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鋼材焼入れ深度の非破壊測定とその検量線の設定方法

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鋼材焼入れ深度の非破壊測定とその検量練の設定方法

Nondestructive

Measurement

ofCase

Depthin

Steel

Products

andIts

Conversion

Lines

加賀谷

一* RyaichiKagaya

男**

Kllnio Ono

鋼材の磁気特性のうち保磁力が硬度と密接な相関関係にあることを利用して焼入れ深度を非破壊測定する日 立UMQ-20形鋼材焼入れ深度測定装置が開発さカl.,国内外に普及され始めている。 本装置の測定精度を決定する重要な要素としてほ,検出器アタッチメソトの選定および検量線の設定方法が あげられる。 本文ほ測定装置の簡単な説明とともに,これらの問題点に対する検討結果をまとめたものである。

1.緒

言 熱処月!が施された各種鋼製品の品質管理には従来サンプリングに よる分析,あるいは種々の破壊試験がなされているが,これらの作 業には多大の労力と設備が必要である。 今回開発された口立UMQ-20形鋼材焼入れ深度測定装置ほ,銅 材の磁気特性のうち保磁力が硬度および組織と非常に密接な相関関 係にあることに着目し,この保磁力を電気的に検出することにより, 焼入れ深度を非破壌測定するものである。 本装置は,国内外の自動車メーカー,鉄鋼メーカーなどへ多数納 入され生産検査ラインに使用されているが,これら各ユーザーの被 測定物は熱処理方法,形状,寸法など複雑多岐にわたっている。こ れらに対し最も適合した検出器およびアタッチメントを供給するた め,標準検出器および標準アタッチメントをどのようにまとめるべ きか,またこの種の非破壊測定器には付きものの検量線の設定基準 の確立が必要である。以下これらの問題点に対する検討結果を述 べる。 なお,本測定装置の外観ほ図1に示すとおり,一般仕様ほ下記の とおりである。 操 作 電 源 最大測定能力 装置の寸法 AClOO/110V 50/60Hz 20mm 300×600×440mm(30kg) 2.測 定 原‡哩 熱処理された鋼製品の保磁力を測定することにより焼入れ深度や 硬度を測る原理については,詳細な理論的解析がなされている(1)が 以 ̄Fにその概略を述べる。 鋼材はステンレス鋼など特殊なものを除いては強磁性体であり, 一般に図2のような磁気特性をもっている。そこで図3のように焼 入れされた被測定物の上に検出器(電磁石)を置き,まずコイルへ励 磁電流んを流し励磁することにより保磁力の大きい焼入れ硬化層 部と保磁力の小さい非硬化層部とを含む磁路全体を磁化すれば,ん をゼロへ戻しても残留磁束によりこの閉磁路は一つの永久磁石とな る。次にこの間磁路の磁束を磁束計により監視しながら逆励磁電流 ムを流して磁束計の指示値がゼロになるように操作する。このとき の電流ムの値を電流計で読み取り,コイルの巻数jVとの積,凡=ム・ ノⅤ(A・T)が求める保磁力となる。なお実際には磁束検出素子のドリ フトや,被測定物内にあらかじめあるかも知れない残留磁束の影響 * 日立製作所那珂工場 ** 日立製作所日立研究所 図1 Fl立UMQ-20形鋼材焼入れ深度測定装置 B 焼入れ前の磁気特性

____盲∠焼入れ後の細字

一一一一● 一-′ / / ′ / ′ ン■ / / ′

/

ノ / / /′r H ′ ′ / ′ / / ノ ′ ∠___一一一一 ̄一 図2 鋼材の磁気特性

電磁石 (検出器) Ⅰ。 / Ml(電流計) りm / 性 M2 (磁束計) 増幅器 焼入れ硬化層部 非硬化屑部 図3 測 定 原 理 を防ぐため以上の操作を正道両方向に行ない,両者の凡測定値の 平均をとる。

(2)

144

3・装置の構成

図4に示すように装置の構成としてほ,強力に被測定物を励磁す る励磁機構と励磁電流計鳩,磁束がゼロになったことを確認する 直流増幅器と磁束計几毛,測定電流を供給する電源盤,またこの測 定電流をなめらかに流す測定電流制御機構および測定電流を正確に 読み取るための自動レソジ切換装置と電流計叫とからなる。これ らは測定順序に従ってロータリスイッチを回せば,リレー盤に設置 された小形リレーが制御され選択された状態がつくりだされる。

4.標準検出器

検出器としてほ,低保磁力で飽和磁束密度の大きい安定した磁性 材料を経済的最小寸法で使用し,測定能力を最大限に発揮できるも のでなければならない。まず一般の被測定物を焼入れ深度の程度に よって分類してみると,10∼20mm,5mm前後および2mm以下 の3段階に区別される。すなわちシャワー焼入れされる大形圧延 ロール,ブルドーザ部品など大形のものは10Inm以上の高深度で あるが,高周波焼入れの自動車用シャフトや火炎焼入れの中形歯車 などは5皿m前後の焼入れ深度である。さらに浸炭焼入れされる一 Ml

/

自動レンジ 換装置 検 出 器 電源盤 POWER M2 M.

/直

流 増幅器

/

/

リ レ Ⅵ 璧 ロ】-タリ スイッチ FUNCTrON 測定電税 制御躍構

一一○

ROUGH FINE 九tEASURE 励 磁 機 構 EXCITE DEMAG,START & DE九†AG, 図4 測定装置の構成 図5 検出器とアタッチメント ⅤOL.53 N0.2 1971 般小形部品は一般に2mm以下である。 焼入れ深度の大きい被測定物に対してほその深度が測定しうる深 さまで磁束を透入させなければならないので大形の検出器を使用す ることになるが,焼入れ深度の小さいものに対しては必要以上に深 い透入磁束は必要なく,また測定精度にも影響がある。したがって 標準検出器としては,焼入れ深度の測定能力によって20mm以下, 10mm以下および5mm以下の3種類にまとめ,このほかに大形 歯車測定専用のⅩUMIC形を設けた。これらの仕様は表1に示す とおりである。

5.標準アタッチメント

アタッチメントほ図5のように検出器の脚部へネジ締め固定さ れ,被測定部へ有効な磁束を通すための磁路を形成するものである。 一般の被測定物は,熱処理方法および形状寸法の遣いがあり千差万 別である。しかし焼入れ深度は熱処理方法によりはば決定されるの で測定能力により区分された標準検出器のいずれを使用すべきかが まず決定される。 したがって標準アタッチメソトほ被測定物の形状および寸法によ って区分すればよい。被測定物の形状ほ基本的にほ,①角棒,丸棒 状のもの,⑦板状のもの,③歯車,スプライソ状のもの,④そのほ かに分類される。これらのうち①∼③に対応できるように,標準アタ ッチメントは設定される。図るに示したのがそれである。したがっ 表1 標準検出器の仕様 形式 測定能力 電磁石の形状,寸法 コイル 巻数 励磁 電流 用 途 ⅩUM-A 20mm以下 † 1,000 5A 高深度焼入れ大形部品 3535冒 18 50 異材鑑別,硬度測定 熱処理条件の判別など ⅩUM-B 10JnI山以下 7D 3Z N(拍 30 1,000 3A 中深度焼入れ一般部品 ⅩUM-C 5mm以下

01。ま30

9010 1,000 3A モジュール10以上の 大形乎歯車,歯底, フィレソト部 ⅩUM-D 5m血以下 35 4 く:⊃ 1:L ヨ15 1,000 1A 低深度焼入れ 一般小物部品 汗ラ i( アタリチノントの斤…爪 形〕-ミ アタッチメントの形北 0形シリwズ 〔用途〕 r

駕。

(つ C〉 4形シリーズ [淋毒] C〉 平手7i測)亡 簡坊ノ絹巨タイプ 20mm¢∼∞ (⊃ 1汗三ンリーーーズ [用遥] 50mm¢以下 丸棒測;正 6斤三シり一ズ [川迩] 帆搾轄榊;王 ⊂〉 ⊂) 「 l 2形シリーズ 〔用途〕 0 8形シリーズ 〔用途〕 R C〉 (フ 50mm¢以下 異材鑑別 く) 高深度測定 曲率Rは顧客 の指淀による 3薙ヨシリーズ 【用途〕 高深度測定 曲率Rは顧客 の指定による。 R l C形シリーズ ㈹途〕 0(フ 大形平歯車 測定 ⊂〉⊂) 図6 標準アタッチメント

(3)

鋼材焼入れ深度の非破壊測定とその検量線の設定方法

145 電磁石 アタッチメント

¢1ノ

_一ノ 焼入れ硬化部 焼きのはいらない深部 図7 検出器定数の説明 て特殊形状のものを除いてほ,はとんどの被測定物について標準検 出器と標準アタッチメントを適当に選択することにより測定が可能 である。なお,標準アタッチメントが適用できない特殊形状のもの ほ,そのつど検討すればよい。

d.検量線の設定方法

本測定装置を使用するには,検量線が必要である。すなわち被測 定物の保磁力は,鋼種および熱処理などにより異なるものであり, あらかじめ測定対象物の真値と本測定装置の測定値との関係を示す 検量線を設定しておかなければならない。検量線の設定方法には大 別して,理論的な計算による方法と実験的な方法が考えられる。 d・】理論的な計算による検量線の設定方法 この方法について述べるには若干の予備説明が必要である。 図7のように被測定物の表面に適当なアタッチメントを取り付け た検出器を置き,検出器コイルへんを流して励磁し,逆励磁電流 を流した後の測定値凡は被測定部の全磁路の〔保磁力〕×〔磁路長〕 の合成値を表わしており次の近似式(1)で示される。

凡=一旦拠-

4汀

[

竪リ

d _ d

盲+夜雨

音符(㌶十砦)+∽言)

]

+凡p〔A・T〕…・.…‥ ‥..‥‥…(1) α ′ ∂ d 如 に こ こ アタッチメントの脚の幅(cm) アタッチメントの脚の間隔(cm) 被測定物中に透入される磁束の深さ(cm) 焼入れ硬イヒ層深度(全硬イヒ層深さ)(cm) 検出器よりアタッチメントを通して被測定物中に はいる磁束の最大値(kG-Cm2) 凡ク‥ 検出器とアタ、ソチメソトを含む〔保磁力〕×〔磁路 長〕(A・T) 椚および乃ほ,図8のように焼入れ酎ヒ部または焼きのはいらない 深部にての最大磁束密度と保磁力との関係によって決定される。 ここで,たとえば高周波焼入れのように焼入れ硬化層深度が数ミ リメートルで,焼入れ硬化部と焼きのはいらない深部の硬度差が大 きい場合,つまり d≪α+J,d≪∂,乃≪∽ このような関係が成立する場合には,(1)式は次のように簡略化さ れる。

凡≒警i苦れ〝(守+訓仏〔A・T〕‥‥‥(2)

また凡のdに対するこう配ほ

凡′=雷=警〔AT/cm〕・・

..(3) ここで,α,J,∂,¢1(図7のC寸法が関係する)および凡。は被 B机机 托爪 l l l l l m=Hrm/B爪。 焼入れ硬化部 B爪爪 H川 l l l n=H川/Bp. 焼きのはいらなし、深部 図8 糾および柁の説明 測定物にかかわらずはとんど検出器とアタッチメントの材質と寸法 により次定されるが,椚と乃の値ほ被測定物の鋼種および熱処理条 件により異なるもので厳密にほ個々の場合で実測により求める必要 がある。ここで(3)式について検討してみると,検量線のこう配は 焼入れ硬化部の磁気特性椚のみによって決定されることになる。し かし実際にはたとえば低合金鋼で前処理として調質されたものは焼 きのはいらない深部の磁気特性仰の値が大きくなるので,これの影 響を無視することはできない。そこでもっとも一般的に使用される ⅩUM【B形検出器について検討の結果,(3)式を補正するものと して仰の値を加味した実験式を次のように求めた。 凡′二20(椚一粥)〔A・T/cm〕 (4) 以上の予備説明を基に,この方法による検量線の設定について述 べる。 d・1・l計算のみによって検量線を設定する方法 糾および乃を実帥こより求めて,(1)式またほ(2)式により計 算のみによって,テストピースを破壊することなしに検量線を設 定する方法である。これほ被測定物が非常に大形高価なので破壊 試験ができないため,大まかに焼入れ深度の程度を知りたいとき などには有効な設定方法である。しかしいろいろな条件に支配さ れる焼入れ深度を計算のみによって求めようとするものであるか ら,はかに頸似晶の検量線があってそれと比較対応しながら適用 するというような方法が望ましい。 d・1・2 実測と計算を併用する方法 検量線上の一点を実測により求め,こう配は計算により求める 方法である。すなわち標準的条件で熱処理された実物1個を選定 し,面接触アタッチメントにより凡値を実測する。これを切断 して焼入れ深度の真値を確認し,表面および深部の硬度を実測す る。あわせて金属組織の観察も行ない,このものが被測定物を代 表するものであることを確かめておく。ここで(3)式またほ(4) 式により計算で検量線を設定する方法である。この方法ほ熱処理 装置の運転条件を変えて,標準よi)深いもの浅いものをつくりだ すことができないような場合に適している。また凡値がある一点 に集中して,全体的な検量線の傾向を知りたいときなどにも有効 である。 以上の方法では∽および〝をどのように求めるかが最大の問題 である。カーボン量0.2∼0.6%の炭素鋼について実験的に椚およ び乃を求めピッカース硬度との対応を調べた結果,図9,図10 のようになった。図9の∽の値は合金鋼の場合でも合金成分が1 %以下でほはとんど影響がないことを実験で確認した。以下これ らを基に設定した検量線の数例を紹介する。 図11は炭素鋼の高周波焼入れ25¢丸棒について(2)式により 計算した結果である。このとき使用した検出器とアタッチメント については実験的に次の定数が成立する。α=1.5cm,J=1cm, ¢1=16・5(kG-Cm2),∂=2.5cm,凡(,=5A・T,これらを(2)式に

(4)

146 撃G∈ 日 立

表面硬度とmの関係曲線 鋼種,炭素鋼C=0.20∼0月0”(1.00%) 000∼9500Cよr)水冷または油冷 焼戻温度3000C以 ̄F m=H川/B爪爪(0`/kG) 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 表面硬度(Hv) 図9 〝甘と表面硬度との関係 代入すると 凡=17.5〝‡d+34,2紹十5〔A・T〕 ‥‥…‥‥(5) となる。7乃と乃ほ図9と国10より求められるので図11の検量線 が設定される。 図12は高炭素クロム鋼の高周波焼入れ丸棒について(3)式に ょり検量線のこう配を計算によって求めたものである。このとき 使用したⅩUM-A形検出器およびA80(80¢)アタッチメントに ついては,α=3cm,¢1=36(kG-Cm2)である。またテストピー スの実測値は凡=126,3(A・T),d=0.6cmであった。したがっ て(3)式により,こう配は凡′=19.2m(A・T/cm)となる。 図13は炭素鋼の高周波焼入れ30¢丸棒について一点の実測値 を求めて,計算によりこう配を設定した検量線である。ここでは 計算定数は図11の場合と同じであり,(5)式右辺の第一項をと って爪/=17.5mとした。 図14はSNC2の高周波焼入れ丸棒について図13と.同じく,こ う配を計算により求めた検量線である。ここでは表面硬度と深部 硬度の差が比較的小さいので(4)式を使用した。なおこの場合, ∽および雅の値は図9と図10より決定されたが,正確を期する ためには鋼種を考慮して,実測により求めるのが良い。 d.2 実験的方法による検量線の設定 前述の理論的な計算による方法はかなり適用上の制限があって, 実際の生産現場においては必ずしも有効な方法とはいえない。特に 被測定物が非常に複雑な形状をしており,この形状に合わせた特殊 65■ 60 55 50 【一 主 ょ45 40 35 30 25 検 出 器XUM-B アタッチメントB80(25¢) 励 磁3A一定 ●実測確認値 (4)式により計算して 設定した検是線 テストピース S45C 25¢×100J 調質 高岡淀焼入れ 表面硬度Hv860-m=3・7 深部硬度Hv230-n=0・68 硬化層探きはマクロ腐食幅 0 1 2 3 4 5 6 7 焼入れ硬化層(mm) 図11理論的計算により設定した検量緑(1) 塑 e ■≡ 1,5 1,0 0.5 深部硬度とnの関係曲線 射程,炭素鋼 C=1乃0-0.20% 扇風冷,空冷,炉冷,焼なまし n=H川/B¶仇(0`/kG) ⅤOL.53 N0.2 1971 100 200 300 400 深部硬度(Hv) 図10 乃と深部硬度 との関係 アタッチメントの場合は個々に計算定数を求めるのは容易でない。 そこで,もっとも現実的でしかも確実な方法は,被測定物そのもの を実測して実験的に検量線を設定することである。すなわち検量線 設定のためのテストピースとして,実際の量産品を対象とし標準ど おりの焼入力1深度のものおよび標準より深いもの,浅いものを選択 する。この範開としては標準の焼入れ深度をβとして,1/2上)∼2ヱ)

1。。L

喜茸

盲一

検 f 詰XUトトA 7タッチノントA80(80¢) 親 子点5A-1三 一点を実測により求め (3)式により,こう配を 計許して設定Lた検品繚 テストピース ,亡i炭素クロム鋼 80¢×100J 煉なまし高J那皮焼入れ 去面硬度Hv880→m=4.0 硬化屑探きはマクロ腐食幅 4 こ1 6 焼入れ硬化屑(mI□) 図12 理論的計算により設定した検量線(2)

冨ヨ

20 検 出 器ⅩUM-B アタッチメントB80(3叫) 励 磁3A一定 ●実測確認他 一点を実測により求め (3)式により,ニう配を 計算して設定した検益練 テストピース S45C 3叫×100 規準 高周波焼入れ 表面硬度Hv790→m=3.0 硬化層深さはマクロ腐食幅 3 4 5 6 娩入れ硬化屑(mm) 図13 理論的計算により設定した検量線(3)

(5)

検 出 器 アタッチメント 焼 石重 ⅩU九トB B80(3叫) 3A-・に 60 55 年50 ・q: h 45 40 35 30 式により ■配を計算した場で㌻ ●実珊確認情 一点Pを実抑二より求め (4)式により.こう配を 計算して設定した柊宗線 テストピース SNC2 30¢×50J 調賃了詰郡度焼入れ,煉戻し 表面硬度HY(;00-m=2.05 深部硬度Hv270一口=0.85 硬化軌莱さはマクロ腐食幅 0 1 2 3 4 5 6 7 焼入れ硬化屑(mm) 図14 理論的計算により設定した検量線(4) にとるのが望ましい。これらのおのおのについて破壊試験にて焼入 れ深度の実測をし,本測定装置による測定値との対応をみるわけで ある。次にこの方法により設定した検量線を紹介する。 図15∼17は低炭素鋼の高周波焼入れした九軸関係の検量線であ り,これらほたとえば自動車用シャフトや一般機械部品シャフトな どに相当するものである。これらの焼入れ深度の定義は規定の硬度 を有する深さ,すなわち有効硬度深さで表わしてある。園1dでは, 同一寸法で鋼種がやや異なるものを同一条件で高周波焼入れした場 合,検量線上ではどの程度の差となって現われるか検討するのを目 的とした。図17は同一鋼種,同一焼入れされた2叫と40¢とのも のを,線接触タイプのアタッチメントで測定したもので,被測定物 とアタッチメントの接触個所により,透入磁束の経路が異なること により凡値に差異があることがわかる。一般に高周波焼入れの場 合は,表面と深部との硬度差が大きくまた深部硬度および組織は前 処理によってはぼ一定に押えられ,ばらつきも小さいので本測定装 置で8・よ非常に精度の高い測定ができる。 60 55 50 年 王 45 h 40 35 30 検 rll 器XUM-B アタッチメント B4001 励 磁3A 鋼 撞 SAElO45 高周波焼入れ 45¢ 300 有効硬化層HRe>50 0 1 3 4 5 娩入れ硬化層(m血) 図15 高周波焼入れ炭素鋼の検量線(1)

鋼材焼入れ深度の非破壊測定とその検量線の設定方法

147 図18,国19ほ浸炭焼入れ品の測定用として設定された検量線の 例である。一般に低合金ほだ焼鋼の場合には浸炭条件と焼入れ条件 が重なり,金属組織のばらつきが生じやすいので本測定装置による 測定には注意が必要である。すなわち冷却油の温度管理と,かくほ んをより以上に厳重に行ない被測定物の冷却速度をなるべく一定に して組織のばらつきをなくすることである。保磁力に影響あるおも な要因としてほ,残留オーステナイト,マルチソサイトに混在する ベイナイト,ガス浸炭の場合の高温直接焼入れによる結晶粒虔の粗 大化などがあげられる。浸炭焼入れ品の検量線設定には,必要以上 の深い透入磁束とならないように6形シリーズのアタッチメントを 使用することおよび被測定物の金属組織の観察もあわせて行なうの が望ましい。 図20,図21ほ焼入れ深度測定以外の応用測定として,炭素含有 量の測定と異材鑑別の測定例である。これらの応用測定の場合に ト: ・q: h 60 55 50 45 40 35 30 40 35 トニ 王30 h 25 検 出 器ⅩUM-B アタッチメント B1401 励 桜3A一定 ノ S55Cの規合 ′ テストピース

:喜芸掛40¢×100

430kC 75kW 高周波焼入れ 表面硬度 内部硬度 S45C Hv700-800Hv250 S55C Hv700-8001iv250-270 S45Cの楊f㌻ 有効硬化事汚Hv>450 B1401 アタッチメント 1 2 3 4 5 6 底入れ硬化屑(mm) 図16 高周波焼入れ炭素鋼の検量線(2) 検 出 器ⅩUM-B アタッチメントB6002 励 磁3A一定 40¢の場合 テストピース S35C 高周波焼入れ 02叫×100J △40¢×100J 20≠の場合 一′一■ ̄--、 -一・ ̄ ̄■ ̄■-_一J 有効硬化層Hv>392 4叫 2叫 1 2 3 4 5 6 焼入れ硬化層(m皿) 図17 高周波焼入れ炭素鋼の検量線(3)

(6)

148 24 22 12 10 (ト.ミリh ヽ 1”¢ -タヒ、、 盲ノ 日 立

評,+■諭

検 出 器ⅩUM-D アタッチメント D6002 1 励 磁1A ●● ● ● .卜.k 4■ 銅桂 SAE8620 浸炭焼入れ 有効硬化屑Hv>513 0瓜0- 0・佗0■ 0・030■ 0・040■ 0.0507 0.0肝 0.070■(incも) 0 0.2 60 55 50 年 ・く £ 45 40 35 1 30■ 0.4 0.¢ 0.名 1.0 1.2 1.4 焼入れ硬化屑(mm) 1.6 1.8(mm) 図18 浸炭焼入れ合金鋼の検量線(1) 検 出 器XUM-B アタッチメント B6002 励 磁3A一定 T P SCM-22浸炭焼入れ 4叫×90 測定個所

b皇

Fcの測定値はabc3個所の平均とする 有効硬化層Hv>500 U 1 2 3 4 5 6 7 焼入れ硬化屑(mIn) 図19 浸炭焼入れ合金鋼の検量線(2) は,被測定物へなるべく深く磁束を透入させるのが良く,検出器と してはⅩUM-A形またはⅩUM-B形を使用し,アタッチメントと しては被測定物の形状に応じて0形シリーズ,1形シリーズ,2形 シリーズより選定する。なおこれらの場合の検量線設定には実験的 方法を用いる以外に方法はない。 このように本測定装置ほ,さらにいろいろな応用測定が可能であ る。たとえば熱処理晶の表面硬度や内部硬度の測定,熱処理程度の 判別,機械的強度の推定,金属被膜の厚さ測定などがあげられる。

7.結

.言

鋼材焼入れ深度測定装置の測定精度を支配する検出器,アタッチ メントの選定および検量線の設定方法について述べた。 検出器は御足能力によって4種類に区分され,アタッチメントは 00 0 9 糾 70 0 0 亡U 】.■J (ト.王9h 0 .4 30 20 10

l蜜Y

計 器ト⊥抱P ン ノ 山山一ナ ・ソ タ 検7夙T

1\。。

2\\

ⅤOL.53 N0.2 1971 ⅩU入t-A A2301 5ん一与主 S15C-S55C炊準柑 42∼5叫×200

5\§

○∼3

茸芋

祉 n招 → C C C CC C C C C C 納15202525303540455055 S S S S S S S S S S O PN12345678910 T C 紬。・1。・20・2析515 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 炭素含有量(C%) 図20 炭素含有量測定の検量線

喜レ

50 40 0

′/

′-′/ ′一 SCMI SCM3 SCM4 SNCM2 SNCM5 SNCM9 鋼畦 0.7 図21 異 材 鑑別検量線 被測定物の形状寸法と測定目的により分類されるので,それぞれの 標準品を設定した。これにより一般の被測定物は,これら標準品の いずれかを選択することによりほとんどが測定可能となった。 検量線の設定方法については,一般的な実験による方法のほかに 理論的な計算による方法もある。理論的計算による方法は正確な仇 および乃を求めるのにかなりの実験的要素がいり,また適用上の制 約があることなどより必ずしも有効な方法ではないが実験的方法と 併用することによりかなりの効果があるものと期待される。 本測定装置は鉄鋼生産設備の発展に伴いその検査機器の一環とし

て普及され始めてナ、軸享・今後の問題としては焼冬れ深度以外の応

ことおよび特殊形状晶でも安定し 参 た測定ができる

(1)小野,■耗田:′非

鷲.苧15巻

ことである。 2号 p.45∼50(昭42-2)

参照

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