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(2) 新系統の発生状況平成 28 年 4~10 月にかけて府内 19 地点のネギ キャベツ及びタマネギほ場から採集したネギアザミウマの次世代を一頭飼育法 ( 十川ら, 2013) により調べた結果 南丹市以南の16 地点で新系統 ( 産雄性生殖系統 ) を確認した 山城地域では 産雄性生殖系統が優

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Academic year: 2021

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防除所ニュース

発行 平成29年3月27日 平成29年 第4号 京都府病害虫防除所

★ネギアザミウマ系統調査及び

殺虫剤感受性検定の結果について★

京 都 府 内 の ネ ギ 栽 培 地 域 で は 、 ネ ギ ア ザ ミ ウ マ の 多 発 生 が 続 い て い ま す 。

本 種 は ネ ギ の 葉 を 直 接 加 害 す る だ け で な く 、 ネ ギ え そ 条 斑 病 を 媒 介 す る こ と

に よ り ネ ギ の 商 品 価 値 を 低 下 さ せ ま す 。 一 方 、 本 種 に は 従 来 と は 異 な る 新 し

い 系 統 が 存 在 し 、 殺 虫 剤 の 殺 虫 効 果 が 異 な る と 言 わ れ て い ま す 。 そ こ で 、 府

内 に お け る 新 系 統 の 発 生 状 況 と 系 統 別 の 殺 虫 剤 感 受 性 検 定 の 結 果 に つ い て お

知らせします。

1 ネギアザミウマ新系統の発生状況 (1)新系統とは?

ネ ギア ザ ミウ マ には 複 数の 系 統が 存 在し (Toda and Murai, 2007)、こ れま では、 雌 だけで繁殖する系統(産雌性生殖系統)のみ確認されていたが、最近は雄と雌が交尾を 行って繁殖する系統(産雄性生殖系統)が確認されている(図1)。

(従

(新

図1 日本で発生が確認されているネギアザミウマの生殖系統

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(2)新系統の発生状況 平 成 28年 4 ~ 10月 に か け て 府 内 19地 点 の ネ ギ 、 キ ャ ベ ツ 及 び タ マ ネ ギ ほ 場 か ら 採 集 し たネギアザミウマの次世代を一頭飼育法(十川ら, 2013)により調べた結果、南丹市以南 の16地点で新系統(産雄性生殖系統)を確認した。山城地域では、産雄性生殖系統が優占 し、中丹以北では産雌性生殖系統のみを確認した。キャベツでは産雄性生殖系統のみ確認 した(以上、図2参照)。 2 系統別の殺虫剤感受性 上記19地点のうち11地点15系統のネギアザミウマ雌成虫に対する12種類の殺虫剤の殺虫 効果について生殖系統別に調べた。その結果、産雄性生殖系統に対する処理48(ベネビア ODは処理72時間後で評価)時間後の補正死虫率が概ね50~80%以上(◎もしくは〇)とな った薬剤は、スピノエース顆粒水和剤、ディアナSC、アグリメック乳剤及びベネビアODで あった(表1及び2)。 産雌性生殖系統に対する処理48(ベネビアODは処理72時間後で評価)時間後の補正死虫 率が概ね50~80%以上(◎もしくは〇)となった薬剤は、アグロスリン乳剤、スピノエー ス顆粒水和剤、ディアナSC、アグリメック乳剤及びベネビアOD(表1及び2)。

:ネギ

:キャベツ

:タマネギ

図2 京都府におけるネギアザミウマの生殖系統(平成28年)

:産雄性系統100% :同80~99% :同50~79% :同1~49% :同0%(産雌性系統100%)

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表1 ネギアザミウマ に対する各種殺虫剤の殺虫効果(山城地域) 木津川市 ( ネギ) 京都市 伏見区 下鳥羽 (キャベツ) 京都市 南区 吉祥院 (キャベツ) ♀♀ ♀♀ ♂♀ ♀♀ ♂♀ ♂♀ ♂♀ スミチオン乳剤 1 00 0 △ △ × 〇 × × × アグロスリン乳剤 2 00 0 〇 〇 × ◎ × × × ランネート45DF 1 00 0 〇 〇 × 〇 △ × × アドマイヤーフロアブル 2 00 0 〇 〇 △ 〇 × × △ スタークル( アルバリン)水溶剤 2 00 0 〇 〇 × 〇 × × × スピノエース 顆粒水和剤 2 50 0 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 〇 〇 ディアナSC 2 50 0 ◎ ◎ ◎ 〇 〇 〇 〇 アグリメック乳剤 1 00 0 〇 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 ベネビアOD 2 00 0 ◎ 〇 〇 ◎ 〇 〇 〇 リーフガード水和剤 1 50 0 × 〇 〇 〇 × × × コテツフロアブル 2 00 0 〇 ◎ × 〇 〇 〇 〇 プレオフロアブル 1 00 0 × × × 〇 × × × ◎: 処理4 8時間後(ベネビアODは同72 時間後で判定)の補正死虫率が9 0%以上、〇:同50 ~89%、△: 同3 0~49 %、 ×: 同2 9%以下。 ♂♀: 産雄性生殖系統、♀♀: 産雌性生殖系統。 殺虫剤名 希釈倍数 八幡市 (タマ ネギ) 京都市 伏見区 淀 (タマ ネギ) 表2 ネギアザミウマに対する各種殺虫剤の殺虫効果( 丹波及び丹後地域) 亀岡市 本梅 ( ネギ) 亀岡市 余部 ( ネギ) 福知山市 牧 ( ネギ) 京丹後 市 峰山町 ( ネギ) ♀♀ ♀♀ ♂♀ ♂♀ ♀♀ ♂♀ ♀♀ ♀♀ スミチオン乳剤 1 0 00 ◎ ◎ 〇 × 〇 × ◎ ◎ アグロスリン乳剤 2 0 00 ◎ ◎ △ × 〇 × 〇 ◎ ランネート45DF 1 0 00 ◎ ◎ 〇 △ 〇 △ 〇 ◎ アドマイヤーフロアブル 2 0 00 ◎ ◎ 〇 × △ △ 〇 ◎ スタークル( アルバリン) 水溶剤 2 0 00 〇 △ △ × △ × 〇 〇 スピノエース顆粒水和剤 2 5 00 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 〇 ◎ ◎ ディアナSC 2 5 00 〇 ◎ ◎ 〇 ◎ ◎ 〇 ◎ アグリメック乳剤 1 0 00 ◎ 〇 〇 ◎ ◎ 〇 〇 〇 ベネビアO D 2 0 00 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 ◎ ◎ リーフガード水和剤 1 5 00 〇 〇 × × 〇 × △ △ コテツフロアブル 2 0 00 ◎ ◎ △ 〇 〇 〇 〇 ◎ プレオフロアブル 1 0 00 ◎ ◎ 〇 〇 〇 × × ◎ ◎: 処理4 8 時間後( ベネビアO Dは同7 2 時間後で判定)の補正死虫率が9 0 %以上、〇: 同5 0~89%、△: 同3 0 ~4 9 %、×:同2 9 %以下。 ♂♀: 産雄性生殖系統、♀♀: 産雌性生殖系統。 殺虫剤名 希釈倍数 亀岡市 曽我部 ( ネギ) 南丹市 八木町神吉 (ネギ)

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3 防除上の注意事項 (1)ネギアザミウマはユリ科、ナス科、ウリ科やアブラナ科など広範な植物に寄生し、 これら植物で越冬する。翌春の発生源となるほ場周辺の除草を行う。 (2)特に、ネギ栽培ほ場近隣のタマネギは、ネギアザミウマの有力な越冬植物となり、 春季以降の発生源となるので、本格的な活動期(4~5月)に入る前に防除を行い、 ネギほ場への飛来量の低減に努める。 (3)ネギアザミウマに対する農薬を用いた防除については、今回の殺虫剤感受性検定結 果を参考に行う。定植時には粒剤による初期防除、生育中は粒剤や散布剤による防除 を行う。防除薬剤を使用する際は使用基準を厳守すること。なお、最新の農薬情報は 農林水産省ホームページの「農薬コーナー(http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/inde x.html)の「農薬登録情報検索システム」を参照のこと。 (4)ネギアザミウマの殺虫剤感受性低下が懸念されている。殺虫剤散布後は効果を十分 に確認し、感受性の低下が疑われる場合は系統の異なる薬剤を散布する。また、感受 性の低下を避けるため、系統の異なる殺虫剤をローテーション散布する(表3)。 (5)新系統と在来系統の殺虫剤感受性は異なるので、新系統(産雄性生殖系統)の発生 を確認している地域では注意する。 (6)施設栽培では、開口部の防虫ネット設置やUVカットフィルム被覆を行う。露地栽培 でも、防虫ネットによる被覆が有効である。防虫ネットは、赤色ネットを用いるとよ り効果が高まる。 (7)ネギアザミウマが寄生した残渣は埋めるか、積み上げた後、ビニル被覆する等適切 に処理する。 写真1 ネギアザミウマ成虫 写真2 ネギアザミウマによるネギの被害葉

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表3 「ネギ」でネギアザミウマまたはアザミウマ類に登録のある主な薬剤 IRACコード 薬 剤 名 希釈倍率・使用量( kg/10a ) 使 用 時 期 使用回数 1A ランネート45DF 1,000 ~ 2,000倍 収穫7日前まで 4回以内 マラソン乳剤 2,000 ~ 3,000倍 収穫7日前まで 6回以内 ダイアジノン乳剤40  700 ~ 1,200倍 収穫21日前まで 2回以内 スミチオン乳剤  700 ~ 1,000倍 収穫21日前まで 2回以内 サイアノックス乳剤  500 ~ 1,000倍 収穫21日前まで 2回以内 アグロスリン乳剤 2,000倍 収穫7日前まで 5回以内 アディオン乳剤 3,000倍 収穫7日前まで 3回以内 6kg は種時 6kg 植付時 3 ~ 6kg 収穫3日前まで 4回以内 ダントツ水溶剤 2,000 ~ 4,000倍 収穫3日前まで 4回以内 6kg は種時 6 ~ 9kg 植付時 アクタラ顆粒水溶剤 1,000 ~ 2,000倍 収穫3日前まで 3回以内 50g/セルトレイ・ペーパーポット 定植当日 6kg は種時 6kg 定植時 ベストガード水溶剤 1000倍 収穫前日まで 3回以内 6kg は種時または定植時 1回 6kg 生育期(収穫3日前まで) 2回以内 50倍・0.5L潅注/セルトレイ・ペーパーポット 定植前日~定植時 1回 400倍株元潅注(0.4L/㎡) 生育期(収穫14日前まで) 1回 2,000倍 収穫3日前まで 2回以内 0.25 ~ 0.5g/株 定植前日~定植当日 6kg は種時 6kg 植付時 モスピラン顆粒水溶剤 2,000倍 収穫7日前まで 3回以内 アドマイヤー1粒剤 4kg 定植時 1回 アドマイヤー顆粒水和剤 5,000倍 収穫14日前まで 2回以内 スピノエース顆粒水和剤 2,500 ~ 5,000倍 収穫3日前まで 3回以内 ディアナSC 2,500 ~ 5,000倍 収穫前日まで 2回以内 アグリメック  500 ~ 1,000倍 収穫3日前まで 3回以内 アニキ乳剤 1,000倍 収穫3日前まで 3回以内 9B コルト顆粒水和剤 2,000倍 収穫3日前まで 3回以内 アタブロン乳剤 2000倍 収穫21日前まで 3回以内 カスケード乳剤 4,000倍 収穫14日前まで 3回以内 21A ハチハチ乳剤 1,000倍 収穫3日前まで 2回以内 ベネビアOD 2000倍 収穫前日まで 3回以内 2,000倍株元潅注(0.5L / ㎡) 収穫7日前まで 400倍・0.5L潅注/セルトレイ・ペーパーポット 育苗期後半 ~ 定植当日 29 ウララDF 1,000 ~ 2,000倍 収穫前日まで 3回以内 UN プレオフロアブル 1,000倍 収穫3日前まで 4回以内 28 ベリマークSC 1回 ベストガード粒剤 1回 モスピラン粒剤 1回 1B 3A 1回 4A 1回 ダントツ粒剤 スタークル粒剤 (アルバリン粒剤) スタークル顆粒水溶剤 (アルバリン顆粒水溶剤) アクタラ粒剤5 15 5 6

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表4 「キャベツ」でネギアザミウマまたはアザミウマ類に登録のある主な薬剤 ※ IRACコード(殺虫剤コード) 殺虫剤の有効成分を作用点と作用機構から分類した番号や記号のことで、本コードが異 なる薬剤を使用することにより、同一系統の薬剤の連用を防ぐことができる。 ※ 各薬剤の登録内容は平成29年3月17日現在のものである。 農薬の使用に当たっては、最新の使用方法や注意事項等を必ず確認すること。 また、 各薬剤の使用回数を守るとともに、有効成分の総使用回数についても注意すること。 4 謝辞 ネギアザミウマの一頭飼育法をご教示いただいた香川県農政水産部農業試験場の渡邊丈 夫氏(現在、香川県農業協同組合)及び相澤美里氏に厚くお礼申し上げる。 IRACコード 薬 剤 名 希釈倍率・使用量( kg/10a ) 使 用 時 期 使用回数 1B マラソン乳剤 2,000 ~ 3,000倍 収穫前日まで 5回以内 2B プリンスフロアブル 2,000倍 収穫14日前まで 2回以内 3A アグロスリン水和剤 1,000倍 収穫7日前まで 5回以内 3~6kg は種時 6kg 地床育苗期 モスピラン顆粒水溶剤 2,000~4,000倍 収穫7日前まで 5回以内 スピノエース顆粒水和剤 5,000倍 収穫3日前まで 3回以内 2,500~5,000倍 収穫前日まで 2回以内 50 ~ 200倍・0.5L潅注 /セルトレイ・ペーパーポット 育苗期後半 1回 9B コルト顆粒水和剤 3,000倍 収穫前日まで 3回以内 21A ハチハチ乳剤 1,000倍 収穫14日前まで 2回以内 ベネビアOD 2,000倍 収穫前日まで 3回以内 ベリマークSC 400倍・0.5L潅注 /セルトレイ・ペーパーポット 育苗期後半 ~ 定植当日 1回 プリロッソ粒剤 50g /セルトレイ・ペーパーポット 育苗期後半 ~ 定植当日 1回 28 5 1回 4A ダントツ粒剤 ディアナSC

参照

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