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地域在住男性高齢者におけるフレイルと身体各部位筋量との関連性

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 46 巻第 6 号 399地域在住男性高齢者におけるフレイルと身体各部位筋量との関連性 ∼ 406 頁(2019 年). 399. 研究論文(原著). 地域在住男性高齢者におけるフレイルと 身体各部位筋量との関連性* 福 尾 実 人 1)# 村 木 里 志 2). 要旨 【目的】本研究では,男性高齢者のフレイルと身体各部位筋量の関連性を明らかにすることを目的とした。 【方法】対象は 65 歳以上の地域在住男性高齢者 42 名である。フレイルの評価には基本チェックリストを 用い,その総合点から 3 点以下を健常群,4 点以上のプレフレイルとフレイルをフレイル群に分類した。 身体 8 部位の筋厚に加え,身長,体重,BMI,握力および 5 m 通常歩行速度を測定した。 【結果】フレイ ル群は健常群よりも身体機能,口腔機能,認知機能,抑うつ度得点が高かった。筋量においては,上腕前 部のみフレイル群が有意に小さかった。また,基本チェックリスト総合点と上腕前部の筋量は有意な負の 相関を認めた。 【結論】男性フレイル高齢群の筋量の低下は下肢・体幹には認められず,特定の部位,す なわち上腕前部に生じることが示された。 キーワード 地域在住男性高齢者,フレイル,身体各部位筋量,基本チェックリスト. であり,個々の脆弱性が増加することで要介護状態や死. はじめに. 亡する危険性が高くなった状態」とされている. 3). 。しか.  我が国は諸外国に例をみないスピードで人口高齢化が. し,このフレイルの定義は身体的な問題のみとなるため. 進んでいる。今後もさらに人口高齢化は進み,日本は世. 2014 年に日本老年医学会よりフレイルは身体的な問題. 1). 。. のみならず,精神・心理的問題および社会的問題を含む. そのため,高齢者は日常生活が自立する「健康な期間」. 概念であるとし,その多面性を示している。なお,フレ. となる健康寿命を延ばすことが重要となる。高齢者が要. イルはしかるべき介入により再び健康な状態に戻るとい. 介護状態になる原因は,認知症や脳卒中などの疾患が多. う可逆性を含んでおり. くを占めている。しかしながら,要支援者では「関節疾. 入により生活機能の維持・向上を図ることが期待でき. 患」に次ぎ「高齢による衰弱」が第 2 位に,さらに要介. る。これまで,フレイル高齢者への運動介入の効果を示. 護者でも「認知症」 , 「脳卒中」に次ぎ「高齢による衰弱」. したシステマティックレビューによる報告でも歩行能力. 界一の超高齢化社会であり続けることが予測される. 2). 4). ,フレイル高齢者では適切な介. が第 3 位となっている 。この「高齢による衰弱」とは,. およびバランス能力や筋力などの身体機能は向上してお. 特に大きな疾患がないにもかかわらず徐々に身体が衰え. り,その有用性が明らかにされている. 5). 。. 6). が提唱した診. るフレイルの状態を指している。.  このフレイルの判定には,Fried ら.  フレイルの定義は,「多数の原因,要因による医学的. 断基準が広く使用されている。その基準では体重減少,. な症候群で,筋力や持久力など生理的機能の低下が特徴. 筋力低下,疲れやすい,歩行速度の低下,活動量の低下. *. Relationship between Frailty and Site-specific Body of Muscle Mass in Community Elderly Men 1)日立造船健康保険組合 因島総合病院リハビリテーション科 (〒 722‒2323 広島県尾道市因島土生町 2561 番地) Jitsuhito Fukuo, PT, MSc: Department of Rehabilitation, Innoshima General Hospital 2)九州大学大学院芸術工学研究院 Satoshi Muraki, PhD: Graduate School of Design, Kyushu University # E-mail: fxsfs838@gmail.com (受付日 2019 年 3 月 29 日/受理日 2019 年 7 月 25 日) [J-STAGE での早期公開日 2019 年 10 月 9 日]. のうち 1 ∼ 2 項目該当をプレフレイル,3 項目以上該当 する者をフレイルと定義している。65 歳以上の日本人 高齢者におけるフレイルとプレフレイルの有症率を示し たシステマティックレビューによる報告では,フレイル が 7.4%,プレフレイルが 48.1%と,プレフレイルの有 7) 症率は高い傾向を示している 。このプレフレイル高齢. 者の特徴をみると,身体的側面および精神・心理的側面 の低下は認められるが,社会的側面の低下は認められて.

(2) 400. 理学療法学 第 46 巻第 6 号. いない 8)。しかしながら,高齢者の社会的フレイルおよ びプレフレイルは身体機能および認知機能との関連が強 9). の低下はサルコペニアに陥りやすく 活動作の低下とも関連している. 11). ,さらに日常生. 23). 。このように高齢者. 。このように,高齢期においてはフレイルのみなら. におけるフレイルおよび日常生活動作の低下は各部位の. ず,その前段階であるプレフレイル高齢者においてもフ. 筋量低下につながりやすいことが示唆されている。しか. レイルの 3 側面を含めた詳細な評価が重要と考える。. しながら,これまでの報告. い. 10). 20‒22). では女性高齢者のフレ. は,フレイルの 5 つの項目のうち筋力低下. イル群および要介護群と身体各部位筋量の減少との関連. がもっとも初期に出現し,筋量(体重)減少が起こった. のみを調査しており,男性高齢者の身体的および精神・. 高齢者ではフレイルの進行が速いことを報告している。. 心理的,社会的な 3 側面を含んだフレイルと身体各部位. この身体的フレイルの中核要因はサルコペニアであ. 筋量の関連を調査した報告はみられない。.  Xue ら. 6). ,高齢期においては身体的側面に加えて精神・心理.  そこで,本研究では健常高齢者と比較してフレイル高. 的および社会的な側面の問題により活動量が低下し,さ. 齢者の身体各部位筋量が下肢筋群以外の部位でも小さく. らには食欲低下等による低栄養から筋量が減少するサル. なるということ,さらにフレイルの 3 側面が原因で起こ. り. コペニアにまで至るサイクルを形成する. 11). 。よって,. る日常生活動作の低下は身体各部位筋量が小さくなるこ. 高齢者の筋力と筋量を評価することはフレイルの早期発. とと関連するという仮説に基づき,男性高齢者のフレイ. 見および予防のため重要と考えられる。. ルと身体各部位筋量の関連性を明らかにすることを目的.  しかしながら,筋力の測定には最大限の筋力発揮が求. とした。. められる。そのため,身体機能が低下している運動不足 者や中高齢者では筋肉や関節を痛める可能性が大きく,. 対象と方法. さらに高齢期においては認知機能の低下,神経的疾患を. 1.対象. 有する者が多いため最大努力で筋力を発揮することが困.  対象は,65 ∼ 86 歳の地域在住男性高齢者 42 名(平. 難である。したがって,高齢者の筋力を評価するには最. 均年齢±標準偏差:71.3 ± 4.5 歳)とした。対象者の除. 大筋力を伴わない筋量の測定が望ましい。この測定には. 外基準は要支援や要介護の認定を受けている者,杖や歩. 小型で持ち運びやすく,フィールドで容易に評価できる. 行補助具を使用する必要がある者,神経系疾患や明らか. 超音波診断装置が用いられることが多い。筋量は筋力と. な整形外科疾患を有する者,認知症により意思疎通が困. の相関が高く,特に大. 部および上腕部の筋量は筋力と. 難な者とした。すべての対象者には,事前に研究の趣旨. 強い正の相関がある。そのため,筋量は筋力を推定する. と目的を十分に説明し,書面により研究参加への同意を. 12). 。これらのことから,筋量は筋力. 得た。研究の参加は自由意志であること,調査に協力し. との関連も高く,容易に測定できるためフレイルを早期. ないことや途中で中止した場合であっても対象者には不. に発見できる有用な指標となることが考えられる。. 利益を生じることがないこと,測定中後においても同意.  これまで筋量を評価した先行研究では,まず骨格筋量. を撤回できることを説明した。. の減少には性差が存在することが報告されている。筋量.  本研究は,九州大学大学院芸術工学研究院の実験倫理. は年齢にかかわらず男性が女性より多いが,加齢に伴う. 委員会の承認を得て実施した(承認番号:234)。. 有用な指標となる. 減少の割合は男性が女性より大きい. 13)14). 。すなわち,男. 性は加齢に伴う筋量減少の影響が大きいことが考えられ. 2.方法. る。これらのことから高齢期においては,女性よりも男. 1)身体計測. 性の筋肉量を評価する必要性が高いことが考えられる。.  各対象者の身長および体重を測定し,得られた測定値.  一方,高齢期の加齢による筋量の減少は身体各部位に. 2 か ら Body Mass Index(BMI(kg/m ):( 体 重(kg). より差が認められている で著しく. 16). ,特に大. 15). 。この期の筋萎縮は下肢筋 ‒19). 部 17. において顕著である。. 2 ÷身長(m ))を求めた。. 2)フレイルの評価. これまで高齢者の身体各部位筋量を調査した報告では,.  フレイルの評価には,厚生労働省が示している基本. 日常生活に支障をきたすような疾患がない健常高齢者を. チェックリストを用いた. 対象としていることが多い。その一方で,フレイル高齢. はフレイルの身体面,精神・心理面,社会面の 3 つの側. 者の身体各部位筋量を縦断的に調査した報告によると,. 面を質問紙にて総合的に評価することが可能である。そ. サルコペニアの罹患率は下肢筋群以外にも上腕部と肩甲. の調査内容は 25 項目の質問からなり,「はい・いいえ」. 20). 24). 。この基本チェックリスト. 。また,日. で回答し,それぞれの項目について 1 点で加点をしてい. 常生活動作が低下した要介護高齢者群では自立高齢者群. く。これらの内訳は手段的生活活動 3 項目,社会的生活. 21)22). 活動 2 項目,身体機能 5 項目,栄養 2 項目,口腔機能 3. フレイルの身体的および精神・心理的,社会的な 3 側面. 項目,閉じこもり 2 項目,認知機能 3 項目,抑うつ気分. 骨下部の筋群に高いことが示されている. と比較して,下肢および体幹の筋量は低下している. 。.

(3) 地域在住男性高齢者におけるフレイルと身体各部位筋量との関連性. 表 1 身体各部位筋厚の解剖学的位置および測定筋 測定部位 前部. 上腕. 後部 前部. 大. 後部 前部. 下. 後部 腹部. 体幹. 肩甲骨下部. 解剖学的位置. 測定筋. 肩峰突起から上腕骨外側上顆の遠位 60%. 大転子から大. 骨外側顆の中間. 脛骨外側顆から腓骨外果の遠位 30%. 上腕二頭筋,上腕筋 上腕三頭筋 大. 四頭筋. 半膜様筋,大内転筋 前脛骨筋 腓腹筋,ヒラメ筋. 臍点横 2 ∼ 3 cm 部位. 腹直筋. 肩甲骨下角部から下 5 cm 部位. 広背筋. 5 項目となる。基本チェックリストの総合点は Fried ら の 5 つのフレイル診断基準と有意な正の相関を認めてお り,4 ∼ 7 点でプレフレイル,8 点以上でフレイルと診 断される. 25). 。本研究では,この基本チェックリストを. 使用し,3 点以下を健常群,4 点以上のプレフレイルと フレイルをフレイル群に分類した。 3)身体各部位筋厚の計測  身体各部位筋量の指標としては超音波 B モード装置 (TOSHIBA,SSA-640A Viamo)を用いて,上腕前・後 部,大. 前・後部,下. 前・後部,腹部,肩甲骨下部の. 筋厚を測定した。測定部位の解剖学的位置および測定筋 は,安部ら. 26). が報告しているものと同一とした(表 1) 。. 対象者はマットレスもしくはベッド上にて安静臥位姿勢 となり,解剖学的肢位になるよう姿勢を調節した。筋厚 の測定部位は利き手側とした。はじめに,身体前面の部 位(上腕前部,大. 前部,下. 前部,腹部)を仰臥位安. 静姿勢にて測定を行った。次に,身体後面の部位(上腕 後部,大. 後部,下. 図 1 大. 四頭筋の超音波横断画像. 後部,肩甲骨下部)を腹臥位安静. 姿勢において測定した。測定中,対象者には撮影する筋 に力を入れないよう指示した。超音波プローブには超音 波用ゼリーを塗布し,対象者の皮下組織を圧迫しないよ う皮膚表面に接触させることで筋横断面積の縮小を考慮 した。超音波プローブは短軸方向に走査して筋肉の横断 面を撮影した。各横断面画像は,皮下脂肪組織と筋組織 との境界から筋組織と骨組織との境界までの長さを計測 し,その値を各部位における筋厚とした(図 1) 。ただし, 腹部では皮下組織から筋組織の境界から,筋組織と腹腔 との境界までの長さとした(図 2) 。なお,筋厚(mm) は筋長を乗じることで筋体積を算出するが,筋長には四 肢・体幹長との相関が強い身長(m)を代用した. 27). 。. さらに本研究では体格による影響を除外するため,筋体 積を体重(kg)で除した数値を用いた. 28). 。. 4)運動機能の測定  握力はデジタル式握力計(竹井機器工業製,T.K.K.5401) を用いて,立位にて利き手で測定した。握力は 2 回測定 し,高い値を代表値とした。5 m 通常歩行速度(m /秒). 図 2 腹直筋の超音波横断画像. 401.

(4) 402. 理学療法学 第 46 巻第 6 号. 表 2 健常群とフレイル群における各測定項目の群間比較(n=42) 分類. 項目. 健常群 (28 名). フレイル群 (14 名). 有意性. プレフレイル(10 名) +フレイル(4 名). 身体的特性. フレイル 基本チェックリスト. 身体各部位筋量. 運動機能. 年齢(歳). 71.0 ± 3.8. 71.9 ± 5.8. p = 1.000. 身長(cm). 164.8 ± 4.1. 164.3 ± 7.6. p = 0.803. 体重(kg). 62.4 ± 7.5. 63.6 ± 8.2. p = 0.638. BMI(kg/m2). 23.0 ± 2.7. 23.6 ± 2.4. p = 0.522. 総合点(点). 1.4 ± 1.1. 7.1 ± 2.8. p < 0.000 **. 手段的生活活動:No.1 ∼ 3(点). 0.1 ± 0.3. 0.5 ± 0.9. p = 0.296. 社会的生活活動:No.4 ∼ 5(点). 0.2 ± 0.5. 0.4 ± 0.6. p = 0.272. 身体機能:No.6 ∼ 10(点). 0.3 ± 0.6. 1.4 ± 1.1. p = 0.002 **. 栄養状態:No.11 ∼ 12(点). 0.2 ± 0.4. 0.3 ± 0.5. p = 0.589. 口腔機能:No.13 ∼ 15(点). 0.3 ± 0.4. 1.2 ± 1.1. p = 0.004 **. 閉じこもり:No.16 ∼ 17(点). 0.1 ± 0.3. 0.3 ± 0.5. p = 0.362. 認知機能:No.18 ∼ 20(点). 0.2 ± 0.4. 1.1 ± 0.8. p = 0.002 **. 抑うつ気分:No.21 ∼ 25(点). 0.1 ± 0.3. 1.6 ± 1.8. p = 0.005 **. 上腕前部(mm・m/kg). 0.68 ± 0.01. 0.63 ± 0.07. p = 0.031 *. 上腕後部(mm・m/kg). 0.50 ± 0.10. 0.53 ± 0.11. p = 0.369. 大. 前部(mm・m/kg). 0.66 ± 0.12. 0.66 ± 0.10. p = 0.906. 大. 後部(mm・m/kg). 1.01 ± 0.11. 1.01 ± 0.17. p = 0.967. 下. 前部(mm・m/kg). 0.74 ± 0.10. 0.73 ± 0.08. p = 0.739. 下. 後部(mm・m/kg). 1.34 ± 0.19. 1.28 ± 0.16. p = 0.257. 腹部(mm・m/kg). 0.24 ± 0.05. 0.26 ± 0.06. p = 0.167. 肩甲骨下部(mm・m/kg). 0.24 ± 0.05. 0.27 ± 0.05. p = 0.188. 握力(kgf). 34.3 ± 4.8. 34.6 ± 6.5. p = 0.844. 5 m 通常歩行速度(m/s). 1.34 ± 0.19. 1.27 ± 0.27. p = 0.343. 平均値±標準偏差 * p < 0.05,** p < 0.01. は,普段の速度で行った。歩行路の両端には 3 m の予. 目,身体各部位筋量,握力および 5 m 通常歩行速度の健. 備路を設けており,中央 5 m の歩行路の歩行速度を計. 常群とフレイル群の比較を表 2 に示す。基本チェックリ. 測した。. ストによるフレイル判定の結果,3 点以下の健常群は 28. 5)統計処理. 名,4 点以上のフレイル群は 14 名となった。フレイル群.  対象者を健常群とフレイル群に分け,年齢,身長,体. は健常群よりも基本チェックリスト下位項目中の身体機. 重,BMI の身体的特性,基本チェックリストの総合点. 能,口腔機能,認知機能および抑うつ気分の得点は有意. および下位項目,身体各部位筋量,握力,5 m 通常歩行. に高値を示したが,手段的・社会的生活活動,栄養状態,. 速度の差を検定した。統計処理は,すべての測定項目の. 閉じこもりの得点では有意な差は認められなかった。身. 正規性を Shapiro-Wilk 検定にて確認した。2 群間の比較. 体各部位筋量では上腕前部の筋量のみフレイル群と健常. には,対応のない t 検定または Mann-Whitney の U 検. 群の 2 群間で有意な差を認めたが,その他の部位の筋量. 定を用いた。その後,Spearman の順位相関係数を用い,. には有意な差は認められなかった。握力と 5 m 通常歩行. 基本チェックリスト総合点と身体各部位筋量およびその. 速度にも 2 群間の有意な差は認められなかった。. 他の測定項目との関係を検討した。有意水準は 5%とし.  基本チェックリスト総合点と身体各部位筋量の相関関. た。統計ソフトは,IBM 社 SPSS ver23.0 for Windows. 係をみると,上腕前部の筋量には有意な負の相関(r =. を用いた。. ‒0.323,p = 0.037)を認めた。なお,他の筋量値,握力(r. 結   果  身体的特性,基本チェックリスト総合点および下位項. = ‒0.046,p = 0.772) お よ び 5 m 通 常 歩 行 速 度(r = 0.059,p = 0.709)には有意な相関は認められなかった (表 3)。.

(5) 地域在住男性高齢者におけるフレイルと身体各部位筋量との関連性. 403. 表 3 基本チェックリスト総合点と身体各部位筋量および運動機能との相関(n=42) 分類. 項目. 身体各部位筋量. 相関係数 ‒ 0.323. 上腕後部(mm・m/kg). 0.024. p = 0.880. 大. 前部(mm・m/kg). 0.062. p = 0.695. 大. 後部(mm・m/kg). 0.070. p = 0.658. 下. 前部(mm・m/kg). ‒ 0.058. p = 0.717. 下. 後部(mm・m/kg). ‒ 0.150. p = 0.343. 0.193. p = 0.221. 腹部(mm・m/kg) 肩甲骨下部(mm・m/kg) 握力(kgf). 運動機能. 有意性 p = 0.037 *. 上腕前部(mm・m/kg). 5 m 通常歩行速度(m/s). 0.276. p = 0.076. ‒ 0.046. p = 0.772. 0.059. p = 0.709. * p < 0.05.  フレイル群においては上腕前部の筋量に有意な低下を. 考   察. 認めたが,握力には有意な低下は認められなかった。握.  本研究の対象者 42 名のうち,健常群が 28 名,フレイ. 力の測定方法は手関節と手指の運動に関与する筋の複合. ル群が 14 名となり,半数以上が健常群を占めた。フレ. 運動であるが. イル群の内訳はプレフレイルが 10 名,フレイルが 4 名. 以外にも上腕部の筋に影響を及ぼしているか定かではな. とプレフレイル者が多い。基本チェックリスト下位項目. く,フレイル群では握力の低下にまで至らなかったこと. 中の健常群とフレイル群の比較では身体機能,口腔機. が考えられる。. 能,認知機能および抑うつ気分に有意な差を認めた。一.  フレイル群において上腕前部の筋量のみに有意な低下. 方,手段的・社会的生活活動,閉じこもりに有意な差は. が認められたことは,その部位の日常の活動量が他の部. 認められなかった。これらの項目の得点は,社会的生活. 位に比べて減少していることが推察される。本研究で用. 活動および外出の制限といったフレイルの社会的な側面. いた基本チェックリストには上肢の運動機能や筋活動量. Matushita ら. ,その測定では上肢のなかでも前腕部. 。健常男女高齢者を対象とした. を問う項目が含まれないため,その因果関係を追究する. の研究では,基本チェックリストを用. ことは難しい。しかし,上肢は下肢や体幹と比べ日常の. と関係している 8). 29). 32). いてプレフレイル高齢者の特徴を調査しており,プレフ. 筋活動量が低いことが沢井ら 34). 33). の成人男女の調査や. の女性高齢者の調査から指摘されている。. レイル群は健常群と比べて身体機能,口腔機能および認. Jones ら. 知機能が低下し,抑うつ気分は高いが,手段的・社会的. そのため,上肢の筋量低下は下肢や体幹とは異なる過程. 生活活動,栄養状態,閉じこもりに有意な差は認めてい. によって生じる可能性がある。推測の域をでないが,フ. ない。また,フレイルの身体的,精神・心理的および社. レイルが進行すると日常生活動作の増悪を引き起こす危. 会的側面の出現頻度はそれぞれ 17.3%,20.2% および. 険性が高く. 8.9% と推計されている. 30). 。このようにフレイルの 3 側. 35)36). ,そのなかでも更衣および食事や入浴. など上肢を使用するセルフケアの低下との関連も強いこ. 面のなかでも社会的側面の出現頻度はもっとも低いこと. とから,フレイル高齢者では上肢の筋活動量が減少し,. が示されている。本研究でもフレイル群は身体的側面お. 筋量低下をもたらすことが考えられる。. よび精神・心理的側面の低下を認め,先行研究. 8). を支.  本研究で認められたフレイル群の上腕前部の筋量低下. 持した結果となった。. は,性別が異なる女性フレイル高齢者においても関連す.  フレイル群は健常群と比べて,上腕前部の筋量に有意. ることが報告されている。女性フレイル高齢者の各部位. な差が認められた。また,基本チェックリスト総合点と. 筋量を 1 年間追跡した調査によると,上腕前部は他の部. 上腕前部の筋量は有意な負の相関を認めた。すなわち,. 位に比べて筋量の減少率がもっとも大きいことが示され. フレイル群では上腕前部の筋量が小さくなりやすいこと. ている。さらにこの上腕前部の筋量低下は加齢の影響に. が示唆される。この上腕前部の筋量は上腕二頭筋と上腕. 加え,前述したような身体不活動(運動不足)の影響を. 筋の筋量の合計である. 26). が,それらの筋の役割は肘関 31). 強く受けやすいことも指摘されている. 20). 。このように,. は,肘関節の屈曲. 上腕前部の筋量低下は性別関係なくフレイルの者に起こ. 筋力はフレイルと関連が深いことを報告しており,本研. りやすい現象であり,フレイルを早期発見するための男. 究の結果と一致した。. 女共通の有用な指標になることが期待される。. 節の屈曲である。Toosizadeh ら.

(6) 404. 理学療法学 第 46 巻第 6 号.  一方,フレイル群は健常群と比べて下肢・体幹の筋量. 研究では,上腕前部以外にも肩甲骨下部の筋,すなわち. に有意な差は認められなかった。さらに,基本チェック. 背筋の筋量の減少が起こることを報告している. リスト総合点と下肢・体幹の筋量との関連も認められな. のことは,女性高齢者は男性高齢者に比べて背筋の筋力. かった。その理由として主に 2 つの点が考えられる。第. 低下が大きく,円背になりやすいこととも一致する. 1 に,フレイル群において外出の機会や手段的・社会的. このように高齢女性においては,フレイルおよびその前. 生活活動が維持できていることが関係していると考えら. 後の時期において,下肢・体幹の筋量低下が加速するこ. れる。65 歳以上の男女高齢者を対象とした Tanimoto. とが多く示されており,本研究の知見は女性にはあては. ら. 37). の研究では,低い筋肉量と外出を含む手段的・社. 会的生活活動の障害が関係している。さらに 65 歳以上 の男女高齢者を対象とした Park ら. 38). の研究によると,. 20). 。こ 43). 。. まらないと示唆される。  本研究では,男性高齢者の基本チェックリスト総合点 と身体各部位筋量との関係を検証した。その結果,男性. 男性では全身および下肢の筋量と生活活動量が関係して. フレイル高齢者は上腕前部の筋量低下が起こりやすいこ. いると報告している。しかし,フレイル群では健常群と. とが示されており,本研究は男性高齢者のフレイルと身. 比べて外出機会や手段的・社会的生活活動に有意な差が. 体各部位筋量の低下との特徴を提示できていると考え. 認められておらず,下肢・体幹の筋量低下には結びつか. る。その反面,本研究ではフレイルを構成する 3 側面(身. なかったと考えられる。. 体的,精神・心理的および社会的)と身体各部位筋量と.  第 2 に,フレイル群では栄養状態に問題がなく,低栄. の関連を検討することを試みた。しかし,フレイル群と. 養から骨格筋量が減少するサルコペニアにまで至らな. 健常群との差は,身体的側面と精神・心理的側面のみに. かった. 6). ことが考えられる。日本人の新身体計測値 39). 認められ,社会的側面には認められなかった。そのため,. によると,栄養評価として上腕周囲長が. フレイルの 3 側面と身体各部位筋量との関連性を詳細に. 推奨されており,高齢者では上腕周囲長と栄養状態を示. 検討することに限界があった。今後はフレイルを構成す. す BMI との関連性が強いことが報告されている。しか. る 3 側面をより詳しく評価し,身体各部位筋量との関連. しながら,フレイル群では栄養状態に問題はないが,上. 性を検討していきたい。. JARD2001. 腕前部の筋量は低下していた。三輪ら. 39). らは高齢期の. 男性において,日常生活動作が低下している者は上腕周. 結   論. 囲長および皮下脂肪厚を除いた上腕筋囲が低下している.  本研究は男性高齢者を対象とし,フレイル群の身体各. ことを報告している。このことから,本研究のフレイル. 部位の筋量の特徴を健常群との比較から検討した。フレ. 群では栄養状態の問題より,前述のように日常生活動作. イル群と判定された者は身体機能,口腔機能,認知機能. の低下のため上腕前部の筋量が低下したと考える。65. が低く,抑うつ度が高かった。そのような特徴をもった. 40). の研究で. フレイル群においては,上腕前部の筋量が健常群より有. は低栄養と全身の筋量低下との関連を報告している。全. 意に小さかったが,下肢・体幹の筋量には有意な差は見. 身の筋量は部位別に割合をみると下肢が約 40%,体幹. 出せなかった。. 歳以上の男女高齢者を対象とした Pierik ら. が約 50%と大部分を占めている. 13). 。地域在住高齢者の. 栄養状態と体力との関連を調査した研究では,その下肢 の筋力は低栄養状態によって低下することが報告されて いる. 利益相反  本研究に関して,開示すべき利益相反はない。. 41). 。すなわち,男性高齢者の低栄養による筋量低. 下は全身の中でも特に下肢に表面化しやすいことが示唆 される。しかしながら,本研究のフレイル群は健常群と 比べて栄養状態に有意な差を認められておらず,下肢・ 体幹の筋量の低下まで至らなかったと考えられる。  男性高齢者を対象とした本研究では,フレイルと下 肢・体幹の筋量との関係を見出せなかったが,女性高齢 者では異なることが予測される。女性高齢者を対象とし た Ikezoe ら. 21)22). の研究によると,下肢・体幹の筋量. は日常生活動作および歩行に介助を必要とする者におい て有意に低下している。中年期以降の全身の筋量を調査 した Abe ら. 42). の研究では、男女とも加齢に伴い全身. の筋量低下が生じるが,大. 部の筋量減少は男性より女. 性の方が大きい。さらに女性フレイル高齢者に着目した. 文  献 1)内閣府ホームページ 平成 30 年度版高齢社書.https:// www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/zenbun/30pdf_ index.html(2019 年 2 月 21 日引用) 2)厚生労働省ホームページ 平成 28 年度国民生活基礎調 査.http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/ k-tyosa16/dl/05.pdf(2019 年 2 月 20 日引用) 3)Morley JE, Vellas B, et al.: Frailty consensus: a call to action. J Am Med Dir Assoc. 2013; 14: 392‒397. 4)一般社団法人日本老年医学会ホームページ フレイルに関 する日本老年医学会からのステートメント.http://www. jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/2014 513_01_01.pdf (2019 年 2 月 20 日引用) 5)Giné-Garriga M, Roqué-Fíguls M, et al.: Physical exercise interventions for improving performance-based measures of physical function in community-dwelling, frail older adults: a systematic review and meta-analysis. Arch Phys.

(7) 地域在住男性高齢者におけるフレイルと身体各部位筋量との関連性 Med Rehabil. 2014; 95: 753‒769.e3. 6)Fried LP, Tangen CM, et al.: Frailty in older adults: evidence for a phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2001; 56: M146‒M156. 7)Kojima G, Iliffe S, et al.: Prevalence of frailty in Japan: A systematic review and meta-analysis. J Epidemiol. 2017; 27: 347‒353. 8)Matsushita E, Okada K, et al.: Characteristics of physical prefrailty among Japanese healthy older adults. Geriatr Gerontol Int. 2017; 17: 1568‒1574. 9)Tsutsumimoto K, Doi T, et al.: Association of social frailty with both cognitive and physical deficits among older people. J Am Med Dir Assoc. 2017; 18: 603‒607. 10)Xue QL, Bandeen-Roche K, et al.: Initial manifestations of frailty criteria and the development of frailty phenotype in the Women’s Health and Aging Study II. 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(8) 406. 理学療法学 第 46 巻第 6 号. 〈Abstract〉. Relationship between Frailty and Site-specific Body of Muscle Mass in Community Elderly Men. Jitsuhito FUKUO, PT, MSc Department of Rehabilitation, Innoshima General Hospital Satoshi MURAKI, PhD Graduate School of Design, Kyushu University. Purpose: The aim of this study was to elucidate the relationship between frailty of elderly men and site-specific body of muscle mass. Methods: Forty-two in community elderly men aged 65 or over participated in this study. Kihon checklist (KCL) was used to evaluate frailty. Total KCL score of 3 points and less were classified as robust group, 4 and more as pre-frail and frail persons (frailty group). Muscle thickness of eight regions of the body, as well as body height, body weight, body mass index (BMI), handgrip strength, and 5-m usual gait speed were measured. Results: The scores for physical functions, oral functions, and cognitive functions, depression was higher in the frailty group than in the robust group. Regarding the muscle mass of the eight regions, only the muscle mass of the anterior upper arm was significantly smaller in the frailty group than in the robust group. A significantly negative correlation was observed between the total KCL score and the muscle mass of the anterior upper arm. Conclusion: Loss of muscle mass of frail elderly men were not recognized the lower limbs or the trunk, but a specific site, that is occurred for anterior upper arm. Key Words: Community elderly men, Frailty, Site-specific body of muscle mass, Kihon checklist.

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