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慢性閉塞性肺疾患患者の生存転帰に関連する身体活動量および基準値の検討

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 250 46 巻第 4 号 250 ∼ 258 頁(2019 年) 理学療法学 第 46 巻第 4 号. 研究論文(原著). 慢性閉塞性肺疾患患者の生存転帰に関連する 身体活動量および基準値の検討* 川 越 厚 良 1)# 清 川 憲 孝 1) 岩 倉 正 浩 1)2) 大 倉 和 貴 2)3) 柴 田 和 幸 1) 菅 原 慶 勇 1) 高 橋 仁 美 1) 佐 竹 將 宏 2) 塩 谷 隆 信 4). 要旨 【目的】慢性閉塞性肺疾患(以下,COPD)患者の予後に関連する身体活動量(以下,PA)と基準値につ いて,後方視的に検討した。【方法】対象はカルテによる追跡調査が可能であった COPD 患者 25 例である。 調査期間中に死亡した 8 例を非生存群,調査終了時点で生存していた 17 例を生存群とし,2 群間におけ る呼吸・身体機能項目ならびに PA を比較した。また,予後に関連する因子の検討として,ロジスティッ ク回帰分析を行い,カットオフ値を算出した。【結果】生存群と比較し,非生存群では 1 日の歩行時間お よび起立回数が有意に低値を示した。ロジスティック回帰分析では歩行時間,起立回数が有意な因子とし て算出され,カットオフ値は歩行時間が 167 分 / 日,起立回数が 30 回 / 日であった。【結論】COPD 患 者の生存転帰に関連する基準値として,1 日の歩行時間は 167 分 / 日未満,起立回数は 30 回 / 日未満が 有意に関連している可能性が示唆された。 キーワード 身体活動量,慢性閉塞性肺疾患,生存転帰. PA を改善・増加させることを目的とした介入試験が多. はじめに. く報告されている. 3‒5). 。COPD の国際的なガイドライン.   慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患(chronic obstructive pulmonary. である The Global Initiative for Chronic Obstructive Lung. disease; 以 下,COPD) 患 者 に お け る 身 体 活 動 量. 6) Disease(以下,GOLD) の報告においても,日常生活. (physical activity;以下,PA)は,生存率と関連する 1)2). の身体活動の確保は重症度の高い COPD 患者も含め,. は,COPD 患者. すべての COPD 患者に推奨されるとし,PA を改善させ. の日常生活活動は死亡原因の最大の予測因子であると報. る取り組みは今後も促進されるべきとしている。加速度. 重要な指標である. 告しており,Garcia ら. 。Waschki ら. 1). 2). は,低活動群は高活動群に比. 較して,5 年生存率が約 55%低いと報告している。近年, *. The Cut-off Point of Physical Activity is Associated with Mortality in the Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease 1)地方独立行政法人 市立秋田総合病院リハビリテーション科 (〒 010‒0933 秋田県秋田市川元松丘町 4‒30) Atsuyoshi Kawagoshi, PT, PhD, Noritaka Kiyokawa, PT, Masahiro Iwakura, PT, PhD, Kazuyuki Shibata, PT, PhD, Keiyu Sugawara, PT, PhD, Hitomi Takahashi, PT, PhD: Akita City Hospital, Department of Rehabilitation 2)秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻 Masahiro Iwakura, PT, PhD, Kazuki Ohkura, PT, MSc, Masahiro Satake, PT, PhD: Akita University Graduate School of Health Sciences, Department of Physical Therapy 3)秋田大学医学部附属病院リハビリテーション部 Kazuki Ohkura, PT, MSc: Akita University Hospital, Department of Rehabilitation Medicine 4)介護老人保健施設ニコニコ苑 Takanobu Shioya, MD, PhD: Geriatric Health Facility Nikoniko-en # E-mail: acr00009@akita-city-hospital.jp (受付日 2019 年 1 月 28 日/受理日 2019 年 4 月 23 日) [J-STAGE での早期公開日 2019 年 6 月 26 日]. 計の発展により日常生活の微小な加速度を伴う低強度の PA が測定可能となり,1 日の低活動性動作(座位以下 の生活様式に伴う低活動性な動作)の量が 510 分以上で は,510 分未満の群と比較して 5 年生存率が約 40% 低 下すると報告されている. 7). 。筆者らは 2009 年より,外. 来呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハ)に通院す る安定期 COPD 患者に対し,3 軸加速度計である生活 活動度計(Activity monitoring and evaluation system, TM 8). Solid Brains,熊本,以下,A-MES. ) を用いて,臥位,. 座位,立位,歩行といった姿勢・動作時間,起き上がり や立ち上がりといった姿勢変換回数を指標として PA を 測定している. 9). 。先行研究において,予後に関連すると. される運動耐容能の基準値は検討されているが. 10). ,生. 存転帰といった直接的な予後に関連する PA の具体的な 基準値に関する報告は限られており. 7). ,日本国内におい.

(2) COPD 患者の予後に関連する身体活動量の検討. 251. 図 1 生活活動度計(A-MESTM; Activity Monitoring and Evaluation SystemTM). ての検討は行われていない。. 行った。A-MESTM は,体幹および大.  以上より,本研究では当院呼吸リハに通院する COPD. つの 3 軸の加速度計からなっており(図 1) ,臥位,座位,. 患者において,呼吸リハ開始時に PA を測定することが. 立位,歩行の 4 つの姿勢・動作時間,起き上がりや立ち. できた対象者の予後に対する関連因子を抽出し,客観的. 上がりといった姿勢変換回数を判別することが可能であ. な数値としての基準値を示すことで,PA の目標値や予. る. 後予測のための指標の一助にすることを目的とした。. 常者や高齢健常者においても確認されており. 9). 。A-MES. TM. による各動作姿勢の妥当性は,若年健. 現性についても確認されている. 対象と方法. 部に装着する 2. TM.  対象者には,A-MES. 11)12). ,再. 13). 。. の取り扱いについて,十分理. 1.対象. 解したことを確認したうえで,貸与し,自己管理にて測.  2009 年 4 月∼ 2013 年 4 月の期間における市立秋田総. 定を依頼した。測定期間は平日と週末を含む最大 1 週間. 合病院外来通院中の安定期 COPD 患者であり,薬物治. とし,1 日の測定時間は,起床時から開始し,夕方の入. 療開始から少なくとも 1 ヵ月は経過し,呼吸リハ開始時. 浴もしくは就寝するまでの日中の在宅生活を約 12 時間. に PA を含めた諸評価が行われた患者を対象とした。対. とした。筆者らの検討からも,最低 2 日間測定できた対. 象者は少なくとも過去 4 週間以内に急性増悪といった入. 象者の一日の PA の平均値を採用した. 院歴はなく,在宅酸素療法適応患者は含まれていなかっ. 目は,歩行・立位・座位・臥位の総時間,姿勢変換回数. た。対象者の薬物処方内容は長時間作用性抗コリン薬,. は,臥位から座位(起き上がり),座位から立位(起立),. または β 2 刺激薬,必要に応じて短時間作用性気管支拡. また,それらの合計回数を採用した。. 張薬が処方されていた。対象者は,自立歩行が可能であ. 2)各種呼吸・身体機能指標. り,本研究で使用する測定機器の最低限の取り扱いが可.  対象者において年齢,body-mass index(以下,BMI) ,. 能な者とした。また,歩行に支障をきたすほどの整形外. 呼吸機能,呼吸筋力,6 分間歩行距離. 科的疾患や不安定な心疾患を伴う者,その他運動を妨げ. walking distance;以下,6MWD)を測定し,さらに予後. る精神疾患を含む重篤な障害がある者は除外した。. 予測因子のひとつである BMI, airflow obstruction, dys-. 13). 。PA の測定項. 14). (six-minutes. 15) pnea, and exercise capacity index(以下,BODE index) ,. 2.方法. さらに呼吸困難の指標である modified British Medical.  本研究は,後方視的な観察研究であり,症例対照試験. Research Council 息切れスケール. である。呼吸リハ開始時点(以下,リハ開始時)に,各. 大 四頭筋筋力(quadriceps maximal voluntary contrac-. 種呼吸・身体機能項目および日常生活の PA を測定した. tion;以下,QMVC)および,QMVC を BMI で除した. 対象者において,カルテもしくは電話追跡による調査を. 17) 相対値(以下,QMVC/BMI) ,併存疾患の指数であ. 実施した。生存転帰を確認した最終日付は 2018 年 2 月. 18) る Charlson comorbidity index( 以 下,CCI) , 健 康. 1 日であり,リハ開始時から最終日付までの期間を調査. 関連 quality of life として,COPD assessment test(以. 期間,確認した死亡日の期間までを生存期間とした。生. 下,CAT). 存転帰により,対象者を生存群および非生存群の 2 群に.  呼吸機能の測定には,小型電子スパイロメーター. 16). (以下,mMRC),. 19). の検査を行った。. ( チ ェ ス ト 社 製,CHESTGRAPH-HI 701) を 使 用 し,. 群分けした。. 努力性肺活量(forced vital capacity;以下,FVC) ,1. 1)PA の測定 TM.  日常生活における PA の測定は A-MES. を用いて. 秒量(forced expiratory volume in one second;以下,.

(3) 252. 理学療法学 第 46 巻第 4 号. FEV1),1 秒率(以下,FEV1/FVC),対標準 1 秒量(以. た。必要に応じて負荷量などは理学療法士がその都度. 下,FEV1 %pred) を採用した。少なくとも 3 回測定し,. チェックし調整した。また,対象者個々において,呼吸. 20). 困難による日常生活の制限を最小限にできるような日常. FEV1 %pred において,標準値は日本呼吸器学会肺生理. 生活動作指導を一律に実施し,管理栄養士による栄養指. 専門委員会によって報告された日本人の標準値を利用し. 導も行った。さらに毎月 1 回呼吸リハ外来日に開催され. FVC が最大値を示したときの各々の値を採用した. た. 。. 21). 。. る「呼吸教室」により,医師,看護師,理学療法士,薬.  呼吸筋力の測定としては,最大吸気圧(maximum. 剤師,管理栄養士,臨床検査技師らによる患者教育を. inspiratory mouth pressure;以下,PImax)および最. 行った。講義は 1 回 30 分程度でわかりやすく完結する. 大 呼 気 圧(maximum expiratory mouth pressure; 以. ため,中途からの参加も可能な内容であった。. 下,PEmax)を測定した。測定には,呼吸筋力計(チェ スト社製,VITALPOWER KH-101)を使用した。PEmax. 3.統計処理. は全肺気量(total lung capacity;TLC)位から最大呼.  生存群と非生存群の 2 群間において,リハ開始時の. 気,PImax は残気量(residual volume;RV)位から最. PA や各種呼吸・身体機能指標を比較するために,パラ. 22). 。いずれもその圧を 3 秒維持し,そ. メトリックな指標には対応のない t 検定,ノンパラメト. の中の最大値を記録した。呼気および吸気はそれぞれ 3. リックな指標には Mann-Whitney の U 検定,順序尺度. 回ずつ測定し,それぞれの最大値を PEmax,PImax と. 2 の指標(mMRC,GOLD)には χ 検定を行った。各指. して採用した。. 標の 2 群間の差の程度を確認するために効果量(effect.  6 分間歩行試験は,American Thoracic Society の実施. size;以下,r)を算出した. 大吸気を行った. 14). 24). 。また,予後に対するリ. に準じて行い,各被験者が 6 分間で歩くことの. スク因子の検討として,生存転帰を従属変数,年齢・. できる最大距離を 6MWD として採用した。実施場所は. BODE index・CCI を調整因子とし,2 群間で有意差が. 段差や障害物のない 1 周 88 m の院内通路とし,計測の. みられた項目のうち多重共線性による影響を考慮して選. 直前に,被験者は「できるだけ長く歩いてください」と. 択した項目を独立変数とした単変量,および多変量ロジ. 指示された。実施中はパルスオキシメータにより,経皮. スティック回帰分析を行った。さらに独立変数のうち生. 基準. , 的酸素飽和度(percutaneous oxygen saturation;SpO2). 存 転 帰 に 関 連 す る 基 準 値 の 検 討 と し て,Receiver. 心拍数の観察を行い,検者は,被験者の歩行ペースに影. operator characteristic(以下,ROC)曲線によりカッ. 響を与えないよう,被験者の後方に位置し,1 分毎に経. トオフ値を算出した。算出方法は Youden Index を採用. 過時間を知らせ,ウォーキングメジャーを押して歩いた。. した.  QMVC の測定は,OG 技研社製 HYDRO MUSCULATOR. 用し,いずれも危険率 5% 未満(p<0.05)をもって有意. GT-160 で大. 差ありとした。. 四頭筋の最大等尺性伸展収縮力を 70°膝. 屈曲位で計測した。  本研究に使用するデータ測定に関しては,秋田大学倫. 25). 。統計解析ソフトには IBM® SPSS21.0 ver を使. 結   果. 理審査委員会の承認を得ており(受付番号:658,870),.  調査の結果,COPD 患者 42 例の内,重篤な合併症を. 対象者にはデータの 2 次利用についての十分な説明を行. 有していた 2 名,追跡困難であった 9 名,データ欠損が. い,書面同意を得て行った。また,カルテによる追跡調. みられた 6 名の計 17 名が除外され,追跡調査可能であっ. 査については市立秋田総合病院倫理審査委員会の承認を. た 25 例(全例男性,平均年齢 73 ± 7 歳,FEV1: 53.2 ±. 得て,実施した(受付番号:43)。. 27.2%pred)が解析対象となった。調査期間は平均 85. 3)呼吸リハビリ内容:. ± 17 ヵ月であり,生存群は 17 名,非生存群は 8 名(死.  対象者に行われていた呼吸リハは,安定期外来患者に. 亡原因は全例 COPD)であった(図 2) 。また,GOLD. 施行される在宅を中心とした,多職種による包括的なリ. 分類. ハビリテーションである。構成内容として,呼吸介助,. 者であり(stage Ⅰ;5 名,Ⅱ;6 名,Ⅲ;8 名,Ⅳ;6. 呼吸筋ストレッチ体操,腹式呼吸や口すぼめ呼吸といっ. 名),呼吸困難の指標である mMRC を用いた分類. た呼吸練習,胸郭可動域運動,日常生活動作指導といっ. よる内訳は,grade 0 が 0 名,grade 1 が 11 名,grade. た呼吸理学療法や,在宅でも行える低強度での運動療. 2 が 9 名,grade 3 が 5 名,grade 4 が 0 名であった(表. 法,多職種による患者教育,栄養士による栄養指導であ. 1)。対象者 25 例の COPD 診断日からリハ開始時までの. る. 23). 。対象者は 2 週間に 1 度,呼吸リハ外来日に通院し,. 6). においては,Ⅰ∼Ⅳの軽症から重症の COPD 患 16). に. 期間は 34 ± 40 ヵ月(最小値:1 ヵ月,最大値:130 ヵ月). 診察を受け,上記プログラムのチェックを受けた。プロ. であり,評価開始後の呼吸リハ継続期間は平均 69 ±. グラムのうちリラクゼーションを目的とした呼吸介助の. 23 ヵ月(最小値:19 ヵ月,最大値:102 ヵ月)であった。. み,理学療法士が行い,その他の運動は患者自身が行っ. その期間において,急性増悪により入院した例は,生存.

(4) COPD 患者の予後に関連する身体活動量の検討. 253. 群で 17 例中 6 例(35.3%)であり,入院回数は平均 3 ±. 存群 8 名中 2 名(25%)が冬期間(12 月∼ 2 月)に測. 2 回,入院日数は平均 57 ± 66 日であった。同じく,非. 定していた。. 生存群では 8 例中 3 例(37.5%)であり,入院回数は平 均 5 ± 4 回,入院日数は平均 221 ± 194 日であった。リ ハ開始時における PA の測定日数は 4 ± 2 日間(最小値:. 1.PA お よ び 各 種 呼 吸・ 身 体 機 能 指 標 の 群 間 比 較 (リハ開始時). 2 日,最大値:7 日)であった。対象者の PA を測定し.  PA の指標においては,生存群と比較し,非生存群の. た時期に関しては,生存群 17 名中 5 名(29.4%),非生. 1 日の歩行時間(生存群;172 ± 91 分 / 日 vs 非生存群; 96 ± 51 分 / 日,p=0.038)と起立回数(生存群;62 ± 29 回 / 日 vs 非生存群;38 ± 18 回 / 日,p=0.045)は有 意に低値を示していた。またそれぞれの r は歩行時間で 0.42,起立回数で 0.40 であった。PA のその他の指標に は有意差はみられなかった(図 3)。  各種呼吸・身体機能指標においては,生存群と比較 し,非生存群の生存期間(生存群;81 ± 18 ヵ月 vs 非 生存群;54 ± 24 ヵ月,p=0.005,r=0.55)および QMVC (生存群;40.9 ± 11.2 kgf vs 非生存群;26.3 ± 14.0 kgf, p=0.010,r=0.50) ,QMVC/BMI(生存群;184.4 ± 49.1% vs 非生存群;127.6 ± 62.4%,p=0.021,r=0.46)は有意 に低値を示した。その他の指標には有意な差は認めな かった(表 1)。. 図 2 対象患者のフローチャート. 表 1 リハ開始時における対象者背景(n=25)および生存群と非生存群の群間比較(対応のない t 検定) mean ± SD 対象者 (n=25). 生存群 (n=17). 非生存群 (n=8). ES (r). 73 ± 7. 72 ± 6. 77 ± 8. 0.37. 85 ± 17. 81 ± 18. 92 ± 11. 0.32 0.55. 年齢 , 歳 #. 調査期間 , 月. 72 ± 23. 81 ± 18. 54 ± 24*. 0 / 11 / 9 / 5 / 0. 0/9/5/3/0. 0/2/4/2/0. 0.31†. 5/6/8/6. 4/4/6/3. 1/2/2/3. 0.24†. 21.4 ± 3.5. 22.3 ± 3.0. 19.6 ± 3.8. 0.14. 生存期間 , 月 mMRC(0/1/2/3/4). $ $. GOLD( Ⅰ / Ⅱ / Ⅲ / Ⅳ ) 2. BMI, kg/m FVC,L. 3.0 ± 0.8. 3.0 ± 0.8. 2.8 ± 0.9. 0.13. FEV1/FVC, %. 44.2 ± 15.9. 47.0 ± 16.3. 38.2 ± 14.1. 0.26. FEV1,% pred. 53.2 ± 27.2. 55.1 ± 24.5. 49.1 ± 33.5. ‒ 0.20. 3.1 ± 2.5. 2.8 ± 2.2. 4.0 ± 3.2. 0.12. #. BODE index CCI. #. PImax, mmHg. 0.6 ± 0.8. 0.6 ± 0.9. 0.5 ± 0.5. 0.00. 72.1 ± 24.1. 74.9 ± 22.1. 65.4 ± 29.2. 0.18. PEmax, mmHg. 109.2 ± 39.1. 112.5 ± 41.1. 101.1 ± 35.0. 0.13. 6MWD, m. 409.5 ± 153.6. 442.1 ± 150.9. 340.3 ± 144.1. 0.32. QMVC, kgf. 36.2 ± 13.7. 40.9 ± 11.2. 26.3 ± 14.0*. 0.50. 166.2 ± 59.0. 184.4 ± 49.1. 127.6 ± 62.4*. 0.46. 11.5 ± 6.9. 11.1 ± 6.3. 12.5 ± 8.7. 0.09. QMVC/BMI, % CAT $. 2. #. ; χ test, ; Mann-Whitney U-test, ; Cramer’s V, 生存群との比較 ;*p<0.05 SD, standard deviation; ES, effect size; mMRC, modified British medical research council; GOLD, global initiative for chronic obstructive lung disease; BMI, body-mass index; FVC, forced vital capacity; FEV1, forced expiratory volume in one second; BODE, BMI, airflow obstruction, dyspnea, and exercise capacity; CCI, Charlson Comorbidity Index; PImax, maximum inspiratory mouth pressure; PEmax, maximum expiratory mouth pressure; 6MWD, six-minute walking distance; QMVC, quadriceps maximal voluntary contraction; CAT, COPD assessment test. †.

(5) 254. 理学療法学 第 46 巻第 4 号. 図 3 生存群と非生存群におけるリハ開始時の PA の比較(a;姿勢動作時間,b;姿勢変換回数), 対応のない t 検定 *p<0.05,r:Effect size. 表 2 生存転帰を従属変数とした単変量および多変量ロジスティック回帰分析 Unvariate analysis. Multivariate analysis. Confounders. odds (95%CI). p-value. 尤度比検定. odds (95%CI). p-value. QMVC/BMI. 0.975(0.952 ‒ 0.998). 0.035. p=0.006. 0.982 (0.944 ‒ 1.021). 0.363. 歩行時間. 0.961(0.924 ‒ 0.998). 0.040. p=0.011. 1.010 (0.983 ‒ 1.038). 0.457. 起立回数. 0.940(0.885 ‒ 0.998). 0.042. p=0.020. 0.970 (0.895 ‒ 1.051). 0.457. 尤度比検定. p=0.045. Odds were adjusted for age, BODE index, and CCI. Abbreviations: CI, confidence interval; QMVC, quadriceps maximal voluntary contraction; BMI, body mass index; BODE, BMI, airflow obstruction, dyspnea, and exercise capacity; CCI, Charlson Comorbidity Index.. 図 4 各指標の ROC 曲線とカットオフ値. 2.生存転帰に対するリスク因子の検討. 意な回帰モデル(p=0.045)が得られたが,有意な影響.   単 変 量 に よ る ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 の 結 果,. 因子は確認されなかった(表 2)。. QMVC/BMI(Odd 比 =0.975 [95%CI; 0.952 ‒ 0.998],.   さ ら に ROC 曲 線 に よ り, カ ッ ト オ フ 値 と し て,. p=0.035) ,歩行時間(Odd 比 =0.961 [95%CI; 0.924 ‒ 0.998],. QMVC/BMI では 157.1%(感度:0.750,特異度:0.765,. p=0.011) ,起立回数(Odd 比 =0.961 [95%CI; 0.885 ‒ 0.998],. AUC=0.801,p=0.009) ,歩行時間では 167 分 / 日(感度:. p=0.020)が有意な因子として算出された。多変量ロジ. 0.529,特異度:1.000,AUC=0.75,p=0.034) ,起立回数. ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 で は 年 齢,BODE index,CCI,. で は 30 回 / 日( 感 度:0.500, 特 異 度:0.941,AUC=. QMVC/BMI,歩行時間,起立回数を説明変数とした有. 0.735,p=0.042)が算出された(図 4)。.

(6) COPD 患者の予後に関連する身体活動量の検討. 255. 回数の減少といった PA の低下が早期に出現しており,. 考   察. 廃 用(disuse) に よ る 影 響 も 比 較 的 大 き い こ と か ら,.  COPD 患者の予後に関連する因子は多岐にわたり,. QMVC の低下がその他の指標よりも早い段階で発生し. 近年では PA が最大の予後予測因子として,注目されて. ている可能性も示唆される。したがって,呼吸リハ導入. きている. 1). 。しかし,生存転帰を意味する予後に関連す. 時の初期評価における下肢筋力の評価は予後予測のうえ. る PA の明確な指標を検討した報告は少なく,日本国内. でも重要ではないかと考えられる。. においては行われていないことが現状である。本研究の.  調査開始から約 7 年後における生存転帰に対するリス. 結果から,生存転帰の予後に関連した具体的な PA およ. ク因子の検討においては,単変量によるロジスティック. び機能指標の一端を示すことができたのではないかと考. 回 帰 分 析 の 結 果 で も,1 日 の 歩 行 時 間, 起 立 回 数 と. える。. QMVC/BMI において有意な odds 比が算出されており,.  調査解析可能であった 25 例は,呼吸リハを継続でき. ROC 曲線により,それぞれのカットオフ値が求められ. た期間が調査期間の 2/3 以上を占めており,その期間に. た。1 日の歩行時間が 167 分について,当院の先行研究. おける急性増悪による入院率(生存群;35.3% vs 非生. における COPD 患者の平均値は 118 分 / 日と示してお. 存群;37.5%)については同程度であった。しかし,非. り. 生存群における入院回数や日数は生存群よりも多い傾向. 値とも比べると,167 分 / 日というカットオフ値は多い. があり,生存転帰の予後にも少なからず影響しているこ とが示唆される. 26). 。. 13). ,Pitta ら 31)の報告における 44 分 / 日という平均. 印象を受ける。COPD 患者の日常生活の歩行速度は健 常者と比較して低下していると報告されており. 31). ,著.  2 群間の比較において,PA の指標では 1 日の歩行時. 者らによる先行研究においても COPD 患者の 1 日の歩. 間と起立回数,呼吸・身体機能指標では QMVC,およ. 行時間の 2/3 は 2 km/h 未満の遅い歩行であることを報. び QMVC/BMI において有意差が認められていた。有. 告している. 意差がみられた項目においては,r は 0.4 以上を示して. 定すると,167 分という歩行時間は距離にして約 5.5 km. おり,2 群間の差の大きさとしては中等度の効果量を示. と換算される。Aoyagi ら. 24). 13). 。1日の平均の歩行速度を 2 km/h と仮 32). による Nakanojo study に. 。PA と予後との関連性は前述の通りであ. よると,高齢者において 7,000 ∼ 8,000 歩 / 日の PA が. るが,相対的な QMVC の低下も生存率に影響すると報. 機能維持を実現できると報告しており,成人の平均歩幅. していた. 告されており. 17). ,本研究の結果もそれらを支持するも. が 70 cm と仮定すると. 33). ,距離にして約 5.6 km と換算. のと考えられる。さらに,PA と QMVC の両者におけ. されうる。以上より,歩行距離の視点では健常高齢者の. る関連性も示されており,PA の低下と大. 直筋の横断. 目標値と同等の値となり,COPD 患者の歩行時間 167. 27). 分は,健常者の 8,000 歩に近似した量である可能性が示. 面積の縮小は有意に相関することが報告されている. 。. PA の指標における起立回数に関する先行研究では,健. 唆 さ れ る。 起 立 回 数 が 30 回 / 日 と い う 値 に 関 し て,. 常高齢者が 84 ± 24 回 / 日に対し,COPD 患者は 49 ±. Puhan ら. 22 回 / 日と報告されており. 13). ,本研究における非生存. 28). は,STS test にて評価される起立回数が 5. 回低下すると 2 年生存率が 58%に低下するとされ,生. 群の起立回数はさらに低値を示している傾向もみられ. 存群においては STS test の結果が平均 19.5 回であり,. る。また,運動耐容能の指標として用いられる 1-min. 非生存群では平均 11.8 回と報告されている。本来,日. sit to stand test(STS test)は生存率に関連すると報告. 常生活の PA としての起立回数と,機能指標としての. 28). ,日常生活に行われる起立回数. STS test の結果は異なる指標と考えられるが,COPD. も予後に関連する可能性も示唆される。興味深いこと. 患者の起立回数は健常高齢者と比較して低下していると. に,COPD 患者の予後に関連するとされる BMI や,呼. される報告. されていることから. 1). 13). からも,両者には下肢筋力の低下といっ. においては,非生存群では生存群よ. た,共通した疾患特異的な関連性もうかがえる。日常生. りも低下している傾向はみられるものの,有意な差はみ. 活における PA としての起立回数の指標と予後を検討し. られず,併存症の指標(CCI)や,病期分類,mMRC. た研究は,筆者が検索した範囲では見あたらず,予後と. による呼吸困難の分類の比率にも有意な差はみられてい. 関連する新たな指標となる可能性もある。QMVC/BMI. ない。先行研究では COPD 患者の PA の低下は,診断. の カ ッ ト オ フ 値 で あ る 157.1% に つ い て は,Swallow. と呼吸困難に先行して出現する,あるいは病期の初期段. ら. 吸機能,6MWD. 29)30). 17). の報告では,QMVC/BMI が 120% 未満の群はそ. 。. れ以上の群よりも生存率が有意に低下すると報告してお. 本研究ではリハ開始時の指標について解析しているが,. り,本研究においては Swallow らの値よりも高い値の. その時点の対象者の特性としては,非生存群の重症度は. カットオフ値を示している。その要因としては,本研究. 生存群よりも少なからず進んでいることもうかがわれ. の対象者における BMI の数値は,Swallow らの研究の. る。以上より,重症度の進行に応じて,歩行時間や起立. 2 対象者(BMI;24.4 kg/m )よりも低い値を示しており. 階から発生する可能性があることが報告されている.

(7) 256. 理学療法学 第 46 巻第 4 号. (表 1),体格に違いがあることが挙げられる。さらに,. 日,起立回数は 30 回 / 日,QMVC/BMI は 157.1% がカッ. Swallow ら の 研 究 の 対 象 者 は, ほ ぼ 中 等 症 か ら 重 症. トオフ値として算出され,PA の目標値や予後予測の新. COPD 患者であり,本研究の対象者は軽症の COPD 患. たな指標となる可能性が示唆された。. 者も含まれているため,QMVC の値においても比較的 高い値を示していると考えられる(Swallow ら;32.4 kgf vs 本研究;36.2 kgf) 。以上より,相対値である QMVC/ BMI は比較的高い値を示していると考えられる。さらに は QMVC の相対値は COPD 患者の起立動作の可否にも 関連していることが報告されており. 34). ,起立回数で表. される PA に QMVC が関連していることも示唆される。  本研究で得られた PA や QMVC の数値は COPD 患者 の予後予測の目安になりえるが,歩行時間や起立回数と いう指標は日常では測定困難な指標である。一般に汎用 されている歩数が,臨床場面では実用的な指標になり え,本研究の結果からも 7,000 ∼ 8,000 歩が COPD 患者 においても実用的な目標値になる可能性も示唆される。 また,起立回数においては,予後予測や活動性の目標値 とするだけでなく,下肢機能面に対する自主運動の指導 における回数の目安としても活用することが実用的であ ると考えられる。  本研究の限界としては,単一施設におけるサンプルサ イズの小さい検討であること,またカルテや電話による 追跡が可能であった対象者であり,結果的に男性 COPD 患者に限定されていることが挙げられる。さらにすべて の対象者には調査期間中,外来における呼吸リハが施行 されており,病期分類としては主に中等症の安定期の患 者における呼吸リハ開始時点の横断的な指標を用いた検 討のみであり,個々に対する呼吸リハの影響については 検討できていない。以上の点からも,ロジスティック回 帰分析における多変量解析においては,有意な回帰モデ ルは得られたものの,独立した有意な影響因子は認めら れなかった可能性も示唆される。また,本研究の対象者 には冬期間に PA を測定した例が生存群で 5 名(29.4%) , 非生存群で 2 名(25%)おり,季節による影響. 35). を排. 除できていないことを考慮する必要がある。以上の限界 点を踏まえ,本研究で得られたカットオフ値は,適用さ れる対象者も限定されるため,臨床応用は慎重にならざ るを得ないことが現状である。今後は,縦断的な PA の 変化といった指標も含めた解析により,生存率といった 予後にどのように影響するか検討することも課題である と考える。 結   論  COPD 患者の予後に関連する因子について,PA を含 めた指標を用いて検討した。呼吸リハ開始時点では生存 群 に 比 べ, 非 生 存 群 の 1 日 の 歩 行 時 間 や 起 立 回 数, QMVC/BMI の指標は有意に低下していた。約 7 年後の 生存転帰に関連する因子として,歩行時間では 167 分 /. 利益相反  開示すべき利益相反はない。 文  献 1)Waschki B, Kirsten A, et al.: Physical activity is the strongest predictor of all-cause mortality in patients with COPD: A prospective cohort study. Chest. 2011; 140: 331‒342. 2)Garcia-Rio F, Rojo B, et al.: Prognostic value of the objective measurement of daily physical activity in COPD patients. Chest. 2012; 142: 338‒346. 3)Kawagoshi A, Kiyokawa N, et al.: Effects of low-intensity exercise and home-based pulmonary rehabilitation with pedometer feedback on physical activity in elderly patients with chronic obstructive pulmonary disease. Respir Med. 2015; 109: 364‒371. 4)Cruz J, Brooks D, et al.: Walk2Bactive: A randomised controlled trial of a physical activity-focused behavioural intervention beyond pulmonary rehabilitation in chronic obstructive pulmonary disease. Chron Respir Dis. 2016; 13: 57‒66. 5)Nolan CM, Maddocks M, et al.: Pedometer Step Count Targets during Pulmonary Rehabilitation in Chronic Obstructive Pulmonary Disease. A Randomized Controlled Trial. Am J Respir Crit Care Med. 2017; 195: 1344‒1352. 6)Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease: Global strategy for the diagnosis, management and prevention of chronic obstructive pulmonary diseaseexecutive summary. NHLB/WHO workshop report. Bethesda, National Heart, Lung, and Blood Institute, April 2001. Update of the Management Sections, GOLD website (www.goldcopd.com), Date update: November 2018. 7)Furlanetto KC, Donaria L, et al.: Sedentary behavior is an independent predictor of mortality in subjects with COPD. Respir Care. 2017; 62: 579‒587. 8)坂 田 俊 一, 永 田 正 伸, 他: 生 活 活 動 時 計 の 開 発( プ ロ トタイプ 1 号機試作結果) .DEN-O-KEN TECHNICAL REPORT.2002; 12: 19‒25. 9)川越厚良,清川憲孝,他:安定期高齢 COPD 患者の日常 生活における身体活動量の生活活動度計による定量評価. 理学療法学.2011; 38: 497‒504. 10)Andrianopoulos V, Wouters EF, et al.: Prognostic value of variables derived from the six-minute walk test in patients with COPD: Results from the ECLIPSE study. Respir Med. 2015; 109: 1138‒1146. 11)佐藤 拓,北村菜月,他:3 軸加速度計による身体活動 時間測定の妥当性.バイオメカニズム学会誌.2011; 35: 197‒200. 12)北村菜月,佐藤 拓,他:若年健常者の日常生活におけ る身体活動量の評価― IPAQ 日本語版の信頼性・妥当性 の 3 軸加速度計を用いた検討―.理学療法科学.2010; 25: 767‒771. 13)Kawagoshi A, Kiyokawa N, et al.: Quantitative assessment of walking time and postural change in patients with COPD using a new triaxial accelerometer system. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2013; 8: 397‒404. 14)ATS committee on proficiency standards for clinical.

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(9) 258. 理学療法学 第 46 巻第 4 号. 〈Abstract〉. The Cut-off Point of Physical Activity is Associated with Mortality in the Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease. Atsuyoshi KAWAGOSHI, PT, PhD, Noritaka KIYOKAWA, PT, Masahiro IWAKURA, PT, PhD, Kazuyuki SHIBATA, PT, PhD, Keiyu SUGAWARA, PT, PhD, Hitomi TAKAHASHI, PT, PhD Akita City Hospital, Department of Rehabilitation Masahiro IWAKURA, PT, PhD, Kazuki OHKURA, PT, MSc, Masahiro SATAKE, PT, PhD Akita University Graduate School of Health Sciences, Department of Physical Therapy Kazuki OHKURA, PT, MSc Akita University Hospital, Department of Rehabilitation Medicine Takanobu SHIOYA, MD, PhD Geriatric Health Facility Nikoniko-en. Purpose: The objective of this study was to investigate the impact of physical activity (PA) on mortality in the patients with COPD. Methods: In this retrospective study, 25 patients with COPD (Age 73 ± 7 years; FEV1 53.2 ± 27.2 % pred) were participated. Their pulmonary function, exercise capacity, health-related QOL and PA were evaluated before starting pulmonary rehabilitation (baseline) from 2009 to 2013. Vital status was ascertained in 2018. The variables of PA were evaluated using developed accelerometer (A-MES). The participants were classified as survivors or non-survivors according to their vital status at the end of the follow-up period. We analyzed the difference between both groups. Cut-off points for the variables of PA and their retrospective prognostic values were investigated. Results: Eight subjects died over an average follow-up period of 85 ± 17 months. The time spent in walking (walking) and the frequency of standing (standing) in non-survivors were significantly lower than that in survivors at baseline. All of these variables were associated with the increased risk of mortality in logistic regression analysis. The cut-off point for predicting mortality were <167 min/d (walking) and <30 times/d (standing). Conclusions: These results of the present study suggested that the lower walking (167 min/d) and standing (<30 times/d) were significantly predictor of mortality in the patient with COPD. Key Words: Physical activity, Chronic obstructive pulmonary disease, Mortality.

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図 1 生活活動度計(A-MES TM ; Activity Monitoring and Evaluation System TM )
図 2 対象患者のフローチャート
図 4 各指標の ROC 曲線とカットオフ値

参照

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