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リターンとは、運用を行った結果得られる損益です。
収益がプラスでもマイナスでも、投資した元本からの差額がリターンとなります。
リタ ー ンと は
平均リターン
知 識
ミニ知 識
ミニ
リタ ー ンと リスク
「投資」と「貯蓄」
「貯蓄」は、預貯金などのような元本が保証されている金融商品を保有することにより、現在のお金を将来まで取って
おくために行う金融行動です。したがってその元本から得られる収益には多くを望んでいません。
これに対して「投資」とは、現在のお金を元手にして積極的に資産を増やすことを目的とした金融行動です。投資した
元本を有効に活用し、収益を得ることを目指しています。
低金利の時代が長引いている現在、手持ちの資金を有効に活用するためには、「貯蓄」に「投資」を上手に組み合わせて
いくことが重要です。
パターン1
元本が変動せずに、利息等の収益金を得た場合
資産の種類によってリターン・リスクの水準はある程度特徴が見られます。
リスクの小さい商品は、元本割れの可能性も小さくなりますが、期待できるリターンの水準も
低いものとなります。
大きなリターンが期待できる商品はリスクも大きくなるので、元本割れする可能性も大き
くなります。
+
-
運用するときには低いリスクで高いリターンを得ることが最も望ましいのですが、現実にはその
ような商品はありません。
リタ ー ンと リスクの 関 係
投資した商品の価格が上昇した場合
パターン2
投資した商品の価格が下落した場合
パターン3
元 本
元 本
元 本 元 本
値上り益
元 本
利息等
リターン
リターン
リターン
元 本
値下り損
リスクとは、得られる収益の不確定性を表すものです。すなわち、ある商品で運用したときに得ら
れる損益がどのくらいブレるか、そのブレ幅をリスクといいます。
運用結果が最も悪い場合
例えば商品Aは・・・
例えば商品Bは・・・
商品Aより商品Bのほうが
リ タ ー ン の ブ レ る 範 囲 が
大きいので、「リスクが大きい」
と言えます。
元 本
値下り損
運用結果が最も良い場合
運用結果が最も悪い場合 運用結果が最も良い場合
リ ス ク と は
ハ イ リ ス ク
ハイリターン
ロ ー リ ス ク
ローリターン
知識
ミニ知識
ミニ
標準偏差
価格変動リスクを計測するには、「標準偏差」を使います。標準偏差とは、データがたくさんあるときのちらばり
具合を示す指標です。
約68%
平均値
平均値を中心に左右対称にデータが散らばっているとして、
約68%のデータが収まっている範囲を示しています。
この標準偏差が大きいと、ばらつき度合いが大きいという
ことであり、すなわちリスクが大きいと考えられます。
元 本
値下り損
元 本 元 本
値上り益
元 本 元 本
値上り益
国内債券
海外債券
国内株式
海外株式
預貯金
保険商品
リスク
0
(上図はあくまで一般的な傾向であり、必ずしもこのとおりの分布とならない場合もあります)
79
80
知 識
ミニ知 識
ミニ
ミニミニ知識知識
金利と為替の変動
1990年1月から2015年3月までの国内1ヵ月もの金利とドル円為替レートの変動は次の通りでした。
インフレとデフレ
国内1ヵ月もの金利の推移 ドル円為替レートの変動
モノの値段が上昇することを英語で「インフレーション」といい、略して「インフレ」と呼びます。一般的には、経済
活動が活発になるとモノに対する需要(モノを買おうとすること)が増加するため、モノの値段が上がりやすくなり
ます。反対にモノの値段が下がることを英語で「デフレーション」といい、略して「デフレ」と呼びます。
我が国では1990年頃まではインフレの傾向が強い経済でしたが、それ以降は物価の上昇が安定もしくは下落する
傾向にあり、デフレ経済などと呼ばれています。これは、日本だけに限らず世界的に見ても先進国はデフレの傾向
が強くなっています。
価 格 変 動 リ ス ク の 要 因
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011
(年)
(%)
2014 70
80
90
100
110
120
130
140
150
160
170
1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011
(年)
(円/ドル)
〔出所〕日本銀行
2014
※これ以外にも、
カントリーリスクや流動性リスクなどさまざまなリスクがあります。
〔出所〕内閣府「物価レポート'96~'99」
日本新聞協会
日本銀行
BANK
価格変動リスクをもたらすものではありませんが、インフレ(モノの価格が上昇すること)が進むこと
により、あるモノがこれまでと同じ値段では買えなくなってしまうことが発生します。確定拠出年金の
リターンがインフレを下回ると、想定していた老後生活を送れなくなりますので注意が必要です。
お金を預けている金融機関や、保有している株式や債券の発行会社が、経営不振に陥ったり倒産したり
すると、元金が回収できなかったり株式や債券の価格が下落したりします。
イ ン フ レ リ ス ク
信 用 リ ス ク
2,000円
550円
100円
15円
568円
555円
80円 5.3倍
郵 便 料 金
(封書)
505円 5.1倍
定期預金で運用した場合の元利合計
1,800円 3.3倍
映画鑑賞料金
1970年 1999年
4,208円 2.1倍
米10kg
(1998年)
3,614円 6.5倍
理 髪 料 金
(1998年)
3,208円 5.6倍
新聞購読料
(1998年)
¥
株 式
¥
債 券
債 券
株 式
為替レートは1ドル(または1ユーロなど)が
何円かを決めているものです。
運用商品の価格変動リスクをもたらす要因については、
次のようなものが考えられます。
金 利 リ ス ク
為 替 リ ス ク
お金を預けたり借りたりするときに適用される金利は、経済情勢、政治動向、金融市場の状況に応じて、
毎日・毎時刻々と変動しています。金利水準が変動することにより債券や株式などの価格が変動します。
円と米ドルや、円とユーロなど、異なる通貨を交換する水準を決めている為替レートも経済情勢・政治
動向・金融市場の状況に応じて、毎日・毎時刻々と変動しています。外国の株式や債券に投資している
場合は、為替レートが変動することにより、その円貨での時価額が変動します。
金利とは 金利の変動要因
為替レートとは 為替レートの変動要因
あくまで、このような傾向が強いということで、
必ずこのように変動するわけではありません。
景気動向 物価動向 為替動向
良 い 上 昇 円 安
悪 い 下 落 円 高
金 利 下 落
金 利 上 昇
お金を借りた人は、
期日に利息を加えて
返却します。
¥ ¥+利息
お金を貸す人
お金を借りる人
お金を貸した人
お金を借りた人
利息を計算するための利率を
あらかじめ決めておきます。
= 金 利
アメリカ
¥
US$
ヨーロッパ
ユーロ
¥
景気動向 金利動向 政治動向
円 高
良 い 上 昇 安 定
円 安
悪 い 下 落 不安定
あくまで、このような傾向が強いということで、
必ずこのように変動するわけではありません。
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投資金額を一定にして定期的に継続して投資を行う
結果的に安値の時にたくさん買って、高値の時に少量を購入することとなる
一般的に購入に要した平均的な価格を低く抑えることができる
一般的に価格変動リスクを抑制することができる
46.6株
40,000円
40,000円
40株
株価の推移
毎 月
10,000円投資
毎月10株購入
投資額
購入株数
投資額
購入株数
10,000円
10株
10,000円
10株
1,000円
10,000円
20株
5,000円
10株
500円
10,000円
10株
10,000円
10株
1,000円
10,000円
6.6株
15,000円
10株
1,500円
1株あたりの価格
ド
ル
コ
ス
ト
平
均
法
等
量
投
資
法
知 識
ミニ知 識
ミニ
投資タイミング
市場の動向を見ながら価格が下がったときに購入し、価格が上がったときに売却すれば最大の利益を得ることが
できます。しかしながら、購入のタイミング、売却のタイミングを適切に判断するのは投資の専門家でも難しいも
のです。特に売買した結果、当初の思惑とは全く逆に高いところで購入し安いところで売却してしまうことはよく
あることです。
そこで「一定金額を定期的に」購入していくドルコスト平均法といった運用方法が有効になってくるわけです。
知識
ミニ知識
ミニ
平均購入単価
価格変動リスクのある商品で運用する場合、それまでに当該商品に投資した元本金額を商品を保有している単位数
で割った数字を、平均購入単価と言います。
例えば左ページのドルコスト平均法の場合の平均購入単価は858.4円で、等量投資法の場合のそれは1,000円に
なります。この平均購入単価を知っていれば、時価を見た時にその商品の運用で利益が出ているのか損失になっ
ているのかすぐわかるので大変便利です。
金融市場は一時的な要因によって短期間で大きく変動することがあります。長期投資は、こうした短期
的な変動によるリスクを小さくできるというメリットを備えています。また、短期的な投資を行うと
購入や売却を繰り返すことにより手数料などのコストがふえるのに対し、長期投資ではこれらのコス
トを支払うことなく投資が実行できます。
1年収益率では最高68%から最低-46%まで収益率がブレていますが、
20年収益率では最高16%最低-6%とそのブレ幅は小さくなっています。
1 年収益率=1 年 前に購入した株式を売却したときの収益率(年率)
5 年収益率=5 年 前に購入した株式を売却したときの収益率(年率)
20年収益率=20年前に購入した株式を売却したときの収益率(年率)
価 格 変 動 リ ス ク を 抑 え る 方 法
価格が変動する商品を一定の間隔で一定金額を定期的に購入していく方法を「ドルコスト平均法」といいます。
ド ル コ ス ト 平 均 法
価格が大きく変動する商品でも、長期間保有を続けて投資をすることにより、比較的安定したリターン
を得ることができます。
長 期 投 資
上のグラフは株式を保有する期間の長さによる収益率の違いを表しています。
(東証株価指数(TOPIX)の変動率を株式の収益率と見なしています)
※あくまで過去の実績であり、今後を約束または示唆するものではありません。
※東証株価指数(TOPIX)は東京証券取引所が算出、公表しています。
-60
-40
-20
0
20
40
60
80
1年収益率
5年収益率
20年収益率
(%)
1975 1978 1981 1984 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011
(年)
2014
83
84
雨傘しか置いていないと、晴れた日
には売り上げが伸びません。
ひとつのものに集中した場合
雨傘と日傘を置いておくと、晴れた
日も雨の日も安定して売り上げが
あがります。
いくつかの商品に分散した場合
知 識
ミニ知 識
ミニ
分散投資を実行するときに大切なことは、
値動きの特徴が異なる商品を組み合わせる
事です。
◆分散投資とは
◆傘屋さんの例
市場の変化に対して異なる値動きをする商品に分散すると、一般的にリスクを小さくする効果を得
ることができます。
市場の変化に対して同じような値動きをする商品に分散しても、リスクを小さくする効果を得る
ことはできません。
◆値動きの特徴が異なる商品に分散した場合
◆値動きの特徴が似ている商品に分散した場合
運用している資産をひとつだけの商品で運用するのではなく、複数の商品に分けて運用する
方法の事です。
分 散 投 資
個人型確定拠出年金の加入者は、ドルコスト平均法と長期投資は特に意識しなくても実践できます。リスク
をコントロールする大切な方法にはもうひとつ「分散投資」があります。これは確定拠出年金の制度自体に組
み込まれているわけではないので、自分で運用する時に十分気をつけるべき点です。
資産の分散、通貨の分散
資産の分散
預貯金
株 式 債 券
通貨の分散
円
ド ル ユーロ
分散投資を行う際の分散する対象を考えて見ましょう。一口で分散投資といっても、
その分散する対象は資産であったり通貨であったり様々です。自分にとって有効な
分散を見つけることが大切です。
商品Aの
ブレ幅
商品Bの
ブレ幅
商品A、Bに
分散した時のブレ幅
商品Cの
ブレ幅
商品Dの
ブレ幅
商品C,Dに
分散した時のブレ幅
知識
ミニ知識
ミニ
銘柄の分散
株式に投資する場合は、1つの同じ資産であっても価格
変動のリスクは銘柄によって異なっています。したがって、
投資する銘柄数を増やすことによって価格変動リスクを
低くすることができます。投資信託に投資することで、株式
への分散投資が可能となります。
組み入れ銘柄数