コンピュータ入門 第
13回
マルチメディアデータ 〜絵の描き⽅〜絵の描き⽅ 〜グラフの書き⽅〜 〜LaTeXへの貼り込み〜本日の話題
画像,⾳声ファイルの形式
UNIXでのお絵かき
UNIXでのお絵かき
tgif
UNIXでのグラフ書き
GNU plot
LaTeXへの絵の貼り込み
画像・音声
画像ファイルの種類
(1)
画像の表現⽅法は⼤きく分けて⼆つ
ビットマップ画像
ビットマップ画像
点の集合で画像を構成 9 表⽰する際には,すべてビットマップで表現されるので,計 算機での表⽰を⽬的とする場合はよく使われる 9 拡⼤縮⼩すると,ギザギザになったりつぶれたりする 画像中のオブジェクト(形のある物体)は認識不能 9 「画像中の円の中」のような指定はできない 9 「画像中の円の中」のような指定はできない ¾ photoshopなどのソフトウェアは各オブジェクトごとに layerを作成することでオブジェクトの認識を実現してい る そのまま保存するとサイズが⼤きくなる画像ファイルの種類
(2)
ベクトル画像
座標と数式の組み合わせで画像を表現 9 それぞれのオブジェクトを「⾚い幅1mmの線で,直径5cm の円を,座標(28,64)を中⼼として描く」のような感じで表 現 9 写真などのような微妙なグラデーションや複雑な表現は困難 画像中のオブジェクトを認識可能 9 画像を構成する要素を,それぞれ独⽴した図形として個別に 認識 5 認識 9 「⾚い円」などの指定が可能 9 図形の移動や拡⼤縮⼩が⽐較的簡単に⾏える サイズは⽐較的⼩さくて済む(場合による) 教育⽤計算機では, “tgif”, “xfig” などが利⽤可能画像での色の扱い
計算機での⾊表現
R(Red), G(Green), B(Blue)…光の三原⾊
3⾊の光を均等に混ぜると⽩(灰⾊)になる RGBの混ぜ具合ですべての⾊を表現(加⾊混合) RGBのそれぞれの強さを8bit(256段階)で指定 よって,256 x 256 x 256 = 1,678万⾊ 24bit カラー という呼び⽅をすることもある ⾊表現の具体例 ⾊表現の具体例
インデックスカラー
24bit…⾊を表すために多くのメモリが必要
あらかじめ使う⾊を表(カラーマップ)として⽤意
しておき,RGBではなく⾊番号で⾊を指定
インデックスカラー⽅式 ⼀般に 256⾊ 画像ファイルのサイズが⼩さくできる 7 色番号1 色番号2Red Green Blue
1 255
0
0
2 0
0
235
RGBでないもうひとつの⾊表現
C(Cyan), M(Magenta), Y(Yellow), K(⽩⿊部分) 3⾊を均等に混ぜると⿊になる
CMYKカラー
3⾊を均等に混ぜると⿊になる 正確に⿊を作るのが難しいので、⿊を追加 カラー印刷物は,これらのインクを混ぜて印刷 カラーコピーやプリンタでも同じ 9 インクジェットプリンタのインク(最近は中間⾊も利⽤されるが) RGBより⼀⾊多いので,データ量は増えるグレースケールと白黒
モノクロ画像の表現⽅法(⽩⿊写真)
⽩から⿊までのグレーを諧調表現
⽩から⿊までのグレ を諧調表現
⼀般には 256階調(8bit) RGBに⽐べて 1/3 のサイズですむ⽩⿊(2値画像)
グレーはなく,⽩か⿊のみで表現(1bit)
般的なコピ ファックス ⼿書きの⽂書など 9 ⼀般的なコピー,ファックス,⼿書きの⽂書など グレー部分は,⿊点の密度を調整して表現 9 ので、さらにコピーするときには注意が必要画像ファイルサイズは⾮常に⼩さくて済む
画像データの圧縮
ビットマップ画像をそのまま保存するとサイズが⼤
きくなる
1ドットあたり24ビット.1024x768サイズの画像をそ のまま保存すると18874368ビット.約18MBytes あるいは,200万画素(1600x1200)のデジカメ: 約 16MBytes⼤きなデータを⼩さくしたい…
圧縮
品質重視の場合はそのまま(⾮圧縮) 品質重視の場合はそのまま(⾮圧縮) WWWなど多少劣化してもサイズが⼩さいことが望まれ る場合は圧縮圧縮の種類
圧縮の種類は⼤きく分けて次の⼆つ
可逆圧縮
可逆圧縮
伸⻑(展開)した時に,元のデータとまったく同じに 戻る ⾮可逆圧縮に⽐べると圧縮率は低い ⾼品質なデータを必要とする場合に利⽤⾮可逆圧縮
11 伸⻑した時に,元のデータと若⼲異なる状態に戻る 9 写真などでは,⼈の⽬ではほとんど違いはわからない程度 可逆圧縮に⽐べ,圧縮率は⾼い 品質よりサイズが重要な場合に利⽤ビットマップ画像のためのファイル形式
よく⾒かける主なもののみ紹介(それ
以外はテキストなどを参照のこと)
以外はテキストなどを参照のこと)
画像ファイル形式
(1)
TIFF(Tagged-Image File Format)
ビットマップ,⾮圧縮(圧縮もサポート)
ビットマップ,⾮圧縮(圧縮もサポ ト)
拡張⼦: .tiff, .tif
規格として⾃由度が⾮常に⾼いため,互換性に
問題
スキャナ取り込み,画像の編集・加⼯で多⽤
13画像ファイル形式
(2)
GIF
(Compuserve Graphics Interchange Format)ビットマップ,可逆,インデックスカラー(256⾊) 拡張⼦: .gif WWWで多⽤ GIFの圧縮アルゴリズムの特許関係が問題 9 2004年6⽉に失効 ⾮圧縮 GIF を利⽤するかPNGなどを利⽤するほうがよい 透明⾊やインターレースをサポート明 インターレース: 最初,荒い画像が表⽰され,じわじわときれい な画像に変わっていくような形式
画像ファイルの形式
(3)
animated-GIF(.gif)
複数毎の静⽌画(gifファイル)を連続して表⽰
複数毎の静⽌画(gifファイル)を連続して表⽰
ほとんどのブラウザで直接表⽰可能
⼿軽に作ることができる
1 2 3 4 15 繰り返し画像ファイル形式
(4)
JPEG
(Joint Photographic Experts Group)ビットマップ,可逆・不可逆
ビットマップ,可逆 不可逆
拡張⼦: .jpg, .jpeg
WWWで多⽤
写真など⾃然画像が得意
圧縮率を⾃由に設定可能
数分 から数⼗分 数分の1から数⼗分の1 圧縮率が低いほうがノイズが少ないインターレースに対応
画像ファイル形式
(5)
PNG(Portable network Graphics)
ビットマップ,可逆, RGB・インデックスカラー 拡張⼦: .png WWWに焦点をおいたGIFの発展・改良版 圧縮率改善,美しいインターレース GIFの圧縮アルゴリズムに関する特許問題を避けるため にも,PNG を利⽤することが推奨されていた. しかし,2004年6⽉にGIFに関する特許しは失効 17 しかし,2004年6⽉にGIFに関する特許しは失効 画像の種類によっては JPEG
ベクトル画像のためのファイル形式
画像のファイル形式
(6)
PS(PostScript)
ビットマップ,ベクトル,⾮圧縮・不可逆 拡張⼦: ps eps epsi 拡張⼦: .ps, .eps, .epsi Adobe社が開発 ページ記述⾔語 ページ単位でグラフィックや⽂字を記述 PSを理解するプリンタ(PSプリンタ)も存在 9 本システムのプリンタはPSプリンタ UNIXでは “ghostview” “ggv”コマンドなどで表⽰可能 19 UNIXでは ghostview , ggv コマンドなどで表⽰可能 “PSファイル”と呼ぶ LaTeXへの図の貼り込みの際はPSファイルで 実際には EPS(PSファイルの形式のひとつ)(.eps) 他にも,EPSI という形式も存在(.epsi)画像のファイル形式
(7)
PDF(Portable Document Format)
ビットマップ,ベクトル,圧縮・不可逆 拡張⼦: pdf 拡張⼦: .pdf Adobe が開発 PSをベースに開発されたドキュメント配布⽤ファイル形 式 PSファイルからの変換が容易に可能 圧縮されているのでPSファイルよりファイルサイズが⼩ さ さい “PDFファイル”と呼ぶ 学会への論⽂提出、本学科でのレポート提出など、最近 の標準フォーマットとなっている。
ベクトル画像のためのファイル形式
各ソフトウェア独⾃形式のファイル形式が多い
基本的に売り物のソフトウェアが多い
基本的に売り物のソフトウェアが多い
ので、以下すべてWindows,Mac⽤ソフトウェア Adobe Illustrator (.ai) 実はPS形式の拡張
Microsoft PowerPoint (.pptx) Corel CorelDraw (.cdr)
それぞれ PS PDF形式でもファイルを出⼒できる
21それぞれ、PS,PDF形式でもファイルを出⼒できる
場合が多い
ただし、そのPS,PDFファイルはそのまま編集はできない ので、編集⽤には上記の形式で保存すること画像編集用プログラム
教育⽤計算機上で利⽤可能なもの
xpaint : ビットマップ専⽤ GIF,JPEG,PSなど多彩な形式で保存可能 tgif : 基本的にベクトル画像 UNIXで利⽤されるベクトル画像⽤プログラムとしては,xfig と 並んで有名 GIF, PS などの保存形式をサポート LaTeXとの組み合わせ時に利⽤される gimp: ビットマップ専⽤(ホームページから参照) 超⾼機能画像加⼯・編集プログラム 超⾼機能画像加⼯ 編集プログラム アニメーションgif などが簡単に作成可能 convert: 画像変換専⽤コマンド 透明gifへの変換.画像形式の相互変換などが可能音声ファイル
⾳声ファイルについては,形式による差はほとんどない 代表的な⾳声ファイル形式
AUフォーマット: .au (Sunのフォーマット)
AIFF: .aiff, .aif (CDの形式)
AIF-C: .aifc (圧縮あり AIFF)
MS RIFF WAVE: .wav
⼀般にサイズが⼤きくなるので 取り扱いに注意 23 般にサイズが⼤きくなるので,取り扱いに注意 著作権なども⼗分に考える事
音声ファイル
(補足)
最近は圧縮形式の⾳声ファイルが普及している。
著作権問題に対応可能な形式も多い
著作権問題に対応可能な形式も多い
主な形式
mp3(MPEG-1 Audio Layer-3): .mp3
圧縮⾳声形式のスタンダード
AAC(Advanced Audio Coding): .m4aなど
Apple の iTunes iPod で採⽤ Apple の iTunes, iPod で採⽤ 著作権管理が可能
ATRAC3:
音声ファイル
(補足)
ハードディスク、不揮発メモリなどの⼤容量化によ
り可逆圧縮形式も普及してきている
主な形式
FLAC(Free Lossless Audio Codec): .flacなど ALAC(Apple Lossless Audio Codec): .m4aなど
Apple の iTunes, iPod で採⽤ 著作権管理が可能 25 著作権管理が可能 いずれも圧縮率は50%程度 オリジナルの情報が保証されているので、いつでも別のフォーマッ トに乗り換えられる
GNUPLOTを使ってみよう
GNUPLOTって?
簡単に複雑なグラフが書ける
実験等で結果をグラフにしなければならない グラフ⽤紙にいろんな⾊で線を引く…⾯倒 そんなとき,gnuplot!! x,yなどの変数の変域指定&関数式⼊⼒ ⾃動的にグラフを書いてくれるさまざまな出⼒形式
LaTeXのpic形式,eps形式,tgif形式… LaTeXで書いたレポートに簡単貼り込み 27 tgifで簡単編集コマンドプロンプトからのインタラクティブ(対話
的)な操作
やってみよう
gnuplot [Return]
plot x*x
plot log(x)
plot x*x, log(x)
splot x*y
set hidden3d
replot
2次元グラフの基礎
plotコマンド
“plot [x変域] [y変域] 関数” が基本的使い⽅
変域 と呼ぶ 変域: range と呼ぶ 関数: function と呼ぶ たとえば, plot [0:10] 1-exp(-x) …P.204図11.1他にも,媒介変数を使ったグラフ(P.215)も
parametricモ ドと呼ぶ(parameter:媒介変数) 29 parametricモードと呼ぶ(parameter:媒介変数) たとえば,x2 + y2 =1(円)plot [0:2*pi] [-1:1] [-1:1] cos(t), sin(t) 媒介変数(t)の範囲 xの範囲 yの範囲 x=cos(t) y=sin(t)
実験データをグラフ化
関数(連続的数値)ではあらわせない離散的
(⾶び⾶びの)データをグラフ化したい
データファイルを⽤意
plot “datafile”で書くことができる
データファイルの書き⽅
各⾏に x y の値を並べて書いていく 各⾏に,x,y の値を並べて書いていく #実験データ 1 100 2 85 gnuplotで処理 (x,y)=(1,100),(2,85),(3,130),(4,226)どんなグラフが書けるか?
主なグラフ表⽰⽅式
lines: 各点を線で結ぶ
150 200 250lines: 各点を線で結ぶ
points: 各点に点を打つ
dots: points より⼩さな点
linespoints: 点を打って線で結ぶ
impulse: x軸へ垂線を引く
棒グ
0 50 100 150 1 2 3 4 31boxes: 棒グラフ
など
他にできること
グラフの説明(キーの設定)
軸の⽬盛りの変更
軸の範囲,間隔指定可能グラフサイズの変更
縦横⽐を指定可能 円が楕円になったりするのを防ぐ図にタイトルをつける
軸に説明をつける
軸に説明をつける
格⼦(グリッド)の表⽰をon/off
グラフへのコメント等の書き込み
などなど
出力形式の指定
set terminal 出⼒形式
で形式を指定
ピクチャーフォーマット(LaTeX形式) LaTeXのコマンド群を使ってグラフ表⽰ 9 どこへ持っていっても同じグラフを印刷可能 9 LaTeXソースファイルがややこしくなる eps形式 LaTeXへの取り込みはこれで⾏うのが無難 9 テキストの貼り込みの例は古い形式なので注意!! tgif形式 33 tgif形式 tgifでの編集を⾏いたい場合はこれ 9 編集後,eps形式で保存すれば LaTeXに貼り込めるset output “ファイル名”
でファイル名を
指定
わからなくなったら
“help”機能あり
set [Return] とやってみよう
やってみよう2
gnuplot [Return]
set terminal postscript
eps
set output “gnuplot.eps”
splot x*y
exit
35exit
ggv gnuplot.eps
バッチファイル
グラフを書いて,軸の名前をつけて…
せっかく設定しても,gnuplot を終了させると
せっかく設定しても,gnuplot を終了させると
みんな忘れてしまう → もったいない!!
スクリプトファイル
gnuplotへの命令群をすべてファイルとして⽤意
gnuplotで読み込むと,順に実⾏してくれる
# 二次関数 set size 0.75, 1LaTeXへの図の貼り込み
LaTeXに図を貼る!!
レポートなどには,図やグラフは必須
LaTeXに図を貼りこむ場合は
EPS形式の
LaTeXに図を貼りこむ場合は,
EPS形式の
ファイル
を⽤意
EPS形式のファイルは,
tgif, gnuplot は,出⼒形式を EPSに指定
その他の図(GIF,JPEG等)は,画像変換コマンド (convertなど)を⽤いて EPSに変換