• 検索結果がありません。

富士通のレセプトオンライン請求への取組み

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "富士通のレセプトオンライン請求への取組み"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

富士通のレセプトオンライン請求への

取組み

Fujitsu’s Approach to Receipt Online Claim System

あ ら ま し 2006年の省令改正により,診療報酬請求の方法として,安全性が確保されたネットワー ク回線を使用した「レセプトオンライン請求」が追加された。政府方針により2015年度ま でには,原則「電子レセプト請求」(オンライン請求または光ディスクなどを用いた請求) が義務化されることとなっている。レセプトオンライン請求時にインターネット回線を使用 する場合,「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠したサービス事業 者を使用することとなっている。富士通では当初より本ガイドラインに準拠したFENICSメ ディカル・グループネットサービスを提供中であり,オンライン請求用ネットワーク回線を 活用した新たなオンラインサポートサービスにも取り組んでいる。 本稿では,オンライン請求の概要と富士通のオンライン請求への取組み,および本ネッ トワーク回線を活用した中小規模病院向けの新たなサービスについて述べる。 Abstract

Japanese ministerial reforms of 2006 called for a “receipt online claim system” that would use secure network lines for claiming remuneration for medical care rendered. Moreover, electronic receipt claims (online claims or claims using optical disks) are to become mandatory in principle by fiscal year 2015 as a matter of government policy. Making online claims over the Internet requires the use of a service provider abiding by the “Guideline for Security Management of Medical Information Systems”. Fujitsu currently provides the FENICS Medical Group Net Service, which has conformed to this guideline from the start, and is also developing new online support services that use network connections for online claims. This paper outlines the online claim process, introduces Fujitsu’s approach to online claims, and describes new services for small- and medium-sized hospitals that use an online claim network.

西田浩二(にしだ こうじ) パートナーシステム事業部第一シス テム部 所属

現在,中小規模病院向け医療事務シ ステムのパッケージ開発に従事。

(2)

富士通のレセプトオンライン請求への取組み

ま え が き 2006年4月より保険医療機関などから審査支払機 関への診療報酬請求(レセプト)の方法として,従 来の紙媒体,またはフロッピーディスク(以下, FD)などの電子媒体による請求方法に加え,新た にネットワーク回線を使用した「レセプトオンライ ン請求」(1)が追加された。 原則,2015年度までには「電子レセプト請求」 (オンライン請求または光ディスクなどを用いた請 求)が義務化されることとなっている(ただし,一 部のレセプトの電子化が困難な「レセプトコン ピュータを使用せずに手書きでレセプトを作成して いる保険医療機関」については,免除などの例外措 置が取られている)。 このレセプトオンライン請求は,全国規模のネッ トワーク回線を使用し,レセプトの電子データをオ ンラインで受け渡す仕組みである。 レセプトオンライン請求で使用できるネットワー ク回線は,「医療情報システムの安全管理に関する ガイドライン」(2)に従い,安全性が確保されたもの のみである。 富士通は,インターネット回線でオンライン請求 をする際に,このガイドラインに適合した安全性を 確保するためのサービスを2008年より開始してい る。また,中小規模病院向け医療事務システム HOPE/SX-Jでは,従来抱えていた課題解決のため に,このレセプトオンライン請求用のネットワーク 回線を活用した新たな保守サービスも開始した。 本稿では,富士通のレセプトオンライン請求への の取組み,医療事務システムにおけるソフトウェア 保守および運用サポートの効率性の改善という課題 解決に向けたレセプトオンライン請求用ネットワー ク回線を活用した新たなサービス,および今後の展 望について述べる。 レセプトオンライン請求の概要 ● 従来のレセプト請求とその課題 従来のレセプト請求方法は,「療養の給付及び公 費負担医療に関する費用の請求に関する省令」で定 められた紙,または「保険医療機関に係る磁気テー プ等を用いた費用の請求に関する取扱要領」で定め られたFDなどの電子媒体を用いる方法であった。(3) これらの方法においては,各保険医療機関が作成 した紙のレセプト,またはレセプトの電子データを 格納したFDなどの電子媒体を,審査支払機関に持 参・郵送で提出していた。提出したレセプトは,審 査支払機関において受付時に点検され,問題がある ものは,翌月以降に返戻として保険医療機関に差し 戻され,再度レセプト請求が必要となる。 これらの請求方法では,従来以下のような課題が あった。 (1) 紙,FDなどの電子媒体の準備に伴うコスト高 (2) 持参・郵送に起因するデータ紛失事故 (3) 受付点検後返戻による病院収入の遅延 ● レセプトオンライン請求の概要 レセプトオンライン請求は,各保険医療機関から, 安全性が確保されたネットワーク回線を使用し,各 審査支払機関のレセプトオンライン請求サービス (ASPサービス)に接続し,直接レセプトの電子 データをアップロードするという仕組みになって いる。 この仕組みにより,従来の請求方法と比較し,以 下の点を実現している。 (1) 紙,FDなどの電子媒体のコスト削減 (2) 紙,FDなどの媒体の搬送より高い安全性の 確保 (3) アップロード時のレセプトオンライン請求シ ステムでの即時点検による収入遅延の防止 とくに上記(2)の高い安全性の確保については, 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン に従い,安全性が確保されたネットワーク回線の使 用が必須となっている。 安全性が確保されたネットワーク回線には,ダイ ヤルアップ接続,IP-VPN(閉域IP網)接続,およ びIPSec ( Internet Protocol Security ) と IKE (Internet Key Exchange)を組み合わせたイン

ターネット接続がある。 IPSecとIKEを組み合わせたインターネット接続 の場合は,一般社団法人保健医療福祉情報安全管理 適合性評価協会(4)の「支払基金等へのレセプトオン ライン請求用IPSec+IKEサービス事業者に対する チェックリスト」に基づいて医療情報システムの安 全管理に関するガイドラインへの適合性を評価され た事業者のサービスのみ使用可能となっている。

(3)

富士通のレセプトオンライン請求への取組み

富士通のオンライン請求への取組み 富士通では,IPSecとIKEを組み合わせたイン ターネット接続によるレセプトオンライン請求が可 能となった2008年より,医療情報システムの安全 管理に関するガイドラインに適合したサービスとし て「FENICSメディカル・グループネットサービ ス」(5)を開始している。 本サービスは,USBキー,ルータなどを使用し, 富士通データセンターにある認証サーバにより認証 された場合のみ,各保険医療機関と審査支払機関の 間を接続し,通信経路の暗号化,強力な認証,接続 先管理を行う仕組みである(図-1)。 また,富士通は,レセプトオンライン請求の普及 のために,従来,手書きの紙レセプトにより請求し ていた小規模の保険医療機関向けに,HOPE/SX-J の 安 価 な 「HOPE/SX-J 基本パック」の提供を 2009年から開始している。 医療事務システムの新たなサービス ● 医療事務システムが抱える課題 従来から一部の保険医療機関では専用のネット ワーク回線を敷設することでセキュリティを確保し ながら,リモートメンテナンスなどの環境を整備し ていたものの,セキュリティ事故防止,専用線の敷 設にかかわる投資費用・運用費用の抑制などの理由 から,保険医療機関においてはネットワーク回線が 必ずしも普及しているとは言えない状況であった。 こういう状況の中,医療事務システムにおいては 以下の課題があった。 (1) 修正プログラムの発送・適用時間の短縮 医療事務システムは,診療報酬の請求にかかわる 点数改定,医療保険制度の改定(以下,医療改定) に対応した修正プログラムを短期間で,かつ高品質 に全国の保険医療機関(HOPE/SX-Jについては, 2010年2月時点で約13 000機関)に提供する必要が ある。 すでに述べたように,従来は保険医療機関には ネットワーク回線が普及しているとは言えない状況 であったため,こうした修正プログラムはCDなど の電子媒体で提供していた。この電子媒体の提供に は,電子媒体のコピー作業,発送作業から保険医療 機関での修正プログラムの適用・動作確認などの作 業期間が必要であった。 電子媒体のコピー作業,発送作業にかかわる作業 時間,ならびに保険医療機関における適用作業時間 は,開発元だけでなく,保険医療機関や販売・サ ポート会社にとっても負担となっており,こうした 作業の時間を短縮し,保険医療機関,販売会社の負 担を減らすことが課題であった。 (2) 緊急トラブルへの早期対応の実現 販売・サポート会社は,担当している保険医療機 関で緊急トラブルなどがあった場合には,すでに述 べたように必ずしもネットワークが敷設されていな い状況のため,早期トラブル解決に向け,遠隔地・ 離島にかかわらず現地へ行く必要があった。現地へ 【富士通データセンター】 インターネット USBキー 【医療機関A】 【審査支払機関】 IPSec+IKE IPSec+IKE ゲートウェイ USBキー 【医療機関B】 【第三者】 図-1 FENICSメディカル・グループネットサービス Fig.1-FENICS Medical・GroupNetService.

(4)

富士通のレセプトオンライン請求への取組み

移動してから調査・情報収集を行うため,「トラブ ル解決に時間がかかってしまう」といった問題が あった。 ● 修正プログラムのオンライン配信の実現・効果 レセプトオンライン請求による保険医療機関への ネットワーク回線の普及が進み,こうした医療情報 システムの安全管理に関するガイドラインに適合し たUSBキーなどによるセキュアなネットワーク接 続を流用・活用することで,前述した修正プログラ ムの発送・適用時間の短縮,緊急トラブルへの早期 対応が実現できると考えた。 そこで富士通では,まずレセプトオンライン請求 用のセキュアなネットワーク接続として,FENICS メディカル・グループネットサービスを活用した 「HOPEアップデートセンター」サービスを立ち上 げた。 HOPEアップデートセンターは,セキュアな ネットワーク接続を使用して,修正プログラムを直 接保険医療機関でダウンロードし,HOPE/SX-Jに 適用することが可能となる仕組みである(図-2)。 まず修正プログラムを富士通データセンターにあ るサーバに配置する。 各保険医療機関はFENICSメディカル・グループ ネットサービスの仕組みを利用し,富士通データセ ンターにあるサーバに接続し,必要に応じて修正プ ログラムを直接ダウンロードし,HOPE/SX-Jに適 用する。 このHOPEアップデートセンターを利用するこ とで,従来の電子媒体のコピー作業,発送作業のコ ストが不要となるとともに,より短期間に全医療機 関への修正プログラムの提供が可能となり,保険医 療機関などにおける修正プログラムの適用時間を減 らすことが可能となるのである。 ● リモートメンテナンスの実現・効果 緊急トラブルへの早期対応に関して,レセプトオ ンライン請求用ネットワーク回線を活用し,医療情 報システムの安全管理に関するガイドラインに適合 したネットワーク接続方式を活用した各保険医療機 関と販売会社事務所間でのリモートメンテナンス サービスを販売会社向けに開始した。 本サービスは,FENICSメディカル・グループ ネットサービスの仕組みを利用し,販売会社事務所 と担当の各保険医療機関を接続し,直接販売会社事 務所から保険医療機関のパソコンをリモート操作で きるようにする仕組みである(図-3)。 本サービスを利用することで,移動時間,コスト の削減につながり,トラブル時における即時対応を 実現することが可能となるため,遠隔地・離島の保 険医療機関などでは,大きな効果が期待できる。 【富士通データセンター】 閉域IP網 インターネット 修正プログラム USBキー 【医療機関A】 適用 IPSec+IKE ゲートウェイ HOPE IPSec+IKE USBキー 【医療機関B】 HOPE ダウンロード 図-2 HOPEアップデートセンターの概要 Fig.2-Outline of HOPE updatecenter.

(5)

富士通のレセプトオンライン請求への取組み

【富士通データセンター】 閉域IP網 USBキー 【医療機関A】 IPSec+IKE 【販売会社】 セン タ ル ー タ USBキー 【医療機関B】 IPSec+IKE ゲートウェイ 図-3 リモートメンテナンスの概要 Fig.3-Outline of remote maintenance.

今後の展開 レセプトオンライン請求用ネットワークを活用し た富士通の今後の展開について述べる。 (1) HOPEアップデートセンター機能の拡充 今後は,活用シーンの拡大,利便性の向上に向け た更なるコンテンツの拡充を目指す。 (2) HOPEアップデートセンターの横展開 今まではHOPE/SX-Jを中心にHOPEアップデー トセンターサービスを実現してきた。こうしたネッ トワーク回線を使用し,修正プログラムを提供する サービスは,医療事務システムに限らず,ほかの病 院情報システムにおいても有効なサービスである。 今 後 は 無 床 診 療 所 向 け 電 子 カ ル テ シ ス テ ム HOPE/EGMAIN-CX ,介護事業者支援システム HOPE/WINCARE へ も HOPE ア ッ プ デ ー ト セ ン ターサービスを展開し,中小規模病院における HOPEシリーズ全体のサポート効率化の実現を目 指していく。 む す び 本稿では,レセプトオンライン請求の概要と,レ セプトオンライン請求への富士通の取組み,および レセプトオンライン請求用ネットワーク回線を活用 した医療事務システムの新たな保守サービスなどに ついて述べた。 レセプトオンライン請求の普及によって,今後は 保険医療機関におけるネットワーク環境が整備され ていくと思われる。このため,本ネットワークを活 用した地域医療連携の拡大が期待される。富士通は, これからもレセプトオンライン請求の普及に貢献し ていくとともに,地域医療連携による医療の質の向 上に向けた病院情報システムを実現していきたいと 考えている。 参 考 文 献 (1) 社会保険診療報酬支払基金. http://www.ssk.or.jp/index.html (2) 厚生労働省:医療情報システムの安全管理に関す るガイドライン 第4.1版(平成22年2月). http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/s0202-4.html (3) 新明細書の記載要領(医科・歯科・調剤/DPC)平 成20年4月版.社会保険研究所,2008. (4) 一般社団法人保健医療福祉情報安全管理適合性評 価協会. http://www.hispro.or.jp/ (5) FENICSメディカル・グループネットサービス. http://fenics.fujitsu.com/networkservice/medical/

参照

関連したドキュメント

このような情念の側面を取り扱わないことには それなりの理由がある。しかし、リードもまた

たとえば、市町村の計画冊子に載せられているアンケート内容をみると、 「朝食を摂っています か 」 「睡眠時間は十分とっていますか」

はありますが、これまでの 40 人から 35

何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,請求人は,請求人

「欲求とはけっしてある特定のモノへの欲求で はなくて、差異への欲求(社会的な意味への 欲望)であることを認めるなら、完全な満足な どというものは存在しない

 ファミリーホームとは家庭に問題がある子ど

「普通株式対価取得請求日における時価」は、各普通株式対価取得請求日の直前の 5

しかしながら、世の中には相当情報がはんらんしておりまして、中には怪しいような情 報もあります。先ほど芳住先生からお話があったのは