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胃癌術後患者に対する新しい予後予測と機能評価法に関する研究 1) ニューラルネットを用いた胃癌術後患者の新しい予後予測法の試み 2) 幽門側普通切除時の幽門輪温存意義について - 経皮的胃電気活動記録と排出能からの検討 -

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Title

胃癌術後患者に対する新しい予後予測と機能評価法に関す

る研究 1) ニューラルネットを用いた胃癌術後患者の新しい

予後予測法の試み 2) 幽門側普通切除時の幽門輪温存意義に

ついて - 経皮的胃電気活動記録と排出能からの検討 -( 内容

の要旨(Summary) )

Author(s)

平岡, 敬正

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1285号

Issue Date

2001-10-16

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14988

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 r審 査 委 員 平 岡 敬

正(岐阜県)

士(医学) 乙第 1285 号 平成13

年10

月16 日 学位規則第4条第2項該当 胃癌術後患者に対する新しい予後予測と機能評価法に関する研究

1)ニューラルネットを用いた胃癌術後患者の新しい予後予測法の試み

2)幽門側普通切除時の幽門輪温存意義について

一種皮的胃電気活動記録と排出能からの検討一

(主査)教授 佐 治 重 豊 (副査)教授 恵 良 聖 一 教授 土 肥 修 司 論 文 内 容 の 旨 胃癌の手術成績向上により,単なる画一的な治癒切除から術後のquality oflife(QOL)を重視した術式の選 択が求められている。即ち,長期予後期待例に対する機能温存手術,早期癌や治癒切除困難な過進展例に対する 縮小手術,高齢者に対する低侵襲手術などで,何れも従来の画一的な拡大手術から個々の患者の癌進展度や分子 生物学的悪性度に合った合理的な術式の選択である。この場合,術前検査所見や術中の肉眼所見から予後を予測 し,最適の術式が選択されているが,現状では正確な予後の予測は困難である。患者の予後は,通常手術時の肉 眼所見と病理組織学的所見から統計学的に解析・処理して予測されている。しかし,同じ病期の癌でも治療法は 多彩で,術者の技量による影響も無視できないが,現状では治療効果を簡便に反映できる予後予測法は開発され ていない。そこで,申請者らは先ず治療効果を含めた予後予測法として,一従来の単変量或いは多変量による統計 学的解析に新しくニューラルネットワ「クを応用した新しい予後予測法を考案・開発した(研究1)。さらに, 機能温存手術として最近汎用されている幽門輪温存胃切除術のQOLに及ぼす影響を,胃電図による残胃運動機 能とアセトアミノフェンを用いた胃貯留能等から総合評価しノ,胃癌患者の術後成績を多角的に検討した。 研究対象と研究方法 研究l.ニューラルネットを用いた新しい予後予測法の開発:1985年から5年間に手術した胃癌411例中,術後 10年以上を経過し予後が判明している261例(StageIl17例,Ⅱ31例,Ⅲ62例,Ⅳ51例)を対象に,胃癌取扱い 規約上の予後因子を単変量解析と比例ハザードモデルによる多変量解析で有効予後規定因子を抽出した。また,

腫瘍マーカーの術前・後値とその変動から治療効果の評価法としての有用性を検討した。次いで,包有効予後因

子を用いてパソコン上で予後判定用のニューラルネットワークモデルを構築した。 研究tl.幽門側普通切除時の幽門輸の温存意義:対象は1996年から2年間に幽門側を普通切除したstageIa胃癌

症例中,癌の占居部位が中部(M)か中下部(ML)で;幽門輪を温存した15例(pyloruS PreSerVing gastrectomy, PPG群)と通常のBillrothI法で再建した15例(BI群),及び本研究の趣旨に同意した健常ボランティア15例(対 照群)である。検査は術前,術後1,6か月日た経皮的胃電気活動記録(electrogastrography,EGG)とアセト アミノフェンを用いた胃排出能検査(排出能)を施行し,これを基準評価項目として従来の上部消化管造影検査 (UGI)や胃内視鏡検査(GIF)所見等と比較検討し,残胃運動機能を総合評価した。 研究結果 研究Ⅰ:①単変量解析ではStage,リンパ節転移(N),壁深遠度(S),腹膜播種(P),肝転移(H),手術根治度,リンパ節 転移個数,術前・後のCEA,IAP値でリスクの有意な増加を認めた。②多変量解析で各因子を絞り込んだところ Stage,手術根治度,1y因子,術後CEA,IAP値,CEAの術前後変動でリスクの有意の増加を認めた。③ニューラルネッ トワークモデルはStage,術後CEA,IAP値,CEAの術前後変動,手術根治度,リンパ節転移個数を入力変数とし,入 力層9ニューロン,中間層9ニューロン1層,出力層2ニューロンの階層型で構築し,術後5年生存を教師信号として backpropagation法により作成し130例で学習させた。④学習効果は良好で,学習用症例でStageIが56例(97%), Ⅱが8例(50%),Ⅱが17例(55%),Ⅳが13例(52%)計130例中94例(72.3%)が正確に応答した。⑤未知の症例に ー103→

(3)

対しStageIで58例(98%),IIで8例(53%),Ⅲで14例(45%),Ⅳで10例(40%)計131例中90例(68.7%)が実際の 予後と一致し,70.0%の正確率をえた。以上の結果,治療効果の反映が可能な新しい予後判定法を考案した。そ の正診率は未だ満足すべき数値ではないが,ニューラルネットワーク自身にも種々の改良を加えることで,将来 有用な予後予測法に発展すると推察された。 研究Ⅱ:①術前及び対照群のEGG波形は3cpm前後を基調としたサインカーブを示した。この正常EGG波形 は術後1か月日ではPPG群とBI群とも全例陰性であったが,6か月目ではPPG群は15例全例(100%),BI群 は15例中1例(6.7%)に回復がみられた。②1分間あたりの正常波出現頻度(EGGスコア)は,PPG群が対照群に 比べ若干低値であったが,BI群に比べ高値で,BI群と対照群との間に有意差がみられた。③血中アセトアミ

ノフェン濃度から評価した排出能は,PPG群で経時的に漸増するパターンを示し,対準群に類似した生理的な

機能性排出の存在が示唆された。一方,BI群では10分後にゼ「ク値を示す比較的平坦なパターンで墜落型排出 が示唆されたが,胃亜全摘群との間に有意差はみられなかった。④術後のUGI検査で,残胃の嬬動運動はBI群 では全くみられなかったが,PPG群では吻合部より肛門側の幽門部で全例に観察された。⑤残胃容量はPPG群 がBI群に比べ高値であったが,EGGスコアとの間に有意の相関はみられなかった。⑥術後GIFでの逆流性胃炎の

頻度はPPG群で低値であったが,食物残壇はPPG群で有意に多く観察されDumping防止の観点からPPGの有

用性が示唆された。以上の結果,胃運動機能の客観的評価法として,EGGは胃体上部1/3のpacemakerからの 発信(ECA)と推察されているが,幽門輪温存による幽門部の煽動運動の有無判定に応用可能であった。また, アセトアミノフェンを用いた胃排泄能の検索を合わせ,幽門輪温存胃切除術は術後のQOLを重視した再建術式 として有用である可能性が確認された。 考察と結語 胃癌の予後は手術時の肉眼所見と病理組織学的所見を単変量或いは多変量解析して評価し,各種ハザードモデ ルが生存時間分析として用いられてきたが,治療効果を予後予測に導入した報告はない。今回,腫瘍マーカーの 内CEAとIAPに着目し,術後1か月日の値と術前・後値の差が治療効果を客観的に反映できる可能性を統計学的 に解析した。また,パソコンの普及でどの施設でも検索可能なモデルとしてC言語を用いた階層型ニューラルネッ トワークを構築し,予後が判明している自験例で学習させた。その結果,未だ改良の余地はあるが精度の高い予 後予測が可能であった。一方,長期生存患者に対しては良好な術後QOLの保証が重要である。新しい予後予測 法で長期生存可能例を抽出し,斯かる症例に機能温存手術を選択すべきである。しかし,QOLは患者愁訴,手 術満足度,栄養吸収面などから評価されてきたが客観性で問題があった。そこで,アセトアミノフェン等を用い た排泄能の検査が注目されているが,残胃の運動機能に対しては適切な方法は未開発である。申請者らは胃電気 活動記録に着目しその有用性を評価したが,EGGは胃体上部1/3の大攣側付近のpacemakerより1分間3回の 割合で発生し,幽門側へ伝搬される波形(EGG)として理解されている。それゆえ,本質は胃の嬬動運動を司る electric controlactivityと考えられるが,体上部1/3のpacemaker部分が残存する普通切除例で亜全摘群に比 べ残胃の運動機能が良好と推察されている。しかし,今回の検索では術後の胃電気活動記録は幽門輪温存例にの み観察され,本術式の客観的な機能評価法として臨床応用できる可能性が示唆された。

論文審査の結果の要旨

申請者 平岡敬正は,胃癌の治療成績向上に伴う術後QOL重視の考えから,新しい予後予測法と術式の機能 評価法について種々の検索を行った。その結果,従来の手術所見や病理組織学的予後因子以外に治療効果を腫瘍 マーカーの術前・後値と数値の変動で評価した上で,ニューラルネットワークを構築した。さらに,機能温存術 式としての幽門輪温存胃切除術の有用性を胃電図と排泄能から評価した。これらの研究結果は胃癌患者の治療成 績向上とQOL改善に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] 胃癌術後患者に対する新しい予後予測と機能評価法に関する研究 1)ニューラルネットを用いた胃癌術後患者の新しい予後予測法の試み 日本消化器外科学会雑誌1999;32:2064-2071 2)幽門側普通切除時の幽門輪温存意義について一経皮的胃電気活動記録と排出能からの検討一 日本消化器外科学会雑誌 2001;34:43ト438

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