱、25 年 No3-14:ステンレス、30 年 変色あり孔食なし〔20 年〕 異種金属接触腐食〔40 年〕 No3-15:アルミ照明柱、海岸地域 No3-16:アルミカール-フ支柱、田園地帯 地際汚れ・変色 開口部内部 開口部直上 さらに上部 ステンレスボルト/ アルミ柱 開口部

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 4.腐食環境因子 4.1柱上部(大気腐食) 塗装炭素鋼、溶融 Zn めっきや Al めっきポ-ルの柱上部(約 1.5m以上)の腐食傾向は、橋梁、建築物 の実態調査や多くの暴露試験や環境因子の測定結果から、以下のような腐食傾向や大気腐食因子が推定 される。 (1)塗装炭素鋼、溶融 Zn めっきや Al めっきポ-ルの腐食は、山間部<田園地帯<都市部<海岸地域 <海浜・海上部、海浜工業地帯の順に腐食が大きくなり、海岸地域では離岸距離、同じ場所でも 風向・風量や構造物の高さ・部位によって異なり、建造物近傍では、非露出<半露出<露出の順 に増大する。 (2)腐食環境因子として、海塩粒子量(凍結防止塩も含む)、温湿度、乾湿繰り返し(濡れ時間)、 SOx・NOxの汚染因子などに影響される。わが国では高度成長期から現在まで SOx・NOxの汚染 因子は減少の一途を辿っており、実質的には海塩粒子濃度と濡れ時間・乾湿繰返しでほぼ大気環 境の腐食性が決まるといえる。 (3)塗装炭素鋼の大気腐食機構は、塗膜の劣化、塗膜への浸水、酸素の拡散→塗膜下腐食が生じ、地 鉄の腐食は Fe+O2+H2O→Fe(OH)2、Fe(OH)3→α-FeOOH,γ-FeOOH,β-FeOOH→Fe3O4、非晶質さびが起 こり、錆面下では局部腐食が進行し、不均等凹凸腐食、穿孔にいたる。地金の腐食では、水膜や 固着錆の厚さが酸素拡散速度を律し、海塩粒子や SOx・NOxの汚染因子は直接間接に作用して腐 食促進因子となる。

(4)溶融亜鉛めっきは、犠牲防食作用 Zn→Zn2++2e,Fe2++2e→Fe により地金の防食作用がある。また、 亜鉛表面では Zn+O2+H2O→Zn(OH)2→ZnO などの比較的良好な表面さびにより耐食性を確保する。 亜鉛の腐食および錆面下の腐食でも海塩粒子や SOx・NOxの汚染因子は直接間接に作用して腐食 促進因子となる。Zn の防食作用がなくなると地金の腐食へと進行する。 (5)大気環境の腐食性と腐食速度を評価する方法の一つとして、ISO 9223-92~9226-92 がある。大気 の腐食性の分類(ISO 9223-92)として 3 つの主要環境因子(濡れ時間τ、SO2汚染量 P、海塩粒 子付着量 S)のレベルをカテゴリー分類し、それぞれのカテゴリー分類レベルの組み合わせと標 準金属の鉄鋼、銅、亜鉛、アルミニウムの腐食度から、その地域の大気の腐食性 Cj を推定する 方法である。(参考資料 1~3 を参照)。 本報告では、この方法を用いて大気腐食性を評価する。 4.2柱下部(地際腐食) 地際腐食として柱下部(約 1.5m以下)の大気環境でおこる管外腐食、開口部などからの浸水による管 内面腐食、犬の尿による腐食、地際でおこるなど選択腐食や孔食、埋設環境下で起こる管外・管内腐食 などがある。地際腐食環境は、大気露出腐食環境、室内腐食環境、土壌環境、またこれらの複合した環 境とみなされるが、腐食因子を究明した研究・報告は少ない。ここでは、地際腐食と腐食因子との関係 について報告した解析例を示し、地際腐食の機構の解明の一助としたい。 4.2.1 解析例 1(飛来塩分、海砂) 『砂浜のポールでは、海砂が当たる柱下部位が、海砂の当たらない柱上部位より発錆が大きい。』 →瀬戸内地区海岸埋立地地面で、海砂の衝突が多い部位(地面より 0.2m)と海砂の衝突が少ない

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 部位(1.5m)における暴露試験を実施し、濡れ時間、海塩粒子、SO2の測定結果を表 4 に示す。 (1)ISO9524-92 による腐食性ランク 海砂の衝突が少ない部位(1.5m)の炭素鋼の腐食量から推定した環境の腐食性は C3, 濡れ時 間、海塩粒子、SO2の測定値より推定した環境腐食性ランクは炭素鋼で C2/C3、Zn で C3 ランク となり、炭素鋼の腐食量から推定した環境の腐食性ランク C3 とほぼ一致した。 (2)離岸距離による腐食性ランクの差 海砂の衝突が少ない部位(1.5m)の炭素鋼の腐食速度は、離岸距離 180m(海塩粒子 1.6mg /m2/d)で 0.050mm/y、530m(海塩粒子 3.6mg/m2/d)で 0.034mm/yで、部位(1.5 m)の腐食速度比 R0(離岸距離 180m)/R1(離岸距離 530m)は 1.5 であり、離岸距離が大き いほど腐食速度は小さくなる。 日本の各地域の大気中の海塩粒子量Kと離岸距離Xの関係 7)はK=A・X-0.6で表され、海塩 粒子量Kは、離岸距離とともに減少し、海塩粒子量比〔K0(離岸距離 180m)/K1(離岸距離 530m)〕の計算値は 1.9 で、実測値 2.2 とほぼ一致している。 (3)海砂の差 炭素鋼の腐食速度から判定すると高さ 1.5mでは腐食性ランク(IOS9524-92)は C3、高さ 0.2 mでは C4 となる。部位(0.2m)と部位(1.5m)の腐食速度比は離岸距離 180mで 1.56、離 岸距離 530mで 1.58 となり、いずれの部位も海砂の衝突が大きい部位(0.2m)が、海砂の衝 突が少ない部位(1.5m)よりも腐食性が高かった。海岸地域の海砂の衝突が見られるところ では地際では、地面に付着した塩分(海砂)の影響を受けると考えられる。 表 4 海岸埋立地における暴露試験 離岸 距離 m 高さ m 炭素鋼 腐食速度 mm/y 炭素鋼 腐食性ランク ISO9524-92 環境因子の腐食性ランク SO9525-92 環境腐食性 ランク ISO9526-92 濡れ時間 h/y 海塩粒子 mg/m2d SO2 mg/m2d 180 1.5 0.050 C3 1252 (τ3) 3.6 (S1) 0.033 (P0) Fe:C2/C3 Zn:C3 0.2(地面) 0.078 C4 - - - - 530 1.5 0.034 C3 1306 (τ4) 1.6 (S0) 0.029 (P0) Fe:C2/C3 Zn:C3 0.2(地面) 0.054 C4 - - - - 4.2.2 解析例 2(飛来塩分、海風) 『海岸高台公園環境(千葉太平洋海岸、離岸距離 1.0km、15 年)にて、塗装鋼管と溶融亜鉛めっき鋼 管の高さ 1.5m以下の部位について、それぞれ発錆状態は潮風裏側が潮風側よりも大きい。』→発錆状 態の異なる両面の一定面積部位で付着塩分を拭き取り、蒸留水中に溶解し、Cl-を化学分析し付着塩 分量(NaClmg/m2)を求めた結果を表 5 に示す。潮風裏側の付着塩分量が潮風側よりも大きく、発 錆状況の大小の傾向と一致している。潮風裏側は付着塩分により発錆が多くなり、またさびの多い裏 面側では付着塩分量が蓄積し易く、相乗効果により腐食が促進されると推察される。

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 表 5 発錆状況と付着塩分量 照明柱 外観発錆状況 付着塩分量 潮風側 潮風裏側 潮風側 潮風裏側 炭素鋼 +塗装 464 (NaCl mg/m2 501 (NaCl mg/m2 溶融亜鉛 めっき 667 (NaCl mg/m2 684 (NaCl mg/m2 4.2.3 解析例 3(大気汚染因子 SOxや NOx) 『離岸距離約 1km のトンネルを挟んで、上り側の照明柱 A,B ポールは地際腐食があり、下り側の C,D ポールは地際腐食がなかった。→周囲の環境調査を行った結果、大気汚染因子 SOxや NOxがポール 下部位に流れて、腐食を促進させたと推察される。 照明柱と腐食状況と設置環境、コンクリート可溶化学成分の分析、さび・付着物の EPMA による組成 元素の分析を行った結果を、表 6 に示す。 (1)両サイドのベースコンクリートはA,Bポール側は中性化しており、C,Dポール側は中性化してい なかった。 (2)コンクリート可溶成分としてAポールがDポールよりCl-,SO 42-、NO3-が多い。 (3)さび・付着物のEPMA分析では、AポールがDポールよりCl-,Sが多い。 (4)上り側の照明柱A,Bポールの地際腐食は、周囲に地面続きで湿環境になり易く、排気ガス成分 (SOx、NOx)や海塩粒子により、コンクリートの中性化や腐食が起こり易いと推察される。

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 表6 コンクリート表面の可溶化学成分の分析結果 照明柱 腐食状況と設置環境 化学成分分析(ppm) Cl- SO 42- NO3- A、B ポール 330 1574 1931 C、D ポール 79.2 935 158 4.2.4 解析例 4:犬の尿による腐食 『犬の散歩歩道で、頻繁に放尿が行われるポールの地際で、地際腐食が生じ、穿孔する場合もある。』 →犬尿の IR 吸収スペクトルによる腐食性物質の同定を行い、アンモニウムイオン水の腐食試験を行 って、アンモニウムイオンが腐食促進因子であると推定した。 (1)犬尿の化学成分はpH5~8(Av6.5)で、アンモニウムイオン(~数 ppm)、尿酸、尿酸塩(NH4塩、 Na 塩、Ca 塩)、リン酸アンモニウム塩を含んでおり、アンモニウム環境をつくる(図 3)。 (2)曝気アンモニウム環境では Znの腐食速度は、水道水よりも大きくなる傾向がみられる(表 7)。 (3)牛舎での腐食試験 8)(pH10 程度、NH 3、NO3-、塩分など)では、Zn めっき(600g/m2)腐食速 度は、屋外 16g/m2/y、建屋内(床上約 3m)13.1g/m2/y、糞尿がかかる場所では 20~35g/ m2/y、ピット内では 391g/m2/yとなり、アンモニアの蓄積する場所では増大する傾向にある。 (4)犬の放尿もまた、乾湿繰り返しと同時に、アンモニウムイオンの含有・濃縮により、燐酸亜鉛化 成皮膜から Zn を引き抜き塗膜との結合力を弱めたり、溶融亜鉛めっきを錯化合物化して、腐食 を促進すると推察される。

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 (5)NH3、NO3-、NaCl を含む犬尿模擬環境浸漬試験で、Zn めっきや同化成処理塗装鋼板の腐食は、単 なる NaCl 浸漬液よりも加速されることが確認されている9) 表 7 アンモニウムイオン水中の腐食試験(30℃、曝気水溶液、7 日、mm/y) 4.2.5 解析例 5 管内面腐食 『開口部から腐食した袴式照明柱の管内面腐食調査』→管内外面の外観、肉厚減、さび分析などの腐 食状況を調査分析し、管内面腐食の特徴を把握する。 (1)海岸地域に高架高覧設置方式で、16 年使用された袴式照明柱を調査した結果を表 8 に示す。外面 塗膜は殆ど損傷せず内面からの腐食である。袴部外管、内管ともに、ベースプレートより開口部 (20cm)までの地際腐食が激しく、ベースプレートより 50cm以上上方では、先端に行くほど 腐食は小さくなり、湾曲部でやや腐食が増す傾向である。 (2)ベースプレートより 50cm以上の平均腐食速度は 0.01mm/y、最大腐食速度でも 0.03mm/y で、一般的な海岸地域の外面腐食速度に比べて小さい。 (3)X線回折定性分析による錆組成は Fe3O4が主成分で、他にα-FeOOH,γ-FeOOH,β-FeOOH が検出 された。β-FeOOH およびさびの化学分析から Cl イオンが検出されたことから、飛来塩分の影響 も考えられる。 (4)袴式ポールの腐食は、外部からの水や海塩粒子の浸入による管内面の高湿気、Cl-環境になり、 上部では結露水が、開口部・地際では雨水・結露滞留水により腐食が進行し、Cl-イオンが腐食 促進因子になると推察される。 鋼種 水道水 0.01MNH4OH 0.01MNH4HCO3 亜鉛めっき 0.015 0.093 0.169 炭素鋼 0.176 0.176 0.236 図 3 犬尿のIRスペクトル

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 (5)雨水・湿気の浸入は、施工・検査・補修時における開口部の機密性が保たれていないことや、水 抜き口からの水の浸入を防ぐことができないことなどによると考えられる。 表 8 袴式照明柱の管内面腐食調査結果 0.1m 袴式ポール全景 0.5m 3m 8m 管内面腐食状況 4.2.6 解析例 6:日向と日陰の地際のモニタリング10) 『電気通信設備用溶融亜鉛めっき鋼管柱が、団地建物の日陰部で建柱後 24 年で地際部に幅 10cm、 0.2mm厚の肉厚減(元厚 3mmt)が生じたが、特別な土壌成分は検出されていない』→日陰部(湿 気が多く草に覆われ 1 日中陰になる場所)と日向部(1 日中日向)の土壌における ACM センサー、イ ンピーダンス(純鉄 5x60mm2、電極間距離 1mm)、土壌抵抗のモニタリングを行なった結果は以下のよ うになった。 (1)ACM センサーの地際(地際深度はセ ンサー上端が地際ぎりぎりの部位) での出力は、湿度 100%、海塩粒子 が最も高いレベルに相当する大気 環境腐食性を示す(図 4-1)。 日陰部は平均 0.6C/day(100μm/ y)、日向部は 0.14C/day(70μm/y) で降雨により増大し、日陰部は乾き が遅く土壌の含水率に影響される。 (2)純鉄の電極(5x10mm、間隔 1mm)を 70mm間隔で地際に配置し、ステップ電圧を印加す 肉厚減(mm) 高 さ m 高 さ m ○ 内側 から測定 ● 外側 から測定 図 4-1 ACM型センサー出力測定結果

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 るインピーダンス測定によって分極抵抗と土壌抵抗の測定を行った結果、抵抗値は降雨では小 さくなり、晴れが続くと大きな値となり、ACM センサーの測定結果に対応した腐食傾向を示す (図 4-2)。土壌抵抗は分極抵抗の 10 倍あり測定精度に難点があるが、分極抵抗が土壌抵抗の 含水率に依存することがわかった(図 4-3)。 (3)日陰は日向より含水率は高く、土壌抵抗は低く、腐食速度は増大する。 4.2.7 解析例 7:土壌腐食試験との腐食因子の検討11) 鋼製基礎梁の腐食に及ぼす土壌因子(土質、含水率(pF)、ジョルト高さ、温度)の影響が、15,30,120, 183 日で調査され、ACM センサーのモニタリングも検討した。 (1)120 日間の腐食試験では、次の腐食状況であった。 ①普通鋼ショットブラスト材は、すべての土壌環境ではほぼ全面赤錆を生成する。 ②普通鋼ミルスケール材は、ミルスケールの一部表面に赤錆を生成(面積率 4%)し、その下で孔食 を生じた。 ③亜鉛めっき材の白錆面積率は 1~60%であり、顕著な腐食はなく、土壌固着部にのみ軽微な減肉 が見られた。 ④普通鋼の塗装材は膜厚の変化はなく、顕著な塗膜膨れや密着低下あるいは赤錆発生はなかった。 (2)炭素鋼の腐食速度は、120 日で 0.02~0.06mm/y、183 日では 0.01~0.02mm/yとなり、土 壌の差は少ないが、粘性土の腐食がやや小さい(図 5-1、表 10)。 (3)腐食速度に及ぼす土壌因子,温度の影響および経時変化は、以下のとおり。 ①腐食速度は、関東ローム、砂層では経時的に減少し、粘性土では変化が小さい。 ②腐食速度は、関東ローム、砂層では含水率が低い(pFが高い)ほど減少し、粘性土では逆であ る。 ③腐食速度は、粘性土ではジョルト高さが高いほど、また関東ロームではジョルト高さが低いほど 腐食速度は増大する。砂では影響はきわめて小さい。 ④腐食速度は、いずれの土質でも 10℃以下では温度の影響は小さいが、25℃では増大傾向にあり、 特に粘性土では影響が大きい。 ⑤pF,ジョルト高さ、温度を変えた 120 日暴露試験では、局部腐食は、砂層では出現しないが、 関東ローム層ではすべて発生し、粘性土では条件により発生した。 (4)普通鋼のショットブラスト材の内面のα-FeOOH 量は大気空間 11.6%<粘性土 12.5<砂質 図 4-2 日向・地際部の分極抵抗と土壌抵抗の比較 図 4-3 日向部と日陰部の土壌抵抗の比較

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 14.2%<関東ローム 17.8%であり、γ-FeOOH 量は 1.2、2.9、3.4%(大気空間 8.8%)で、α -FeOOH 量と逆の順序になり、水分の影響が大きいと考えられる。β-FeOOH,Fe3O4の組成は検出 され土質による差は殆どない。 (5)重量減より求めた腐食速度と Fe/Ag センサー電流出力との対応関係があり、腐食性が高い領域 では両対数は、試験期間によらず直線関係にあり、腐食期間が長くなると、両者の関係は、左 下側に移動する。土中環境においては、腐食生成物の生成に伴い、鋼材の腐食速度は低下する ことを示している(図 6)。 (6)土壌中の炭素鋼の腐食速度には、土質、中でも含水率や伝導度(塩分)および温度の影響が大き く、孔食などの局部腐食にはさびと土壌の固着などの影響が大きい(図 5-1,5-2,5-3)。 (7)今回測定された腐食速度 0.02~0.06mm/yから腐食代 1mmとすると、耐用年数は約 16 年~ 50 年になる。地際にタールエポキシ塗装など行い、その寿命が 5~10 年程度とすると、苛酷な 環境でも 25 年程度まで耐用があると推察される。 また、土壌中の溶融 Zn めっきの腐食速度8)を 16~33g/m2/yとし、めっき厚 600g/m2の 90% までが消耗する期間を耐用年数とすると 16 年~33 年の耐用が期待できる。 これらの耐用年数は短期間の腐食速度より推定した値であり、さらに長期間のデータより推定 することが望まれる。 表 9 土壌腐食試験条件 試験用土壌分析 試験用土壌抽出水分析 図 5-1 腐食速度と試験期間の関係 図 5-2 腐食速度と温度の関係(真砂土)

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 解析例 8:鋼管の地際腐食部の電位測定 溶融亜鉛めっき鋼管の 17 年で植栽内で地際腐食を起こした照明柱について、各部位の自然電極電位 を、蒸留水で湿らせたガーゼを周囲にまいた飽和カロメル電極を接触させて測定した結果と X 線回折 定性分析による錆組成を表 11 に示した。 (1)今回のような濡れた状態の電位測定法によると、地中から地際(-20cm~20cm)までの茶・ 黒褐色錆部の腐食電位は-424~-600mV で、湿環境中の鉄の腐食電位を示し、地際より上(-0.2 ~-0.5m以上)の黄褐色・白錆部では鉄と亜鉛の混成腐食電位-540~-670mV、柱上部(-1.5m) では亜鉛めっき(金属光沢/非光沢部)の溶解の電位-880~-950mV を示している。乾いた状態では、 地際以上は濡れた状態の電位より貴になると予想される。 (2)地際腐食の錆組成としてα-FeOOH,γ-FeOOH,Fe3O4が検出され、土壌や大気の湿環境中の錆と同様 な組成を示した。溶融亜鉛めっき Zn の錆は、湿大気環境中の錆組成である Zn(OH)2、ZnO などが 検出された。 炭素鋼 環境 赤錆面積率 (%) 腐食度 (mm/y) 孔食深さ (μm、183 日) 砂 垂直面 4 0.012 175 関東ローム 垂直面 7 0.019 333 粘性土 垂直面 4 0.01 183 表面大気空間 垂直面 3 0.01 60.2 亜鉛めっき 環境 赤錆面積率 (%) 腐食度 (mm/y) 孔食深さ (μm、183 日) 砂 垂直面 5 0.011 41 関東ローム 垂直面 14 0.009 28.2 粘性土 垂直面 6 0.002 14.4 図 5-3 腐食速度と塩分濃度の関係(真砂土) 図 6 腐食速度と ACM 出力センサーとの関係 表 10 普通鋼(黒皮)試験片の面積率(%)と腐食度と 5 点平均孔食深さ(183 日、μm)

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 (3)土中・地際では、ほぼ常時湿環境にあり厚膜の水層になる。一方、地際上部は大気環境の影響を 直接受け易く、乾湿の繰り返しを受け薄膜の水膜になる機会が多い。したがって、厚膜水層の地 際と薄膜水層の地際上部間ではマクロセルを形成し、前者はマクロアノードで鉄の溶解域、後者 はマクロカソ-ドで酸素還元反応域になる傾向があると推察される。 表 11 腐食部の自然電極電位(mV vs SCE) 解析例 9 コンクリ-ト割れ目の中の滞留水のpH と電位 溶融亜鉛めっき照明柱のコンクリ-ト割れ目で地際腐食を生じた。コンクリート割れ目の滞留水およ び初期のコンクリート浸漬水中の炭素鋼の自然電極電位・腐食傾向および環境水のpH、Cl-の測定例 を表 12 に示す。また、同表にはコンクリート中の鉄筋の腐食電位と腐食傾向の関係(ASTM C876)を 示す。 コンクリート割れ目滞留水は中性で(pH6.0)、塩分が濃縮しており(Cl-:6500ppm)で、茶褐色の 錆を生じ、地鉄まで進行した地際腐食を示している。コンクリート初期の割れ目のない状況では、溶 融亜鉛めっきは不動態皮膜を形成し腐食しないが、割れ目が入ることにより急速に Cl-入りの雨水が 浸入し、コンクリートが中性化し、溶融亜鉛めっきが溶解し、地鉄までの腐食に至ったと推察される。 照明柱 自然電極電位 錆びの状態 地中腐食部茶・黒褐色錆(-20~-10cm) -424~-443mV -500~-600 Goethite Lepidocrocite Magnetite α-FeOOH γ-FeOOH Fe3O4 地際腐食部赤・黒褐色錆(-10~5cm) -496~-521mV Goethite Lepidocrocite Magnetite α-FeOOH γ-FeOOH Fe3O4 赤・黒褐色錆(5~20cm) -453~-604mV Goethite Lepidocrocite Magnetite α-FeOOH γ-FeOOH Fe3O4 黄褐色+白錆部(20~50cm) -540~-609mV Goethite Lepidocrocite Wulfingite α-FeOOH γ-FeOOH Zn(OH)2 白錆部(50cm以上) -628~-668mV Wulfingite Zincite Zn(OH)2 ZnO 柱上 Zn めっき非光沢部(1.5m以上) -883~-892mV (Zn→Zn2++2e) 柱上 Zn めっき光沢部(1.5m以上) -933~-951mV (Zn→Zn2++2e)

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 表 12 コンクリート割れ目の腐食パラメータの測定 pH Cl- (ppm) 自然電極電位 (mV vs CSE) 腐食傾向 コンクリート 割れ目滞留水 6.0 6500 -456 茶・黒褐色さび (錆面下pH4.0~4.3) コンクリート 初期割れ目なし 12.8 10 -200~-100 腐食なし コンクリート ASTMC876 ~-200 90%以上の確立で錆びていない。 -200~-350 腐食は判定できない -350~ 90%以上の確立で錆びている。 4.3 地際腐食機構モデル 照明柱などの鋼管中の地際腐食機構のスキームを図 7 に示す。 鋼管柱(1.5m以下)地際腐食は、大気、開口部や水抜き口などからの管内環境、埋設・外的環境、 地際特有の環境および地中・土壌からのそれぞれの腐食因子の影響を受ける。 炭素鋼や溶融亜鉛めっきの塗装ポールは、運搬・施工時の凹み、疵、剥がれなどの機械的な塗膜損傷 があり、供用時には紫外線、温度サイクル、乾湿繰返し、飛来塩分などの大気環境因子による塗膜の紫 外線劣化、酸化劣化などが起こり、さらに車や物の衝突、風や道路のゆれの振動などが加わり、塗膜自 身や素地との接着劣化が進行する。 炭素鋼や溶融亜鉛めっき鋼の塗膜劣化部・塗膜下腐食や裸金属の腐食は、基本的には水の薄膜中の酸 素拡散律速反応である(Fe→Fe2++2e、2H

2O+O2+4e→4OH-)が、温湿度、Cl-、SOx・NOxなどの大気腐 食因子が関係し、中でも湿度と Cl-の影響が最も大きい。 これらの大気環境因子は、雨水により洗われ地際側に流され(雨洗効果)、地際腐食における腐食促 進因子となる。地際腐食が、離岸距離の小さい地域(Cl-多い)、コンクリートクラック部(Clの濃縮 部)、車の往来の多い場所(SOx・NOxの濃縮)では大きくなる現象も、この雨洗効果で説明できる。 ポ-ル内面腐食は、施工・検査時機密性が損なわれた場合開口部からの雨水・湿気や Cl-などの大気 環境腐食因子が進入し結露水の洗浄効果などにより地際に蓄積したり、また排水口からの水の浸入によ って、地際腐食は促進される。 地際に集中する犬尿などは、NH4+,乾湿繰返しなどの腐食因子、とくに NH4+は、塗膜下の燐酸亜鉛化成 処理膜や亜鉛の溶解反応の促進作用があり、地際腐食の促進因子となると考えられる。また、機械的振 動などにより塗膜が傷ついたり剥離したりし、塗膜下腐食が進行し、地際での裸鋼管が露出すると、集 中的な腐食が生じる可能性がある。 植栽での地際腐食には、土壌因子のうち湿度が最も支配的であり、腐食電流は土壌抵抗すなわち土中 の含水率に依存する。地際近い土壌腐食は、砂質<関東ロ-ム層<粘性土質の順に増大し、水分を温存 し易い土質で大きくなり、また電解質(Cl-、SO 42-など)を含み土壌抵抗値を下げる土壌でおおきくな る。 鋼製支柱の地際部は、気中部と埋設部という環境の中間にあり、乾湿が繰り返され、マクロセル腐食 の違いで起こる電位差により、地際の鋼製支柱の Fe または Zn が溶解し、錆が発生し、選択腐食を受け る。地際に起こる選択腐食には以下のマクロセルが作用していると考えられる。 (1)地際と地際直上の大気部では乾湿の差が大きく、水分を多く含む地際側(マクロアノード)と上 部の水膜の薄い部分(マクロカソード)の間にマクロセルを形成し、マクロアノード側に腐食が進

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 行する。 (2)腐食速度は、土壌側で小さく地際で大きいことを考慮すると、土壌側の電位が貴になり、地際の 電位が卑となる傾向があり、地際/土壌間にマクロセルが形成され、マクロアノードとなる地際 に選択腐食が生じる。 (3)ある程度腐食が進行した状況では、地際は、地際周辺部(地際直上部、土壌部)に比べて、錆の 密着度(酸素や水の透過障壁)やさび面下pH の低下などにより、選択腐食を受け易い状態にな る。 (4)コンクリートベースでは、アルカリ環境のコンクリート部が貴な電位(マクロカソード)になり、 地際では湿環境(マクロアノード)になる機会が多く、マクロセルを形成し地際での腐食傾向が 大となる可能性が高い。 (5)コンクリートやアスファルトのクラックや隙間部では、雨水溜まりがマクロアノードとなり、周 囲の部位マクロカソードとの間にマクロセルを形成して、選択腐食が起こり易い傾向となる。特 に海岸地域、融雪塩散布地域や交通量の多い地域では、塩分や汚染因子(SOx・NOx)の雨水溜 まりは地際腐食の促進要因となる。 5.まとめ 地際腐食についてまとめると、地際における腐食環境①~⑤があり、マクロセル⑥~⑪による選択腐 食が生じ、塗装炭素鋼では、塗膜劣化→塗膜下腐食→地際選択腐食、溶融亜鉛めっきでは亜鉛めっき腐 食→炭素鋼腐食→地際選択腐食になり、肉厚減が進行し、耐力を超えると外力⑤により倒壊にいたる。 腐食環境: ①大気からの腐食因子(湿度、海塩粒子量、汚染物質量(SOx・NOx)とそれらの雨洗効果による集積 ②開口部や排水口から侵入する水や、大気腐食因子とそれらの因子の結露水洗効果による集積 ③犬尿による NH4+や乾湿繰り返し効果(特に NH4+は亜鉛めっきの溶解や燐酸塩化成処理皮膜の溶解によ る塗膜密着力の低下作用が考えられる) ④土壌からの腐食因子(含水率、土質、電気伝導度、Cl-、など)からの地際への補給 ⑤地際で起こる応力集中(風・道路の振動、地震)は塗膜の接着劣化、さびの保護性破壊などを起こす。 マクロセル: ⑥地際直上大気部の水膜の薄い部位(マクロカソード)/水分を多く含む地際部(マクロアノード) ⑦土壌側(マクロカソ-ド、固着さび)/地際(マクロアノード) ⑧腐食が進行した状況では、地際(マクロアノード)(錆の密着度、さび面下pH の低下)/地際周辺部 (地際直上部、土壌部)(マクロカソード) ⑨コンクリートベース(マクロカソード、アルカリ性)/地際(マクロアノード、中性) ⑩地際コンクリートやアスファルトのクラックや隙間部(マクロアノード、雨水溜まり)/周囲の部位 (マクロカソード) 腐食事例や腐食解析によって、上述のような地際腐食のスキームを示したが、さらに、各腐食環境で の長期間の腐食試験や環境因子、腐食パラメーターの追跡を行い、詳細な腐食機構が検討されることが 望まれる。

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 参考資料 1 ISO 9225-92 濡れ時間 SO2汚染量 海塩粒子量 記号 h/y 記号 mg/(m2・d) mg/m2 記号 Cl-/mg/(m2・d) τ1 ≦10 P0 ≦10 ≦12 S0 ≦3(5) τ2 >10~250 P1 >10~35 >12~40 S1 >3~60(99) τ3 >250~2500 P2 >35~80 >40~90 S2 >60~300(495) τ4 >2500~5500 P3 >80~200 >90~250 S3 >300~1500(2473) τ5 >5500 溶融亜鉛めっき腐食 塗膜劣化 塗 膜 下 腐 食 大気環境因子→雨洗効果 →地際腐食促進 管内環境因子→結露水 洗効果→地際腐食促進 地鉄の腐食 水抜口 地際・土壌腐食因子 ・含水率(pF) ・降雨、湿度、乾湿繰返し ・電気伝導度 ・各種因子 (pH,Cl-,SO 42-,NH3,微生物) ・土質(砂、シルト、粘土等) 塗膜劣化因子 ・紫外線 ・寒暖(温度サイクル) ・振動(風・車道) 大気腐食因子 ・降雨・湿度、乾湿繰返し ・飛来塩分・離岸距離 (海塩、海砂、融雪塩) ・汚染因子(SOx・NOx) 埋設・外的環境 ・植栽、アスファルト、コン クリート、隙間・割れ目 ・地際振動(風・車道) 管内腐食因子 ・開口部・排水口の蜜閉性 ・湿度、乾湿繰返し ・飛来塩分 埋設土壌環境因子 からの地際腐食 地鉄の地際集中腐食 土壌 開口部 ポール 図 7 地際腐食機構のスキーム マクロセル 設置部 地際上部水の薄膜(マクロカソード) /地際部(マクロアノード) /土中部(水分の補給)

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腐食センターニュース No.066 2013 年 12 月 参考資料 2 ISO 9226-92 金属 炭素鋼 Zn and Cu Al 因子レベル P0-P1 P2 P3 P0-P1 P2 P3 P0-P1 P2 P3 τ1 S0-S1 C1 C1 C1/C2 C1 C1 C1 C1 C1 C1 S2 C1 C1 C1/C2 C1 C1 C1/C2 C2 C2 C2/C3 S3 C1/C2 C1/C2 C2 C1 C1/C2 C2 C2 C2/C3 C3 τ2 S0-S1 C1 C1/C2 C2 C1 C1/C2 C2 C1 C1/C2 C3/C4 S2 C2 C2/C3 C3 C1/C2 C2 C3 C2/C3 C3/C4 C4 S3 C3/C4 C3/C4 C4 C3 C3 C3/C4 C4 C4 C4 τ3 S0-S1 C2/C3 C3/C4 C4 C3 C3 C3 C3 C3 C3/C4 S2 C3/C4 C4/C5 C3/C4 C3 C3/C4 C3/C4 C3/C4 C4 C4/C5 S3 C4 C4/C5 C5 C3/C4 C4 C4 C4 C4/C5 C5 τ4 S0-S1 C3 C4 C5 C3 C3/C4 C4/C5 C3 C3/C4 C4/C5 S2 C4 C4 C5 C4 C4 C5 C3/C4 C4 C5 S3 C5 C5 C5 C5 C5 C5 C5 C5 C5 τ5 S0-S1 C3/C4 C4/C5 C5 C3/C4 C4/C5 C5 C4 C4/C5 C5 S2 C5 C5 C5 C5 C5 C5 C5 C5 C5 S3 C5 C5 C5 C5 C5 C5 C5 C5 C5 参考資料 3 腐食性カテゴリーに関するガイド値(ISO 9224-92) 腐食性 分類記号 金属の腐食速度(rcorr) 単位 炭素鋼 Zn Cu Al C1 g/(m 2・y) ≦10 ≦0.7 ≦0.9 Negligible μm/y ≦1.3 ≦10.1 ≦0.1 - C2 g/(m 2・y) >10~200 >0.7~5 >0.9~5 ≦0.6 μm/y >1.3~25 >0.1~0.7 >0.1~0.6 - C3 g/(m 2・y) >200~400 >5~15 >5~12 >0.6~2 μm/y >25~50 >0.7~2.1 >0.6~1.3 - C4 g/(m 2・y) >400~650 >15~30 >12~25 >2~5 μm/y >50~80 >2.1~4.2 >1.3~2.8 - C5 g/(m 2・y) >650~1500 >30~60 >25~50 >5~10 μm/y >80~200 >4.2~8.4 >2.8~5.6 - 参考文献 1)(社)日本照明器具工業会資料 2)内山智晴,近畿アルミニウム表面処理研究会誌,No.238,p1(2006) 3)ASTM,Special Publication No.175(1956)

4)中部電力㈱、技術開発ニュ-ス No.112,p15(2005-1) 5)NTT 研究開発この 1 年(2012 年報) 6)各社ホ-ムペ-ジ・カタログなどを参考 三井住友金属鉱山伸銅㈱、NTTInfraNet、吉本ポ-ル㈱、テック大洋工業㈱、丸一鋼管㈱、ニチゾウテック㈱、 須藤電設㈱、日鐵ポール㈱ 7)建設省土木研究所、(社)鋼材倶楽部、(社)日本橋梁建設協会:「耐候性鋼材の橋梁への適用に関する共同 研究報告書(ⅩⅩ)-無塗装耐候性橋梁の設計・施工要領(改定案)-」(平成 5 年 3 月)) 8)亜鉛めっき鋼構造会資料 9)馬場 尚,原田佳幸,(社)日本防錆技術協会、185(2013) 10)中谷年徳,江向直美,菱山光正,半田隆夫,宮田恵守,第 47 回材料と環境討論会,B-209(19) 11)元田慎一,加藤謙治,正村克身,栗栖孝雄,迫田章人,「鋼製基礎梁の利用技術開発その 2 耐久性能」、 建築学会(2002、金沢工業大学にて)

参照

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