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一般就労した知的障害者の就業意識に及ぼす影響とその要因 : リアリティ・ショックに焦点をあてて 利用統計を見る

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(1)

一般就労した知的障害者の就業意識に及ぼす影響と

その要因 : リアリティ・ショックに焦点をあてて

著者

根本 治代

雑誌名

東洋大学大学院紀要

51

ページ

141-158

発行年

2014

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00007304/

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Ⅰ.はじめに

1.研究の背景 2013年4月に施行された「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」 (以下,障害者総合支援法)における,旧法(障害者自立支援法)による就労支援強化の象 徴であった就労移行支援事業は,新法の附則により施行後3年以内に検討することが明記さ れ,その枠組みは新法へと変わりなく踏襲されるかたちとなった.法内で規定される就労移 行支援事業は,期間を原則として2年と定め(同法施行規則6の8),一般就労を希望する障害 者が24か月間で必要な知識・技能を身に付け,一般就労を実現することを目的としている. 就労移行支援事業の基本的な機能は,①ステップアップのための中間的機能,②職業的適性 等に関するアセスメント機能,③障害者の自己理解への支援,就労意欲向上機能,④適した 職場を見つけ調整するマッチング機能,⑤就職直後から長期の継続支援を含むフォローアッ プ機能,以上の5点に集約されるが(日本フィランソロピー協会 2013),なかでも問題とな るのが,継続支援の長期化である.現行制度では,就職後6ヶ月間まで知的障害者(以下本 人)が利用していた就労移行支援事業所において職場定着支援が行われているが,現実的に は6ヶ月の期間終了後も,事業所が独自にフォローアップに取り組んでいる1).一般就労後の 職場定着に関する報告書によると,就職後職場定着支援を6ヶ月間行っている事業所は全体 の34%で,定着期間の内訳をみると3年が17%,5年以上が26%で,規定の6ヶ月を越えて実 施している事業所は43%に上る.また離職した障害者が再び同じ就労移行支援事業所を利用 する割合は47.1%で,継続的に行わない事業所46.6%を上回る結果となっている(電機神奈 川福祉センター 2013).知的障害者の通算の雇用期間をみると6ヶ月未満が28%,6ヶ月以上 1年未満が28.0%,1年以上3年未満が24.7%で,全体の半数以上が6ヶ月以上3年未満まで定着 しているところから,離職に関する問題は定着支援期間の6ヶ月を越えた範囲で生じている

一般就労した知的障害者の就業意識に及ぼす

影響とその要因

―リアリティ・ショックに焦点をあてて―

福祉社会デザイン研究科社会福祉学専攻博士後期課程満期退学

根本 治代

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ことがわかり,定着支援が長期化する要因が示されている(埼玉県産業労働部 2011).その 間には離職に伴う雇用継続の困難,ソフトランディングに向けての段階的な移行支援等,障 害者のライフステージに伴う課題など,長期的な対応があげられる(松為ら 2007).これら の状況から就労支援事業に関わる支援者には,就労希望者の就労に向けての訓練,企業との マッチングを行うといった従来の支援に加え,就労を望む多様な生活背景をもつ障害者の, これまでの生活を見渡し,離職後の生活をも想定したソーシャルワークの視点が求められ る. 2.研究の視点 障害者離職調査(埼玉県産業労働部 2011)によると,離職者の障害種別では知的障害者 が44.8%で最も高く,年齢は20代~30代の若年層が70%を占めている.また障害者手帳の等 級は判定「B」層が51%で最も多いことから,軽度の知的障害の範囲で離職率が高いことが わかる.若年自立塾及び地域若者サポートステーションを活用する若者層のなかには,対人 コミュニケーションや職務遂行に関連する困難性が知的障害2)と相関していることが報告さ れている(社会経済政策本部 2007).軽度の知的障害を伴う場合,学校から職業へ移行する うえでの課題として,①学校卒業後の未決定状態の継続(移行の長期化),②就労の継続困 難(移行先への不適応),③就職困難(採用における失敗・移行の先送り),④職業訓練後の 就職困難(移行における準備不足・移行の先送り)など,移行の時期に応じた就職するうえ での困難性があげられている(障害者職業総合センター 2006).①と④における入職時の課 題は,高いキャリアを期待しない家族,雇用者などの社会的環境が関与し,本人の職業経験 が制限され,非現実的な職業指向や低い自己評価へと結びつくことである.その影響は職業 選択の制約や制限された職場適応へと関連し,そこに生じる本人の否定的な自己理解は就労 への成功をも阻む可能性がある.②と③における入職後の課題として,森本(2011)は,就 労と生活の狭間に支援がありながらも見過ごされがちな対象として軽度知的障害者をあげ, 障害者手帳を取得せずに卒業後,離職した場合の問題発生時に本人をフォローするシステム 体制の不備をあげている.また渡辺(2004)は,精神疾患をもつ軽度知的障害者が疲労やス トレスから生じる幻聴,幻覚等の精神症状の悪化から離職を繰り返し就労が困難となる事例 を取上げ,就労と生活への一体的支援として就労支援機関と医療機関との連携の必要性をあ げている.このように採用の失敗による移行の先送りは,自己理解の深化や職業生活設計を 見直す機会もなく,離職を繰り返すといった喪失体験から生じる二次的な情緒的障害を生じ やすいなど(向後 2006),知的障害者の一般就労を阻害する要因として,精神的・心理的支 援の必要性が指摘されてきている(障害者職業総合センター 2001).しかしこれまでの障害 者の離職問題は,職場の要求水準をいかに満たしていくかといった「職務充足」や,仕事へ の満足の程度を図る「職務満足度」に関する研究など,労働生産性,ソーシャルスキルの観

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点から障害者本人の側に問題を還元したアプローチが中心であり,そこでは障害者自身の戸 惑いや,悩みなどどのように離職を受け止め離職に至るのかといった,障害者本人の主観と の関係から検討されていないとの指摘がある(障害者職業総合センター 2007b).上記の先 行研究から,本人の離職体験を焦点にあて離職後支援を検討することは,知的障害者の中長 期における就労支援の検討材料となると考えた. 3.研究目的 個人と環境との相互作用による二者関係・集団・組織に関わる力動的な過程を分析してい くうえで,手がかりとなるのがリアリティ・ショックの概念である.リアリティ・ショック はこれまで組織行動論において研究の蓄積があり,そのうち Schein(=1991)はリアリテ ィ・ショックをある組織への参入者が,参入する以前に抱いていた理想と参入後の現実との ギャップに出会うことで陥る心理状態と定義している.更にKramer(1974)は,リアリテ ィ・ショックを,自分の職業に対して向上心をもって臨む人は,職業の現実と自らの職業的 な理想や価値との間に生じるずれによって,成果がえられないネガティブな反応を指すと定 義している.また一方でリアリティ・ショックには,自己発見や人としての充実した成長を もたらすなど,ポジティブな側面があることも提示している(Kramer 1974).これらの定 義からリアリティ・ショックは,ネガティブな側面とポジティブな側面との両義的な意味を 含む概念といえる.自分の認知している現実の自己と自らが考える理想の自己とのギャップ が大きい場合,自己肯定感は低下する(Popeら=1988).知的障害者の場合,就労上のリア リティ・ショックは様々な場面での対人関係,職務能力等におけるつまずきが失敗体験とし て生じ,その多くはネガティブな側面として否定的な自己評価へとつながる.この自己肯定 感に与える要素には,重要な他者からの肯定的評価,自己の振り返り,他者からの受容的態 度,共感的な理解が求められる(宇野 2013).また尾形(2006)は,ネガティブな現象であ るリアリティ・ショックをポジティブな側面として見出すためには,その克服として組織全 体で支援する体制の充実をあげている.以上の先行研究から,就労における障害者のリアリ ティ・ショックは,「職業的な発達課題に対する成功や失敗を取り込んでいく一連の学習過 程」(松為ら 2007:49)で生じるキャリア発達を導く概念であり,リアリティ・ショックを解 明することで,本人の自己理解や職業生活の見直しなど職業的な発達課題に向き合うプロセ スをとらえることができると考えた.そのうえで「離職は決して支援の敗北ではなく生活の 再構築を行ううえで重要な要素」(社団法人日本社会福祉士会 2010:178)とも捉えることが できるが,本研究では離職理由の大半を占めるネガティブな側面を具体的に探究することで 更なる定着支援に向けての有効な手立てが見出せると考えた.そこで本研究の目的は,就労 でのリアリティ・ショックが知的障害者の就業意識にどのような影響を与えるのか,再び就 労への移行を目指すうえで求められる肯定的な自己評価はどのような支援によって生じるの

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かを,離職後継続的に支援した事例の分析をとおして明らかにしていくこととする.

Ⅱ.研究方法

1.研究対象 本調査は,A社会福祉法人における就労移行支援事業所2か所にて行った.対象先の選出 理由としてまず1つには,障害者自立支援法以降,就労移行支援事業による一般就労への移 行率が,2013年度において50%以上の移行率を上げた施設が13%のなか,当法人の事業所は 96%の移行率をあげ,一定期間の準備により一般就労を可能としている点である(厚生労働 省 2013).2つめは,アフターケアを重要な支援とし,実証している点である.本事業所で は,個々人の状況によりアフターケアの頻度を,①緊急対応を要しそれが解決するまでの週 1回以上の職場訪問(場合により再度ジョブコーチに入る),②毎月1回訪問,③2~3か月に1 回訪問,④2~3か月に1回程度の電話連絡に分け対応するなど,離職に至っても次の進路先 へと円滑な移行が可能となる支援がされている.またこれまでの一般就労への移行者のうち 34%が1回以上の離転職を経験し,就労移行支援事業と相談部門も併設され,就労と生活と の一体的な離職後支援の実践例が豊富な点から調査対象に選んだ. 2.データ収集対象者 本人のデータに関しては,過去の離職経験をある程度時系列で振り返り,語れる利用者を 調査対象事業所の施設長および主任支援員に紹介を依頼し,7事例の承諾を得た.調査対象 者一覧を表1に示す.データ収集は,離職後に就労移行支援事業を利用した女性20代(2人), 男性20代(2人),男性30代(1人),男性50代(2人)以上の合計7人である.他のデータとし て,各事例の就労支援者(10人),利用者の家族(4人),雇用者(1人)の合計15人からデー タを収集した.なお事例は離職後から現在まで継続的な支援過程を聞き取るため,その間で 就労支援者が異動等で変更があった場合は,支援時期に応じた就労支援者へのインタビュー を実施し,継続的な支援に関するデータを収集した. 3.調査方法 研究方法は,質的データ分析法(Flic=2002)を用いた事例研究法である.具体的な手順 は,知的障害者(以下,本人)に対してエピソード・インタビュー(episodic interview) の手法を用いて,離職前後から現在にわたる就労状況から,本人が経験した出来事(エピソ ード)を聞き取った.データの客観性を高めるためのトライアンギュレーション(Flic =2002)として,事例に応じて就労支援者,家族,雇用者への半構造化インタビューや,個 別支援計画等の支援記録からデータを収集した.次にエピソードのうち離職後の支援に影響 を与えたと思われる内容を抽出し,文脈から離れた先行研究による概念的カテゴリーとで検

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討し,再度エピソードによるデータを行き来させ,下位概念化を行った.それらのデータか ら形成した下位概念から,上位概念によるカテゴリー化を行った(佐藤 2008).本人へのイ ンタビューは「就職前」,「就職時」,「離職後」,「就労支援事業の利用時期」,「就職後」の時 系列で,絵や写真,紙に書いたインタビューガイドを用いて聞き取った3).家族,就労支援 者,雇用者には,本人のインタビューデータに基づき,相互作用として語られた内容を,本 人と同様に時系列で聞き取った.調査時期およびインタビュー回数は,2011年8月~2012年8 月に本人7名,家族4名,就労支援者7名の合計18回,2013年8月~10月に本人2名(2回目), 就労支援者2名,雇用者1名の合計5回のインタビューを実施した.利用者本人においては, 最初のインタビューから1年後も未就労の場合は,その後の生活状況を聞き取るための2回目 のインタビューを行った.インタビューの所要時間は1人約60分~90分で,場所は本人,就 労支援者,家族においては事業所の面接室を使用し,雇用者においては会社の会議室にて行 った.利用者へのインタビューを実施するにあたって,同意書での承諾後,調査者の自己紹 介や研究の主旨を紙面上に図や絵を書いて説明した.インタビュー時には,飲料等用意し緊 張しないよう工夫した.またインタビュー開始前には,途中で気分が悪くなった場合はイン タビューを中止できる等の事前の説明をしたうえで行った. 4.倫理的配慮 本調査は東洋大学研究等倫理審査委員会にて承認された文書をもって,調査協力者に対し て秘密保持に関する口頭説明をした.調査協力者の個人が特定できないように配慮すること を厳守する旨の誓約書を文書で提出し,同意書への署名に基づき承認を得た.本人と家族へ の説明,および同意書へのサインは就労支援者の同席のもとで行った.

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表1 調査事例の概要およびデータ収集対象者(斜線箇所はデータなし)

Ⅲ.結果と考察

1.知的障害者の体験しているリアリティ・ショックの構造 中長期的な離職の代表的なリスクとして,①習熟・慣れによる課題,②職場の変化,③生 活環境の変化,④心身の健康状態など,本人の個人要因によるものがあげられる(松為ら 2007).それ以外には,企業による都合として,事業規模の縮小,倒産等によるリストラ, 解雇の結果離職に至るといった環境要因による場合がある.本人のキャリアアップを目指し た転職による離職もあるが,知的障害者の離職要因の多くが先にあげた個人要因,環境要因 によるものが多い.本調査におけるリアリティ・ショックは上記のリスクの範疇であるが, そこに至るまでの変容プロセスをリアリティ・ショックの概念を用いて明らかにすることが できた.具体的には一般就労した知的障害者が職場を通して,自分の期待や組織での仕事, 所属の実際とのギャップに初めて出会うことから生じるリアリティ・ショックの側面とし て,①コミュニケーションに関するギャップ,②職務内容に関するギャップ,③生活基盤に 関するギャップ,という配慮の不足から生じる対人的要因,経験の不足から生じる技術的要 因,生活の変化に伴う社会的要因の3つのカテゴリーを抽出した.そこでのリアリティ・シ ョックは,就労意欲の阻害要因となるネガティブな側面として影響し,否定的な自己形成に つながっていた.各カテゴリーのデータを表2に示す.分析方法で示した手順によって抽出 した3つのカテゴリーについて,事例に基づき結果を述べていく.調査対象者の記述は『』 内,上位カテゴリーは【】,下位カテゴリーは「」に示す.次にリアリティ・ショックへの 対応として果たされた支援内容を明らかにし,就業意識への影響とその要因から離職後支援

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のあり方について考察する. 表2 知的障害者の経験しているリアリティ・ショック表2 知的障害者の経験しているリアリティ・ショック <5 ページ> カテゴリー データ コミュニケーションに関する要因 (事例1,2) 孤立による不安,対立的感情の生成,職場全体の不調和,接触への回避行 動,円環的な悪循環 職務内容に関する要因 (事例3,4,5,6,7) 想定外の業務,習熟による変化,突然の解雇,雇用形態の違い 生活基盤に関する要因 (事例1,3,4,6,7) 健康状態(心身面の不調),生活のリズム(余暇とのバランス),生活の変化 (親の高齢化) 1)コミュニケーションに関するギャップ 職場内のコミュニケーションに関するギャップとして,【孤立による不安】【対立的感情の 生成】【職場全体の不調和】【接触への回避行動】【円環的な悪循環】が示された.会社に起 因する離職理由として「上司やキーパーソンの異動」は期間満了や経営不振による離職に次 いで高く(電機神奈川福祉センター 2012),職場定着の成否を握る要因とされている(障害 者職業センター 2012).本人にとっての会社は目に見えている範囲が会社であり,そこで会 社と個人をマネジメントする上司は,本人にとってまさに会社の一部として認識されている. キーパーソンの不在により本人が感じた困難は職場内でのコミュニケーションの難しさとそ こに求める配慮として示された.「対人関係形成の調整」に関わる上司は,『周りの人も同じ ように教えてくれるようになった』など「同僚との潤滑油」,『いやだなって苦手な人がいた ら(上司)が一緒に話してくれた』など「同僚との摩擦回避」など職場内の人間関係の調整 役となる.職場内の「コミュニケーションが難しい」といった知的障害の特性に応じた配慮 は「上司への信頼感」を高め,『もっと仕事を覚えたい』など,上司や同僚との相互作用を とおして「職務情報の獲得」といった「組織社会化の進展」へとつながる.『失敗しても, 次に頑張ればいい』と失敗を叱責せず,何が悪かったのか,「一緒に確認する」ことで,『ど んどんやれる気持ちになる』という「経験意欲の増加」は『わからない時ははっきり言わな いとダメなんだ』と「自己の内省材料」としてフィードバックされる.上司や同僚との相互 作用は,本人の就労意欲となる内的な領域に関する知識の理解や自覚を促す結果となる.こ のように本人の就労における態度規定は,知的障害という障害特性に応じた配慮が影響して いることがわかる.そのため「上司やキーパーソンの異動」は本人にとって大きなリアリテ ィ・ショックとなる.キーパーソンの不在は【職場全体の不調和】に波及し,対人不安は 『自分は無視されている』『自分以外の人には笑っている』との【対立的感情の生成】へと変 化し,『わからないふりをする』『こっちも無視する』など上司への【接触への回避行動】と

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して形成される.『わからないふりをする』ことで上司から注意を受け,『障害者にごちゃご ちゃ言ってもわからない』と再び拒否的な態度を形成するなど,コミュニケーション上の 【円環的な悪循環】がみられた. 2)職務内容に関するギャップ 障害者職業センター(2012)による職場定着の進め方に関する調査において,知的障害者 の長期課題としてレベルアップへの対応があげられている.本調査においても雇用者による 本人へのレベルアップに向けた業務の変更は,本人にとって【想定外の業務】であり,雇用 者の「本人の能力への期待」と,そこに生じる「期待に応えられない現実」とのギャップを 感じている.本人にとって「水準を上回る業務」は 「失敗の積重ね」として体験され,これ は知的障害者の長期課題事例として,雇用者は「意外とできるので仕事を与えすぎ,できな いと本人のストレスになる」「入社後予想以上の理解力,学力,作業能力があり,レベルア ップした作業に従事するが,ラインのスピードについていくのが精いっぱいで,同僚との行 き違いが生じ,更に休むようになる」(障害者職業センター 2012:153)など同様の課題が あげられている.同じ職場に数年勤務することで生じる【習熟による変化】は,業務の慣れ により,職場内での作業指示の拒否や同僚への威圧的な態度としてみられる.本人による自 覚が難しく,同僚や就労支援者による注意や声掛けは,『自分の悪口を言っている』と受け 止めるなど態度の改善が困難となる.また障害者雇用の場合,多くが非正規社員であり会社 の経営状態によって人員削減となる場合がある.【突然の解雇】は,日々懸命に働く本人に とって解雇理由を受け入れることは困難である.『自分のどこが悪くて辞めさせられるのか』 『態度が悪いからなのか』と,携わった職務行動への否定化が示された.入職前から職業的 なイメージをつくるのが難しく,実際に職務に携わることで勤務条件を理解している.『朝 のラッシュは人込みでイライラしてしまう』『接客は嫌なのにやらされている』等,実際の 業務を通して職務行動に対する認識のギャップが示された.【雇用形態の違い】として,他 の同僚との比較から給与や有給休暇等の待遇の相違を職場の業務を通して理解し,障害者雇 用としての不利益を立場の違いからギャップとして感じている. 3)生活基盤に関するギャップ 就労生活は働くだけではなく就労と生活とのバランスが求められる.就労生活をするうえ で,【健康状態(心身面の不調)】,【生活のリズム(余暇とのバランス)】【生活の変化(親の 高齢化)】が示された.不安なことがあると『朝起きられない』『どこか遠くへ行きたくなる』 『電車に乗ったら降りたくなくなりそのまま乗っていた』など,職場で生じた課題に対して 他者に相談する方策がとれず,そのストレスは心身面の不調として現れる.『髪が抜け続け る』『いらいらすると眉毛を抜いてしまう』『朝会社へ行くときになると下痢や腹痛が起きる』

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など,抱える課題に応じて心身面に影響していることがわかる.生活のリズム(余暇とのバ ランス)においては,『仕事が終わったらすることがない』『お金の使い方がわからない』な どの地域で生活していくうえでの生活基盤を支える社会資源やサポートの欠如が示された. また壮年期の離職の場合(事例6,7),本人と親の高齢化といったライフステージ上の課題 が生じていた.事例4以外は親と同居し,経済的な支援を受けている.親が高齢化した場合 の経済的負担は大きい.就労意思のある本人と、将来への不安から本人の施設入所を望む家 族との就労生活における認識のギャップが示された. 2.リアリティ・ショックへの対応として果たされた支援と本人の変化 リアリティ・ショックへの対応として果たされた就労支援者による支援機能は,①引きこ もり防止,②感情の交流,③就労意思の確認,④情報提供,⑤問題解決に向けての合意形 成,⑥対等に向き合うための共通項の形成,⑦他機関との連携,以上の7つの機能が果たさ れていた.その内容を表3で示す.次にその具体的な支援および本人の変化と支援者の評価 から導かれた考察を述べていく. 1)果たされた支援内容 ① 体験した思いを共有する 事例における知的障害者のもつ自己イメージは,リアリティ・ショックの要因分析を通し て次のように理解できる.リアリティ・ショックは現実自己を評価する際の基準であり,ひ とり一人が目指す就労上の目標や行動の指針は,上司や同僚との相互作用が機能している. 実際の経験と自己のイメージとの間のずれが精神的不健康との関わりで指摘したのがロジャ ース(Rogers=2005 )である.自分を評価する自己イメージのうち,理想自己と義務自己 の必要性を述べたヒギンズ(Higgins 1989 )は,理想自己を自分自身について『~であり たい』と考えたり,人から『そうあってほしい』と求められていると感じる自己のイメージ とを説明し,義務自己は自分自身について『~であるべきだ』と感じたり,他人から『少な くともそうであるべきだ』と求められるイメージとしている.本調査の事例では,理想自己 よりも雇用された障害者として,上司や同僚からの『こうあるべき』とする義務自己から生 じるギャップからリアリティ・ショックを受けている.特に義務自己は現実の自分とのずれ から自己否定感を生じさせ,精神的健康を脅かす可能性がある.この状況は各事例のなかで 不満,悲しみといった落胆と関連した感情群を生じさせる.就労支援者は,Biestek(= 2006:54-55)による「クライエントの感情表現を大切にする」ことで,否定的感情を表現し たいというニーズを認識し,本人との「感情の交流」を図り,「引きこもりの防止」の目的 を含めた援助関係を構築していくことが重要となる.しかし,『そうあってほしい』という 理想自己が強化されるだけでは就労を継続していくことは困難である.就労支援者は,障害

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者個々のインペアメント(知的障害)に伴う『痛み』等の主観的経験(田中 2007 )を理解 し,本人の理想自己と義務自己とのバランスのよい柔軟な自己制御が図れるよう職場環境へ の調整が必要と言える.そのうえで本人の声に耳を傾け体験への共有化が必要となる. ②離職期における意思確認 定着支援を必要とする離職後支援過程として,「離職意思の確認」,「離職手続きの調整」, 「離職後の方針決定」の3つの過程があるが,なかでも離職支援の最も重要な過程として「就 労意思の確認」が挙げられる(松為ら 2007).本調査においても就労支援者は離職を確定す るために,障害者本人,雇用主,家族等のすべての意思の確認・調整に関わる.それぞれの 主張が食い違う場合には,綿密な情報収集が必要となる.7事例の離職理由は,個人都合に よる退職が3事例,会社都合による解雇(雇用期限切れも含む)は,4事例である.個人都合 により退職した場合(事例1,3),欠勤から休職,退職へとそのまま会社に行かず在宅とな った場合,離職後支援におけるキーマンは家族となる.本人への心理的サポート,家族を含 めた生活支援に関わる「情報提供」をするとともに「他機関との連携」を図る.離職後の就 労継続への可能性を残し,就労支援機関の就労支援者がキーパーソンとなり支援が継続され ている.「離職の意思確認」とともに「就労継続の意思確認」が必要な場合は,離職で生じ た「課題に対して対等に向き合う」ため,個別支援計画を本人とともに作成し,「問題解決 に向けての合意形成」が図られている.

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表3 離職期のエピソードおよび支援に関わる内容(斜線箇所はデータなし)表3 離職期のエピソードおよび支援に関わる内容(斜線箇所はデータなし)<8 ページ> 事例 No 本人の離職時の エピソード 家族の関わり 就労支援者の関わり 支援内容 1 仕事で言われていることが わからず,そんな時は「すい ません」て謝っておけばいい かと思った.謝るとまた「何 で謝るんだ」って怒られて嫌 になった.お母さんが悲しむ から仕事は辞めたくなかっ た. 母親の私がしっかりさせ なきゃと思い本人に無理 をさせた.「雇っていただ いている」という気持が強 く会社には何も言えなか った.体調不良が続きだす と本人の限界が見え辞め させたいと強く思った. 職場で上司が異動したことに より人間関係が悪化する.ジョ ブコーチとして職場の環境調 整に入るが改善されず,本人よ りも家族の強い意向で自己都 合による退職として進めた. ①引きこもり防止に向けて 家族と連絡. ②休職中は復帰を強要せず、 電話連絡や家庭訪問を定期 的に行うなど感情の交流を 図る. 2 職場でわからないことが多 くゆっくり言ってほしかっ た.わからなくなると適当に 答えればいいと思った,ちょ っと自分と違う感じの人ば かりだったから辞める日が 来てうれしかった.しばらく 仕事は始めたくない. 半分おどしみたいに仕事 に送り出し,なんとか働い てこれた.期限付きの退職 で「残念」というと「終わ ってよかった」と本人は安 心していた.言わないけど つらい思いをしていたん だと思った. 急に仕事のない生活になるた め,本人の就労意欲が低下しな いように働きかけた.本人のス テップアップにつながる就職 先が検討できるよう本人と家 族に説明する. ①本人の就労意思の確認. ②本人の成長を見極めた 情報提供. 3 人と話すのが苦手なため接 客業だったので毎日がつら かった.何度も辞めたいと就 労支援者に伝えるが,自分が 甘えていると怒られた.辞め たいことを就労支援者に伝 え続けた.最後は辞めれてよ かった. 「行かなきゃダメ」と返事 するしかしなかった.今ま でつらくても頑張ってき たので今回もなんとか乗 り切ってほしいと思った. 暴力が出てきたので限界 と思った.しばらくゆっく り休ませたい. 気持ちの安定が保てず常に不 安や不満をもっている.欠勤が 続き家庭内での暴力がみられ るため,本人と家族の意向を確 認し自己都合による退職で進 めた. ①問題解決に向けての合意 形成. ②生活支援、心理的サポート による他機関との連携. 4 1年ほど働くと周りからも っと早くやるように言われ る.無理してがんばっていた ら下痢と嘔吐が続き朝も起 きられない.2 か月休職した ら働きたくなくなった. これまで数か月としかも たなかったから今回はよ くがんばった.辞めたいな ら退職しゆっくり休ませ たい.福祉的な作業所で働 く方が本人にとっては楽 かもしれない. 休職中はグループホームの世 話人と連絡をとり本人の状況 を聞き取る.精神的不安定な状 況のため,心理職と連携し,本 人の気持ちを話せる場を設け た. ①生活支援、心理的サポート による他機関との連携. ②将来の生活に向けての 情報提供. 5 働いているとき、殴られるか と思って怖かった.親族から 普通の会社で働きたかった ら障害者手帳を持ったらと 教えられる.もっと早くその ことを知りたかった.早く仕 事を見つけたい. 本人が自分の障害や,職業につ いてどのように認識している のかを確認するため,個別支援 計画の作成を本人と行う. ①対等に向き合うための 共通項の形成. ②問題解決に向けての 合意形成. 6 中学を卒業して今まで普通 に働いてきた.会社がだめに なって,自分は辞めさせられ たけど,まだ働ける.姉はや めていいと言うから働かな くてもいいという気持ちも ある. 何度も解雇されてきた.50 代後半だから普通でも退 職する年だし,働かなくて もいい.施設でゆっくり過 ごせたらと思う.親もいな いので,きょうだいが本人 の老後にどこまで関われ るか不安だ. 会社都合による急な解雇のた め,本人の理由による解雇では ないことを本人に丁寧に説明 する.今後の求職活動につい て,姉と話し合いの場を設け る. ①本人の就労意思の確認, ②生活支援における他機関 との連携 ③地域生活に向けての情報 提供. 7 会社が危なくなるといつも 辞めさせられる.年をとって いるから辞めさせられたと 思う.仕事がなくて家にいる と,母親が怒って,『働け』 って言う.早く働きたい. 会社都合による急な解雇のた め,本人の理由による解雇では ないことを本人に丁寧に説明 する.今後の求職活動について 本人と話し合う. ①本人の就労意思の確認. ②生活支援における他機関 との連携.

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2)本人の変化と支援者の評価 ①リアリティ・ショックに対する具体的なアプローチ 就労支援者は就労意欲が低下した事例に対して以下の3点について働きかけている.1つに は,就労移行支援事業での利用者との作業を通して構築する「同じ目標をもつ同士の関係形 成」,2つめには互いの存在が相互により影響を与え合えるよう「同士が協力し合う場所の提 供」,3つめには一緒に行う作業プログラムを増やし,「同士が話し合う時間の設定」など問 題解決のためのシステムづくり,としての働きかけが,表4で示すとおり,本人への新たな 気づきや就労意欲の向上につながっている.Goffman(=1970:184-5)は,内集団への帰 属のうちの1つとして同憂同苦の仲間から成り立つ集団(aggregate)をあげ,「同一のステ ィグマをもつ故に恐らく彼が経験しているのと同一の挫折感を味わっている人々の集団を指 し,そこに属することでスティグマのある者が常人と接している時自分と同類の特別な価値 と貢献を称賛する」としている.離職後の就労移行サービスの利用者はその意味で同じ体験 をし,同じ思いで再度就労したいと考えている集団といえる.この相互作用はグループワー クにおける相互援助システムとしての機能を果たしている.利用者同士が問題解決に向けて お互いに影響を与え,相互に共感することで自分との相違点を認識する.就労移行支援の2 年間という限られた時間と空間を共有することで情報の分かち合いや相互の共感的支持によ り,『誰にでも相談できるようになった』など問題解決へのバリエーションを増やすことで 就業意欲を高める効果を果たしている.知的障害領域におけるコミュニケーション上の困難 は,本人のおかれた状況,障害特性から本人の意思の伝達,意思の有無,意思の確からしさ のすべてにおいて問題が潜んでおり(衣笠 2009),そのため限られた移行支援期間という条 件のもと,就労支援者の思い込みや押しつけが生じやすい.離職の体験から悲観的な感情を 受け止め,「したくないこと」への意向に添うだけでなく,利用者同士との様々な状況を通 して,本人の成長を見極めた多面的なアセスメントをすることで,より本人を中心とした具 体的な就労移行への実践が可能となる. ②就労移行におけるソーシャルワークへの示唆 リアリティ・ショックへの対処が困難となり欠勤,休職,退職のプロセスの間に,1年~1 年半ほど自宅に引き籠る実態がみられた(事例1,3,4).森本(2011)は「支援困難事例」 の特徴として「支援の中断」をあげ,本人の精神状態は極めて不安定であり問題が複雑化し ている場合に支援が途絶えてしまう実態から,知的障害が軽度な人や知的能力が境界値にあ る人の支援体制の不備とその必要性をあげている.本人の障害に関しては知的障害と自閉症 スペクトラム,精神疾患等の重複障害の場合(事例3,4),本人の精神状態が不安定な場合 (事例1,3,4),本人の家族への暴力(事例3)や反社会的行為(事例4)に対しては,医療 機関や心理職などの他機関、他職種との連携が求められる.また離職後は本人と同様にその

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家族にも不安定な精神症状がみられた.軽度の障害者の場合,地域で利用する社会資源が欠 如している状況から,本人を含む家族全体が地域から孤立してしまう現状がある(事例1,3, 4).また不安定な精神状況から本人の「退行」症状がみられ,日常生活においても支障が生 じる(事例3).本人や親の高齢化に伴う生活の変化においては(事例6,7),地域生活の基 盤づくりや将来的なゴールを設定し,将来のビジョンをもてるような情報提供と理解できる 説明が求められる。このように離職後支援は本人,家族を含め就労上の課題から生活全般に 及ぶ課題への対応が含まれる.そのため離職のきっかけとなるリアリティ・ショックの反応 やその対処など,その体験を本人がどのように受け止め,就業意識に影響したのかを横断的 に見据えた,一貫した対応と支援機関との連携が求められる. 表4 本人の変化と支援者の評価

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Ⅳ 今後の課題

本研究では,継続的な離職後支援事例から本人の体験をリアリティ・ショックの概念を用 いて,離職支援における本人の就業意識の変容を明らかにすることができた.また本人と就 労支援者との相互作用を通して,本人の就業意識に影響する支援内容を提示することができ た.これらの結果から得られたコーディングを,「リアリティ・ショックにおける本人の就 業意識の変化とその要因」として,就業意識の変化を示したのが図1である. 図1 リアリティ・ショックにおける本人の就業意識の変化とその要因 リアリティ・ショックからの回復には,仕事を失うといった経験とそこに生じる問題を劇 的に克服して肯定的なものを獲得するというより,就労移行支援サービスでの日々の活動に おける就労支援者や利用者同士の感情の交流を通して,離職後に生じた課題を継続的に解決 するプロセスが必要である.そこでは離職後の定着を主眼においた支援よりも,離職前後の 本人の体験に注目し,本人が感じる社会との相互関係から生じる不利益に対して,ともに向 き合うことで支援の方向性が明らかにできると考えられる.なお本研究は質的研究の方法を 用いたものであり一般化への限界がある.更に離職後支援の事例を増やし,離職から再就職 に至る生活の再構成をとらえていくうえで,内部・外部の環境要因との交互作用を分析して いくことが今後の課題である. 本研究は,2012年度学術研究助成基金助成金 基盤研究(C)(課題番号24530729)「知的 障害者の離職プロセスを手がかりとした就労支援モデルの構築」による補助を受けた.

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1) 就労移行支援事業における報酬の支払いは,障害者自立支援法以降,低額月払い方式から原 則として24か月の有限付きサービスの日払い方式のため事業所の安定した運営が難しく,ま た定着率が事業所への報酬加算に大きく影響することから,就労支援者は競争原理に基づく 利用者の獲得に奔放する事態も生じるなかでの取り組みと考えられる. 2) 実際に毎年厚生労働省が実施する「ハローワークにおける障害別職業紹介状況」では,軽度 知的障害者は「その他の障害」で集計されるが,実態としては『知的障害』『精神障害』にも 集計されており,「軽度」知的障害者および「発達障害」は他の障害との間で周辺的な対象と なりその実態が把握されていないことが報告されている(障害者職業総合センター2007). 3) 知的障害においては,語りの表現が制限されたものになることや(Schalock =1994),インタ ビューという場における調査者の権力行使による意味世界の剥奪(鶴田 2006)など,インタ ビューするうえでの課題が示されている.その課題に対し,一例ではなく複数例による本人 の語りから共通するパターンを見出した研究(杉田 2011)やコンピテンスをキー概念に環境 との相互作用を通して個人の発達をとらえた研究(陳 2007)は,個人の語りをパターンや頻 度を分析視点としたトライアンギュレーションの手法によりデータの成立過程を明らかにし ている.本研究においても,エピソード・インタビュー法を用いてトピック領域のへの方向 づけとして,写真や絵やインタビュー・ガイドを用いてデータの成立過程を明らかにしてい る.

文献

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Summary:

This research focuses on the reality shock that intellectually disabled persons feel when they work under ordinary employment conditions. We looked at some cases of resignation to analyze how they thought and grasped the working experience through the interactions with their surrounding environment and how their work awareness was influenced. Specifically, we interviewed seven intellectually disabled persons who had used job assistance service after resigning from a job and conducted a qualitative data analysis. As a result, we clarified that the reality shock that intellectually disabled persons felt consists of three factors: 1)The communication gap, 2)The job behaviors gap, 3)The local infrastructures gap. They are interpersonal factor, skills factor and social factor respectively. These factors lead to negative self-evaluation. However, we found out that interactions between the processes in which job assistance service personnel understands the intellectually disabled persons and the intellectually disabled persons understand themselves can result in the positive self-reevaluation and increasing motivation to work.

Key words: intellectually disabled persons, reality shock, resignation, transition support for employment

Its influence on their work awareness and

its factors that intellectually disabled persons

encounter when working :

Focusing on The reality shock

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