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Vol.13 , No.2(1965)042立花 孝全「大悲の考察-Bhavanakrama を中心として-」

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Academic year: 2021

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(1)

-B h a v a n a k r a m a を 中 心 と し て

-立

一 チ ベ ッ ト 佛 教 に お け る 初 期 佛 敏 敏 理 は、 大 悲 に は じ ま り 大 悲 に お わ る と い つ て も 過 言 で は な い。 こ れ は、 ソ ン ツ ェ ン ガ ン ポ 王 よ り こ の 方、 王 者 の 心 構 え に も 通 ず る も の と し て、 強 く 關 心 を よ ん だ も の と も い え よ う。 パ ド マ サ ン ブ ハ ヴ ァ= パ ド

マは、Tshig lhun pahi a ra po tsa nahi sgrub thabs

に、 ﹁こ の 大 悲 す な わ ち 菩 提 心 と は、 俗 世 間 に あ つ て は 王 道 保 持 と、 出 世 間 に あ つ て は 菩 提 心 生 起 と の 二 つ に わ け ら れ る ﹂ ( V o l. 80. D u l l a) と の べ て い る。 特 に、 大 悲 を 核 と し た 戒 律 へ の 發 展 展 開 は 重 要 で あ り、 十 六 戒 な ど は こ の 好 例 で あ ろ う。 B h a v a n a k r a m a= B h. に、 慈 ( M a it ri; B y a m s p a) と は、 ﹁ 慈 水 に よ つ て 心 の 相 績 を 圓 滑 に す る ﹂ ( V o l. 1 02. A 4 6 b. C f. T a t tv as a m g r a h a p a n ji k a= T a tt va. p a n. V ol. 1 3 8. Y e 3 7 9 b) 作 用 を も つ も の で あ り、 大 悲 ( M a h a k a r u n a; S n in r je c h e n p o) と は、 ﹁ 諸 の 苦 痛 の 衆 生 に 封 し て、 そ の 苦 痛 か ら 解 脱 せ し め ん と す る 心 ﹂ ( V ol. 1 02 A46 b-47a. C f. D ad sh y e d s g r o n m a. V ol. 129. N e 410 b, 414 b.) で あ る こ と が の べ ら れ て い る。 慈 は 大 悲 に よ つ て 包 撮 さ れ る い み を も ち ( V o l. 1 0 2 A 46 9-b)、 ま た、 大 悲 を す べ て の も の の 最 初 に お く。 以 下、 カ マ ラ シ ー ラ ーー カ マ ラ のBh. を 中 心 に、 大 悲 に つ い て 検 討 し よ う。 二 B h. 第 一 部 に、 二 切 智 を 速 や か に 得 謹 せ ん と ね が う 者 は、 ま さ に、 大 悲 と 菩 提 心 と 行 と の 三 事 を 熱 心 に 學 ぱ な け れ ば な ら な い ﹂ ( V o l. 10 2. A 2 2 a) と い い、 第 二 部 に お い て も ほ ぼ 同 じ で あ る ( V o l. 1 0 2. A 46 a)。 そ れ は、 ﹁ も し 人 あ つ て、 一 切 智 性 を 速 や か に 成 ぜ ん と す る な ら ば、 分 別 を 倶 有 し て、 そ れ を 成 辮 せ し め る 諸 因 と 諸 縁 に 向 つ て 努 力 す べ き で あ る ﹂ ( V o l. 10 2 A 4 6a) と 同 格、 同 内 容 に お き か え ら れ て い る。 大 悲 な ど の 得 謹 の 因 を 観 縁 起 で あ る と す る カ マ ラ の 見 解 は、 T a t t v a. p an. 巻 一 に お い て 明 ら か と な る ( V o l. 1 3 8. H e 1 7 6 b-1 7 7 a)。 大 悲 に つ い て は、 ﹁ 人 は 根 本 で あ る 所 の 大 悲 を 修 習 し お わ 大 悲 の 考 察 ( 立 花) 二 一 三

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-656-大 悲 の 考 察 ( 立 花) 二 一 四 つ て か ら、 菩 提 心 を 修 習 す べ きこある﹂(Vol. 102 A 48 a. Cf. R u a

l hbyor sgom pa la hjug pa. Vol. 102 A 70b) と

し、 菩 提 心 に つ い て は、 ﹁ こ の 菩 提 心 に は 二 種 類 あ つ て 願 心 と 佳 心 と で あ る ﹂ ( V o l. 1 02 A 25a. C f. V o l. 1 0 2 A 7 4 b) と し て い る。 大 悲 重 覗 の 嗜 矢 と 目 さ れ る 佛 典 に、 ﹃ 喩 伽 論 ﹄ ( 大 正 藏 ・ 三 〇 雀 ・ 四 八 三 頁 上)、 ﹃ 華 嚴 経 ﹄ ( 大 正 藏・ 一 〇 巻 ・ 一 八 一 頁 上)、 ﹃ 大 寳 積 経 ﹄ 菩 薩 藏 會 ( 大 正 藏 ・ 一 一 巻 ・ 二 一 〇 頁 中) 等 々 が あ る。 こ の 貼 で は、 ﹃ 大 日 経 ﹄ の 菩 提 心 を 首 と す る こ と と は 著 し く こ と な る。 從 つ て、 ﹁ か く し て、 佛 法 の す べ て の 因 の 根 本 は、 じ つ に、 大 悲 よ り は じ ま る と 知 る と き、 人 は 無 上 正 等 畳 を 得 謹 す る で あ ろ う ﹂ ( Vo l. 1 02. A 2 2 a) に 績 い て、 二 切 佛 法 の 因 の 根 本 は、 じ つ に、 大 悲 で あ る と 知 る べ き で あ る。 從 つ て、 ま ず 最 初 に 大 悲 を 修 習 す べ き で あ る ﹂ ( Vo l. 1 0 2 A 4

6a. Cf. Dbu ma snan ba shes bya ba. Vol. 101. Sa 247a)

と、 そ の 基 本 的 立 場 を 明 ら か に し て お り、 ﹃ 菩 提 心 論 ﹄ の 大 悲 の 解 繹 に 極 め て 近 い。 さ ら に、 こ の よ う な 観 貼 は、 ﹁ 第 一 義 と は 何 で あ る か と い う な ら ば、 そ れ は す な わ ち 大 悲 で あ る。 ⋮ ⋮ 無 佳 浬 葉 の 因 は、 そ の 大 悲 そ の も の で あ る

﹂(Vol. 102. A 46a-b. Cf. De kho na

n

id

snan ba shes bya bahi rab tu byed pa. Vol. 101. Sa

2 4 7 a, 2 7 5 a, 2 8 5 b. H p h a g s p a s a l u lj a n b a r g y a c h e r h g r e l p a. V o l. 1 0 5. J i 1 75a) と 読 き、 ま た ﹁ 諸 菩 薩 の 大 悲 は 無 壼 で あ る。 そ れ は 何 の 故 に で あ る か と い う な ら ば、 先 導 の 故 に で あ る ﹂ ( Vo l, 10 2. A 2 2 a) と も 構 す る。 カ マ ラ は、 菩 提 心 に 先 行 し、 先 導 す る も の と し て、 第 一 義 的 根 本 と し て の 大 悲 を 認 め て お

り、Chos thams cad ran bshin med pa nid du

g r u b p a ( Vo l. 1 0 1. S a 3 3 6 b) に、 ﹁ 菩 提 心 は 大 悲 を 先 導 と し て、 一 切 の 衆 生 を 饒 盆 す る。 こ れ す な わ ち 中 道 で あ る ﹂ と い う の は、 ま さ に、 こ の こ と に 他 な ら な い。 大 悲 は、 菩 提 心 を 現 前 に 顯 現 し、 大 悲 と 菩 提 心 と を 修 習 す る こ と が、 と り も 直 さ ず、 止 と 観 と の 修 習 で あ り、 六 波 羅 蜜 多 の 修 習 で あ る と も の べ て い る。 カ マ ラ は、 大 悲 を 室 性 と も み る。 す な わ ち、 ﹁ 大 悲 の 位 に 住 す る の 故 に、 一 切 の 種 類 の 最 勝 室 を も つ た 室 性 を 明 ら か に 成 辮 す る 所 の 輝 定 を な す ﹂ ( V o l. 10 2 A 5 6 b) と の べ、 績 い て、 室 性 と は、 六 波 羅 蜜 多 で あ る こ と を 順 次 に 説 明 し て い る。 結 局、 ﹁ 室 性 と 大 悲 の 藏 を 倶 す る 者 は、 無 上 正 等 畳 に 麟 入 す る ﹂ ( V o l. 1 0 2. A 5 9 a. C f. D b u m a h i r g y m g y i d k a h h g r e l. V o l. 101. S a 1 3 0 a. S m o n la m m u g n is m a. V o l. 150. M o 3 1 3 a) の で あ り、 ﹁ そ の 大 悲 心 を. 開 示 し、 最 勝 戒 と 最 勝 定 と 最 勝 慧 と を こ と ご と く 圓 瀧 せ し め る 無 上 正 等 畳 を 現 前 に 成 辮 す る ﹂ ( Vo l. 10 2 A 3 8 a) の で あ る。 三 ﹁ 大 悲 を も つ て、 あ ま ね く 世 間 の 迷 妄 の 住 を 噺 絶 す る ﹂ ( V ol. 101. S a 3 3 2 b) こ と は で き る と し て も、 こ れ だ け で は、 軍 に 観 念 的 な も の と し て 受 け と ら れ や す い。 そ こ で ﹁ 大 悲 心 を

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-657-開 示 し ⋮ ⋮ こ と ご と く 圓 瀧 せ し め る ﹂ も の と し て、 菩 提 心 は 菩 薩 行 に ま で 展 開 さ れ な け れ ば な ら な い。 す な わ ち、 ﹁ ( 六 波 羅 蜜 多 を) 成 辮 す る こ と が な い な ら ば、 菩 提 を 謹 す る こ と も な い で あ ろ う ﹂ ( V o l. 1 0 2 A25 a) と し、 さ ら に ﹁ か の 菩 薩 の 行 と は 又、 要 略 す れ ば、 智 慧 と 方 便 と の 自 性 で あ る ﹂ ( Vo l. 10 2. A 2 5 b)。 カ マ ラ は、 ﹁ 大 悲 を 一 切 の 衆 生 に 封 し て、 箏 等 に 行 じ た と き、 大 悲 と い う 名 は 獲 得 さ れ る ﹂ (V o l. 1 02 A 4 7 b) よ り 進 ん で、 ﹁ 十 方 の 衆 生、 あ る い は、 一, 切 の 衆 生 の う ち で 苦 悩 す る 者 が も し も あ る な ら ば、 次 第 に 從 つ て 救 度 し よ う と 欲 し て、 長 時 に わ た つ て、 自 分 は 諸 の 大 悲 本 來 の 性 質 を も つ て、 我 性 を 李 等 に せ ん と す る の で あ る。 こ こ に お い て、 ( 李 等 心) 圓 満 で あ る が 故 に、 こ の 時 は 名 づ け て、 大 悲 の 名 字 を 獲 得 す る ﹂ ( Vol. 1 0 2. A 2 3 b-2 4a) と す る の で あ る。 ﹁ 次 第 に 從 つ て 救 度 し よ う と 欲 す る ﹂ と は、 第 一 潭 定 地 よ り 第 四 繹 定 地 (V o l. 1 02. A 3 2 b) に、 あ る い は、 菩 薩 第 一 地 よ り 第 十 地 ( V o l. 10 2. A 3 9 b-4 H b. C f. V o l. 1 3 8. H e 3 38 a) ま で を い み し、 さ ら に、 止 ・ 観 は、 ﹁ 喩 伽 所 作 の 根 元 ﹂ ( V o l. 1 02. A 4 9 b) で あ る と す る。 こ の よ う な い み に お い て、 カ マ ラ は、 ﹁ 大 悲 ば 修 習 次 第 の 第 一 歩 ﹂ ( V o l. 1 0 2 A 4 6 b) で あ り、 從 つ て、 入 信 の 根 元 で あ る、 と す る の で あ る。 も と も と、 大 悲 は、 ﹁ 一 切 佛 法 の 根 本 で あ る ﹂ か ら、 ﹁ 大 悲 に よ つ て あ ま ね く、 衆 生 と 群 生 と を 利 釜 せ し め ん と し て、 菩 薩 は 願 力 を 施 設 す る ﹂ ( V o l. 1 0 2. A 3 6 b. Cf. Vo l. 10 1. S a 1 3 8 a) の で あ り、 發 大 悲 は、 ﹁ 諸 菩 薩 が 自 性 に お い て、 己 れ の ご と く に 他 人 を 極 め て 利 盆 す る ﹂ (V o l. 1 0 2. A 22 b. Cf. V o l. 101. S a 2 4 7 b, 3 3 7 a) こ と に 發 展 す る。 B h. に い う 三 事 は 究 寛 じ て、 大 悲 の 展 開 で あ り、 そ の 囑 性 で な け れ ば な ら な い。 カ マ ラ に お け る 第 一 義 の い み は、 こ の よ う な 厩 性 を 含 ん で の 大 悲 と 考 え ら れ る。 究 寛 卒 等 方 便 帥 大 悲 の 義 も、 こ の よ う な い み に お い て 了 解 さ れ る。 大 悲 と い う よ り も、 大 悲 の 行 道 と 名 つ く べ き も の か も し れ な い が、 心 行 一 如 の 本 質 的 立 場 よ り、 か り に、 次 第 的 順 序 に 從 つ て 大 悲 と 稻 す る の で あ る。 こ の 行 的 發 展 は、 す で に、 パ ド マ に お い て も み ら れ る。 す な わ ち、 大 悲 の 屡 性 を " ア " ま た は、 " ウ ン " と す る ( Vo l. 80. No. 4 0 0 7, 4 13 1)。 こ の 眞 言 は、 そ れ が そ の ま ま 行 で あ る か ぎ り、 大 悲 は そ の 行 道 を 内 に 包 撮 す る も の で あ ろ う。 カ マ ラ の こ の よ う な い み に お け る 大 悲 を 明 白 に 示 し て い る も の に、 T a tt val. p a n. が あ る。 す な わ ち、 ﹁ 大 悲 は ⋮ ⋮ 諸 の 苦 悩 な ど に 纒 綿 す る こ と か ら 消 除 せ し め る。 そ し て、 一 切 の 輪 廻 は、 随 眠 で あ る と 了 知 し て、 そ の 後 に、 こ の 随 眠 よ り 人 を 救 い、 か つ、 護 ら ん と の 義 に 誓 願 を い た す。 こ こ に お い て、 そ れ ら の 修 習 に 入 る 所 の 因 の 根 本 は、 大 悲 に 他 な ら な い ﹂ ( V ol. 1 3 8. Y e 3 62 a) の で あ り、 大 悲 は 行 と し て う け と ら れ な け れ ば な ら ず、 ﹁ 大 悲 は、 わ れ と わ が も の と い う の で は な い。 大 大 悲 の 考 察 ( 立 花) 二 ﹄ 五

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-658-大 悲 の 考 察 ( 立 花) 二 一 六 悲 は、 そ れ ら の 観 念 を は な れ、 そ し て、 種 々 の 苦 憶 を み て は 修 習 の 力 に よ つ て、 ま さ に、 大 悲 を 生 ず る 故 に そ う い わ れ る の で あ る ﹂ ( V o l. 1 3 8. Y e 3 72 a. Cf. V o l. 101. S a 2 8 5 a, 28 6 a) に い た つ て、 大 悲 と 修 習 印 行 と は、 同 意 義 的 内 容 を も つ に い た る と み な け れ ば な ら な い。 ﹁ 大 悲 の 修 習 は、 互 に 他 を し て 安 樂 中 に 交 互 に 現 前 喜 樂 せ し め る ﹂ (Vo l. 1 3 8. Y e 3 6 2 b. Cf. V o l. 101. S a 2 8 5 b) と こ ろ の 現 前 の 行 で あ り、 ﹁ 大 悲 は ( 第 一) 義 を 獲 る と い う 本 質 を も つ も の ﹂(Vol. 138. Ye 366b. Cf. Vo l. 1 0 1. S a 2 6 8 a) で あ る か ら、 ﹁ 一 切 相 に よ る 一 切 法 中 に お い て、 有 る 無 き 我 を 修 習 す る 大 悲 ﹂ (Vo l. 1 3 8. Y e 3 3 6 b)、 す な わ ち、 室 あ る い は 無 我 そ の も の で な け れ ば な ら な い。 こ の い み か ら、 卒 等 方 便 と い い、 六 波 羅 蜜 多 と い う の で あ る。 か く し て、 大 悲 は、 智 慧 と 方 便 と の 圓 融 行、 な い し、 止 と 観 と の 双 運 と も い わ れ る べ き も の で あ る。 カ マ ラ に あ つ て は、 す べ て の も の の 因 で あ る 所 の 大 悲 に よ つ て、 こ れ ら を 包 括 し う る い み を も つ も の と 考 え ら れ る。 四 初 期 チ ベ ッ ト 佛 教 に お い て、 大 悲 は す べ て の も の に 先 行 し て 説 か れ る 傾 向 に あ つ た。 そ の こ と は、 た と え ば、 シ ャ ー ン タ ラ ク

シタの Sdom pa ni su pahi hgrel pa. (Vol. 114.

N o. 55 8 3) に み ら れ る よ う に 大 悲 を 軸 と し た 大 乗 戒 が 重 覗 さ れ る 一 方、 他 方 で は、 カ マ ラ の D a s h y e d s g r o n m a の よ う に、 現 世 に お け る 苦 悩 を 離 脱 す る こ と を 説 く 必 要 が あ つ た。 さ ら に ま た、 B h. に お け る よ う な、 佛 敢 入 門 書 的 内 容 を も つ 佛 典 の 重 要 性 も 必 要 と さ れ た。 カ マ ラ に あ つ て は、 菩 提 心 お よ び 行 は、 大 悲 の 本 質 な ら び に 厩 性 に 他 な ら な い。 こ れ は、 ﹃ 大 日 経 ﹄ 成 立 以 後 に み ら れ る 大 悲 重 視 思 想 の 繭 芽 を 如 實 に 物 語 る も の で あ る。 ま た、 カ マ ラ に お け る 三 事 の 解 繹 は、 明 ら か に 顯 敏 の 立 場 か ら の そ れ で あ る こ と も 見 逃 せ な い。 行 は、 カ マ ラ が そ の 殆 ん ど の 著 に お い て、 し ば し ば の べ る と こ ろ が あ る よ う に、 次 第 に 從 つ て 成 就 す る こ と を 必 要 と し、 漸 的 に、 一 地 一 地 を 修 習 行 道 す る こ と を 強 調 す る ( C f. Vol. 101. Sa 167a)。サ ム エ B s a m y a s の 論 諦 に お け る 大 乗 和 省 と の 敏 理 的 論 貼 も、 こ の よ う な 頓 漸 二 観 の 封 立 的 立 場 に あ つ た。 要 す る に、 カ マ ラ に お け る 大 悲 は、 す べ て の も の の 根 本 で あ る。 菩 提 心 と 行 と は、 そ の 本 質 な い し 属 性 に 他 な ら な い。 十 地 修 習 ま た は 六 波 羅 蜜 多 は 大 悲 の 發 展 行 道 で あ る。 よ つ て、 こ れ ら を 次 第 に 從 つ て 作 す こ と は、 そ の ま ま 大 悲 で あ る と み る こ と が で き よ う。 原 典 な ら び に 引 用 文 は 便 宣 上、 す べ て 北 京 影 印 版 チ ペ ッ ト 大 藏 鰹 に よ つ た。

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