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小学校段階における「書くこと Jの発達を見据えた「作文指導Jの研究
「書く意欲
J
の実相を中心にー
専 攻 教 科 ・ 領 域 教 育 専 攻
コース 言語系コース(国語)
氏 名 折 井 茂 太
1
.研究の目的
本研究は、小学生を対象とした「作文指導J
を取り上げる。 f作文指導Jを充実させるため
には、児童が「作文を書きたいj という思いを
持ち、さらに、「自分の作文をよりよいものへ
と変えていきたいj という向上心を持つことが
重要である。作文を書く際にこのような「書く
意欲Jを抱くためには、「題材」・「取材j・「構
想、構成J・「記述 J・「推敵」等の作文を書く
過程において、書くことを妨げている「つまず
きjを児童が克服し、達成感を持つことができ
るかどうか、さらには、作文を書くことに意義
を感じることができるかどうかが大切になる。
しかし、児童の「書く意欲Jを育てることだ
けが「作文指導」の目的ではない。「作文指導」
で養うことのできる力には、目的に合わせて書
く力、論理的思考力、言語感覚、文章による言
語表現能力などがある。このような力を育てる
ためには児童の発達に合わせた教師の計画的指
導が重要である。この計画的指導、つまりどの
学年で、どういった指導をする必要があるのか
ということを明らかにする。
本研究では、児童の作文に対する「書く意欲」
を育てるための様々な手立てを提案し、「作文」
で児童に身につけることのできる力を「作文指
指 導 教 員 村 井 万 里 子
導」でどのように養っていくのかという計画的
な指導を明らかにすることを目的とする。
2.
誼文構成
序 章 研 究 の 目 的 と 方 法
第1章 「作文指導Jの 定 義 一 藤 原 宏 、 亀 村
五郎、国分一太郎、首藤久義の思想を中心に一
第2章 「書く意欲jの実相
第3章 全 学 年 共 通 で 行 う 「 作 文 教 育j
第 4章 「作文指導jについての研究
終章研究のまとめと今後の課題
3.
韓文の肉容
第 1章では、亀村五郎や藤原宏、国分一太郎
の理論から考察者が研究する「作文指導」と「作
文教育」の定義づけを行った。第2では、中西
一弘をはじめとする多くの先達からf書く意欲」
の実相を明らかにした。第3章では第 2章を踏
まえた上で、「書く意欲」を育てるためにどの
ような「作文指導」・「作文教育」をすればよ
いのかを考察した。第4章では、芦田恵之助『綴
り方教授』から小学生の「書くことJの発達を
読み取り、どのような「作文指導」が考えられ
る随時考察を加えていった。。終章では、研究
の成果と課題を明らかにした。
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4.
研究の成果
「小学校段階における「書くことjの発達を
見据えた「作文指導JJを求めて、芦田恵之助
を中心に考察を行った。以下論文の構成にした
がって、各章ごとの内容を整理していく。
第1章では、藤原宏、亀村五郎、国分一太郎、
首藤久義の 4人の思想を中心に、「作文教育j
と「作文指導」の定義づけを行った。かつては
考察者の中でこの定義が暖昧であったために、
両者が混在し、中々研究が前に進まなかった。
「作文指導」を考察者の中で定義をすることが
できた意義は大きいと感じている。
第 2章では、「書く意欲」の実相を明らかに
した。ここで明らかになった「書く意欲Jの実
相は以下の通りである。「書くことjを含めた
「表現活動jは本来魅力を持っている。しかし
様々な要因があるため、「書く意欲jは放って
おけば、無限に湧き出てくるようことはない。
湧き出たとしても、簡単に途切れてしまいかね
ない。しかし、だからこそ、「成就した」つま
り、「書き上げた J
r
上手になった」と達成感
や成長の実感を持つことが出来れば、児童は作
文を「書きたいJと意欲を持つことができるだ
ろう。これが、「書く意欲j の実相である。つ
まり、高い山ほど登ることのできた時の感動は
大きくなるという至極当たり前のことを述べる
にとどまった。しかし、「書くこと」がいかに
「成就する」のが困難かということを明らかに
できた。登山に訓練や装備品が重要なように、
f書くこと」も「成就する」ためには準備や教
師の具体的な指導が必要である。
第3章では、全学年共通で行う「作文教育」
について考察を行った。第 2章を受けて、どう
すれば「書く意欲」が学習者に育つのかという
ことを中西一弘、亀村五郎、大村はまの理論を
中心に考察行った。
第4章では、芦田恵之助の『綴り方教授』を
中心に、小学校の「書くことJの発達を求めた。
芦田恵之助という巨人を前に、考察者の認識の
甘さや考えの至らなさをただただ感じ入ること
になった章で、あったが、考察者がこれから教壇
に立ち「作文指導」を実践していく上で少しで
も道標になればと思う。この道標を作ることが
できたことこそ、この研究の最大の成果である。
5.
今後の課題
主に以下の 3点が挙げられる。
課題
1 自己の「書く力Jの育成に励む。
指導者にとって、範文は重要な指導技術であ
る。特に、小学校 5年生以降では、「範文法J
は重要となる。しかしこれ児童の実態に沿うも
の出なければ効果がない。児童ひとりひとりを
よくみて、児童の「書く意欲」を刺激し、書く
際の道標となる範文を考案していきたい。
課題2
r
作文指導jにおける史的研究を深め、
その歴史から学ぶ。
本研究では第 4章が少し不完全燃焼のまま終
わってしまった。芦田恵之助の実践は一つの論
文で語り尽くせるほど単純ではない。今回の研
究で「生活綴り方」により一層の興味が湧いた
ので、次は之に絞って研究をしてみたい。
課題 3 芦田恵之助の「綴り方」の発達におけ
る留意事項を更に深める。
芦田恵之助の『綴り方教授』は 1913年に出
版されたので、発達事項についても、現在とは
差異が生じていると思う。そのことを今後は明
らかにしてみたい。