Title
繊維補強コンクリートの高性能化・高機能化に関する研究(
はしがき )
Author(s)
六郷, 恵哲
Report No.
平成7年度-平成8年度年度科学研究費補助金 (基盤研究(C)(2)
課題番号07650527) 研究成果報告書
Issue Date
1996
Type
研究報告書
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/251
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。5.2 口頭発表 [15]伊藤朋紀,栗原哲彦,内田裕市,六郷恵哲:高強度コンクリートおよび鋼線維補 強コンクリートを用いたRCはりの破壊性状と最小鉄筋量,土木学会第50回年次 学術講演会講演概要集,第5部,pp.762-763,1995. [16]安藤貴宏,栗原哲鼠 内田裕市,六郷恵哲:多直線近似解析手法による短繊維補 強高強度コンクリートの引張軟化曲線の推定,土木学会第50回年次学術講演会講 演概要集,第5部,pp.352-353,1995.
[17]栗原哲彦,内田裕市,六郷恵哲,荒川
健:鋼織維補強コンクリートのひび割れ 性状と仮想ひび割れモデルの適用性,土木学会第51回年次学術講演会講演概要集, 第5部,pp.1112-1113,1996. [18]国枝 稔,今枝秋雄,六郷恵哲:コンクリート断面修復材の収縮挙動,土木学会第52回年次学術講演会講演概要集,第5部,1997,発表予定・
[19]栗原哲彦,名和真一,六郷恵哲:載荷速度がコンクリートの引張軟化曲線の形状 に及ぼす影響,土木学会第52回年次学術講演会講演概要集,第5部,1997,発表 予定. 6.研究成果 6.1研究の背景と目的 引張の作用に対して弱いコンクリートの性能を改善する目的で、鋼線推等の短繊維 を混入した繊維補強コンクリートが開発されているが、現在の性能は必ずしも十分と はいえない。マトリックス部分にひび割れが発生した後に、荷重も変形もともに増大 するいわゆる硬化現象が顕著(硬化型と呼ぶ)な条件のもとで織維補強コンクリート を使用すれば、複数のひび割れが発生しピークまでの靭性(エネルギー吸収能)が向 上し、このコンクリートを用いた構造物全体の耐荷力の向上が期待できる。 本研究においては、コンクリートの引張軟化曲線の推定方法を確立したうえで、曲げに対して硬化型の挙動を示す高性能な織維補強コンクリートの破壊性状について引
張軟化曲線を用いて検討することを目的としている。本研究において取り上げた主な 項目は次のとおりである。 (1)コンクリートの高機能化 (2)引張軟化曲線とその推定方法 (3)高性能な繊維補強コンクリートの引張軟化特性 (4)連続繊維補強材を用いたRCはり部材 (5)その他 ー 3-6.2研究成果の概要 本研究で得られた研究成果の概要を、以下に述べる。前章に挙げた学会誌等に発表 論文のうち、関連するものの番号を[]内に示す。発表した論文から8編を選んで付録 として次章に載せた。 (1)コンクリートの高機能化[1] 織維補強コンクリートやポーラスコンクリート等の各種の高機能なコンクリートを 対象として調査を行い、高機能化の推進動機や高機能化を推進する上での要点につい てとりまとめた。 高機能化を推進する際の動機を、①問題点の解決、②競争力の強化、③魅力の向上、 ④社会的要請に分類し、働く人にとっての働きがいや魅力の重要性を指摘した。 高機能な材料を開発し提供する側では、低コスト化の努力、機能の評価試験方法の 確立、適度な競争、研究開発体制の強化等が重要であり、一方、高機能な材料を採用 する側では、施工費や維持管理費を含めたトータルコストによる比較検討、高機能の 具体的な目標の設定、各種の規制の緩和や発注制度の改革、新しい技術を採用しやす い性能規定型の規準類の整備が重要なことを指摘した。 (2)引張軟化曲線とその推定方法[2][3][4][19] 実験で得られた荷重変位関係から、その荷重変位関係を良好に再現できる引張軟化 曲線を多直線近似法により高精度でかつ客観的に推定する方法を提案した。部材寸法 が異なる場合の荷重変位関係を、引張軟化曲線を組み込んだ有限要素解析により解析 し、この方法の有効性を確認した。 この推定方法を用いることにより、繊維補強コンクリートの場合のように、途中で 硬化する区間を含む、形状が複雑な引張軟化曲線についても、制度良く推定できるこ とを示した。 引張軟化曲線の推定に用いる荷重変位関係の実験データを、安定にかつ容易に計測 するための試験方法について検討した。供試体の変形として、載荷点変位と切欠き口 開口変位を用いて検討した結果、いずれの変位を用いても同様な引張軟化曲線を推定 できるが、載荷点変位に比べ開口変位は、支点の沈下等の影響を受けず簡単に精度の 良い実験データを得ることができ、引張軟化曲線の推定に適していることを明らかに した。 高速載荷により、くさび挿入試験から引張軟化曲線を求める場合に、開口変位速度 を一定としてもひび割れ先端速度は一定とはならないことを示すとともに、ひび割れ 先端速度が一定となるような制御方法を提案した。 4
(3)高性能な織維補強コンクリートの引張軟化特性[5][6][7] 曲げに対して硬化型高靭性挙動を示す高性能なアラミド繊維補強モルタル(曲げ強 度20肝a)に加え、鋼織維やビニロン繊維を多量に(最大繊維容積混入量6%)混入 した高性能な織推補強モルタルの製造方法を確立し、その性能を明らかにした。 はり供試体の曲げ試験において、ひび割れ発生荷重よりも最大荷重が十分大きい場 合には、供試体側面に複数のひび割れが分散して発生することを実験的に確認すると ともに、こうした複数ひび割れと曲げ破壊時の靭性(エネルギー吸収能)との関係を 明らかにした。 仮想ひび割れモデルに基づく引張軟化曲線は、コンクリートの破壊性状の評価に有 用であるが、繊維補強コンクリートへこのモデルを適用する場合の限界について検討 した。鋼織推補強コンクリートの場合、繊維混入量が2%までは、曲げ破壊挙動がほ ぼ1本のひび割れによって支配され仮想ひび割れモデルを適用できるが、4%以上で は、複数のひび割れが生じモデルを適用できず、引張軟化曲線による評価が行えない ことを明らかにした。 (4)連続繊維補強材を用いたRCはり部材[8][9] 連続織維補強材を用いたRCはりの曲げ破壊性状を取り上げ、荷重変位関係に表れ る硬化・軟化の性状と、はりを構成するコンクリートならびに補強材の硬化・軟化と の関係を明らかにした。 短織姫補強コンクリートを補強する補強材としては、降伏棚が無く、弾性係数が小 さいものが、曲げ部材として大きな耐荷力と靭性を得るには望ましく、この点で鉄筋 よりはFRP連続繊維補強材が優れていた。降伏棚のある鉄筋を用いた場合に比べ、 降伏棚の無い鉄筋を用いた場合にはひび割れの集中が遅れるため、曲げ部材としての 耐荷力は10%以上大きくなり、最大荷重時の変位も50%以上大きいことを明らかにし た。 (5)その他[10][11][12][13][14] 提案した引張軟化曲線の推定方法を用いて、新旧コンクリートの打継ぎ部の付着性 状の評価を行った結果、付着性状の差異が、従来用いられている曲げ強度よりもより 明確に引張軟化曲線の形状に表れることを明らかにした。ポーラスコンクリートの曲